ナレッジとは?ノウハウとの違いやマネジメントへの活用方法を解説
- ナレッジとは
- ナレッジの英語の意味
- ビジネスシーンでのナレッジとは
- ナレッジとノウハウの違い
- ナレッジマネジメントとは
- ナレッジマネジメントとは
- ビジネスにおけるナレッジマネジメントの重要性
- ナレッジマネジメントのメリット
- ナレッジのベースを共有できるツール5選
- Slack
- Chatwork
- Evernote
- Qast
- Scrapbox
- ナレッジを蓄積・データベース化するサービス紹介
- ナレッジマネジメントソリューション「knowler」
- タレントマネジメントシステムの「HRBrain」
- 【まとめ】人材管理や人事評価もシステムの導入でナレッジ化を
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ナレッジとは
ナレッジとは、知識や情報のことです。ここではナレッジの語源から、ノウハウとの違いを紹介していきます。
ナレッジの英語の意味
ナレッジは「knowledge」がネイティブの発音だと、「ナ(ゥ)レッジ」と聞こえることから作られた和製英語の一種です。「knowledge」は「知識」や「知見」という意味を持ちます。
(※引用)weblio辞書:「ナレッジ( knowledge)」より
ビジネスシーンでのナレッジとは
ビジネスシーンで使われるナレッジとは、“企業などの組織にとって有益な知識・経験・事例・ノウハウなど付加価値のある情報”となり、企業にとっての知的財産のことを指します。
ナレッジとノウハウの違い
ナレッジと似た言葉に「ノウハウ」があります。ノウハウは日常会話でも使用される一般的な言葉です。ノウハウも和製英語のようですが、英語の「know-how」がそのまま定着したものです。英語の「know-how」は、ものごとの手順や方法という意味になります。
いっぽうで、和製英語としてのノウハウは、“ある専門的な技術やその蓄積のこと”または、“技術競争の有力な手段となり得る情報・経験。また、それを秘密にしておくこと”と訳されています。(※引用)weblio辞書:「ノウハウ(know-how)」より
ナレッジは前述のように企業にとって有益な情報や知識のことです。ナレッジは大事な情報の集まりとも言えるでしょう。いっぽうで、ノウハウは専門的な技術やその蓄積を意味します。ナレッジである情報や知恵を体系化して、蓄積することで、ナレッジはノウハウへと昇華すると考えることができます。
ナレッジマネジメントとは
ここまでナレッジの意味を解説してきましたが、ビジネスでは主にナレッジマネジメントと言う用語で使用されます。ここからはナレッジのビジネスシーンでの使われ方を紹介していきます。
ナレッジマネジメントとは
ビジネスシーンにおけるナレッジとは、企業にとって付加価値を持つ情報だと前述しました。例えばビジネスシーンでのナレッジの例を1つあげると、原材料の組み合わせや製造方法などだけではなく、従業員が持つ知識や経験もナレッジに含みます。ビジネスにおいては、個々人の持つナレッジを他の従業員にもアクセスできるように、体系立てて蓄積していくことを「ナレッジマネジメント」と呼びます。
現在のナレッジマネジメントは、1990年代に一橋大学名誉教授・経済学者である野中郁次郎氏が「SECIモデル」を発表したことから始まったとされています。「SECIモデル」のSECIは以下の4つの頭文字から作られています。
Socialization(共同化)
Externalization(表出化)
Combination(連結化)
Internalization(内面化)
「SECIモデル」とは、知識や経験が、「共同化」、「表出化」、「連結化」、「内面化」を繰り返すことで、知識の創造とマネジメントを行なっていくという考え方です。この理論がナレッジマネジメントの基礎となっています。企業がナレッジマネジメントを行う場合は、「SECIモデル」の手順に従って行なっていくことになります。
ビジネスにおけるナレッジマネジメントの重要性
ではビジネスにおけるナレッジマネジメントの重要性を解説します。重要な理由は、大きく2つあります。
従業員の業務遂行レベルの均質化
知的財産の蓄積と人材流出時の損失の軽減
まずは、1つ目の「従業員の業務遂行レベルの均質化」を解説します。ナレッジが蓄積されており、そこに従業員がすぐにアクセスできるようになっていれば、誰が配属されてもある程度業務遂行のレベルを揃えることができます。
最近ではナレッジツールを導入することで、従業員のナレッジの蓄積や確認がよりスムーズにできるようになりました。そのため、既存の従業員の業務遂行レベルの統一はもちろん、新人の育成の効率化も可能となりました。
その結果、新人の指導時間の短縮が実現でき、人件費のコストダウンにもつながります。
続いて、ビジネスにおけるナレッジマネジメントが重要な理由の2つ目「知的財産の蓄積と人材流出時の損失の軽減」を解説します。
組織単位でナレッジの蓄積ができていれば、従業員が辞めてしまった場合の情報のロスや、業務が滞るリスクが軽減されます。
筆者が外部広報スタッフとしてお手伝いしていたレストランチェーンの「サンマルク」の故片山社長に直接お聞きした話では、もともと「サンマルク」の母体はシェフが料理するフランス料理のレストランでした。しかし料理長が辞める際に、スタッフも引き連れて辞めてしまうことが多く、経営危機に陥ることがあったそうです。そこでナレッジマネジメントを行い、料理長やシェフに依存しないフランス料理のレストランを作ろうと考えたとのことでした。
具体的には、それまでシェフに属人的に頼っていた「フランス料理の材料の仕入れや加工」「フランス料理を作る」という工程をすべて洗い出すことにしました。次に細かなマニュアルに落とし込み、ナレッジとして蓄積していき、最終的にはアルバイトでもフランス料理が提供できるようにまでになりました。
その結果、岡山の普通のフランス料理店から、全国展開することに成功し、株式公開を果たしました。お聞きしたのは、店頭公開した1995年なのですが、当時は記者発表等でよく片山社長はこの話をされていました。
(※参考)感情会計:「サンマルク創業者・片山社長の魅力」より
このようにナレッジを蓄積し使えるようにすることは、企業にとって必要不可欠なだけでなく、大きなメリットがあるとも言えます。
ナレッジマネジメントのメリット
ナレッジマネジメントのメリットは重要性と近いものですが、大きく分けて3つあります。以下順番に解説します。
人に知識を頼らない
ナレッジを属人化せず共有化することができれば、特定の人がいなくなることで起こる業務の停滞を防ぐことができます。これは、その人物が退職や異動した場合でも、ナレッジが共有されていれば、そのナレッジに基づいて他のスタッフによって業務の遂行が可能なためです。また、ナレッジが属人化せずに共有されていれば、異動の場合の引き継ぎにかかる時間も軽減でき、取引先との信頼を失うリスクや、品質が下がるリスクを軽減することもできます。
社内対応の時間を削減できる
ナレッジマネジメントを行うことで、社内の質問などの対応時間を削減することができます。たとえば人事の場合、手続き書類の記入や作成方法など、従業員から電話で質問を受けることがあります。質問者は初めての質問だとしても、受けている担当者は同じ内容の質問をすでに何十回と受けている可能性があります。大企業の場合、異動の時期など手続き書類が多いタイミングでは、人事の担当者は毎日数時間、従業員からの質問の対応だけに時間が割かれてしまうことになります。さらに質問者のレベルにあわせて、どこから説明すべきかが変わってきてしまい、ヒアリングにも時間が掛かります。このような場合、誰もが簡単にアクセスできる場所にナレッジが蓄積されているだけで、大幅な工数削減になります。
従業員が個々で問題解決できる
ナレッジを蓄積することで、従業員自身のの問題解決能力や決断力の向上につながります。経験や実績のある従業員の知識が共有されることで、他の従業員も問題解決をする時の判断材料を検索することができます。個々の従業員の問題解決のレベルが上がることで、上長に判断を確認する場面が減るため、上長の工数の削減にもつながります。
ナレッジマネジメントを行うことは、企業にとって必要なことだとお分かりいただけたかと思います。ただ従来ナレッジマネジメントを難しくさせていたのが、そのナレッジをプールさせる場所を作ることでした。折角の知識も紙ベースでのマニュアルやファイルになっていては、他の従業員のアクセスが困難になってしまいます。次項以降では、ナレッジを簡単にプールできるツールを紹介します。
さらに詳しくナレッジマネジメントの導入ステップなどを知りたい方はこちらの「【ノウハウまとめ】人事・ビジネスで使えるナレッジマネジメント」がおすすめです。
ナレッジのベースを共有できるツール5選
ナレッジマネジメントを行うなら、システムの導入がおすすめです。ここでは簡単に導入できるツールを5つ紹介します。
Slack
ビジネス用のチャットツールとして、テレワーク導入の伸びにあわせて、利用が増えているツールです。チームやプロジェクト単位でのチャットルームを作ることができ、プロジェクト単位での会話の内容を整理しやすくなります。このため従来のメールとは違い、プロジェクト単位の会話が、時系列で確認しやすいと言うメリットがあります。シンプルでスマートフォンからでも操作性がよく、チャットに絵文字や「いいね」で反応できるため、やりとりの工数が削減できます。ビデオ通話機能もあるため、テレワーク時にオンライン会議用に利用することも可能です。
(※参照)Slack:「トップページ」より
Chatwork
Slackと同じチャットツールですが、国内発のツールで、Slackよりも操作画面がシンプルで使いやすさが追求されているツールです。通常のチャット機能に加え、通話機能、タスク管理、ファイルの共有ができます。またマルチデバイスに対応しており、他のサービスとの連携ができるのが特徴です。
(※参照)Chatwork:「トップページ」より
Evernote
個人利用も多い、ナレッジマネジメントツールです。情報整理が得意なツールで、手書きやPDFファイルの文字情報も検索対象になります。音声入力にも対応しており、外出先にて音声でメモを取ることの多い営業マンなどにも利用されています。元々スマートフォンのアプリケーションから発展したツールなため、スマートフォンでの使い勝手が非常に良いのが特徴です。
(※参照)Evernote:「トップページ」より
Qast
Qastは「ナレッジ経営ソフト」です。導入企業は3,000社以上で、日本発のナレッジマネジメントのためのツールです。誰でも簡単にどこからでも「質問や回答」ができ、分類も簡単です。社内版「ヤフー知恵袋」をイメージしていただくと分かりやすいでしょう。
社内でよくある質問やお客様からの質問を蓄積しておくことで、同じ質問に答える工数を削減できるだけでなく、回答の品質を統一することができます。エクセルベースで、社内でよくある質問やお客様からの質問をマニュアル化した場合と違い、フォルダとタグで分類後、文字列で簡単に検索が可能です。加えてスコアで情報共有の貢献を可視化するだけでなく、閲覧人数や誰が閲覧したかも確認できます。特徴はシンプルな操作性で、質問形式で知識を蓄積できる点です。セキュリティ対応も高く、スマートフォンでも使いやすいおすすめのツールです。
(※参照)Qast:「トップページ」より
Scrapbox
手書きの文章が作成でき、複数の人数で同時編集できるのが大きな特徴です。チームごとや個人にタブレットが支給されており、図やデザインでイメージを共有したい場合に便利です。記事の分類がフォルダやタグではなく、[カッコ]をつけて囲むとリンク化され、関連記事として表示されるようになります。検索が簡単にでき、重要な情報はピン留めすることができます。ただインターフェースが英語なのと、CSSやJSでカスタマイズできるため、カスタマイズするならやや利用場面が上級者向けとも言えます。
(※参照)Scrapbox:「トップページ」より
ナレッジを蓄積・データベース化するサービス紹介
ナレッジマネジメントを導入する具体的な方法としては、マニュアルの作成や前述した業務情報検索ツールやグループウェアの利用があげられます。ただ企業規模が大きくなるに従い、簡易なツールだけではナレッジが蓄積していきません。そこでここではよりハイレベルなシステムの導入のための企業を紹介します。
ナレッジマネジメントソリューション「knowler」
ナレッジマネジメントソリューション「knowler」は、NTTとMicrosoftの戦略的提携により生まれた、デジタルワークプレイスです。組織のデジタル化を推進することを目的としています。社内のERPやデータベースなどに代表される構造データ、あるいはテキスト、ドキュメント、有識者、人脈情報などの非構造データを収集するとともに、オントロジーやAIを活用して自動的に分類・意味づけを実施します。それら多様なコンテンツや人材情報の情報探索機能を提供するサービスです。
(※参照)knowler:「トップページ」より
タレントマネジメントシステムの「HRBrain」
「HRbrain」は、人材データの管理、分析、活用を通して戦略的な人事の意思決定を支えるクラウドサービスです。人材の能力や評価自体をナレッジ化して蓄積することで、人事の課題を戦略的に解決していきます。クラウド型で人事評価を可視化しやすく、人材育成のための知識が積み上がります。特にテレワークが推進される中、ペーパレスな人材の把握と活性化の体制作りが必要になっています。10名規模の中小から数マン規模の大手企業まで幅広く導入しており、セキュリティ面だけでなく実績数が多いのでおすすめのサービスです。
(※参照)HRbrain:「顧客満足度No.1 タレントマネジメントシステム」より
【まとめ】人材管理や人事評価もシステムの導入でナレッジ化を
ナレッジやナレッジマネジメントに関して、その概要から企業での利用方法まで紹介してきました。企業力アップのためにも今後の事業戦略としても取り組みたい課題ですね。
ナレッジマネジメントを発揮するために欠かせなのが、紹介してきたようなツールやシステムの導入です。特に人事部にとっては最新のシステムの導入は、人材ナレッジの蓄積だけでなく、工数の削減につながります。最近はクラウド型の人事評価システムにすることで、簡単にコストもおさえて導入することが可能になりました。
HRBrainは、従業員の人事評価などのオペレーションの全てをクラウド上のソフトウエアで効率化するサービスです。MBOやOKR、1on1などの最新のマネジメント手法をカンタン・シンプルに運用できます。
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