キャリア自律とは?デメリット・施策・企業の成功事例を解説
人材データの一元管理を実現し、あらゆる人事施策の実行をサポート
- キャリア自律とは
- キャリア自律と似た用語との違い
- なぜキャリア自律が求められるのか?
- 企業が従業員のキャリア自律を支援するメリット
- 企業が従業員のキャリア自律を支援するデメリット
- 従業員にキャリア自律を促す方法
- キャリア研修を実施する
- 各ポジションの透明性を高める
- 社内公募制度などの制度を充実させる
- スキルアップの支援をする
- 上司と部下の1on1面談を活性化する
- キャリア相談窓口を設置する
- タレントマネジメントシステムを活用する
- キャリア自律の促進におすすめのシステム「HRBrain タレントマネジメント」
- キャリア自律支援に取り組む企業の事例|株式会社日比谷花壇
- キャリア自律を促進して、さらなる成長を遂げよう
「キャリア自律について、企業としてどう対応すべきか知りたい」「離職者が増えそうで、キャリア自律の促進をためらっている…」という方のために、キャリア自律の定義や必要性をまとめました。また、キャリア自律を導入するメリット・デメリットのほか、具体的な促進方法や成功事例も紹介します。
「キャリア自律は離職につながる」と考え、従業員のエンゲージメント低下や優秀な人材の流出リスクを高めてしまわないよう、正しい情報を確認していきましょう。
キャリア自律とは
キャリア自律とは、従業員が自らの意思でキャリアを考え、組織のビジョンや戦略と結びつけながら、主体的に行動することです。
社内でキャリアの選択肢や成長機会を提供することは、エンゲージメントや定着率の向上につながります。従業員自らのスキルで、理想のキャリアを実現できる環境を作れば、企業の成長をさらに促進できます。
キャリア自律を促すと離職が増えるという懸念がある場合は、「組織内でキャリア形成ができるかどうか」という視点をもち、適切な対処によって企業と従業員の両方にメリットがある点を把握しておきましょう。
キャリア自律と似た用語との違い
「キャリア自律」は、組織に貢献しながら主体的にキャリアを築くことであり、「キャリア自立」は、特定の組織に依存せず、個人で生計を立てる状態を指します。
ほかにもキャリア自律と似た用語にキャリアオーナーシップがありますが、明確に定義されていません。キャリア自律と同義と考える場合もありますが、キャリアオーナーシップは市場環境や社会のニーズなど自身の外側に意識を向けるキャリア設計であると考える場合があります。
自身の内側に注目してキャリア設計をするキャリア自律と、キャリアオーナーシップは異なると考えるケースもあることをおさえておきましょう。
なぜキャリア自律が求められるのか?
キャリア自律が求められる理由は、以下の表をご覧ください。
理由 | 詳細 |
---|---|
働き方の多様化 | ・終身雇用の崩壊 |
専門性の重視 | ・ジョブ型雇用への移行 |
人生100年時代 | ・65歳までの雇用確保措置の浸透 |
企業に求められることは、従業員のキャリアを「管理」から「支援」へと役割を転換し、変化に強い組織を作ることです。従業員目線で見ると、市場価値を意識して専門性を磨き、長期的な視点でキャリアを自律的に築くことで、理想のキャリアに近づけるでしょう。
企業が従業員のキャリア自律を支援するメリット
従業員のキャリア自律を支援するメリットは、以下の通りです。
メリット | 詳細 |
---|---|
採用競争力の強化 | リスキリングの学習予算や社内公募制度が強みとなり、成長意欲の高い人材を惹きつけられる。 |
エンゲージメントの向上 | 従業員がキャリアの主導権をもつことで、会社への信頼と貢献意欲が高まる。 |
組織力が高まる | 前向きに働く従業員が増えることで、組織全体の生産性が高まる。 |
イノベーションの創出 | 意欲的な学びが、新しいアイデアの創出につながる。 |
上記のようにキャリア自律を支援すると、従業員の意欲向上、採用力と組織力の強化によって変化に強く、持続的な成長を遂げる企業へと成長できます。
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企業が従業員のキャリア自律を支援するデメリット
キャリア自律を支援するデメリットは、以下のようなコスト面や管理面にあります。
デメリット | 詳細 |
---|---|
転職リスクが高まる | 習得したスキルを活かす場が社内にないと、転職リスクが高まる。 |
従業員間の温度差が生じる | キャリア自律を望む従業員と、意欲の高い従業員との間に差が生じ、組織力が落ちる可能性がある。 |
制度導入のコストが増える | 研修や制度導入にかかるコストは短期的な売上に直結しないため、経営層の理解を得づらい。 |
制度の形骸化リスクがある | 従来の「業務管理者」から、部下のキャリアに寄り添う「コーチ」になれない場合、制度が形骸化する可能性がある。 |
上記のデメリットは、対策によって乗り越えられる課題です。そこで次の項目では、うまく従業員にキャリア自律を促す方法を解説します。
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従業員にキャリア自律を促す方法
従業員にキャリア自律を促す際は、以下の7点を意識しましょう。
キャリア研修を実施する
各ポジションの透明性を高める
社内公募制度などの制度を充実させる
スキルアップの支援をする
上司と部下の1on1面談を活性化する
キャリア相談窓口を設置する
タレントマネジメントシステムを活用する
従業員の主体性を引き出すため、キャリア自律を促進するための具体的な方法を見ていきましょう。
キャリア研修を実施する
まずはキャリア自律の重要性を認識してもらうため、キャリア研修を実施しましょう。研修では自己分析ツールやワークショップを通して、自身の価値観や強み、キャリアプランを言語化する機会を提供することで、キャリア自律の促進につなげられます。
若手には可能性の探索、ミドル層には専門性の深化など、世代別の課題に合わせた研修設計が効果的です。
各ポジションの透明性を高める
キャリア自律の促進には、キャリアパスを描くために必要な社内のキャリア地図を用意することが大切です。どの仕事に、どのようなスキルが求められるのかがわかれば、「将来あの部署に行くために、このスキルを身につけよう」といった具体的な目標設定ができます。
全職務の役割や等級を体系化した「ジョブアーキテクチャ」や、求められるスキルを定義した「スキルタクソノミー」を整備し、公開する方法もおすすめです。
社内公募制度などの制度を充実させる
キャリア自律に対する意識が変わり、情報が可視化されたら、次は従業員が挑戦できる具体的な機会を提供しましょう。たとえば、活発な社内公募制度や、柔軟な社内ギグ(短期プロジェクトへの参加)などです。
「会社にいながらキャリアを選べる」という実感は、従業員のエンゲージメント向上、離職リスクの低下につながります。年1回などの定期公募とあわせて、プロジェクト単位の随時募集といった不定期の募集をするなど、他部署の業務を経験できる仕組みを多く導入するほど、キャリア自律の促進、企業の発展につなげられるでしょう。
スキルアップの支援をする
キャリア自律を促すためには、積極的に新しい役割に挑戦できるよう、従業員のスキルアップを支援することも大切です。従業員が効率よく学べる環境を整えると、個人の成長が促され、組織全体のパフォーマンス向上に結びつきます。
具体的なスキルアップ支援の例は、以下をご覧ください。
eラーニング
メンター制度
挑戦的な業務アサイン
社内ギグ
上記のように多角的に学べる環境を整えると、よりキャリア自律の促進効果が期待できます。
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上司と部下の1on1面談を活性化する
キャリア自律支援を成功させるため、上司と部下の1on1を進捗確認からキャリア対話へと進化させましょう。その理由は、 質の高い対話を通じて、部下は自身のキャリアについて主体的に考える機会を得られるからです。
たとえば、マネージャーが何を話せばよいか迷わないよう、具体的な質問集のような資料を提供する方法が挙げられます。マネージャーを評価する際、「部下を育成し、次のステージへ送り出すこと」といった、キャリア自律の促進につながる基準を取り入れる方法も検討しましょう。
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キャリア相談窓口を設置する
従業員の心理的安全性を高め、本音のキャリアプランを引き出すための相談窓口を設置することも、キャリア自律の促進につながります。 潜在的な離職リスクの早期発見や、従業員のキャリア志向の把握に役立つからです。
異動希望やキャリアの悩みを、直属の上司に直接話しづらいと感じる従業員は少なくないため、相談窓口の設置によって、従業員のキャリア自律を促しましょう。
タレントマネジメントシステムを活用する
キャリア自律を促したい場合、従業員のスキルや経験、キャリア志向などの人事情報を一元管理できるタレントマネジメントシステムの活用をおすすめします。個々の能力を最大限に引き出すための人材配置や、データに基づいた効果的な育成計画の立案に役立つからです。
また、研修受講機能があるタレントマネジメントシステムを使えば、従業員にキャリア研修を促すことで、キャリア自律の重要性も伝えられます。従業員自身も、自身のキャリア情報を整理したり、社内の機会を検索したりできるプラットフォームとして活用できるでしょう。
評価プロセスの明確化によって、従業員が「何を、どのように改善すれば目標を達成できるのか」を具体的に把握できるようになることでキャリア自律を促せる点も、タレントマネジメントシステムの魅力です。
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キャリア自律の促進におすすめのシステム「HRBrain タレントマネジメント」
従業員のキャリア自律を促したい場合、個人の成長支援と組織の生産性向上につながるHRBrain タレントマネジメントがおすすめです。HRBrain タレントマネジメントを使えば、部署や職種など、さまざまな属性に応じて研修受講者を決められるため、必要な従業員にキャリア研修を促せます。
また1on1の運用サポート機能を使うと、話す内容の標準化や、面談記録の蓄積ができるため、効率よく従業員にキャリア自律の重要性を伝えるとともに、具体的なアクションの提案にもつなげられるでしょう。
さらにHRBrain タレントマネジメントはスキルや異動希望のデータを一元管理できるため、従業員の希望をふまえ、強みを活かした配置をするために役立ちます。従業員のキャリア自律を促し、組織の生産性を高めていきたい方は、HRBrain タレントマネジメントの詳細を見てみましょう。
キャリア自律支援に取り組む企業の事例|株式会社日比谷花壇
設立72年目を迎えるにあたり、株式会社日比谷花壇は100年企業を目指すため、20年ぶりの人事評価制度刷新とタレントマネジメントシステムの導入を実施しました。「キャリア自律を推進する」をコンセプトに、従業員が主体的にキャリアを築ける環境を整備し、組織全体の成長を実現した成功事例です。
株式会社日比谷花壇のキャリア自律支援に関する主な取り組み内容は、以下の表をご覧ください。
具体的な取り組み内容 | 効果 |
---|---|
従業員の保有資格などを管理する仕組みを構築 | HRBrainタレントマネジメントシステムを導入し、情報の整理・更新を効率化につなげた。 |
全国の従業員が目標を入力できる環境を実現 | HRBrainタレントマネジメントシステムのスマートフォンからの操作機能を活用し、全国の拠点に散らばる従業員の情報を可視化することで、管理職による評価の精度が向上した。 |
人事評価制度の刷新を実施 | 「主体性」「多様性」「公平性」を土台とする人事制度と、HRBrainタレントマネジメントシステムの導入を連動させ、キャリア自律というコンセプトが組織全体に浸透した。 |
上記の事例は、ツールの導入と人事制度の刷新を連動させることで、従業員の自律を促す文化を根付かせた成功例です。キャリア自律支援は、経営課題を解決する戦略的な投資であり、企業と個人の双方にメリットをもたらすといえるでしょう。
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キャリア自律を促進して、さらなる成長を遂げよう
キャリア自律を従業員に促すと、採用競争力の強化やエンゲージメントの向上など、組織に多くのメリットをもたらします。
キャリア自律を促すためには、キャリア研修や社内公募制度の充実に加え、上司との1on1面談の活性化、相談窓口の設置などが大切です。より効率良く、従業員のキャリア自律を促したい場合、タレントマネジメントシステムを活用しましょう。
HRBrainのタレントマネジメントシステムなら、キャリア研修実施の効率化や、従業員のスキルやキャリア志向の一元管理ができ、データに基づいた育成計画の立案や、配置の改善も可能です。HRBrainのタレントマネジメントシステムの詳細については、以下からご覧ください。