【2023年】人事評価制度の事例7選!人事評価システム導入方法や話題の事例を紹介
- 人事評価制度とは
- 人事評価制度のメリットとデメリットを把握する
- 人事評価制度の導入手順
- 新しい人事制度
- 人事評価事例
- 人事評価事例:株式会社日比谷花壇
- 人事評価事例:株式会社メルカリ
- 人事評価事例:花王株式会社
- 人事評価事例:ダイキン工業株式会社
- 人事評価事例:株式会社ディー・エヌ・エー
- 人事評価事例:Chatwork株式会社
- 人事評価事例:カルビー株式会社
- 人事評価制度に「OKR」を導入する方法
- タレントマネジメントシステムで「OKR」や「1on1」を管理
人事評価制度の最適化に向けた改善と運営は、企業にとって大きな課題の1つです。
そのような中、新しい評価制度として「MBO」や「ノーレイティング」などの導入を検討している企業も多くなっています。
この記事では、最新の人事評価制度を導入し成功した企業の導入事例を中心に、最新の人事評価制度について解説します。
人材を成長させる人事評価制度のポイント
人事評価制度とは
人事評価制度とは、従業員の評価や給与への反映、処遇を、企業として制度化したものです。
企業ごとに、さまざまな方法が取られていますが、評価、報酬、等級の3つのシステムを組み合わせたものが多くみられます。
日本の人事評価制度は、勤続年数や年齢に応じた「年功序列制度」が主流でした。
しかし、1990年代以降、「成果主義」の導入や、オーストリアの経営学者であるピーター・ドラッカー氏が提唱した「目標管理制度」である「MBO」(Management By Objectives and Self-control)が、評価制度に取り入れられるようになりました。
ですが、MBOも運営をしていく上で課題が見えてきたため、従業員のパフォーマンスを最大化させるため、さまざまな新しい手法が試されています。
▼「人事評価制度」についてさらに詳しく
人事評価とは?解決すべき9つの課題と人事評価制度のメリット5つを紹介
▼「MBO」についてさらに詳しく
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人事評価制度のメリットとデメリットを把握する
人事評価制度の導入や運用には、さまざまなメリットとデメリットがあります。
「360度評価」や「リアルタイムフィードバック」「ノーレイティング」などの、新しい人事評価の手法もメリットばかりでなく、必ずデメリットがついてきます。
自社に、新しい人事評価制度を導入する際は、社内で優先順位を確認し、それぞれの人事評価制度のメリットだけでなく、デメリットも確認したうえで取り入れるといいでしょう。
▼「360度評価」についてさらに詳しく
360度評価とは?メリットとデメリットや評価項目とフィードバック方法を解説
▼「ノーレイティング」についてさらに詳しく
管理職が給与を決定!?ノーレイティングについて徹底解説
人事評価制度の導入手順
新しい人事評価制度の導入には、人事部だけでなく、経営陣の協力が必要になります。
新しい人事評価制度の導入手順を間違ってしまうと、社内で混乱を招くだけでなく、従業員のモチベーションに響く恐れがあります。
導入は段階を踏んでアナウンスし、コンセンサスを取りながら進めるのがおすすめです。
また、新しい人事評価制度を導入する際は、人事評価システムを用いて工数の削減や導入の手間を減らすことも検討すると良いでしょう。
▼「人事評価システム」についてさらに詳しく
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人事評価にシステムを使うべき3つの理由
新しい人事制度
「MBO」(目標管理制度)は、労務行政研究所が2013年に行なった調査では、88.5%の企業が導入をしていました。
しかし、このうち31.3%が「制度を見直す予定がある」と回答しています。(※1)
日本が成果主義のモデルにしていた米国では、いち早くMBOの見直しが始まり、新しい人事制度として、従業員のランク付けを廃止する「ノーテイティング」を導入する企業も増えています。
ノーテイティングが導入される背景には、社員のランク付けを廃止することで、社員間のコミュニケーションや会社へのエンゲージメント(愛社精神)を高める方向へ力をいれていく企業が増えたことにあります。
このような、新しい概念は、「新パフォーマンスマネジメント」と言われており、米国での新しい人事制度のトレンドになっています。
(参考)WEB労政時報「第1回 目標管理が人事制度の一部だとの思い込みから脱出する」
人事評価事例
人事評価制度は、企業のパフォーマンスに大きな影響を与えます。
新しい人事評価制度を取り入れた事例7社について、確認してみましょう。
人事評価事例:株式会社日比谷花壇
株式会社日比谷花壇は、フラワーショップの経営をはじめ、イベントプロデュース、ウエディングフラワー、EC、フラワーギフト・デザインの企画、制作、販売、フューネラル(葬儀)などの事業を展開しています。また、緑を活用した内装・造園事業も行っています。人事評価が20年前から抜本的な見直しがされないまま運用され続けていたことや人事システムの使いづらさに課題を感じていました。
課題
長期間見直しがされていなかった人事制度に「基準があいまい」「上長によって評価にバラつきがある」などの問題があった
各店舗に1台しかパソコンがないことやシステムの使いづらさから、人事システムを「賞与のためだけに入力するもの」と認識されていた
課題解決のカギ
一目見たらわかる仕様と画面で操作できるタレントマネジメントシステム「HRBrain」を導入
「HRBrain」導入と同時に人事評価制度を20年ぶりに刷新
資格や独自の「今後やってみたいこと」など、社員の情報を「HRBrain」に一元管理して可視化
システム導入効果
社員名簿から従業員の顔写真とパーソナルな情報が見られるため、人事評価しやすくなった
設立72年目にしてはじめて、対象の従業員全員が目標を入力できた
「HRBrain」上で社員が自ら情報を取得し、キャリアに活かす動きが出てきた
導入システム
HRBrain 人事評価
▼資料請求
HRBrain 人事評価 資料請求
導入事例
「20年ぶりの人事評価制度刷新とタレントマネジメントの活用」
株式会社日比谷花壇 | 導入事例
人事評価事例:株式会社メルカリ
株式会社メルカリは、2013年設立のフリーマーケットアプリを運営する会社です。
「限りある資源を循環させ、より豊かな社会をつくりたい」を掲げ、わずか設立より5年で東証マザーズに上場しました。
グループ計約1,700人の従業員が働いていますが、平均年齢が33.5歳と若く、マネジメントする側もされる側も年齢が近いのが特徴です。
同社は、2015年より「OKR」(定量評価)と「バリュー評価」(定性評価)の2つを主軸とし、四半期ごとに評価を実施しています。
OKRは、GoogleやFacebookが導入して注目されている組織マネジメントの手法ですが、株式会社メルカリでの導入当時は、日本には事例が少なく、英語の文献をあたってリサーチすることからはじめました。
OKRでは四半期ごとに設定した、OKRに対する達成のプロセス中にみられた成果やパフォーマンスを確認し、達成度合いではなく「プロセス」の部分を重要視しています。
また、バリュー評価ではメルカリのバリューである「Go Bold(大胆にやろう)」「All for One(全ては成功のために)」「Be a Pro(プロフェッショナルであれ)」を実践できているかどうかを確認し、上司と部下で話し合います。
3ヶ月という短いスパンでOKRと向き合うことで、会社がどのようなフェーズなのかが伝わりやすくなり、チャレンジングなカルチャーができていると評価されています。
(参考)DIO「OKRのリアルなハナシ〜(株)メルカリの場合〜」
株式会社メルカリ
▼「OKR」についてさらに詳しく
Googleやメルカリも導入する目標管理手法、OKRの基礎知識
目標意識を高め、飛躍的な成長を実現する「OKR」入門書
人事評価事例:花王株式会社
花王株式会社は、1887年創業の日本でも屈指の老舗企業です。
同社は、家庭用品の製造販売を行う国内最大手ですが、従業員数は単体だけでも約8,000人を超え、連結では33,000人を超えます。
2020年12月に、2021年1月から人事評価制度を刷新することを発表しました。
新しい人事制度として、OKRを取り入れ、社員の自立を促すとして、ベンチャー企業ではない、歴史のある大企業がOKRを取り入れたことで、注目が集まっています。
花王株式会社では、もともとKPIに基づいた目標管理制度で社員評価を行なってきました。
しかし、デジタル革命による社会環境の変化の早さや、「ESG」(環境、社会、企業統治)を尊重する風潮などの対応に迫られ、企業が継続的に成長するために、変化を先取りした人材戦略の必要性を感じ導入を決めたそうです。
良質なリーダーの育成と、良好な従業員との労使関係を築くことで、従業員のエンゲージメントやモチベーションを向上させ、組織全体の生産性をアップさせることを狙っています。
花王株式会社でのOKRの取り組みは始まったばかりのため、まずは浸透から始めるようですが、2030年を見据えた「ありたい姿」の実現を目標にしています。
(参考)日経ビジネス「人事評価に「OKR」 花王が目指した社員の自立」
(参考)Human Capital Online「花王がOKRを全面採用―社員の『やりたいこと』を引き出すために」
花王株式会社
▼「従業員エンゲージメント」についてさらに詳しく
従業員エンゲージメントとは?向上施策・事例も紹介
人事評価事例:ダイキン工業株式会社
ダイキン工業株式会社は、空調、冷凍機の分野で家庭用だけでなく商業用でも成功し、2010年には空調事業でグローバルNO.1を達成し、売り上げの約9割が空調事業の企業です。
同社は、厳しい「成果主義」を取り入れて成功していますが、同時に希望者は70歳まで再雇用する、産後の休暇や育児休暇を取りやすいなど、従業員が自分の人生設計にあわせて働きやすい環境を整えていることでも有名です。
長く働ける、または休みやすい環境を提供する代わりに、仕事に復帰したら会社へ貢献してもらうというスタンスです。
2020年度に管理職には、「AI」(人工知能)や、「IoT」(モノのインターネット)への知識が必須の人事制度を導入しました。
営業や事務系を含む幹部全員が、先進のデジタル技術を理解し、企業の競争力を高めるために、人事制度を利用しています。
新しい人事制度を取り入れるのではなく、成果主義を継承しながら、従業員のエンゲージメントを高める施策を取ることで成功している事例といえます。
(参考)ニュースイッチ「管理職はAI・IoTの知識必須、ダイキンが新人事制度」
(参考)ITmedia「ダイキン、希望者は70歳まで再雇用『最前線でベテラン活躍』後押し:賞与は4段階」
(参考)@人事ONLINE「成果主義は社員を大切にすることから。守島基博が語る『人事の盲点』」
ダイキン工業株式会社
人事評価事例:株式会社ディー・エヌ・エー
株式会社ディー・エヌ・エーは、インターネットやAIを活用し、モバイルゲームの開発配信や電子商取引サービスを行う会社です。
同社では、半期に一度人事評価を実施し、評価は「成果」(業績)と「発揮能力」(成長度合い)の2つを確認することで決定されます。
他にあまり例がないのが「発揮能力」という項目ですが、この「発揮能力」も成果目標と同じように「成長目標」を上司と部下で話し合い、「強みを伸ばす(弱みを克服する)ためになにをするか」を話し合います。
さらに成果はボーナスに、発揮能力は基本給へと分かりやすく反映される仕組みになっています。
また株式会社ディー・エヌ・エーでは、約130名のマネージャーに対し、「360度評価」を実施していますが、特徴的なのがこの360度評価が「実名」で行われることです。
360度評価は無記名のことが多いのですが、あえて実名にすることで、マネージャーと部下との信頼関係が作れるとしています。
ただし、この評価内容は給与への反映ではなく、フィードバックが主な目的となっています。
評価が給与へ分かりやすく反映される仕組みと、評価内容の透明性が従業員のモチベーションアップにつながっている事例といえるでしょう。
(参考)SELECK「上司・人事の承認ナシで異動OK!3ヶ月で20人超が利用した新人事制度・シェイクハンズ」
(参考)あしたの人事オンライン「DeNAの人事制度に学べ!(前編) 基本給は『成果』ではなく『成長』で決まる!?」
株式会社ディー・エヌ・エー
▼「フィードバック」についてさらに詳しく
フィードバックとは?意味や効果と適切な実施方法をわかりやすく解説
人事評価事例:Chatwork株式会社
Chatwork株式会社は、2004年に設立された、ビジネスコミュニケーションツール「Chatwork(チャットワーク)」の開発運営と、ソフトウェア販売を行う企業です。
設立当初は同社には目標設定の文化がなく、メンバーの評価に統一の基準はなく、マネージャーが集まり業務内容を共有することで、全従業員を評価していたそうです。
しかし、従業員が50〜60名を超えた頃に、他の従業員の業務が分かりづらくなり、評価が難しくなったため、2017年より「OKR」を導入することにしました。
OKR運用開始時は、OKR目標を低めに設定し、評価が下がらないような保守的な行動をするようになるなど、課題がでてきたそうです。
そこで、2018年からはOKRを「達成率」ではなく、「チャレンジ度」で評価する方向へ変更しました。
現在、業績評価、行動評価、全社の業績で評価をしていますが、業績評価にOKRによるチャレンジ度の評価を反映しています。
評価は半期に1回ですが、OKRは四半期に1回として、サイクルを短くすることで、変化の激しい同社でも、目標と業務内容の乖離ができるだけ生まれないような仕組みにしました。
このように、人事評価の制度は「カッコつけない」「完璧を求めない」「継続して改善していくこと」を前提とし、中長期的な成長を目標としているそうです。
(参考)HITO-Link「【OKR最前線vol.2】ChatWork流『完璧を求めない』『カッコつけない』理想の会社に近づけるためのOKR運用」
Chatwork株式会社
人事評価事例:カルビー株式会社
カルビー株式会社は、1949年設立の、お菓子の製造販売会社としては国内で知らない人のいない企業です。
同社では、従来「職能資格制度」と「スキル評価制度」を昇級と昇格考課に使っていました。
しかし、2010年にトップが交代したことで、「成果主義」の人事評価制度へ移行し、さらに、2012年からは「ノーレイティング制度」に取り組んでいます。
現在では「C&A(Commitment & Accountability)」という目標管理の制度を使い、「1on1」でマネージャーと部下がコミュニケーションをすることで評価を決定しています。
期初に1年間の業務内容と目標のコミットメントを決め、その成果で賞与への反映や、昇格・降格を考慮します。
このコミットメントや成果はイントラネットで公開されることで、従業員同士が納得できる仕組みづくりになっています。
さらに、ノーレイティングにしたことで、人事評価の集計や、面接、昇給・昇給試験などの工数から人事が解放され、最終的にはコミュニティシートに出来るだけ目を通すことが人事の仕事になりました。
結果として、人事が問題意識を持ってコミュニティシートをみることで、次年度へのコミットメント設定や、ガイドラインへ組み込んでいけるようになっています。
▼「1on1」についてさらに詳しく
1on1とは? 従来の面談との違いや効果を高めるコツ
1on1ミーティング入門書
人事評価制度に「OKR」を導入する方法
高い目標を達成するための「目標管理方法」として、注目されている「OKR」は、Googleが人事制度に採用し、日本でも注目されている、新しい人事評価制度の1つです。
ですが、OKRはまだまだ活用事例が少なく、自社への導入方法に困っている企業も多いのが現状です。
人事評価制度に「OKR」を導入する方法として、OKRの基礎知識、実際の運用や活用の流れなど、OKRの基本について確認してみましょう。
目標意識を高め、飛躍的な成長を実現する「OKR」入門書
この資料で分かること
OKRとは
OKRを効果的に活用するためのポイント
OKR運用のチェックリスト
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OKRがわからない方
OKRの導入事例を知りたい方
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タレントマネジメントシステムで「OKR」や「1on1」を管理
「HRBrain タレントマネジメントシステム」は、従業員の目標設定から評価までのオペレーションの全てを、クラウド上のソフトウエアで効率化することが可能です。
また、異動情報、人材教育履歴、スキルマップなどの「人材データ」や、MBOやOKR、1on1などの最新のマネジメント手法の運用ができ、新しい人事制度の導入や推進に役立ちます。
HRBrain タレントマネジメントの特徴
検索性と実用性の高い「データベース構築」を実現
運用途中で項目の見直しが発生しても柔軟に対応できるので安心です。
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従業員、上司、管理者それぞれで項目単位の権限設定が可能なので、大切な情報を、最適な状態で管理できます。
人材データの見える化も柔軟で簡単に
データベースの自由度の高さや、データの見える化をより簡単に、ダッシュボードの作成も実務運用を想定しています。
▼「タレントマネジメント」についてさらに詳しく
【完全版】タレントマネジメントとは?基本・実践、導入方法まで解説
タレントマネジメントシステムの課題とは? 目的・導入の課題と成功事例まで
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