Case

導入事例

「PDCAが回らない」状態の克服を目指す。部署毎のアクションプランで実行するJA三井リースの人的資本経営に資する取り組みとは

JA三井リース株式会社 人事総務部 副部長兼 人事企画室 室長

永井 慎一郎 様

JA三井リース株式会社 人事総務部 人事企画室 室長代理

北見 栄一 様

JA三井リース株式会社 人事総務部 人事企画室 主査

加藤 絵美 様

  • 金融
  • 1001名~
  • 組織の課題把握・分析がしたい
  • 人的資本開示への準備がしたい
  • 従業員エンゲージメントを向上させたい
  • 組織診断サーベイ

HRBrain導入開始:2021年03月01日

「PDCAが回らない」状態の克服を目指す。部署毎のアクションプランで実行するJA三井リースの人的資本経営に資する取り組みとは

  • 課題背景
    • 以前のエンゲージメントサーベイは、コンプライアンス調査に設問を追加する形式だったため、匿名運用で回答者の属性情報が把握できず、具体的な施策を打つことが出来ていなかった。
    • 集計結果は全社レベルの大まかな分析にとどまり、部署ごとの課題や傾向を把握できていなかったため、組織改善のPDCAサイクルが十分に機能していなかった。
    • エンゲージメントスコアは外部開示していたものの、そこから読み解いた背景や改善施策とのつながりについて説明に窮していた。
  • 打ち手
    • 社員名簿と連動したHRBrainの組織診断サーベイへ刷新し、外部ベンダーへの集計や分析の依存を減らしながら、人事や現場が主体的にデータを活用できる運用体制を整えた。
    • 各部店長へデータの閲覧権限を付与して自部署の課題をHRBrainのシステムで分析できる環境にし、サーベイの読み解きやアクションプラン作成に関する研修を実施した。
    • 人事評価やタレントマネジメントなど人事・組織に深い知見を持つ担当者の伴走のもとで、数値の意味と改善取り組みを紐づける体制を構築した。
  • 効果
    • 記名式サーベイにもかかわらず回答率は99.7%と高く、数値の背景と取り組みをセットで社内外へ説明できる基盤が整った。
    • 各部署で具体的な改善アクションが実行されるようになり、部店長を中心にデータを活用して自組織の課題を改善しようとする、現場主導でPDCAを回す仕組みを構築できた。
    • 開示数値に対して背景や施策のストーリーを紐付けられるようになり、説得力のある人的資本開示の土台が整った。

外部委託での調査による限界と「数字を説明できない」開示の葛藤。

Q. まずは、JA三井リース様の事業内容や組織体制、人事企画室が担う役割をお聞かせください。

永井様:
当社は、JAグループと三井物産の両社がそれぞれ広い顧客基盤を持っていることを強みに、賃貸事業(リース)や割賦販売、各種ファイナンス事業を展開しており、農林水産、メディカル、不動産、エネルギーなど、様々な業界のお客様と取引を行っています。

人事企画室では、人事制度や評価制度の企画・運営をはじめ、給与・賞与、社会保険、企業年金、福利厚生、勤怠管理、労働組合対応など、人事・労務に関する業務全般を担当しています。また近年では、人的資本経営への対応やエンゲージメント向上施策の推進、人材データの活用などにも取り組んでいます。 

Q. HRBrainを導入される以前も社内でサーベイを実施されていたそうですが、当時はどのような課題があったのでしょうか?

加藤様:
HRBrainを導入する前は、ハラスメントやコンプライアンスリスクを未然に防ぐ力を測定することを目的としたコンプライアンス部主導の意識調査に相乗りする形でエンゲージメントサーベイを実施していました。

このシステムは完全外部委託型で、私たちが設問を決めた後は集計も分析もすべて業者にお任せし、レポートだけを受け取る形のものでした。さらに、リスクチェックの性質上、完全な匿名調査にせざるを得ませんでした。

そのため、
人事側でより深い観点から分析をしたいと思っても詳細な属性データが手に入らず、さらに業者での追加分析には費用が発生するため、結局は手元にある材料だけでしか分析ができない状況にありました。

北見様:
当社は全国に拠点があり、部署ごとに扱うビジネスや組織の特徴、働く社員の課題感も異なっています。しかし、従来のサーベイは「営業部門」や「管理部門」といった大きな括りでしかデータを把握できず、回答者の年代や等級といった属性すら分からないものでした。

これでは「どこに根本問題があるのか」を特定できず、的確な改善施策を打てませんでした。仮説から施策を実行しても次のサーベイで効果を測定できず、毎年同じ設問を取り続けているだけの状態で、
エンゲージメントサーベイを起点に組織改善を行うためのPDCAサイクルを回す段階には、全くたどり着けていなかったのが一番の課題でした。

Image (2)

Q. そうした課題意識がある中で、本格的な組織改善へと舵を切ったきっかけについて教えてください。

北見様:
全社的なきっかけは、前年に新しい中期経営計画を発表し、その中で
「人的資本経営の実現」を明確に掲げたことです。それまでエンゲージメント向上には焦点が当たりにくかったのですが、中期経営計画の発表とともに「全社で取り組もう」という空気感が一気に醸成されました。

また、人事総務部の中での変化としては、安全衛生チームが担当していたエンゲージメントサーベイ業務が、人事戦略・人事制度・評価制度チームへ移管されたことも重要な転機でしたね。担当者変更に伴い改めて業務を引き継ぐ中で、「なぜこれまで的確な施策が打てなかったのか」を掘り下げたところ、データの制限やPDCAが回らない仕組みといった根本課題が見えてきたんです。

加藤様:
エンゲージメント数値は有価証券報告書やHP等へ開示する流れがあり、当社も実際に数値を出していました。ただ、「その数字が何を表し、改善するために何をやっているのか」を明確に説明できない状態でした。

永井様:
当社としても人的資本開示には非常に力を入れているので、まさに「開示しているスコアの背景やストーリーを、社内外へ責任を持って説明できる状態をつくること」は、人事総務部全体としても急務でした。

「数字の意味と取り組みをセットで語れる体制にしたい」という強い問題意識があったタイミングで、HRBrainの担当者からご提案をいただき導入を決断したという経緯です。

Image (3) 2

課題の可視化から「現場の自走」へ。中間レビューから見えた変化とは?

Q. HRBrainの「組織診断サーベイ」に切り替えたことで、実務や分析の深さはどう変化しましたか?

加藤様:
当社が主体的に設問作成から配信・集計・分析まで行えるようになったことは非常に大きな変化でした。
その結果、
当社グループや各事業部の特性に合わせて、より実態に即した分析や課題把握ができるようになったと感じています。

また、HRBrain上に当社の社員名簿データベースがすでに構築されているため、
サーベイ実施時の属性付与や設定変更が、自分たちの手作業ですぐに反映できる点も使いやすいです。レポートも待つ必要がなく、リアルタイムで結果が集計されてすぐ見える点も劇的な変化でした。

北見様:
今回初めて記名式でのサーベイ実施となりましたが、サーベイの回答率は99.7%と直近で最も高い数値となり、従業員のサーベイへの関心の高さを示す結果だと感じています。

以前のサーベイは外部へ委託していて、システムの専門家の方が当社の窓口をされていましたが、分析や統計調査については得意な一方で、人事や組織に関しては詳しい情報を得られませんでした。
HRBrainの担当者は、人事評価やタレントマネジメントなど人事・組織の深い知見をお持ちのプロです。日頃からトレンドや他社事例を含めた実践的なアドバイスをいただける点が、これまでとは全く違いますね。

Q. HRBrainを通じて可視化された大量のデータや課題に対し、社内でどうアプローチされていますか?

永井様:
当社では課題を「全社共通の課題」と「部署固有の課題」の2つに分けて分析・振り分けを行っています。

まず、
部署の課題については、各部店長に権限を渡して自部署のデータを直接分析してもらいました。部署によって抱える課題はバラバラで、従業員が動くべきか、上司や役員がサポートすべきかといった打ち手も様々です。データが細かく見えたことで「この部署はここを頑張ろう」と研修を通じて言語化することができ、改善に向けて動いていただけるようになりました。

Q. 全社共通の課題についても、具体的な課題とアクションをお聞かせください。

永井様:
全社共通の課題については、サーベイ結果や自由記述から見えた内容をもとに各課題に対して主管部署を設定し具体的な改善アクションを進めています。

例えば「社内ルールや各種制度情報の調べやすさ・届きやすさの改善」のテーマでは、「ルールが複数のシステムに分散していて探しづらい」という声や、マニュアルは用意しているものの「人事制度がよく分からない」といった声がありました。
「情報は出しているけれど届いていない」という課題に対し、ツールを跨いで一括検索できる環境づくりやAIの活用、マニュアルの書き方の見直し、ポータルでの情報整理など、必要な情報にすぐ辿り着ける動線づくりを進めています。

また、「ロールモデルの提示とキャリアの可視化」については、特に若手社員などを中心に、「今後どのようなキャリアを描けばいいのか見えづらい」という不安が上がっていました。これに対しては、
会社の経営戦略や方向性を丁寧に伝えていくことに加え、他部署がどのような仕事をしていて各メンバーがどう活躍しているのかを相互に見える化・共有できる仕組みづくりを検討しています。

Image (7)

Q. データをもとに具体的なアクションプランに落とし込まれていますが、現場のみなさんの反応はいかがですか?

加藤様:
導入前の最大の課題だった「PDCAが回らない」状態を脱却すべく、具体的なサイクルを回し始めています。昨年11月に初めてサーベイを実施し、12月〜1月には部店長に向けて「サーベイの読み解きとアクションプラン作成」の研修を行いました。

そして今年7月末に、各部署へ「アクションプランの中間レビュー(振り返り)」を依頼し、各部署の取り組み状況の確認や好事例の共有、従業員向けの情報発信を進めているところです。 私たちの狙いはサーベイのスコアがどうこうではなく、
サーベイをきっかけに職場のメンバー同士で組織の課題解決に向けた対話を行い、改善行動につなげてもらうことです。実際に約100個の部署からアクションプランの中間レビューが提出され、とある部署では部署のコミュニケーションの在り方についてMicrosoft Formsで独自にアンケートを実施して部内意見交換会を開催するなど改善アクションを実行していただいていることが分かりました。

さらに嬉しい変化として、数人の部店長から「過去2〜3年分のデータも時系列で見たいので全部ほしい」と熱心な連絡もありました。HRBrain導入以前の古いデータも含めて共有したのですが、
現場の方々が主体的にデータを分析し、組織の課題改善に向けて動き始めてくれたことは確実な変化だと感じています。全社として持続的に成果を生み出していくために、従業員エクスペリエンスの向上や業務上の課題改善に向けた議論と行動が、現場主導で生まれ始めていることを実感しています。 

Q. HRBrainのサポート体制への評価はいかがですか?

北見様:
システムの操作方法や閲覧権限の設定といった運用面はもちろん、「実現したいことに対して選択肢が3つほどあるが、どれが最適か」といった具体的な悩みまで幅広くご相談させていただきました。常にそれぞれのメリット・デメリットを提示しながら一緒に考えてくださり、まさに「二人三脚」で伴走していただけていると実感しています。

また、計5回ほど開催していただいた研修でのサポートも非常に丁寧でした。研修テキストの叩き台作成や本番に向けた細かな修正だけでなく、初回の研修での反省を踏まえた要望にもすぐに対応してくださいました。こうした臨機応変で手厚いフォローには、大変感謝しています。

現場で運用を推進する立場からすると、
単にシステムの操作方法を教わるだけでなく、人事業務や運用のプロセスそのものに深く伴走していただけたことは非常に大きかったと感じています。

この手厚いサポート体制があったからこそ、全社的な施策を途切れさせることなくスピーディーに推し進めることができました。

Image (5)

人的資本の「ストーリーある開示」と、真の組織力向上を目指して。

Q. HRBrainのEXサーベイを活用し、今後はどのような組織づくりや人的資本開示を実現していきたいですか?

永井様:
当社は非上場企業ですが、有価証券報告書や統合報告書でエンゲージメントスコアを積極的に開示しています。

これからの課題は、出てきたスコアをただ羅列するのではなく、いかにストーリー立てて社外へ当社の課題や実情を説明し、良い方向につなげていくかという点です。
投資家目線でも「JA三井リースは魅力がある会社だ」と思っていただけるよう、人事としての説明スキルやストーリー構築力を、データ活用を通じてさらに高めていきたいですね。

スコアを出して可視化・開示すること自体は、決してゴールではありません。
そのデータを起点として社内の組織改革を推進し、社外に対しても当社の人的資本の魅力をしっかりと伝えていく。データを通じて社内・社外の双方に「良い変化」を生み出し続けることこそが、私たちが目指す本来の姿です。

Q. 最後に、同じように組織課題やエンゲージメントの数値化にお悩みの人事担当者様へ、メッセージをお願いします。

加藤様:
例えば、「エンゲージメント向上に取り組んでください」という指示があっても、「結果が出ても説明できない」「数値を見てどうすればいいかわからず止まってしまう」というのは、よくあることですよね。

そんなとき、
HRBrainは「どんな課題に、どんな手を打つべきか」を考えられる設計・仕組みがあり、カスタマーサポートやコンサルティング担当の方がいつも悩みに寄り添い丁寧に乗ってくださるので、人事が社内で「一人ぼっち」にならず、思考停止せずに確信を持って前へ進めます。

永井様:
システムという「仕組み」はもちろん、何より私たち人事の悩みにいつも寄り添い、一緒に考えてくれる「人」の存在が大きいと感じています。単なるツール導入にとどまらず、自社の課題と本気で向き合い、開示も含めた組織改善のPDCAサイクルを回していくうえで、HRBrainにはシステム面・運用面の両方から伴走いただいており、大変心強く感じています。

Image (6)

※掲載内容は、取材当時の2026年9月時点のものです。

14日間無料トライアル実施中!

お問い合わせ

累計導入社数 4,000社以上※
HRBrainがまるごと分かる資料はこちら

※2026年4月時点