人材育成
2023/09/04
傾聴がビジネスシーンでもたらす効果や傾聴を実践する重要な3つの段階
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傾聴の意味
多くの方が「傾聴」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?一体傾聴とはどのような意味なのか?また、傾聴の目的や使用されるシーンをご紹介します。
傾聴とは?
カウセリングやコーチングでも使用されるコミュニケーション技法の一つで、相手の話したいことに対して、丁寧に耳を傾け、相手に共感しながら、信頼を示す事を言います。経済産業省が掲げる社会人基礎力の一つとして傾聴はあげられています。
傾聴の目的
傾聴は、ただ相手の話を聞くといった単純な手法ではありません。相手が言いたいこと、相手が伝えたいことに重点を置き、「きちんと相手を理解する」ことが重要なポイントになります。そうすることで、相手を深いレベルで理解でき、より良い関係を築く事に繋がります。
傾聴が使用されるビジネスシーン
傾聴はコミュニケーション技法の一つですので、ビジネスシーンのあらゆる場面で使用されます。特にクライアントと接する機会の多いセールスパーソンにとって、クライアントを深く理解することは、ニーズを把握することに繋がります。傾聴をマスターすることによって、クライアントと良い関係を築く事ができます。また管理職の方は、傾聴を使い部下を深く理解することで、部下の成長促進や悩み、相談事も引き出しやすくなります。そのため、傾聴はマネジメントには欠かせないスキルと言えるでしょう。
傾聴の効果と考え方
ここではビジネスシーンにおいて、傾聴スキルの効果をより高く出すために、必要な概念をご紹介します。
傾聴の効果
傾聴は、聞き手が聞き役に徹する事で、話し手が自ら、心情や意見を整理していくことを促します。感情的な事が整理されると、話し手は改善行動や解決行動に移りやすくなります。また、回数を重ねていくうちに、話し手は聞き手に理解されている、共感されているという意識を持ち、信頼関係が構築されていきます。仕事をする上で信頼関係がある状態とない状態では、プロセスに影響が出てしまい、思い描いたパフォーマンスが出ないという事はよくあります。
共感/受容
共感とは、相手の目で見て、相手の耳で聞いて、相手の心で感じると言ったように相手の立場に立って物事を見る事を指します。
受容は、自分の評価や感情は入れずに、相手をそのまま受け止める事を言います。この2つは傾聴の基本となります。受容を行った後に共感する事が大切です。
積極的傾聴(アクティブリスニング)
米国の心理学者カール・ロジャーズは、有効性が認められたカウンセリングに共通した「聴く側の3要素」を発見し傾聴姿勢として提唱しました。アクティブリスニングとよばれ、日本では積極的傾聴と訳されます。
この積極的傾聴(アクティブリスニング)を行う際に意識するべき「3つの聞く姿勢」を紹介していきます。
自己一致
聞き手が誠実かつ「ありのまま」の状態であることを指します。相手の考えや価値観を否定したり、本音を取り繕ったりせず、お互いに信頼関係を築くことで、話し手から自然と本音を引き出せるようになります。
無条件の肯定的配慮
コミュニケーションの中で、主観的な評価をせず、受け入れる姿勢を貫きましょう。存在や意見を尊重してもらうことで、話し手もリラックスすることが可能です。
共感の姿勢
話し手に共感して、同じ立ち位置や視点で理解を示すことも大切です。話し手は自分の世界観に共通点を感じた相手には、心を開きやすくなります。
傾聴の具体的なやり方
まず傾聴を行う上で、基本的な接し方やテクニックをインプットしましょう。
傾聴の具体的なやり方
大きく分けて、言葉を伴う「バーバルコミュニケーション」と相手の仕草や態度から読み取る「ノンバーバルコニュニケーション」に分かれます。
バーバルコミュニケーション
質問するときは5W1Hを意識する
具体的な情報を引き出すために、質問は5W1H(いつ・どこ・だれが・なにを・なぜ・どうやって)を意識しましょう。
オープンクエスチョン
相手が答える範囲に制約を設けない質問の仕方です。「はい」「いいえ」で答えが返ってくるような内容ではなく、「その時どう感じたの?」「もっと詳しく教えてほしいな。」など、相手が話している内容をより広げてあげるための質問をしましょう。
- 相手の発言を言い換える
相手の発言を自分の言葉で言い換えて返します。「パラフレーズ」とも呼ばれ、話が伝わっていることを相手に知らせ、会話の内容に対するお互いの認識が間違っていないことを確認します。
話を途中で遮らない
相手には最後まで話をさせることが重要です。最後まで聞かなくてもわかる話だったとしても、その人の言葉をしっかりと全部受けとめてあげましょう。
相づちを打つ
話し手が気分よく話を続けていくために「なるほど」「へー」など、相づちを打つことで、「話をきちんと聞いていますよ」という安心感を相手に与えます。
バックトラッキング
オウム返しという意味です。話し相手の話を繰り返して、「ちゃんと聞いていますよ」という合図を送る手法です。
ノンバーバルコミュニケーション
- 相手の目を見て話す。
相手に体を向け、顔や目を見るようしましょう。視線をあちこちに逸らすのはやめましょう。
表情を意識的に柔らかく
柔和な表情は、話を聞きたい相手に、心を開いてもらうための有効な一手です。
ミラーリング
話し相手と同じポーズを取る手法です。相手と同じ仕草をすると親近感が湧くといわれています。
- 声のトーン、スピード
話すペースやボリュームを相手に合わせてあげましょう。早口は相手に不快感を与える可能性があるので気を付けましょう。
傾聴の使い方
では実際に、ビジネスにおいて傾聴はどのような場合で、使うものでしょうか?具体的なシーンを想定し、傾聴が活用されるシーンとその使い方をご紹介します。
傾聴を取り入れてマネジメント力アップ
マネジメントしていると、ジェネレーションギャップをはじめとして、何を求めているか分からない部下は少なからずいると思います。「傾聴力」が上がると、部下が何を目指しているのか、何に困っているか等、相手の考えを的確に把握することができます。部下の考えを理解し対応方法を良い方向に促すことで、部下は上司に自分の考えが伝わっていることを感じ、信頼関係に繋がっていきます。
一方、傾聴力が低く、コミュニケーションエラーが起きてしまうと、部下との信頼関係は構築されません。信頼性の欠如は生産性の低下に繋がります。現在、働き方の多様化が進む中で、さまざまな価値観やバックグラウンドを有する部下と信頼関係を構築することはとても重要な要素と言えるでしょう。
傾聴を活用してチーム力を強くする
傾聴をうまく活用できれば、組織力を高め、パフォーマンスを上げることに繋がります。強いチームには、心理的安全性が必要だと言われています。チームメンバーが心を開き、安心して働ける環境を作ることがチーム力向上の一番の鍵となります。ただ、自分一人で傾聴力を上げても下の管理職の傾聴力がなかったら、組織全体は強くなりません。組織全体の傾聴力を上げるために、管理職を中心に集めて勉強会を行いましょう。
傾聴力をあげる勉強会のやり方
勉強会の目的をしっかりと参加者に伝え、傾聴を行う上での注意点や気をつけるポイントを書いたメモを配布します。次に、聞き手と話し手で役割分担します。話す内容は、事前に決めなくても大丈夫です。最後に、話が終わったら両者から感想と改善点を出し合いましょう。とても簡単な事ですが、傾聴のポイントを意識して行うこと、そして身につくまで繰り返すことが重要です。
管理職は、このような場をもうけ、チーム全体の力をアップさせることも重要な役割の一つです。今回紹介したポイントを意識し、ぜひ強いチームを作っていきましょう。
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