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メンター制度のメリットは?運用時のステップと導入例・注意点も紹介

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メンター制度のメリットは?運用時のステップと導入例・注意点も紹介

目次

    メンター制度を導入している企業・組織が増えており、制度自体も広く浸透してきています。
    メンター制度に関する紹介記事が多く存在し、概要や運用方法についても広まりつつありますが、改めてメンター制度を導入するメリットや事例を確認したいという人も多いのではないでしょうか。

    今回は、メンター制度のメリットや導入事例に焦点を当て、まだメンター制度の導入をしたことのない方に向けて、わかりやすく解説します。

    1.メンター制度の導入手順

    ここからはメンター制度を導入する手順を解説します。

    メンター制度を導入する手順

    目的の明確化

    まずはメンター制度を導入する前段階として、企業が抱える課題や導入する目的を明確にしましょう。
    目的を明確化する必要性は、メンター制度の特徴や得られるメリットが自社で効果があるのかを把握していなければ、得られる効果も薄くなるかもしれないからです。

    また、メンター制度を導入して、自社の課題が解決に向かったのかを確認できる効果測定方法も設定しておきましょう。

    例えば、メンター制度を導入する前と後で「離職率の変化」や、「従業員へのアンケート結果内容の比較」などを分析することで、メンター制度の効果が得られているかを確認できます。

    体制の構築

    メンター制度を導入する前に、経営層や人事部門、あるいは自部署の部長に合意を得てから始めましょう。

    合意を取る意味は、メンター制度で従業員を育成することは他の人材育成とは違ったアプローチになるため、会社が望む人材に育つかどうかを経営層や人事部門に確認してもらう必要があるからです。

    また、同じ会社内でもメンター制度を導入する部署、しない部署が別れてしまうと不平等に感じる従業員もでてしまう可能性があり、全部署で足並みを揃えるかを決めてから導入した方がいいでしょう。

    運用時のルール・注意事項の設定

    メンター制度を導入する時は、以下のようなルールや注意事項をあらかじめ設定してから運用を開始しましょう。

    運用期間の設定

    メンター制度を行う期間は、あらかじめ明確に設定しておきましょう。
    メンターを担当する人がどれくらいの期間で育成できるのかを明確にしておくことで、スケジュール間を持って指導できます。

    また、もし想定通りにメンティーの育成が進まない場合にどれくらいの期間の延長を行うかも設定しておくことをおすすめします。

    相談窓口の設定

    メンターとメンティー間の問題や、お互いの相性が好ましくない場合に相談できる窓口を設定しておきましょう。

    メンター・メンティーの間では、細かいことを相談し合う関係性にありますが、お互いへの意見や相性については直接話し合えない傾向にあります。
    こうした状況になった時に、第三者が間に入って相談を聞ける体制を整える必要があり、一般的にはその職場の管理職が担当することがあります。

    守秘義務の設定

    メンター制度では、メンティーが業務上の悩みだけではなく、自分の生活の悩みやプライベートな問題についても相談する特徴があります。
    メンティーが相談する内容は、他の人に聞かれたくないことも含まれる場合もあり、メンターを担当する人が他言しないようなルールを設定しておきましょう。

    メンターとメンティーの人選

    メンター制度を導入する目的やルールが設定し終わったら、メンターとメンティーの人選を行いましょう。この人選は、メンター制度を導入する上で最も大事なポイントです。

    メンターとメンティーがお互いに良好な関係を築けるような人選を心がける必要があり、一般的に人選する時に用いられる方法は以下の2種類があります。

    ドラフト方式

    メンターを希望する人は人事部に申し出て、人事部の方で合いそうなメンティーと組み合わせる方法です。

    人事部のように人の教育に精通している人たちがメンターとメンティーの組み合わせを設定することで、効果が得られやすいマッチングが期待できます。また、組み合わせた意図や狙いをメンターに伝え、人事部としてどういう人材に育てて欲しいかを伝えることで、効果的なメンター制度の導入につながることもあります。

    アサイン方式

    次にメンティーの年齢や性別、出身地などが近い人をメンターに付ける方法があります。

    このアサイン方式での人選は、人事部が行うこともありますが、各部署で設定することで相性を考慮して人選できるとこもあります。

    事前教育の実施

    メンターとメンティーの組み合わせが決まった後、メンター制度に関する教育を行いましょう。
    メンター制度を導入する目的や効果、運用の流れなどをしっかりと理解させないと思い通りの教育や運用にはなりません。

    特にメンターを担当する人にはどういう役割が期待されていて、何をしなければいけないのかは明確にしておきましょう。

    円滑な運用に向けた施策検討・実施

    メンター制度が運用され、教育が進んでいく中で、問題なく運用できているか確認が必要です。メンター・メンティー双方からヒアリングを行い、運用に関する課題や問題を解決できるように確認しながら行いましょう。

    また、続けていくうちにマンネリ化してしまうことがあり、運用に関して創意工夫がないまま進むこともあります。こうしたマンネリ化の対策としても、新しい施策を検討し、楽しみながらメンター制度を運用できる工夫をしましょう。

    2.メンター制度を導入するメリット

    メンター側のメリット

    ここからはメンター側が得られるメリットについて解説します。

    ・仕事に対する責任感が生まれる

    社員の育成を任されたメンターは、自身の教え方や発言によってメンティーの成長具合が変わるので責任を感じながらメンターを務めます。
    時にはどうやって接したらいいか迷うこともありますが、メンティーの成長と共にメンターの成長も図れるのがメンター制度のメリットです。

    特に若手社員がメンターを務める場合、今まで先輩から教わったことを一生懸命に行動する姿勢から、自ら考えて行動に移す姿勢に変化し、メンター自身の成長にもつながります。

    ・モチベーション維持につながる

    メンターを務めることで、責任感のある行動や発言に心がけるようになり、その経験が自身の成長につながります。後輩を育成しながら成長できれば、自信を持って行動に移せるでしょう。自らの自信がつけば、仕事に対するモチベーションも向上し、さらなる成長につながるのです。

    ・自身のキャリアを考えるきっかけになる

    後輩に業務を教えたり、公私の悩みを聞いてあげたりすることで、人を育成する楽しさやサポートする楽しさを味わえるかもしれません。
    後輩の教育に携わることで、将来人事部門に進みたいと思う人や、教官をやってみたいと感じる社員も生まれ、その会社で長くキャリアを築こうと志すことも期待できます。

    また、メンティーのキャリアについての相談に乗ることがあれば、後輩の将来描くべきキャリアを一緒に考えながら自身のキャリアも想像するきっかけとなります。キャリアを描けないという社員がメンターを担当することで、自身のキャリア構築に効果的です。

    メンティー側のメリット

    ここからはメンティーにとってのメリットをご紹介します。

    ・公私共に悩みを相談できる

    メンター制度では、業務的な相談だけではなくプライベートな相談もできるように設定されることがあります。
    そのため就職のために上京した新入社員などの会社に入ったばかりで多くの不安を抱えた社員へのサポートが行き渡るでしょう。

    新入社員が入社後に抱える悩みや不安をメンターが解決できれば、新入社員の離職をさける効果が期待でき、将来ある優秀な人材確保に役立ちます。

    ・特に新入社員は安心できる

    新入社員は入社したばかりの時に不安や悩みを抱えていても、誰に相談していいかわからないことがあります。
    人間関係構築が進んでいない新入社員にとって、メンターの存在がいるだけで相談できる人が明確になり、心の支えになるでしょう。

    業務のこと、組織のことが全くわからない新入社員には、少しでも不安要素を取り除いて違げることで、業務習得など、本来身につけるべき知識・スキルが磨けます。

    ・職場に早く馴染める

    新入社員や若手社員が新たに人間関係を構築するのに時間がかかってしまう場合があります。
    しかしメンターを付けることで、メンターが仲のいい先輩社員を紹介してもらいながらスムーズな人間関係構築ができるでしょう。

    職場に素早く馴染められれば、業務中にコミュニケーションを積極的にとれるようになり、業務スキルや知識の習得に役立ちます。

    3.メンター制度に関する注意点

    ここからはメンター制度を導入する上で気をつけるべきポイントをご紹介します。

    メンター側の注意点

    まず初めにメンター側が気をつけるべきポイントについてです。

    ・業務・精神的な負荷がかかる

    メンターの性格や抱えている業務量によっては、メンティーの面倒を見ることで業務的・精神的な負荷がかかる場合があります。
    業務量の多い社員がメンターになると、面倒を見るべきメンティーの世話が行き届かなくなり、思ったような育成ができません。

    また、責任感が強すぎる人がメンターを担当すると、メンティーが起こしたミスや抱える問題にも責任を感じ、メンター自身が業務に集中できなくなる可能性もあります。

    メンターの選出は、こうした気をつけるべきポイントを総合的に加味して選ぶことをおすすめします。

    ・メンティーの成長にばらつきがある

    メンターを担当する社員は、各自違った考えや業務スタイルを持っており、それを自身が面倒を見るメンティーに教えることからメンティーの成長にばらつきが生じることもあります。

    こうしたばらつきを生じさせたくない場合は、メンター制度を導入する前に、しっかりと事前教育をして、教えることやサポート方法をある程度揃える必要があります。

    メンティー側の注意点

    次にメンティー側が気をつけるべきポイントについてです。

    ・相性によっては仕事へのモチベーションが下がる

    メンティーに付いたメンターとの相性によっては仕事へのモチベーションが下がることもあります。

    メンターとメンティーは基本的に常に一緒にいるため、相性が合わない者同士が組み合わされると仕事に行きたくないと間いてしまう社員も発生してしまうでしょう。

    メンターとメンティーの人選をした後、良好な関係で運用できているかを確認し、もしできていなければメンバー交代も検討した方がいいかもしれません。

    ・対応の差に不公平さを感じることがある

    各メンターはそれぞれ違った教え方をします。
    時には、「自分のメンターが厳しすぎる」や「丁寧に教えてくれない」など他の人のメンターと自分のメンターを比較して差を感じてしまう社員がいるでしょう。

    不公平に感じてしまった社員は、仕事に対するモチベーションが下がってしまうこともあり、メンバー編成が適切か確認が必要です。

    4.メンター制度が「いらない」という声がある理由

    メンター制度を導入することで、若手社員を中心に従業員育成が効率的に進むこともありますが、中には導入しない方がいいという意見もあります。

    なぜそういう意見があるのか、その理由について解説します。

    補助金などの支援がない

    教官やインストラクターなどの人を教育する担当者は、一つの資格として給料に追加で補助金が発生するケースがありますが、メンターを勤める担当者は業務の一環として扱われ、特別な補助金が出ないのが一般的です。

    つまり、メンター制度はボランティアで行ってもらう必要があり、メンター制度に否定的な意見が発生しています。

    OJTと混在してしまう

    新入社員を育成するために、OJTという業務内に行う教育を導入している企業が存在します。

    OJT教育とメンター同時に行うこともありますが、OJTで教育する内容とメンター制度で教育する内容が重なってしまうこともあり、二つの教育が混在してしまうこともあります。

    OJTとメンター制度はそれぞれ特徴やメリットがあるので、自社にとってどういう教育が好ましいのかをしっかりと検討しましょう。

    メンター以外が非協力的になる

    メンター制度を導入すると、メンター以外の先輩社員が後輩の育成に協力しなくなる傾向があります。

    メンターはあくまでもメンティーの面倒を見る担当者であり、そのメンティーの育成全てに責任を持っているわけではありません。しかし、メンター以外の先輩社員が自ら教えることをやめてしまい、メンティーは偏った知識だけの習得になることもあります。

    5.メンター制度導入事例をご紹介

    ここからは実際にメンター制度を導入している企業の導入例をご紹介します。

    IT企業の導入例

    まず初めにIT企業での導入例です。

    ・目的

    この事例は、新入社員が早く職場に馴染めるようにメンター制度を導入しました。
    業務内容や社会人として取るべき行動を誰に相談すればいいのか明確にすることで、素早い知識・スキル習得につながり、人材育成のスピードを早める狙いがありました。

    ・実施内容と得られた効果

    メンター制度を運用する前に、メンターを担当する先輩社員は、人事部門からの教育を受け、メンターとしてのあるべき姿を学んでから運用しました。メンターとメンティーの面談では、就業後に行われ、アルコールを飲みながらざっくばらんに話し合うことを心がけて行います。

    こうした運用前の準備をしっかりと行い、アルコールを飲みながら面談を行ったことで、メンティーからは本音を引き出せるようになり、メンティーの組織への馴染みと素早い人材育成につながりました。

    飲食業での導入例

    次に飲食業での導入例をご紹介します。

    ・目的

    この飲食系企業では、アルバイトの離職率が増え、社内で面談を行ったとしても本音を引き出せずに苦戦していました。
    メンター制度を導入し、アルバイト従業員の悩みや不安をしっかりと引き出す狙いがありました。

    ・実施内容と得られた効果

    この企業でも、メンター制度を運用する前に、メンターを担当する社員の育成を行い、時にはメンター制度の専門家を派遣してメンターの教育を進めました。

    こうした事前教育がうまくいき、メンターを付けたアルバイト従業員から本音を聞き出せるようになり、人材確保に効果的な運用になりました。

    まとめ

    今回はメンター制度のメリットや導入事例・ステップに焦点を当て、メンター制度の魅力を紹介しました。

    新入社員や若手社員のスキル習得や、人材教育が進まない企業であれば、メンター制度を導入することで各従業員に合わせた教育が行えます。

    しかし、中にはメンター制度に対する否定的な声があり、デメリットがあるのも事実です。

    自社でメンター制度がふさわしいか、導入して効果が得られるかを十分検討した上で導入するようにしましょう。

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    HR大学 編集部

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