傾聴とは?目的と効果やビジネスでの傾聴力の使い方についてわかりやすく解説
- 傾聴(けいちょう)とは
- 傾聴の目的
- 傾聴が使用されるビジネスシーン
- 傾聴の効果
- 傾聴の基本である共感と受容
- 積極的傾聴(アクティブリスニング)で意識する「3つの聞く姿勢」
- 自己一致
- 無条件の肯定的配慮
- 共感の姿勢
- 傾聴の具体的な方法
- バーバルコミュニケーションの方法
- ノンバーバルコミュニケーションの方法
- 傾聴の使い方
- 傾聴を取り入れてマネジメント力をアップさせる
- 傾聴を活用してチーム力を強くする
- 傾聴を学ぶための勉強会の運用方法
- 傾聴は社会人にとって必要なスキルの1つ
傾聴(けいちょう)とは、相手の言葉に対して丁寧に耳を傾け、相手に共感しながら信頼を示すことで、ビジネスシーンのあらゆる場面で使用され、特にセールスパーソンや管理職にとってはなくてはならないスキルです。
傾聴力を高めることで、上司と部下との間に信頼関係が構築され、組織力が高まり、パフォーマンスを上げることができます。
また、強いチームに必要だと言われている「理的安全性」を高めるためにも傾聴は役立ちます。
この記事では、傾聴とは何か、目的や使い方と効果、傾聴のビジネスシーンでの使い方、傾聴を学ぶ方法について、わかりやすく解説します。
傾聴を活用して心理的安全性を高めるための「1on1」のコツ
傾聴(けいちょう)とは
傾聴(けいちょう)とは、相手の言葉に対して、丁寧に耳を傾け、相手に共感しながら、信頼を示すことです。
傾聴は、経済産業省が掲げる「人生100年時代の社会人基礎力」で「社会人基礎力の1つ」としてあげられ、カウセリングやコーチングでも使用されるコミュニケーション技法の1つです。
(参考)経済産業省「人生100年時代の社会人基礎力」
傾聴の目的
傾聴は、ただ相手の話を聞くといった単純な手法ではありません。
相手が言いたいこと、相手が伝えたいことに重点を置き、「きちんと相手を理解する」ことが重要なポイントになります。
そうすることで、相手を深いレベルで理解でき、より良い関係を築くことにつながります。
傾聴が使用されるビジネスシーン
傾聴は、ミュニケーション技法の1つで、ビジネスシーンのあらゆる場面で使用されます。
特に、クライアントと接する機会の多いセールスパーソンにとって、クライアントを深く理解することは、ニーズを把握することにつながります。
傾聴をマスターすることで、クライアントと良い関係を築くことができます。
また管理職は、1on1ミーティングなどで傾聴を使い、部下を深く理解することで、部下の成長促進や悩み、相談事も引き出しやすくなります。
そのため、傾聴はマネジメントには欠かせないスキルと言えるでしょう。
▼「1on1ミーティング」についてさらに詳しく
1on1とは? 従来の面談との違いや効果を高めるコツ
相互理解を深める1on1の実施方法を解説
⇒「1on1ミーティング入門書」資料ダウンロード
傾聴の効果
傾聴は、聞き手が聞き役に徹する事で、話し手が自ら自身の心情や意見を整理していくことを促します。
感情的なことが整理されると、話し手は改善行動や解決行動に移りやすくなります。
また、回数を重ねていくうちに、話し手は聞き手に対して「理解されている」「共感されている」という意識を持ち、信頼関係が構築されていきます。
仕事をする上で信頼関係がある状態を築くことは、心理的安全性が高まり、コミュニケーションが円滑になり、仕事をスムーズに進めることができるようになるため、成果を上げやすくなります。
▼「心理的安全性」についてさらに詳しく
心理的安全性が高い職場の作り方とは?高める方法や取り組みをわかりやすく解説
傾聴の基本である共感と受容
傾聴は、「共感」と「受容」の2つを基本に成り立っています。
共感とは、相手の目で見て、相手の耳で聞いて、相手の心で感じると言ったように、「相手の立場に立って物事を見ること」を指します。
受容は、自分の評価や感情を入れずに、「相手のそのままを受け止めること」を言います。
共感と受容は、傾聴の基本となり、受容を行った後に共感をすることが大切です。
積極的傾聴(アクティブリスニング)で意識する「3つの聞く姿勢」
米国の心理学者カール・ロジャーズは、有効性が認められたカウンセリングに共通した「聴く側の3要素」を発見し「傾聴姿勢」として提唱しました。
この傾聴姿勢は、「アクティブリスニング」と呼ばれ、日本では「積極的傾聴」と訳されます。
積極的傾聴で意識する「3つの聞く姿勢」について確認してみましょう。
積極的傾聴で意識する「3つの聞く姿勢」
- 自己一致
- 無条件の肯定的配慮
- 共感の姿勢
自己一致
自己一致とは、聞き手が「誠実かつありのままの状態であること」です。
相手の考えや価値観を否定したり、本音を取り繕ったりせず、お互いに信頼関係を築くことで、話し手から自然と本音を引き出せるようになります。
無条件の肯定的配慮
無条件の肯定的配慮とは、コミュニケーションの中で「主観的な評価をせず受け入れる姿勢を貫くこと」です。
存在や意見を尊重してもらうことで、話し手もリラックスすることができます。
共感の姿勢
共感の姿勢とは、「話し手に共感して同じ立ち位置や視点で理解を示すこと」です。
話し手は自分の世界観に共通点を感じた相手には、心を開きやすくなります。
傾聴の具体的な方法
傾聴の方法には、大きく分けて言葉を伴う「バーバルコミュニケーション」と、相手の仕草や態度から読み取る「ノンバーバルコニュニケーション」に分かれます。
バーバルコミュニケーションとノンバーバルコニュニケーションの、具体的な方法について確認してみましょう。
バーバルコミュニケーションの方法
バーバルコミュニケーションの方法について確認してみましょう。
質問する際は5W1Hを意識する
具体的な情報を引き出すために、質問は「5W1H(いつ・どこ・だれが・なにを・なぜ・どうやって)」を意識しましょう。
オープンクエスチョン
オープンクエスチョンとは、相手が答える範囲に制約を設けない質問の仕方です。「はい」「いいえ」で答えが返ってくるような内容ではなく、「その時どう感じたの?」「もっと詳しく教えてほしい」など、相手が話している内容をより広げてあげるための質問をするようにしましょう。
相手の発言を言い換える
相手の発言を自分の言葉で言い換えて返すようにしましょう。「パラフレーズ」とも呼ばれ、話が伝わっていることを相手に知らせ、会話の内容に対するお互いの認識が間違っていないことを確認することができます。
話を途中で遮らない
相手には最後まで話をさせることが重要です。最後まで聞かなくてもわかる話だったとしても、その人の言葉をしっかりと全部受けとめてあげましょう。
相づちを打つ
話し手が気分よく話を続けていくために「なるほど」など、相づちを打って「話をきちんと聞いていますよ」という安心感を与えることが大切です。
バックトラッキング
バックトラッキングとは、オウム返しという意味で、話し相手の話を繰り返して「ちゃんと聞いています」という合図を送る手法です。
ノンバーバルコミュニケーションの方法
ノンバーバルコミュニケーションの方法について確認してみましょう。
相手の目を見て話す
相手に体を向け、顔や目を見るようにしましょう。視線をあちこちに逸らすのはやめましょう。
表情を意識的に柔らかく
柔和な表情は、話を聞きたい相手に、心を開いてもらうための有効な一手です。
ミラーリング
ミラーリングとは、話し相手と同じポーズを取る手法で、相手と同じ仕草をすることで、親近感が湧くと言われています。
声のトーンとスピード
話すペースや声のボリュームを相手に合わせてあげましょう。早口は相手に不快感を与える可能性があるので気を付けましょう。
傾聴の使い方
実際に、ビジネスにおいて傾聴はどのような場合で使うものなのか、傾聴が活用されるシーンと使い方について確認してみましょう。
傾聴を取り入れてマネジメント力をアップさせる
マネジメントしていると、何を求めているかが分からない部下がいる場合があります。
傾聴力が高いと、部下が何を目指しているのか、何に困っているかなど、相手の考えを的確に把握することができるようになります。
部下の考えを理解し対応方法を提示し良い方向に促すことで、部下は上司に自分の考えが伝わっていることを感じ、信頼関係を築くことができます。
一方、傾聴力が低く、コミュニケーションエラーが起きてしまうと、部下との信頼関係は構築されません。
信頼性の欠如は生産性の低下に繋がります。
働き方の多様化が進む中で、傾聴力をいかし、さまざまな価値観やバックグラウンドを有する部下と信頼関係を構築することはとても重要な要素と言えます。
傾聴を活用してチーム力を強くする
傾聴をうまく活用できれば、組織力を高め、パフォーマンスを上げることができます。
さらに、強いチームには、心理的安全性が必要だと言われています。
チームメンバーが心を開き、安心して働ける環境を作ることがチーム力向上の1番のカギとなります。
ただ、自分1人で傾聴力を上げても、その他の従業員の傾聴力がなかったら、組織全体は強くなりません。
組織全体の傾聴力を上げるために、まずは管理職を中心に傾聴力を高めるための勉強会を行いましょう。
心理的安全性を高めるための「1on1ミーティング」のコツ
⇒「1on1ミーティング入門書」資料ダウンロード
傾聴を学ぶための勉強会の運用方法
傾聴を学ぶための勉強会の方法について確認してみましょう。
勉強会では、勉強会の目的をしっかりと参加者に伝え、傾聴を行う上での注意点や気を付けるポイントを書いたメモを配布します。
次に、聞き手と話し手で役割分担をします。
話す内容は、事前に決めなくても大丈夫です。
最後に、話が終わったら両者から感想と改善点を出し合いましょう。
とても簡単な事ですが、「傾聴のポイントを意識して行うこと」そして、「身につくまで繰り返すこと」が重要です。
また管理職にとっては、勉強会を開き、チーム全体の力をアップさせるよう働きかけることも重要な役割の1つです。
傾聴は社会人にとって必要なスキルの1つ
傾聴は、ビジネスシーンのあらゆる場面で使用され、特にセールスパーソンや管理職にとってはなくてはならないスキルです。
傾聴力を高めることで、上司と部下との間に信頼関係が構築され、組織力が高まり、パフォーマンスを上げることができます。
また、強いチームには「心理的安全性」が必要だと言われていますが、心理的安全性を高めるためにも傾聴は役立ちます。
「HRBrain タレントマネジメント」は、1on1などの面談の実施記録をクラウドシステム上で簡単シンプルに管理することができ、従業員同士の相互理解を深め、コミュニケーションを活性化させることを実現します。
従業員の研修データや、スキルマップ、これまでの実務経験、育成履歴、異動経験、人事評価などの従業員データの管理と合わせて、MBOやOKRなどの最新のマネジメント手法を管理運用することができます。
HRBrain タレントマネジメントの特徴
検索性と実用性の高い「データベース構築」を実現
運用途中で項目の見直しが発生しても柔軟に対応できるので安心です。
柔軟な権限設定で最適な人材情報管理を
従業員、上司、管理者それぞれで項目単位の権限設定が可能なので、大切な情報を、最適な状態で管理できます。
人材データの見える化も柔軟で簡単に
データベースの自由度の高さや、データの見える化をより簡単に、ダッシュボードの作成も実務運用を想定しています。
▼「タレントマネジメント」についてさらに詳しく
【完全版】タレントマネジメントとは?基本・実践、導入方法まで解説
タレントマネジメントシステムの課題とは? 目的・導入の課題と成功事例まで
▼「タレントマネジメント」お役立ち資料まとめ
【人事担当者必見】タレントマネジメントに関するお役立ち資料まとめ
おすすめ記事
- アサーティブコミュニケーションとは?意味と職場での例や話し方と伝え方のポイントを解説#人材育成2024/12/09
- アクティブリスニングとは?効果と実践方法や注意点を簡単に解説#人材育成2024/12/02
- ワークショップとは?意味やビジネスでのやり方について分かりやすく解説#人材育成2024/11/11
- ワークエンゲージメントとは?意味と測定方法や尺度と高める方法について解説#人材育成2024/10/16
- メンター制度とは?意味と導入手順やメリットとデメリットやいらないと言われる理由について解説#人材育成2024/10/07
- 意欲的とは?意味と積極的との違いや意欲的に働くことのきっかけやメリットについて解説#人材育成2024/09/26