#人材採用
2023/08/10

採用戦略のコツ! 中小・スタートアップ・新卒・中途など採用枠別に解説

目次

    企業が必要な人材を獲得するための方策である「採用戦略」。新卒や中途採用におけるミスマッチ防止、組織力向上が期待できるため、大企業から中小企業、スタートアップと規模を問わず注目されています。採用戦略の基本から立て方、フレームワークをご紹介します。

    採用戦略とは

    採用戦略とは

    人材の採用に必要な戦略全体を指す「採用戦略」。どのようなスキルや経験をもっているか、何人採用するか、どのような手法で採用するかを考えます。この時のポイントは、人材が不足した時に採用戦略を立てるような短期的な計画ではなく、5年10年を見据えた経営戦略に基づいた長期的な視点を持つことが大切です。具体的にどのような目的があるのか、解説していきます。

    そもそもなぜ採用戦略が必要なのか

    採用戦略は採用チーム、組織全体が「採用の軸」という共通認識を作り出すのに必要です。企業成長にもっとも大切なのは「人材」であることは言うまでもありません。

    しかし日本では少子高齢化による労働人口の減少が深刻化しています。厚生労働省「日本の人口の推移」のデータによると、2018年は総人口12,644万人、高齢化率28.1%に対し、2065年には総人口9,000万人、高齢化率38%台の水準になると言われています。今後さらに人材の採用は難しくなるため、いかに必要な人材を雇用し定着されるかが重要な経営課題の1つだと言えるでしょう。

    このような厳しい状況な中だからこそ、採用活動は組織全体を巻き込んだ取り組みが求められています。具体的に「いつ、どのような施策で、どのような人材を採用するのか」といった採用の軸、共通認識が必要なのです。

    逆に採用戦略なく「とりあえず求人広告を出せば良い」「採用に向けてPR活動をしよう」と場当たりな採用活動を続けると組織全体が目指すべき採用の考え方がバラバラになります。結果「企業がどのような人材を求めているのかよく分からない」「採用できても入社後ミスマッチですぐ退職する」といった状況が発生します。そのため、組織全体で採用に関わる軸を作る採用戦略が必要なのです。

    人材の採用には戦略が欠かせない

    採用戦略を立てるメリットは以下の通りです。

    • 組織力の強化

    • 採用活動の効率化

    • 組織全体が採用課題への意識が高まる

    採用戦略は「そもそも企業はどのような人材が欲しいのか?」「人材採用により解決したい課題」を組織全体で考えるため、社員の意識が高まり組織力も強化されます。

    また採用戦略を立てると、欲しい人材のイメージが明確化され、実施するべき施策も見えてきます。実施した施策には、応募してきた人材の人数や経歴、年齢や性別、書類選考通過率、採用できた人数など、あらゆるデータを分析します。その結果「この採用施策だと○○な人材からの応募が多い」「どの採用施策が最適なのか」が分かるため、採用活動の効率化に繋がるメリットがあります。

    コロナやリモートワークの促進による採用戦略の変化

    新型コロナウィルス感染症の影響で、採用戦略も大きく変化しています。従来の「対面式」の採用活動から一変し、コロナ禍では感染防止のためリモートワークを始め、オンライン面接やZOOMによる会社説明会などの採用手法が主流になりましたよね。

    エン・ジャパンの「オンライン面接 実態調査」によると、オンライン面接の方針について、半数以上の企業がオンライン面接の活用・継続に前向きだと分かりました。アフターコロナの時代でも、オンラインを活用する事は採用戦略に必要不可欠な要素だと言えますね。

    採用戦略の立て方、手順

    採用戦略の立て方

    採用戦略を立案する際の手順を解説します。

    手順① 採用者のターゲットを決める

    どのような人材を採用したいか、人柄や考え方と言ったパーソナリティや、保有資格や実務経験などのスキル・経験を決めます。

    例えば「業界経験5年以上、10人以上のマネジメント経験あり。将来○○○の仕事をしたいと考える30代」のように具体的に設定します。

    しかし求める条件が細かすぎるのは要注意です。まずは絶対に外せない「MUST条件」と必須ではないがあると望ましい「WANT条件」を分けて考えると良いでしょう。

    採用したいターゲットがうまく決められない場合、「組織内で活躍している社員が自社に入社する前どのような状態であったか?」を想定する方法がおすすめです。

    実在する人物なので直接アンケートも取りやすく、将来活躍する人物像が浮かんできやすいでしょう。

    手順② 採用計画スケジュールを立てる

    採用者のターゲットが決まったら次にスケジュールを立てます。

    短期的な計画では「いつまでにどれくらいの人員が必要なのか」を各部署にヒアリングします。その際、退職者や休職者がいつ出るのかも聞いておくと良いでしょう。

    一方、中長期的な計画では、いつ新規プロジェクトが始動するのか、売上予想額、人件費も含めて、必要な人員と予算から慎重に計画を立てます。

    採用期間の目安として役職を持たない一般職は2カ月~。幹部クラスの人材は、最低でも1年以上かかると考えると良いでしょう。

    手順③ 採用手法の決定

    何を活用して採用活動を進めるのかを決めます。例えば、以下のような採用手法があります。

    • 求人広告

    • 人材紹介

    • 合同企業説明会

    • リファラル採用

    • ダイレクトリクルーティング

    • オウンドメディアリクルーティング

    • インターンシップ(新卒採用が主流)

    採用したいのは新卒か中途なのか、スキルや経験など欲しいターゲット像でおすすめの採用手法が異なります。ターゲットや採用にかけられる予算、スケジュールをみて最適な採用手法を決定しましょう。

    手順④ 採用後のフォロー

    無事に採用活動が進み、新人社員が決まった後は採用後のフォローを行います。

    新しい職場環境に慣れるまでストレスを感じる新人社員は多く、離職する可能性が高いからです。

    フォローの内容としては、新人社員にメンターをつけてフォローアップをお願いする。入社後1カ月おきに面談をして不安点を聞き出す、などが挙げられます。1on1ミーティングを実施するのも良いですね。

    1on1ミーティングの実施方法について、詳しく学びたい方のために「1on1ミーティング入門書」をご用意しました。ぜひ活用してください。

    企業規模・採用枠別に考える採用戦略

    企業規模・採用枠別の採用戦略

    企業の大きさや新卒、中途採用など異なる採用枠におすすめの採用戦略ポイントをご紹介します。

    大手企業の採用戦略

    大企業が採用を成功させるポイントは、いかに企業と人材の採用マッチング率を上げるかにかかっています。

    大企業はネームバリューがあり、福利厚生も整っている企業が多いため志望する求職者も多いですよね。しかし母集団形成ができるメリットがある反面「大企業だから応募してみた」という志望度が低い求職者も多いと言われています。

    そのため膨大な応募者の中から、志望度が高く、優秀な人材をふるい分けできるかがポイント。

    大企業では、学歴や経験による「足切り」が一般的な方法ですが、最近では社員が自身の友人を紹介する「リファラル採用」が大企業でも注目され始めています。社員の身の回りの友人は、属性や考え方が近い傾向にあるので、マッチング度が高いと言われているのです。

    また転職サイトへの掲載料や、人材紹介への紹介料といった多額の採用コストは必要ありません。社員の紹介により採用活動ができるので、長期的に見た時に採用コストの削減にも繋がるでしょう。

    中小企業の採用戦略

    中小企業が採用を成功させるためには、自社の存在を求職者に知ってもらう事です。

    中小企業庁「中小企業白書」によると、中小企業の採用活動はハローワークや知人紹介など、アナログな方法が多いと言われています。

    しかし最近の求職者は、若い世代を中心にWEBを活用した求職活動が一般的です。そのため、まずは若い世代の利用率が高い転職サイトを活用する、自社HPを更新して情報を発信すると良いでしょう。

    スタートアップ企業の採用戦略

    スタートアップ企業が採用を成功させるには、採用コストを抑えつつ採用マッチング度が高い人材に直接アプローチする方法が重要です。

    中でも最近スタートアップ企業で注目されている方法が「リファラル採用」と欲しい人材に直接アプローチできる「ダイレクトリクルーティング」です。これらの採用手法は、転職サイトや人材紹介会社を利用するより低コストで確度が高い求職者にアプローチできると言われています。

    新卒採用戦略

    近年の新卒採用の傾向としては、就職活動の前倒しが顕著です。就職意識が高い大学生なら、大学1年生の時点でインターンシップや会社説明会に参加しています。企業側も優秀な学生を採用するために、早期に就活イベントを開催する企業が増えているのです。

    大卒の新卒採用を成功させるには、大学4年生を対象とするだけではなく、もっと早くに活動に取り組むのが良いでしょう。

    中途採用戦略

    中途採用を成功させるには、まず欲しい人材に合わせた採用媒体を選ぶことが重要です。中途採用は新卒採用とは違い、過去に就業したスキルや経験を持っています。転職サイトや人材紹介会社と言っても、サービス・金融・外資・医療・介護…などに強みを持つ業界・職種はさまざまだからです。採用手法には、SNSを活用するソーシャルリクルーティングや、オウンドメディアリクルーティングなど数多くありますが、中途採用を進めるにはまず、採用媒体を選ぶのがおすすめです。

    採用戦略に活用されるフレームワーク

    採用戦略のフレームワーク

    採用戦略を立てる際、よく活用されるフレームワークをご紹介します。

    3C分析

    採用での3C分析とは、採用市場における自社の立ち位置を分析し、採用活動の成功を目的とする方法です。

    この3C分析の3Cとは、マーケティングの基本的な考え方「Company(自社)」、「Customer(顧客)」、「Competitor(競合)」であり、採用戦略においてもよく活用されています。

    SWOT分析

    経営やマーケティングの分析によく使用されるSWOT分析ですが、採用戦略にも活用されます。SWOTとは「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」と、外部要因の「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」であり、内部を自社、外部を競合他社や転職市場に当てはめる考え方です。

    ペルソナ

    採用において「ペルソナ」とは、採用したい人材像を明確にしたものを指します。スキルや経験、人柄などを1人の人物をイメージできるほど具体的にしたものです。ペルソナを明確化することで、どのような人材を採用したいのか共通認識ができるため、ミスマッチや早期離職防止に効果が期待できます。

    4C分析

    4C分析もマーケティングの用語であり「Customer Value=顧客にとっての価値」「Cost=顧客の負担」「Convenience=入手の容易性」「Communication=コミュニケーション」を表します。求職者が自社に入社するメリット」「入社した時にどんなデメリットがあるか」という具合に、採用活動に当てはめて考えます。

    【まとめ】人材管理・タレントマネジメント・戦略・組織開発をカンタン・シンプルに

    採用戦略を立てる事は、採用難を乗り越えるために必要不可欠です。単純に人材が退職したから募集をかけるように、短期的な計画ではなく組織や経営戦略を巻き込んだ考え方が望ましいでしょう。

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    HR大学編集部
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