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定着率が高い企業の特徴とは?人材を定着させるための方法と低い理由8選

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定着率が高い企業の特徴とは?人材を定着させるための方法と低い理由8選

目次

    「定着率」とは、入社後、企業を辞めずに勤続している割合のことです。逆に辞めた割合を「離職率」といいます。定着率の高さは、その企業の働きやすさともいえます。今回は、定着率をテーマに定着率向上で得られるメリットや、定着率を向上するためにできることなどを徹底解説します。

    定着率とは何か

    「定着率」とは、企業へ入社した従業員が離職せずに働き続けている割合のことです。定職率と呼ばれることもあります。定着率は企業経営において非常に重要な指標です。

    概要

    そもそも人材の採用活動には、大変な時間と手間、そして経費がかかります。また、入社後に必要な備品の用意や研修、さらには戦力にするための育成にもお金や時間が必要です。こうして育てた従業員が短期間で離職してしまっては、ふりだしに戻りまた大変な労力と経費をかけることになります。また、定着率が低く、募集を年中かけているような企業には、就職活動者や転職活動者といった求職者からの印象が悪いという特徴があります。こういったことは、企業としてのイメージダウンに直結してしまうので、注意しなければいけません。

    離職率との違い

    「定着率」は企業に入社後、一定期間を経て働き続けている従業員の割合です。「離職率」はその反対、一定期間を経て退職した割合を表す割合です。通常は定着率よりも離職率を用いる場合が多いものの、企業によっては定着率を用いて公表する場合もあります。

    定着率の計算式

    定着率の算出方法はシンプルです。

    はじめに、対象とする期間を定めます。対象とする期間は企業によってさまざまですが、1年単位で割合を出す企業が多く、さらに細かなデータを求める場合は数ヶ月や半年で計測することもあります。計算式は以下の通りです。

    「一定期間後、働いている人数(勤続者)」÷「期間開始時の入社人数」×100

    たとえば、4月入社の新卒を50人採用したとしましょう。翌年3月末時点に40人が残っているとすると、計算式は「(40人)÷(50人)×100」で定着率は80%であると分かります。離職率を求める場合は、100(%)から上記の計算式で出した定着率を引くと算出できます。もしくは以下の計算式でも求められます。

    「一定期間後辞めた人数(退職者)」÷「期間開始時の入社人数」×100

    反対に、100(%)から上記計算式で出した離職率を引くと定着率を算出できます。つまり、定着率+離職率はかならず100(%)です。

    定着率を上げるメリット

    従業員の定着率を上げることには、さまざまなメリットがあります。ここからは、定着率アップで期待できるメリットを4つ紹介します。

    • 人材確保・育成につながる
    • 従業員のモチベーションが向上する
    • 採用や育成にかかるコストを削減できる
    • 企業イメージの向上につながる

    人材確保・育成につながる

    「人材確保につながる」ことは、優秀な人材が他社に流れないことを指します。ここでいう優秀な人材とは、業務に関する経験が豊富な人や、人付き合いが上手く素直で誠実な人のことです。こうした人材を確保できていると、企業としての生産性やクオリティアップに期待できるほか、社内の雰囲気向上も期待できます。

    入社した人材には、少なからず研修が必要です。とくに新卒採用の場合、社会人としての常識から教え込むことも少なくありません。電話の取り方や名刺の受け渡し方、社内規則など一人前としてカウントできるまでに時間がかかります。

    育成した従業員に短期間で退職されてしまうと、これまでのさまざまな研修が無駄になってしまいます。

    長く勤務するほど、手がかからなくなり従業員自身の能力は高まります。結果的に優秀な人材へと成長し、企業としての大事な戦力となります。

    従業員のモチベーションが向上する

    定着率の向上でメリットを感じるのは、役職者や経営陣のみのように思われるかも知れませんが、実はそうではありません。むしろ、一番近くで働く既存の従業員こそ、影響が大きいといえるでしょう。

    具体的なところでいうと、退職者が出るたびに、その分退職者の担っていた業務が既存の従業員に降りかかります。残業を余儀なくされたり、本来の業務範囲を超えた仕事を頼まれたりすることも少なくありません。共に働いていた同僚が退職するとなると、知らずしらずのうちに落ち込んだり、ストレスを抱えたりするものです。そのため、定着率が高くなることで既存の従業員のそのような負担が減り、従業員のモチベーションが向上します。

    また、新しく仲間に加わった人材に仕事を教えるのも、既存の従業員です。仕事の進め方はもちろん、備品の場所や社内および部署での細かなルールなども教えます。このほか、相手をよく知らないうちは、非常に気を遣います。新しい人間関係を構築するため、心身共に疲弊するでしょう。

    このように定着率が低く、従業員の入れ替わりが激しいと、既存社員は大きなストレスを抱えてしまいます。

    定着率が向上するということは、従業員が長く働いてくれることと同義です。従業員同士の信頼関係ができ、業務も円滑に進められるようになるためモチベーション向上につながるといえるでしょう。

    採用や育成にかかるコストを削減できる

    従業員が離職するたびに、穴を補うため新たな人材を採用する必要があります。人材採用といっても、そこにかかる手間や経費は膨大なものです。求人の方法はいくつかありますが、求人サイトや求人誌に掲載する場合、掲載費用が発生します。また、広告業者との打ち合わせや掲載内容のチェック、応募者への対応や書類選考、さらには面接の日程決めやその後の選考と非常に手間も時間もかかります。

    また採用が決まっても、すぐに戦力になれるわけではありません。採用した人材のために、必要な備品を揃え、研修を実施する必要もあります。備品はさまざまですが、社用携帯やパソコン、あるいは制服が必要な場合もあるでしょう。そうした備品の手配にも、手間や経費がかかります。研修においても同様です。研修の規模にもよりますが、外部講師を招いたり、少なくとも数ヶ月はつきっきりで研修を実施したりなど、研修には多くのコストと時間が必要です。こうした点を考えると、定着率向上のための施策は必要不可欠といえます。

    企業イメージの向上につながる

    求職者が会社を選ぶうえで重視しているのは、給与額やボーナスの有無、福利厚生だけではありません。とくに近年は、仕事への価値観や働き方の多様化が進んでいることもあり、どれほど稼げるかよりも「働く環境」を重視する傾向にあります。

    定着率が高い企業は、いくら給与が魅力的でも求職者からすると社内環境が悪く、人間関係が複雑なのではと考えられてしまいます。逆に定着率の高い企業においては、働きやすい環境が整っており人が離れない魅力がある、と良い印象を持ってもらえる可能性が高いです。そのため優秀な人材が集まりやすいといえるでしょう。

    また離職率が低い企業は、従業員を大切にしているという印象を持たれるため、企業そのもののイメージ向上につながります。

    定着率を上げるためには?

    人材の定着率を上げるためには、ある程度の時間が必要です。しかし、すぐに取り入れられる対策や取り組みもあります。

    ここからは、定着率を上げるために、企業ができることを4つ紹介します。

    • ワークライフバランスを意識する
    • 報酬に関する制度や体制を見直す
    • 社内のコミュニケーションを活性化させる
    • 採用時のミスマッチに目を向ける

    ワークライフバランスを意識する

    時代が進むにつれ、仕事への価値観や働き方に対する考え方は大きく変化しています。新型コロナウイルスの感染拡大により、リモートワークでも仕事が成り立つことが証明されました。それと同時に、自由な働き方および生き方を選べるようになりつつあります。

    また、副業を承認する企業が増加しており、本業はそこそこに、副業でスキルを高めたり収入を増やしたりといった働き方を選ぶ人も少なくありません。

    このことから、月の残業時間や年間の休日数、有給休暇の取得率などプライベートを優先できるか否かは従業員および求職者にとって非常に重要なポイントです。従業員の有給休暇取得率や残業時間数を確認し、問題があればその原因を探りましょう。また、原因を明確にしたうえで取得できるよう環境や制度を見直し、長期的に働きやすい環境を整えます。

    報酬に関する制度や体制を見直す

    働く環境が大切とはいっても、得られる給与が低くては意味を成しません。多くの人の働く理由は、お金を得て生活し自身の人生を楽しむためです。最低限の生活ができる額ではなく、従業員の人生までを見据えた報酬設定が必要といえます。

    まずは、昇給やボーナス付与といった報酬に関する基準を明確にし提示しましょう。あわせて、実績や仕事に対する姿勢など、フラットな評価制度へと見直します。

    そうすることで従業員から会社への信頼度は、大きく向上します。

    また、評価制度や昇給・昇格の基準が明確化されると、従業員が自分の現在地を把握し目標達成のためのモチベーションを維持しやすくなります。結果、積極的かつポジティブに業務に取り組めるため、生産性・品質の向上へとつながるでしょう。

    報酬制度や人事制度を見直す際に、どのように検討したら良いのか困っている場合は、こちらのe-bookがおすすめです。

    社内のコミュニケーションを活性化させる

    組織で働くことは、少なからず人と関わることといえます。リモートワークが進んでいるとはいえ、まったく人間関係への関心が不要になるというわけではありません。同期や先輩後輩、あるいは上司や部下など相談できる相手がいるだけで、働きやすさは大きく変わります。そうした相手がいない場合、すべてを自分の中に溜め込むことになるため、自分の居場所がないと感じて退職という選択肢にたどり着いてしまうからです。

    社内のコミュニケーション活性化の方法として、定期的な1on1を設けたりカジュアルなチームミーティングを取り入れたりするのもよいでしょう。社内用のSNSを導入するなども、従業員同士が話せる機会やきっかけを企業側がつくる方法のひとつです。無理に仲良くさせるのではなく、従業員同士がフラットでいられる環境をつくりましょう。

    1on1ミーティングの際に議事録として、HRBrainを活用してみるのもおすすめです。半年前の1on1で話した内容を改めて振り返ることで、自分の成長を確認することもできます。

    採用時のミスマッチに目を向ける

    人材採用とは、いわゆる応募者と企業のお見合いです。企業側は応募者の中から最適な人材を選びますが、応募者も企業が自分に相応しいかを考え選びます。人手不足だからといって、「とりあえず採用」としてしまうと入社後に全くスキルや能力がマッチしていなかったり、人柄に問題があったりします。また、能力的には良くても、社風や方針が馴染まなければ入社後すぐに退職されるケースもあるでしょう。そのため、求人情報はもとより面接時にも求めている経験やスキル、残業時間や有給休暇の取得状況といったリアルな情報を伝えることが大切です。

    定着率が下がる原因

    定着率を上げるために取り組んでも、定着率が下がる原因を把握できていなければ意味がありません。ここからは、定着率を下げる原因を8つ紹介します。

    • 適正な仕事内容ではない
    • 職場環境がよくない
    • 人間関係に問題がある
    • 給与などの待遇が悪い
    • 明確なキャリアパスがない
    • 入社前後でギャップがある
    • 将来性がない
    • 人事評価の納得感がない

    適正な仕事内容ではない

    「適正な仕事内容」とは、その人の能力や給与に見合っているといったことです。適正ではないケースを挙げるとすると、本来はレベル10の仕事ができるにもかかわらず、レベル5程度の簡単すぎるもの、あるいはレベル20の難しすぎる仕事を振られることです。また、一般事務として入社したものの、営業のような仕事をさせられているなども含まれます。このような状況では、従業員本来の能力を発揮できず生産性も低下します。適材適所を意識した、人材配置をおこないましょう。

    職場環境がよくない

    「職場環境」とは、社内のさまざまなことを指します。たとえば、仕事をするオフィスや備品を保管する倉庫がきちんと清掃されていなかったり、整理されていなかったりといったことです。また、長時間労働や休日出勤が常態化していたり、有給休暇や育児休暇、病欠が取りにくかったりすることも挙げられます。

    こうした従業員エクスペリエンスは、定着率および離職率に直結します。HRBrainでは、企業の人事担当者様向けに「
    3分でわかる従業員エクスペリエンス(EX)」の資料をお送りしています。これから離職率の改善に力を入れたい企業様や従業員エンゲージメントに限界を感じているご担当者様は、ぜひ「3分でわかる従業員エクスペリエンス(EX)」をご覧ください。

    人間関係に問題がある

    組織で働く以上、人間関係の構築は避けられません。人間関係が活性化することで、社内の雰囲気が改善し離職を防ぐこともできますが、一方で離職の理由にもなり得ます。

    上司が高圧的であったり、ベテラン社員が悪い意味で社内を仕切っていたりなど、入社してきた人材が馴染めない環境ではないか調査しましょう。

    ハラスメントの問題がある

    近年問題視されているのが「ハラスメント」です。

    ハラスメントを受けた人材には、精神的もしくはそれに付随する肉体的な負担によるストレスが溜まります。そのため離職や休職につながり、定着率を下げる結果になるでしょう。

    以前はセクシャルハラスメント(セクハラ)やパワーハラスメント(パワハラ)がメインでしたが、昨今はモラルハラスメント(モラハラ)やアルコールハラスメント(アルハラ)なども広がりを見せています。こうしたハラスメントは、労働基準監督署などに相談され調査が入るだけでなく、企業のイメージダウンにもなるため注意しましょう。

    給与などの待遇が悪い

    ほとんどの人が給与を得るために働くため、給与や各種手当、福利厚生などの待遇が悪いと優秀な人材が他社に流れてしまいます。また、人材採用においても求職者が集まりにくい原因といえるでしょう。

    HRBrainでは、人事制度についての資料をお送りしています。人事制度をつくるタイミングや「等級制度・評価制度・報酬制度」といった人事制度のつくり方などをまとめています。人事制度の見直しを検討されているご担当者様は、ぜひ「
    ゼロから作る人事制度設計マニュアル」をご覧ください。

    明確なキャリアパスがない

    長く働くということは、その会社でキャリアを積むということです。その会社のあのポジションにつきたい、と考えてもそのポジションにつくための道筋が明確にされていないケースは少なくありません。たとえば必要なスキルや実績・経験など、いわゆるキャリアパスを明確にしておくことで、従業員が上を目指しやすくなり長く働いてもらえるでしょう。

    入社前後でギャップがある

    入社前と入社後のギャップが大きければ大きいほど、早期離職につながります。たとえば、残業はほとんどないと聞いていたものの、実際には毎日残業しているといったことです。逆も然りで、残業が多いと聞いていて稼げると思っていたのに、実際はほとんどないというケースもあります。良いところばかりを伝えていると、入社後の違いに付いていけず離職率が高まりやすいため注意しましょう。

    離職率を改善したいものの、何から取り組むべきか分からない場合は、「
    3分でわかる従業員エクスペリエンス(EX)」をご覧ください。入社前の期待値と入社後の実感値のギャップから、従業員が本当に求めているものを明らかにし、改善すべき人事施策を明らかにします。

    将来性がない

    「明確なキャリアパスがない」にも関連しますが、将来性がないと感じると従業員は他社へと流れてしまいます。給与が上がりにくかったり、昇格しにくかったりといった理由はもちろん、業績の低迷や業界自体の衰退などは将来性がないと判断されることにつながるでしょう。

    人事評価の納得感が無い

    人事評価は給与に直結するため、従業員の不満に直結しやすい観点です。実績がボーナスに反映されていなかったり、同期との給与額に大きな差があったりなど給与に関する問題は非常にセンシティブです。正当性を感じられない、納得できないような人事評価が続くと、早い段階で従業員は離れていきます。不信感を抱かせないためにも、評価基準を明確にし仕事ぶりに見合う評価を実施しましょう。

    人事評価は、上司の面談も重要なポイントです。評価基準が定まっていなかったり、従業員との面談回数にばらつきがあったりすると、正しい評価ができません。HRBrainでは、スムーズで均一性のある1on1特化ツールを提供しています。一貫した人材育成や1on1内容の均一化を可能にする「
    1on1ミーティング」をぜひご検討ください。

    定着率が高い企業の特徴

    定着率が高い企業の特徴は、定着率が下がる原因とは反対のことを実施できているということです。

    「適正な仕事内容ではない」であれば、従業員それぞれの個性や能力を把握し、それに見合った仕事を任せているといえます。「職場環境」においては、従業員がいつでも最高のパフォーマンスを発揮しモチベーションを維持できるよう、常に環境を整え改善しているでしょう。上司が部下ひとりひとりと向き合い、頑張りを把握し評価することで、その頑張りをしっかりと給与やボーナスに反映させます。また、キャリアパスを明確化するだけでなく、従業員が目標を達成できるよう企業側が積極的にスキルや資格を支援します。

    このように、定着率が高い企業は従業員を第一に考えていることがわかります。従業員を大切にすることで、結果的に企業の利益として返ってくるとわかっているためでしょう。

    まとめ

    企業は従業員あって成り立っているものです。だからこそ、ビジネス界では人材育成が長年にわたって注目され続けています。従業員を正しく評価し、仕事に見合った報酬を払い、積極的に支援し育成することで、従業員は自分を大切にしてくれていると感じられます。

    従業員が企業に対して信頼感を持つと、企業に長期的に在籍し仕事を通して大きく貢献してくれるでしょう。定着率が伸び悩んでいる場合は、まずは何から取り組むべきか考えてみてください。

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    HR大学 編集部

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