#人材管理
2026/04/09

人事にERPを導入するメリット・デメリット|選び方や人事システムの違いも解説

人材データの一元管理を実現し、あらゆる人事施策の実行をサポート

目次
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会社を運営するなかで、人事の業務効率に課題感を抱いている方は少なくありません。

人事では給与計算や勤怠管理、人材の採用・育成といった幅広い業務を担うため、さまざまなデータを使用します。

しかし、社内で複数のシステムを併用しているとデータ管理が複雑になってしまい、業務効率を下げるおそれがあります。その問題を解決する手立てとなるのが、ERPの導入です。

本記事では、人事業務の効率化に役立つERPについて解説します。機能や導入するメリット、人事システムとの違いにも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。

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ERPとは

ERPは、会社経営に必要な「ヒト・モノ・カネ」に関する情報を、一元管理するためのシステムです。「Enterprise Resource Planning」の頭文字が、ERPの名前の由来です。

ERPで情報を統合・管理することで、以下の業務領域の効率化を図れます。

  • 人事業務

  • 会計業務

  • 生産業務

  • 販売業務

とくに人事は、従業員情報・勤怠・給与・評価など、部署横断で参照されるデータが多く、全社で同じデータを見られる状態を作ることが重要です。

複雑になりがちな情報の流れを統制・可視化できるERPは、業務効率の改善が必要な企業にとって欠かせないツールのひとつといえるでしょう。

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ERP導入でできること・機能

さまざまな業務で活用できるERPには、多くの機能が搭載されています。ERPの主な機能を業務領域別に分類し表にまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

業務領域

機能

人事業務

従業員情報の記録・管理
給与計算

会計業務

財務諸表の作成・管理
財務分析

生産業務

原価計算・管理
生産計画の作成
検品・検収

販売業務

受発注管理
在庫管理
販売実績管理

なお、ERPの機能は一律ではありません。製品によって機能や特性が異なるため、自社に必要な機能を搭載しているかを必ず確認しましょう。

ERPの種類

ERPは、利用形態に応じて、一般的に以下の3タイプに分類されます。それぞれの特徴を把握することで、自社に適したERPを選びやすくなります。

  • パブリッククラウド型ERP

  • プライベートクラウド型ERP

  • オンプレミス型ERP

パブリッククラウド型ERP

パブリッククラウド型ERPは、Webを通じてクラウドベンダーのシステムを使用するタイプです。

パブリッククラウド型では、あらかじめ用意された機能のなかから必要なものを選べます。使用する機能を最低限に抑え、初期費用を下げることも可能です。

一方で、SaaS型では、オンプレミスと比べてソース改修を伴う大規模な個別カスタマイズは制約が出やすく、設定変更や標準機能・連携で対応するケースが一般的です。

プライベートクラウド型ERP

プライベートクラウド型ERPは、自社のクラウド環境にERPを構築するタイプです。

自社内の環境にシステムを構築するため、パブリッククラウド型ERPより設計の自由度は高い傾向にあります。

ただし、独自要件を増やしすぎるとコストが高くなる傾向があるため、システム設計には注意が必要です。

オンプレミス型ERP

オンプレミス型ERPは、ソフトウェアパッケージを購入し、自社のサーバーにインストールするタイプを指します。

カスタマイズの自由度が高く、企業ごとの業務プロセスに合わせたシステム構築が可能です。

しかし、構築するシステムの規模によっては、導入費用が高額になる点には注意しましょう。ソフトウェアの購入費だけでなく、サーバーや回線の用意、定期的なメンテナンスにも費用がかかります。

ERPと人事システムの違い

ERPと似たシステムに、「人事システム」が挙げられます。人事システムは、従業員の氏名や住所など、人事に関する従業員データを管理するためのシステムです。

複数分野のデータを一元管理できる点でERPと人事システムは類似していますが、対象とする情報の範囲が異なります。

ERPは人事を含む、会社全体の情報を対象としたシステムです。一方、人事システムは、労務管理や給与計算、人材育成など、人事マネジメントに特化したシステムとなっています。

対応領域が広い点で、ERPのほうが導入コストは高額になりがちです。「生産管理が必要なく、人事管理に対応できれば十分」といった企業であれば、対応領域が限定的な人事システムのほうがコストを抑えやすくなります。

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人事領域にERPを導入するメリット

人事領域に課題感のある会社がERPを導入すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。ERPの導入で期待できるメリットを4つ紹介します。

  • 人事業務が効率化される

  • タレントマネジメントしやすくなる

  • 情報漏えいのリスクを抑えられる

  • 人的リソースの最適化ができる

人事業務が効率化される

ERPには、人事業務を効率化するための多様な機能が搭載されています。これまで手作業で行っていたような業務の自動化も可能です。

ERPにより効率化・自動化できる人事業務として、以下が挙げられます。

  • 給与計算

  • 福利厚生管理

  • 従業員情報の管理

  • 勤怠情報の管理

これまで手作業で行っていた業務を自動化することで、担当者の業務負担が減るうえに、ヒューマンエラーも発生しにくくなります。

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タレントマネジメントしやすくなる

ERPは、タレントマネジメントの実施において有用なツールになります。

タレントマネジメントとは、従業員の才能やスキル、経験を活かし、強みのある人材に育てるための施策です。

ERPには、従業員の目標や達成状況、育成プログラムなどを記録し、人材育成をサポートする機能が備わっています。こうした情報を一元管理することで、教育担当者は一貫性のある教育プログラムを実現でき、タレントマネジメントに取り組みやすくなります。

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情報漏えいのリスクを抑えられる

社内には機密性の高い情報が多く保管されています。ERPで情報を一元管理し、権限管理や監査ログなどを適切に運用できれば、情報漏えいや不正アクセスへの対策を講じやすくなります。

情報漏えいが発生した場合、その企業が負う損失や影響は計り知れません。会社経営を続けていくためにもセキュリティ対策は必須事項であり、ERPの導入はセキュリティ強化の一手となります。

人的リソースの最適化ができる

ERPを活用すれば、さまざまな業務が効率化され、人的リソースの最適化もしやすくなります。

社内の業務は、利益を生み出すための「コア業務」と、補助的な業務全般を指す「ノンコア業務」に分類されます。ノンコア業務も会社運営には欠かせませんが、利益を増やし会社を成長させるにはコア業務への注力が不可欠です。

ERPにより業務効率を改善できれば、これまでノンコア作業に割いていた人的リソースをコア業務に充て、利益拡大を図ることも可能です。

人事領域にERPを導入するデメリット

ERPを導入すると、人事領域だけでもさまざまなメリットが得られます。しかし、ERPの導入には、以下のようなデメリットも生じる場合があります。

  • コストが発生する

  • 運用ノウハウが必要になる

コストが発生する

ERPを導入すると、クラウド型とオンプレミス型のいずれも、ライセンス費用やシステムの保守費用がかかります。また、搭載されている機能や規模によっては、高額になるケースもあります。

人事業務の改善を目的としているにもかかわらず、不必要に多機能なERPを導入してしまうと、想定以上のコストが発生し、自社の経営を圧迫しかねません。

システム導入の目的によっては、ERPではなく、人事システムのほうが適しているケースもあります。

運用ノウハウが必要になる

業務の効率化を目的としてERPを導入しても、従業員一人ひとりが正しい情報を入力し、きちんと使ってくれなければ、その真価を発揮できません。ERPを導入する際は、操作方法や利用上のルールなど、運用ノウハウを従業員に伝える機会を設ける必要があります。

ERPの導入に際して一時的に業務量が増えることは、想定しておいたほうがよいかもしれません。

人事に関するERPの選び方

人事領域を主軸としてERPを導入するなら、人事に特化した製品を選ぶ必要があります。導入するERPを選定する際は、以下のポイントに照らし合わせてみてください。

  • 企業規模にあったERPを選ぶ

  • 必要な機能を搭載しているか確認する

  • 費用は適正か確認する

企業規模にあったERPを選ぶ

自社が中小企業なのか、大企業なのかによって、導入すべきERPは異なります。多くのERPは、企業規模にあわせてシステムが設計されています。自社の従業員数や部門数に適したERPを選びましょう。

スタートアップ企業なら、コストパフォーマンスに優れたタイプがおすすめです。また、会社の成長にあわせて拡張できる柔軟性をもったERPを選ぶのも一案です。

規模の大きい企業であれば、複数の部門や複雑化した業務を総合的に管理できるERPがよいでしょう。

必要な機能を搭載しているか確認する

企業規模にあわせるだけでなく、搭載されている機能のチェックも必要です。

人事業務の改善を目的とするなら、給与計算や勤怠管理、社会保険の管理といった機能は必須です。また、外国籍の従業員を雇用しているなら、多言語に対応しているERPのほうが使いやすいでしょう。

ERP選びに失敗しないためにも、解決すべき問題を定め、ERPに求める機能をあらかじめ検討しておくことが大切です。

費用は適正か確認する

基本的に、ERPは導入したら長期間にわたって使用するシステムです。導入費用だけでなく、ランニングコストも考慮して、無理なく使いつづけられるERPを選ぶことが重要です。

また、会社の成長にあわせてERPのカスタマイズが必要になるケースもあります。将来を見越して、いずれ必要になりそうな機能を足すといくらかかるのか、シミュレーションしておくと安心です。

まとめ

ERPは、会社経営に使用する多様な情報を一元管理できるシステムです。ERPを導入すれば、人事業務をはじめとする、さまざまな業務の効率化を図れます。

なお、ERPに搭載されている機能や強みは、製品ごとに異なります。解決すべき課題を社内で明らかにし、その問題解決に必要な機能を搭載したERPを選びましょう。

人事領域の課題が中心で、育成・配置・評価などを強化したい企業は、ERPの活用に加えて、タレントマネジメントシステムの導入も選択肢になります。

ERPによって人事業務の効率化や人的リソースの最適化に実現しながら、タレントマネジメントシステムを併用し、ここのスキルや特性を最大限に発揮できる戦略的な人事への転換を目指してみてはいかがでしょうか。

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株式会社HRBrain 宮本幸輝
宮本 幸輝
  • 株式会社HRBrain コンサルティング事業部 組織・⼈事コンサルタント

大学卒業後、コンサルタント企業に入社し、大手家電メーカーや製薬企業に人材マネジメントや研修を提供。また50名〜500名規模企業への⼈事評価制度構築⽀援など組織開発領域を幅広く携わる。

その後、医療業界のネットベンチャー2社のジョイントベンチャーの立ち上げに携わり、自社組織の開発にも貢献。

総合経営コンサルティング会社に移り、50名の⽼舗企業からベンチャー企業、IT(2000名)規模の⼈事制度構築⽀援を複数経験。その他にも経営戦略コンサルや⼤⼿⽯油卸企業の店舗組織変⾰プロジェクトにも参画。

現在は、HRBrain コンサルティング事業部で組織人事コンサルタントとして活躍中。
人事戦略策定から人事評価制度コンサルティング領域まで年間約20社以上を支援する。

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