メンターとは?意味や役割とメンティーとの違いや意味がないと言われる理由について簡単に解説
人材データの一元管理を実現し、あらゆる人事施策の実行をサポート
- メンターとは
- メンターの語源
- メンティーとは
- メンター制度(メンタリング)とは
- メンターの役割と内容
- 目標設定やキャリアを明確化させる
- 進捗状況の確認と行動を改善する
- 問題解決のサポートをする
- 業務や私生活の悩みなどのメンタルサポートをする
- メンターは意味がないのか必要か
- メンターは意味がないという意見
- メンターは必要という意見
- メンターとチューターやOJTの違い
- メンターとコーチングの違い
- メンターの育成に必要なこと
- メンターに必要な資格
- メンターに必要なスキルや能力
- メンター制度に必要なデータをクラウド上で管理する方法
メンターとは、知識や経験が少ない若手従業員をサポートする先輩従業員のことで、従業員の成長促進に欠かせない制度です。
また、従業員の情報共有や目標管理としてメンター制度を導入している企業もあります。
メンターは、メンティーの「キャリア開発」を行うことを目的としていて、業務以外の相談や同部署の先輩には話しづらい悩みを相談する場合もあるため、他部署の先輩で年齢や社歴が近い従業員が行います。
この記事では、メンター意味や語源、メンター制度(メンタリング)とは、メンターの役割と内容、メンターは意味がないのか必要か、メンターとチューターやOJTの違い、メンターとコーチングの違い、メンターの育成に必要なことについて、簡単に解説します。
メンター制度に必要な従業員の情報を管理
メンターとは

メンターとは、知識や経験が少ない若手従業員をサポートする先輩従業員のことで、一般的には入社3~8年目の従業員が担当します。
メンターは、メンティーのキャリアや人間関係などの精神面や心理面での支援など、「キャリア開発」を行うことを目的としていて、業務以外の相談や同部署の先輩には話しづらい悩みを相談する場合もあるため、他部署の先輩で年齢や社歴が近い従業員が行います。
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メンターの語源
メンターは、ギリシャの叙事詩「オデュッセイア(The Odyssey)」に登場する「メントール(Mentor)」が語源です。
メントールは、オデュッセウス王の息子の教育係を任され、良き指導者、良き理解者、良き支援者として、立派な王に育てました。
そしてメントールは「勝利を導く者」と言われ、英語ではメンター(Mentor)と呼ばれ、「指導者」「助言者」という意味で使われるようになりました。
また、メンターの指導を受ける相手をメンティー (Mentee) と呼ぶようになりました。
メンティーとは
メンティーとは、メンターから指導や助言を受ける新入社員や若手社員のことで、主に新卒や20代の若手従業員を指します。
メンター制度(メンタリング)とは
メンター制度(メンタリング)とは、メンターである指導を行う側の先輩従業員と、メンティーである指導される側の従業員とが1対1の関係で行うことが基本で、「1on1」での話し合い、キャリアやメンタル的なサポートなど、メンティーの成長を支援する人材育成を行う教育制度のことを指します。
メンターには従業員の直属の上司ではなく、指導される側であるメンティーと年齢や立場の近い従業員が選出されます。
メンター制度は、一方的に教える「教師」と「生徒」の関係ではなく、「どうやったらできるのか」を同じ目線で対話を重ねることで、「メンティー」が気付きを得られる人材育成方法です。
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メンターの役割と内容
メンター制度は、月1回以上1時間の面談やミーティングを通じて、メンティーのサポートを行う企業が多いです。
メンター制度の実施期間は、半年〜3年と企業によって異なります。
メンター制度では具体的に何をするのか、メンターの役割とメンター制度の内容について確認してみましょう。
メンターの役割と内容
目標設定やキャリアを明確化させる
進捗状況の確認と行動を改善する
問題解決のサポートをする
業務や私生活の悩みなどのメンタルサポートをする
目標設定やキャリアを明確化させる
メンターの役割と内容として、「目標設定やキャリアを明確化させる」ことがあげられます。
メンティーが中長期的(5〜10年)に目指したいキャリアを明確化させ、目標設定を行います。
将来目標とするキャリアに近づくためには、何をしたら良いかについて会話を通じて、気付きを与えます。
大切なのは、メンターが目標を強要するのではなく、メンティー自身が考え行動する「自主性」が大切です。
メンター制度では、年齢や社歴が近い先輩従業員がメンターとなるため、メンティーは数年後の自分の姿を具体的にイメージすることができ、キャリアアップの意欲が高まります。
またメンターは、メンティーの人材育成を通じて、仕事意識の向上や自身の成長の機会を得ることができます。
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進捗状況の確認と行動を改善する
メンターの役割と内容として、「進捗状況の確認と行動を改善する」ことがあげられます。
メンティーの目標設定ができたら、目標の進捗状況の確認を行い、達成が難しい場合はメンターによる行動への助言と指導のもと改善を図ります。
目標達成ができているのか、どのように目標達成できたのかという過程を、一緒に管理する場合もあります。
また、必要に応じて目標の見直しをすることもメンター制度の役割です。
しかし、メンターの助言や指導スキル、人柄によってはメンティーの成長に差が出てしまうこともあります。
メンター制度を実施する前には、「メンター向けの研修の実施」「人事評価の共有管理を行う」「サポート範囲に会社基準を設ける」「メンタリングの途中経過を管理職が確認する」というような対策をしっかり立て、メンター任せにならないよう注意が必要です。
人事評価の共有を行うことで、人事部と現場側の両面からメンティーをサポートできる効果が期待できます。
人事評価の共有や管理については人事評価システムの活用がおすすめです。
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問題解決のサポートをする
メンターの役割と内容として、「問題解決のサポートをする」ことがあげられます。
業務上の悩みや人間関係のトラブルは、メンティーにとって上司に相談しにくい場合があるため、メンターが第三者として仲介に入ることもあります。
メンターは問題解決に向けて一方的に指導をするのではなく、会社全体の利益や根本的な解決を目的として、メンティーをサポートするようにします。
また、メンターはメンティーの相談を何でも受け入れて良いわけではありません。
本来上司に相談すべき業務内容をメンターにばかり相談した結果、メンティーと上司との関係が悪化してしまう場合もあるため、相談内容と距離感には注意が必要です。
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業務や私生活の悩みなどのメンタルサポートをする
メンターの役割と内容として、「業務や私生活の悩みなどのメンタルサポートをする」ことがあげられます。
メンター制度は、メンティーのメンタル面のサポートを行い、包括的にメンティーを支える役割があります。
特に社会人経験が浅い新人は、慣れない仕事環境によってライフスタイルの確立が難しい場合があります。
さらに、業務やプライベートで困った事があっても、誰にも相談ができずに悩み、結果的に勤務意欲の低下や早期離職につながってしまう場合もあります。
メンターは、プライベート、教養など、幅広い視点でメンティーと関わり、人間的な魅力を伸ばすことで、業務へのモチベーションやスキルアップを狙います。
また、メンターの退職や異動により担当者が変更になれば、メンティーのモチベーション低下など悪影響も懸念されます。
メンター担当者になる従業員を選出する際は、退職や異動の可能性がない従業員を選任するようにしましょう。
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メンターは意味がないのか必要か
メンターには意味がないという意見と、必要という意見があります。
それぞれの意見について確認してみましょう。
メンターは意味がないという意見
メンター制度はあくまで、メンティーを主体とし自立的な成長をサポートする制度で、メンティー自身が考え行動をしないと何も変わりません。
メンター制度は、メンティーの自主性や責任感に大きくゆだねられているため、成長意識が薄いメンティーにとってはメンター制度のサポートは意味がないと感じてしまいます。
メンターは必要という意見
これまでは、飲み会や社内イベントを通して、上司が若手従業員と積極的に話す機会がありました。
しかし現在では、働き方や価値観の多様化に伴い、社外での関わりが減っている状況です。
また、働き方改革によって残業時間の削減や業務効率化が急務とされているため、業務時間内でも上司が若手従業員の業務相談に十分な時間を取れる余裕がない場合も珍しくなく、職場内外のコミュニケーションが希薄化しています。
コミュニケーションが希薄化すれば、悩みを相談できず、モチベーションの低下も懸念されます。
そして、上司も若手従業員のフォローができず、早期離職の可能性も考えられるため、若手従業員をフォローするメンター制度が必要となります。
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メンターとチューターやOJTの違い
OJTとは、「On the JOB Training」の略で、業務を通じて新人や若手従業員に、ノウハウや知識を教える教育方法を指します。
また、OJTの指導を行う従業員を「チューター」と呼び、主に若手従業員の先輩にあたる従業員が1対1で指導を行います。
OJTは「チューター制度」とも呼びます。
さらにチューターは、企業以外の学校や塾(予備校)などの教育機関でも使用され、主に「個別指導スタッフ」「アドバイザー」「教授の助手」という意味で使用されますが、企業のチューターとは意味が若干異なります。
OJTやチューター制度は、新人や若手従業員がサポート対象である点はメンター制度と同じですが、サポートする内容に「メンタル面が含まれない点」や「サポート期間が短期的」である点でメンター制度と異なります。
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OJTにメンター制度を活用する方法
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メンターとコーチングの違い
コーチングとは、業務経験者や経営者に対して、目標達成のためのサポートを行うパートナーになることを指します。
コーチングは、サポート期間が比較的短く、ビジネスやプロジェクトの専門分野と主体的な行動を促す役割があります。
サポートする範囲、対象者、期間が広範囲で長期的であるメンター制度と比べ、コーチングでのサポート内容は「専門分野のみ」と限定的で、サポート期間も目標達成までと「短期的」である点でメンター制度と異なります。
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メンターの育成に必要なこと
メンターの育成に必要なこととはどのようなものなのか、メンターになるために必要なスキルや能力について確認してみましょう。
メンターに必要な資格
メンターには特別な資格は必要ありませんが、「キャリアカウンセラー」などの資格を持つと、より専門的な視点からメンティーをサポートすることができます。
(参考)日本キャリア開発協会(JCDA)「キャリアカウンセラーとは」
メンターに必要なスキルや能力
メンターになる方法は、立候補や推薦式と企業によって異なります。
企業によっては、メンターになる前に研修を実施し参考書籍を授与するなどの対策をしている企業もあります。
メンターは指導者としてメンティーに関わるため、「必要な業務スキルの知識や経験」「高いコミュニケーション能力」「守秘義務意識」「強い倫理観」といった能力がメンター選任の際には求められます。
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メンター制度に必要なデータをクラウド上で管理する方法
メンターとは、知識や経験が少ない若手従業員をサポートする先輩従業員のことで、一般的には入社3~8年目の従業員が担当します。
メンターは、メンティーのキャリアや人間関係などの精神面や心理面での支援など、「キャリア開発」を行うことを目的としていて、業務以外の相談や同部署の先輩には話しづらい悩みを相談する場合もあるため、他部署の先輩で年齢や社歴が近い従業員が行います。
メンター制度を成功させるためには、メンティーの人事評価記録や目標の設定と管理、メンターとメンティーとの面談記録の管理など、さまざまな情報の管理と共有が大切です。
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従業員、上司、管理者それぞれで項目単位の権限設定が可能なので、大切な情報を、最適な状態で管理できます。
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【完全版】タレントマネジメントとは?基本・実践、導入方法まで解説
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