膨大な評価シートを削減。自動車業界のDX化の取り組みとは
トヨタ新大阪販売ホールディングス株式会社 管理本部 管理副本部長
笹井 薫 様
トヨタ新大阪販売ホールディングス株式会社 管理本部 人事グループ部長
岡田 龍二 様
- 卸売・小売業
- 1001名~
- ペーパーレス化を進めたい
- 人材データを一元管理したい
- 人事評価や目標管理の運用を効率化したい
- 評価の納得度を向上させたい
- 人事制度の見直しをしたい
- タレントマネジメント
HRBrain導入開始:2022年09月01日
膨大な評価シートを削減。自動車業界のDX化の取り組みとは
- 課題背景
- 以前の人事制度は成果報酬型の傾向が強く、技術を磨いていくエンジニア職には合わなかった
- 等級と職種に沿った評価シートをエクセルで運用していたが管理するシートの数が膨大となっていた
- 打ち手
- 紙で管理していた評価シートをHRBrainで一元管理する
- 効果
- 評価シートの集計や職種別のソートなど効率化ができるようになった
- 現場からのHRBrainの入力方法についての問い合わせは少なく、順調に運用できている
トヨタ新大阪販売ホールディングス株式会社の管理副本部長である笹井薫様、人事グループ部長の岡田龍二様にHRBrainを導入した目的、おすすめポイントを伺いました。
Q.「トヨタ新大阪販売ホールディングス株式会社」の事業内容・形態を教えてください。
笹井様:
トヨタ系列および、フォルクスワーゲン、ダイハツのカーディーラー店舗を、大阪北部に配し、新車・中古車の販売や車検・点検など、きめ細やかなサービスを提供しております。
また、大阪府全域で、レンタカー・カーリース事業を展開しています。
従業員数(正社員)は1,219名(男性990名・女性229名)です。
評価シートの共通化をはかるために、エクセル運用から脱却
Q.HRBrain導入前の状況について教えてください。
笹井様:
従業員の満足度調査で人事制度に対する課題が多くあったことを受けて、2021年度から人事制度を抜本的に見直すプロジェクトがスタートしました。
以前の人事制度は成果報酬型の傾向が強く、営業職には受け入れられやすかった反面、コツコツ技術を磨いていくエンジニアにはそぐわない面がありました。
そこで営業部門・サービス部門・間接部門にとって納得感の生まれる評価を目指し、成果報酬型の利点を残しつつ、プロセスを重視する新しい人事評価制度に変更しました。
しかし、等級と職種に沿った評価シートを作成した結果、管理するシートの数が爆発的に増えてしまいました。
営業・営業支援・エンジニアなど5つの職種のほか、さらに管理職と一般職、資格の取得状況によってもシートを分ける必要があったからです。
岡田様:
評価シートの共通化をはかりましたが、それでも80シートが残りました。
新制度の導入に合わせて増大する評価シートを今までのような紙の運用では不可能と判断し、システムを導入する運びとなりました。
なおトヨタの販売店に提供されているシステムは、給与計算が基本で、そこに付随する人事機能のみが利用できます。人事評価・労務管理まわりのシステムはありません。
Q.評価シートの問題点を詳しく教えてください。
岡田様:
評価シートは紙での運用後、エクセル・アクセスなどを使いつつも、膨大な量をほとんど手作業で集計していました。
また、評価シート自体にも問題がありました。
評価シートの共通化をすすめたために、従業員によっては「担当していない仕事の評価欄がある」「仕事のニュアンスが違う」といった状況が発生してしまいました。
Q.HRBrain導入の経緯、導入の決め手を教えてください。
岡田様:
「人事評価の見直し」はもともと社長も入り、役員が検討していた内容であったため、人事システムの導入はスムーズに決定しました。
多くの人事システムのなかから、以下3つの観点で絞り込み、最終的にHRBrainに決定しました。
- 従業員の昇格・昇進の変遷がシステムで閲覧できるもの
- 人事評価だけではなく労務管理までカバーできるもの
- 将来的に給与の仕組みと連動できるもの
上記の機能面もそうですが、ほかの人事システムと比較して「扱いやすかった」という点も決め手です。直感的に操作できる点が魅力的でした。
また、ほかの人事システムの場合、導入後は共通のサポートセンターへ案内されることがほとんどです。しかしHRBrainの場合、導入後も担当者からきめ細やかなアフターフォローが受けられます。
とくにこの点は、導入後にありがたさを実感しました。
評価シートの集計や職種別のソートをすることで効率化を実現
Q.HRBrainの運用をし始めて、導入前に抱えていた課題の解決状況はいかがですか。
岡田様:
2023年度の春から導入を開始したため、まだ年度評価が完了していない状態ではありますが、評価シートの集計や職種別のソートなどの点で、効率化ができています。
Q.経営や現場から、どのような反響がありましたか。
笹井様:
エンジニアは車と向かい合って仕事をしているため、普段はパソコンに触る機会がありません。
今回、HRBrainを導入するにあたって、従業員ひとりひとりにメールアドレスを割り当てました。しかし、半年に一度の評価のため、HRBrainにログインする際に、「メールアドレス・パスワードを忘れた」という従業員もいました。
HRBrainには、メールを送付できる機能もありますが、こうした状況を踏まえて従業員には電話などで「メールを送ったよ」と伝えている状況です。
ログインまでがひとつの壁ではあったものの、HRBrainの入力方法についての問い合わせは少なく、HRBrainに決めてよかったです。
人材を「財産」として、入社から退職に至るまでの一連の流れ・評価の変遷をきちんと把握し、DX化していく
Q.HRBrainの今後の活用について教えてください。
笹井様:
いま、自動車業界は大きな変革期にきています。
とくにディーラー業界の離職率の高さと採用面での厳しさは大きな課題です。
店舗や職場環境のハード面の改善はもちろん、人事制度などのソフト面においても改善が必要です。
人事機能はHRBrainに統合し、今後は人材を「財産」として、入社から退職に至るまでの一連の流れ・評価の変遷を人事としてきちんと把握し、DX化していくことを考えています。
昔の「車を持つことがステータスだ」といわれていたころから、いまは「車はただのツールで、レンタルやシェアリングでいい」といったふうに、時代は変わってきています。
そういった時代の流れを受けて「車」が好きだという若い方が少なくなり採用も苦戦しています。
岡田様:
自動車整備という職種は、人材不足に陥っています。
エンジニアは整備作業中に油まみれになることが多く、それが不人気の原因でもあります。また「夏は暑くて冬は寒い」という屋外同様な工場での整備作業もネックだと言えます。
そこで、いまは空調のきいた建物内で作業ができるようにハード面を整えているところです。
納得性のある評価を受けられないと、従業員はバタバタと辞めてしまいます。離職防止のためにも、力を入れて人事制度を整備していきたいと考えています。
将来的にはHRBrainのタレントマネジメントや組織分析などの機能についても、積極的に使いこなしていきたいです。
Q.自動車業界の人事システム導入についてどのようにお考えですか。
笹井様:
トヨタの販売店はオーナー企業様がメインです。
各オーナー企業様の方針・母体の大きさ・仕組みなどによって導入のしやすさについてはばらつきがあるため一概には言えませんが、当社に似た業態の企業様であれば、導入はじゅうぶんに可能です。
Q.これから人事システム導入を検討する企業様にメッセージをお願いします。
笹井様:
DX化といわれるなか、人事情報の管理については、見過ごされがちです。
しかし、従業員情報のきめ細やかな管理・活用こそが、生産人口の減少するこれからの時代、より重要になっていきます。
人事システムの活用は、これからの時代、より必要とされるでしょう。
そのなかでもHRBrainは、システムの扱いやすさ、サポートの充実度、機能の幅広さ、アップデートの頻度などの観点から、総合的にポイントが高いと感じています。
※掲載内容は、記事公開の2024年2月時点のものです。