MECE(ミーシー)は論理的思考法の基本!フレームワークを徹底解説!
- MECEの言葉の意味
- MECEとは?
- MECEがなぜ必要か?
- MECEによる分析
- ロジカルシンキング
- MECEは漏れなくダブりなくが基本
- MECEのフレームワーク
- 3C分析
- SWOT分析
- 4P分析
- 5フォース分析
- PEST分析
- MECEの例題
- MECEになっている具体例
- MECEになっていない具体例
- MECEの注意点
- 【まとめ】人材管理・タレントマネジメント・人事育成戦略をカンタン・シンプルに
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MECEの言葉の意味
「MECE」という言葉を聞いたことはあるけれども、意味は説明できないという方も多いのではないでしょうか。
MECEはビジネスシーンにおいて、特に必要とされているロジカルシンキングの元にある概念です。
なぜ必要なのか?一緒に考えてみましょう。
MECEとは?
MECEは、「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を取った造語です。
直訳すると「互いに重複せず、全体として漏れがない」という意味になりますが、「漏れなく、ダブりなく」という意味合いで使用されています。
MECEがなぜ必要か?
ビジネスは、世の中で起きている問題や課題の解決策を見つけ、世の中を幸せに、便利にしていくことがゴールです。
課題が大きく複雑であればあるほど、論理的でシンプルに切り分ける必要があります。
この「切り分け」に漏れやダブりがあると、問題を解決できなかったり、何度も同じ事を繰り返すことになり非効率です。
非効率であることは、ビジネスでは好ましい状態ではありません。MECEは、これらの漏れやダブりを減らすための、重要な考え方です。
MECEによる分析
ビジネスシーンにおいてなぜロジカルシンキングが必要なのでしょうか?
これにはMECEが密接に関わってきます。
ロジカルシンキングとMECE、その関係性を理解しましょう。
ロジカルシンキング
ロジカルシンキングとは、物事を整理して筋道を立て、矛盾なく考える思考法のことを指し、日本では「論理的思考」とも言われます。
ロジカルシンキングのメリットは、客観的に物事をみる事ができ、分析力が向上することにあります。
また、問題の原因解明や解決までの筋道が整理されるため、プレゼンテーションも分かりやすくなる傾向にあります。
ただし、前提条件の間違いを見つけることには向いておらず、前提が間違っていると、間違った結論に至ってしまうため、前提条件は慎重に選択する必要があります。
▼「ロジカルシンキング」についてさらに詳しく
ロジカルシンキングとは?具体的な手法からすぐに実践できる方法をご紹介
MECEは漏れなくダブりなくが基本
複雑で大きな課題を、シンプルで小さな要素に細分化することを「構造化」と言います。
最適な切り分け方の指針となる概念がMECEです。
考え事をしていると視野がどんどん狭くなり、細かいところにこだわり過ぎて全体が見えなくなってしまう事がありますが、俯瞰的に全体を見ながら、漏れなく、ダブりなく見ていく事が大切になります。
MECE(漏れなく、ダブりなく)に全体を見る方法として、2つのアプローチがあります。
トップダウンアプローチ
一つ目はトップダウンアプローチです。
物事の全体像を捉え、全体を構成する要素を目的や課題に沿った切り口で分類していく方法です。
全体像が明確に定義できるときに、有効となるアプローチです。
メリットは、体系的、俯瞰的に物事を考えられる点とゴールを意識しやすいにあります。
デメリットは、全体像に誤りがあると漏れやダブりが発生しやすくなります。
ボトムアップアプローチ
二つ目は、ボトムアップアプローチです。
ボトムアップアプローチは、要素をひととおり洗いだし、グループ化することで全体像を導き出す手法です。
全体像が不明瞭な場合や、要素分解の見当がつかないときに役立ちます。
メリットは、あらかじめ適切な分類方法がわからないケースで有効ということと、未知な領域でも思考を始められる点にあります。
デメリットは、全体像がわからないため要素に抜けや漏れが生じやすくなります。
MECEのフレームワーク
フレームワークとは、目的に応じて考えるべきポイントをパターン化し、誰でも分析をしやすいようにした切り口の事をいいます。
フレームワークを使って分析を行うメリットは2つあります。
ひとつは、ヌケ、漏れが出にくくなることです。
もうひとつは、分析を行うメンバーが同じフレームワークを使うことで目線がそろい効率的です。
ここではMECEを進める上で代表的なフレームワークを紹介します。
MECEを進める上での代表的なフレームワーク
3C分析
SWOT分析
4P分析
5フォース分析
PEST分析
3C分析
3C分析は、外部環境分析を行う際に用います。
市場を、顧客(Customer)、競合会社(Competitor)、自社(Company)の、3つに分けてそれぞれで考えます。
それぞれの頭文字がCであることから3Cと呼ばれます。
顧客では、市場や顧客のニーズの変化を分析し、競合では競合会社の主力製品や戦略を分析します。
その2つの視点をもって、自社の成功要因を見つけます。
▼「3C分析」についてさらに詳しく
3C分析とは?実施する目的ややり方をテンプレート付きで解説
SWOT分析
SWOT分析は、自社を取り巻く環境(機会、脅威)と自社の現状(強味、弱み)を分析しながら、ビジネス機会を発見するために用います。
戦略策定やマーケティングの意思決定、経営資源の最適化などをおこないます。
強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の頭文字をとってSWOTと読ばれています。
4P分析
4P分析は、どのようにして効率的にモノやサービスを販売していくかマーケティングの戦略を構築する上で戦術を決める場合に使用します。
製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)の4つのフレームで分けて考えます。
製品の視点では、商品の品質や機能性、ブランドイメージやデザインの検討を行います。
価格の視点で値段や割引、支払い方法などの検討し、流通の視点で流通範囲や販売場所、品揃え配達などの検討します。
プロモーションの視点で広告宣伝の方法や具体的な活動方法などの検討を進めます。
▼「4P分析」についてさらに詳しく
4Pとは?4Cや3Cとの関係性とマーケティング戦略実行の方法を解説
5フォース分析
5フォース分析は、新規参入や新製品開発、新ブランドの立ち上げ時などに、収益性を検証する場合に使用します。
5つの脅威について分析するのがこの手法の特徴で、業界内での競争、業界への新規参入者、代替品の存在、買い手(顧客)の交渉力、売り手(サプライヤー)の交渉力の5つのフレームで分類します。
PEST分析
PEST分析は、世の中全体のマクロ環境を把握、洞察することに使用します。
Pは、Politics(政治面)、EはEconomy(経済面)、SはSociety(社会/文化/ライフスタイル面)、TはTechnology(技術面)の4つのフレームで分類していきます。
MECEの例題
ここまでは、MECEついて、フレームワークの紹介をしてきました。
実際にやってみることが大切ですので、例題をもとに、MECEの理解を深めましょう。
MECEになっている具体例
「日本の国民をMECEに分ける」
年代(年齢)と性別に分けることで国民を漏れなく、ダブりなく網羅することができます。
1-1.10歳未満、10代、20代....年代別
1-2.男性、女性....性別
「日本をMECEに分ける」
日本の国土を都道府県や地方別に分けることで、漏れなく、ダブりなく網羅できます。
2-1.東京、神奈川....都道府県
2-2.関東、関西....地方別
「個性をMECEに分ける」
個性をMECEに分けるには、その人の強み、弱みや長所、短所に分けることで漏れなく、ダブりなく網羅することが可能になります。
3-1.強み、弱み
3-2.長所と短所
MECEになっていない具体例
「アンケートを集め就業形態によって分類をする」
正社員、派遣社員、アルバイト、パート、無職という要素で分類した場合、フリーランスや個人事業主のような人たちはこの分類にはあてはまらないので漏れがあります。
「アンケートを集め、20代以上の人を所属によって回答者を分類する」
会社員、主婦、学生、その他で分類した場合、会社員をしながらの主婦や、主婦をしながら学生している人がいる可能性があり、ダブりが発生してしまいます。
「収入を得る方法を分類する」
給与所得、自営による収入、収入なしという要素で分類をしたとします。この場合、家賃収入を得て生計を立てている人や投資による収入で生活している人は、この分類からは漏れてしまいます。
現在は会社員をしながら週末だけ起業して自営による収入を得ている人もい流ことから、このようなケースではダブりが生じます。
MECEの注意点
MECEは、ものごとを構造化して考えやすくするためのツールです。決してMECEに分類することが目的ではありません。
解決すべき課題に対する解決策の仮説を立てて、それらを検証できるように分解することが最も大切です。
MECEに分類すること自体を目的としないようにしましょう。
【まとめ】人材管理・タレントマネジメント・人事育成戦略をカンタン・シンプルに
ビジネスシーンで重要になるロジカルシンキングですが、そのロジカルシンキングの前提となるのがMECEであることを解説しました。
人材育成の際には、研修の一貫としてビジネスシーンでの考え方や思考について言及することもあるかと思いますが、MECEを前提とした合理的かつ効率的な思考を養えるような育成を心がけましょう。
このような適切な人材育成には、納得度の高い評価をすることも同時に重要な要素となってきます。
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