Case

導入事例

要望を聞くだけのサーベイを刷新。 組織改善を「人事がやるもの」から、 「全社の取り組み」へと変革させた軌跡。

アスクル株式会社 人事総務本部 人材戦略 人材開発 部長

中野 三穂 様

アスクル株式会社 人事総務本部 人材戦略 人材開発

渡邊 芳樹 様

  • 卸売・小売業
  • 1001名~
  • 従業員エンゲージメントを向上させたい
  • 組織の課題把握・分析がしたい
  • 組織診断サーベイ

HRBrain導入開始:2022年05月01日

要望を聞くだけのサーベイを刷新。 組織改善を「人事がやるもの」から、 「全社の取り組み」へと変革させた軌跡。

  • 課題背景
    • 自社の組織状態の客観的な立ち位置や、解決に繋がる具体的な手がかりを把握できなかった。
    • 独自のサーベイでは「要望を聞くだけ」で、経営や生産性向上に繋がる実感が持てず、取り組みの継続性や有用性に疑問が生じていた。
    • 高い目標を掲げる中期経営計画の達成に向け、従業員の自発的な行動意欲の向上が求められていた。
  • 打ち手
    • 他社比較(ベンチマーク)が可能なHRBrainの組織診断サーベイを導入した、エンゲージメントスコアを全社的な「KPI」として設定した。
    • 全社のサーベイ結果の良い点・悪い点を公表し、役員が説明会を開くなど、会社として誠実に向き合う姿勢と透明性を徹底した。
    • サーベイ後の施策検討と実行の主導権を人事から「各本部長」へ移し、部門ごとの責任ある取り組みに転換した。
  • 効果
    • サーベイデータが「施策の客観的な裏付け」となり、人事が経営陣に提案する際の推進力が向上した。
    • 「経営も課題に取り組んでいる」という姿勢が社員に伝わり、「安心した」という声が寄せられ、ポジティブなマインドの変化があった。
    • 「サーベイは人事がやるもの」という意識が薄れ、キャリア座談会や1on1といった、現場の各部門が主体的に課題解決のアクションを起こす風土が生まれた。

「要望を聞くだけ」だったサーベイ。組織の拡大と変化の中で必要だった「客観的指標」

Q. まずは、アスクル様の事業概要と、直近の経営課題についてお聞かせください。

中野様:
当社は、事業所向けeコマース「ASKUL」や一般消費者向け「LOHACO」などを展開しています。

人事・組織面において、組織の規模が大きくなったことで生じる特有の課題があるのではないか、という認識を持っていました。生成AIの普及や人口減少といった大きな変動要素に対応し、新しいサービスや組織体制を構築しなければならない中、なかなかスピーディに手が付けられていない部分があると感じています。

Q. そうした課題がある中で、なぜエンゲージメントの向上に取り組まれているのでしょうか?

中野様:
当社は中期経営計画で高い目標を掲げており、目標を達成するためには、社員一人ひとりの自発的・主体的な行動が不可欠です。

そのため、「社員がやりがいを持って取り組める環境が整っているか」「会社の方針が個人の目標と連動して、きちんと理解・納得したうえで業務に邁進できているか」、こうした状態を客観的に把握していくためにエンゲージメントの向上は非常に重要だと考えています。その他、女性管理職比率や男性育児休業取得率なども注視しています。

Q. HRBrain導入前は、どのような取り組みをされていましたか?

中野様:
実は、以前は独自のサーベイを実施していましたが、大きな課題がありました。実施しても「社員の要望を聞く」だけにとどまっており、「あれが足りない、これが足りない」といった声しか集まらず、いわば意見箱のような状態だったんですね。

そんな中で、たとえサーベイ結果が向上しても、「これで本当に経営が良くなるのか?」「生産性が高まるのか?」という部分に、私たち人事としても強い疑問を抱いていました。

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Q. 「要望を聞くだけ」では限界があったんですね。そんな中で、なぜHRBrainを選ばれたのでしょうか?

中野様:
最大の決め手は「他社との比較ができる」ことでした。独自のサーベイでは、比較対象が社内の「前年比」しかありません。でも、それだけでは、自分たちの立ち位置は客観的に把握できないですよね。

HRBrainであれば、他社や業界全体と比較して、自分たちが今どのポジションにいるのかを正確に理解できる。そこから他社の知見も参考にできるのではと期待しました。そういった客観性が、課題解決の糸口になると考えたんです。

サーベイが「施策の裏付け」に。「定量的な根拠」が、経営と現場の意識を変えた。

Q. 導入後、サーベイをどのように活用されていますか?

中野様:
まだサーベイのスコア自体が大きく改善されたという段階ではありませんが、まずは「サーベイを実施して終わり」にしないことを徹底しました。取り組んだこととしては、サーベイ結果の良い点も悪い点もすべて「つまびらかに公表した」ことです。2024年2月のサーベイに対しては、人事の執行役員が従業員向け説明会を3回開催し、結果を詳細に説明しました。その際にいただいた質問にはできる限りすべて回答し、掲示板にも掲載しました。

説明会後、「来年も参加しますか?」というアンケートに「100%参加します」という回答が得られたこともあり、会社としてサーベイ結果と向き合い、誠実に取り組んでいる姿勢は、現場のみなさんに評価していただけているのかなと感じました。

Q.サーベイ実施前と実施後では、取り組みに進展はありましたか?

中野様:
はい。2024年2月のサーベイ実施時は従業員への公表まで時間を要したため、2025年度からはHRBrainの担当者とも事前に綿密なスケジュールを組み、サーベイ実施から公表までの期間を早める改善を行いました。

そして何より大きな違いは、アプローチの主体です。これまでは私たち「人事」が主導しましたが、2024年2月のサーベイ実施以降は「各本部長」から、それぞれの部門メンバーに結果を説明し、施策に落とし込んでもらう形を取りました。

渡邊様:
昨年から、各本部ごとに施策を考えてもらうことも行っており、その際もHRBrainのアクションプラン用シートを使わせていただきました。

中野様:
この流れを通じて、「サーベイは人事がやるもの」という意識から、「各本部も真剣に取り組まなければいけない」という雰囲気へと変わり、少しずつ「全社の取り組み」として浸透していると感じています。

Q. 現場の各部門では、具体的にどのようなアクションが生まれていますか?

中野様:
例えば、弊社は「キャリア」に関する指標が低い傾向にあったのですが、その結果を受けて、ある部門では「座談会」を実施していました。「働きながら子育てをしている管理職」や「ベテラン社員」など、様々なロールモデルの話を聞く場を設けたそうで、参加した社員の満足度は非常に高かったようです。

また、別の部門では、サーベイの数字だけでは読み取れない課題を把握するため、マネジメント層が「メンバー全員と1on1を実施した」という事例もあります。

渡邊様:
また別の部門でも、マネジメント層だけを集めて、同じレイヤー内で状況を共有する座談会を開いていました。

ユニークな例として、ある部門からは「サーベイ結果そのものが課題ではない」という意見が出ていました。そして、サーベイのスコアに直接対応するのではなく、その根本にあると考えた課題への対応を進めていたんです。

これは、スコアだけに振り回されることなく、現場の肌感覚とデータを照らし合わせて主体的に判断している良い事例だと捉えています。

Q. 現場の社員の方々からの反響はいかがでしたか?

中野様:
社員アンケートの中には、「経営もきちんとサーベイ結果を受けて課題に取り組んでいるんだ、ということが分かって安心した」という声がありましたね。

渡邊様:
現場のみなさんに「会社が真剣に向き合ってくれている」という感覚を持っていただけたのは、とても良かったと思います。

Q. 経営陣や現場の管理職の意識にも変化はありましたか?

中野様:
はい。今回からエンゲージメントスコアを「KPI」として設定していました。

そのため、トップマネジメント層もその点は強く意識しています。結果が部門ごとに出て、全社比較もできるようになりました。結果の共有範囲は、現在、組織のトップである「本部長」と、その一段下の「統括部長」までとなっており、各部署から「このデータってどういう意味ですか?」といった質問が届くようになりました。自分の言葉でメンバーに説明する必要があるため、役職者のみなさんがより深く理解しようとしてくれていると感じます。

渡邊様:
前回よりも今回の方が、マネジメント層が結果により強く興味を持ってくれるようになったと思います。ただ、個人や部署によってはまだ温度差があるとも感じているので、これからその差をしっかりと埋めていくことで、より組織全体に浸透させなければいけません。そのためには、やはりコツコツと継続して積み重ねていくことが重要ですね。

Q. サーベイの導入後、人事部門として特に感じたメリットは何ですか?

渡邊様:
以前は、私たち人事から「会社としてこうあるべきだ」という課題意識のもとで施策を提案しても、その必要性や優先順位について経営層の十分な理解を得て、実行に移すまでに時間がかかるケースも少なくありませんでした。

それが、HRBrainのサーベイで定量的なスコアという「裏付け」ができたことで提案の推進力が変わりましたね。「こういう結果が出ている」「そのため、こういった課題がある」「だから、人事としてはこうすべきだと考えている」と、客観的なデータに基づいて説明できるようになり、施策を進めやすくなったのは間違いありません。特にその点では、明確にメリットがありました。

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中野様:
まさに「社員の客観的な声」を根拠として提案できるようになった感覚ですね。人事としての意思決定や提案の「理由付け」となる、強力な定量的指標になりました。

Q. HRBrainのサポート体制についてはいかがでしたでしょうか?

中野様:
HRBrainのサポートには非常に感謝しています。特に経営陣への説明の際、HRBrainの担当者に同席いただき、客観的にお話しいただくことで、非常に伝わりやすくなっています。第三者であるHRBrainが客観的なデータと他社事例を交えて話してくださることで、経営陣もストレートに話を受け入れやすいのだと思います。また、詳細な分析サポートで、「どこに注力すべきか」が明確になってきた点も本当に感謝しています。

一方で、これは当社がKPIとして設定しているからこその悩みですが、HRBrainの組織診断サーベイ結果を受けて、「具体的に、どこにどれだけ手を打てばスコアが改善するのか」という実際のアクションプランに落とし込む際、まだ少し悩む場面もあります。

今後に向けては、「生産性」等の他の経営指標に対してどのスコアがどう影響するのか、その関連性がより明確になると、施策の優先順位がつけやすくなるなと期待しています。引き続き、HRBrainと一緒に取り組んでいければと思います。

サーベイによって可視化されたデータを活用した、次なる人事戦略。

Q. 今後、サーベイデータをどのように活用していきたいですか?

中野様:
今後は、「企業理念の浸透」を最重要指標として継続して注視していきます。関連する施策もすでに展開しているので、指標の推移を見ているところです。

そのうえで、サーベイデータをさらに多角的に活用したいですね。例えば、「教育」や「従業員エクスペリエンス」に関する課題も見えてきているので、データがある程度蓄積されれば、新入社員の受け入れプロセスや、入社後の定着・活躍状況なども分析できるはずです。

将来的には、「入社時のミスマッチ」が起きていないか、あるいは「活躍しているハイパフォーマー」とサーベイの各種指標にどのような相関性があるのか、といった分析も進めたいです。そうした分析を通じて、採用の精度向上、受け入れ体制の改善、新入社員がいち早く活躍できるまでの支援など、人事としての大きな課題解決につなげていけると期待しています。

Q. 最後に、組織改善にお悩みのご担当者様へ、メッセージをお願いします。

中野様:
もし組織改善の取り組みを始めたいとお考えの企業様であれば、HRBrainのサーベイは非常に有効なツールだと感じています。

私たちが導入して実感しているのは、まさに「数字で見える化されることの力」です。良い点も悪い点も、私たちが想定していたことと現実とのギャップが、定量的に把握できるようになりました。

例えば、施策を打ってもなかなか数字が変わりづらい項目が見えてきたり、同じ施策を打ったとしても、新卒・中途という雇用形態別や就業年数別で見ると、結果は変わる傾向にあることなどが明確にわかりました。

こうした「現状把握」ができるからこそ、初めて具体的な手を打っていけます。もちろん、回答率が90%と高い中でも、回答に対する意識の差はまだあると思います。ですが、「回答したら会社がこれだけしっかり取り組むんだ」という姿勢を見せ、しっかりと継続する中で、その数字にも重みがついてくると信じています。まずは現状を把握するという点で、非常に有効だとお伝えしたいです。

渡邊様:
私からは、「継続すること」と、そのための「状態を維持すること」が本当に重要だとお伝えしたいです。

当社の良いところは、サーベイ後のインタビューなどでも、社員が本音を隠さず、良い意味で言いたい放題に話してくれるところだと思っています。この「本音で話せる」風土を守るためにも、サーベイ結果は、個人の責任追求や特定のためには絶対に使わないと決めています。そういった運用上の配慮やバランス感覚が大切ではないでしょうか。「本音で回答しても大丈夫だ」という安心感を醸成し、全員が参加してくれるようになれば、そのデータは会社にとって本物の財産になると考えています。

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※掲載内容は、取材当時の2025年10月時点のものです。

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