#人事評価
2023/08/14

1on1で話すこととは?意味のある1on1にするためのテーマ例と話し方のポイント

目次

「1on1ミーティングで話すことがない」「意味のある1on1面談にするには何を話せばいいかわからない」こういった悩みは、上司・部下共に多いのではないでしょうか。この記事では1on1の目的と話すべきテーマや内容を具体例と併せて紹介します。

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1on1で話すことは目的から考える

近年、多くの企業で導入されている1on1ミーティングですが、そもそも何のために実施するのでしょうか。ここでは実施の目的を考え、得られる効果や良く混同される評価面談との違いを解説します。

1on1ミーティングの目的 

1on1ミーティングとは部下と上司が1対1で話し合う場のことを指します。その目的は大きく分けて「部下の育成」「部下のエンゲージメント向上」の2つに分けられます。

・部下の育成

1つ目の目的が部下の育成です。部下が抱えている課題を直接聞き取り、対話を通じた課題解決を行うことで部下の成長を促します。

・部下のエンゲージメント向上

短い間隔で対話する時間を設けることで、部下の変化や課題などを把握することができます。把握した変化や課題に対して、できるだけ早く対応することで、会社やチームに対するエンゲージメントの向上が期待できます。

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1on1ミーティングの目的とは?メリット、事例などを徹底解説

1on1で得られる効果

1on1を実施することで、次のような効果を期待できます。

  • 部下の自主性と問題解決能力の向上

  • 組織力の向上

  • 自身のマネジメント能力の向上

1on1の実施によって、部下の育成だけでなく、部下や組織の能力や状態をリアルタイムで把握しできます。それによって、組織内での適材適所の仕事の割り振りができたり、部下との連携が密になることで、組織力の向上や自身のマネジメント力向上も期待することができます。1on1で得られる効果について、さらに詳しく知りたい方は「コミュニケーションを円滑にする1on1ミーティング活用法を解説!」をご確認ください。

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効果的な1on1を行うコツとは?具体的な話のテーマや留意点を解説

1on1と評価面談との違い

1on1ミーティングが混同されやすいのが評価面談です。評価面談と1on1は明確に異なります。

  • 評価面談:一定期間の成績や行動に対する評価を行う場です。上司から一方的に話す場となりがちです。

  • 1on1ミーティング:従業員の成長を促し、エンゲージメントの向上を図る場です。一方的に話すのではなく、対話型のコミュニケーションの場となります。

このように1on1と評価面談では場の目的や話し方に違いがあります。1on1と評価面談の違いについて、さらに詳しく知りたい方は「1on1とは? 従来の面談との違いや効果を高めるコツ」をご確認ください。

1on1ミーティングで話すテーマ

従業員の育成とエンゲージメントの向上が期待できる1on1ミーティングですが、これらの効果を最大限に得るためには、どのような話をすれば良いのでしょうか。1on1で話すべきテーマを4つ紹介します。

1on1を通じて相互理解を進める 

1on1での対話を通じて部下と上司の相互理解を進めることのできるテーマがおすすめです。対話によってお互いの考え方や個性の理解を深めましょう。

・プライベートに関わる話をする

休日に何をしているかや趣味の話など、プライベートに関わる話から相互理解を深めましょう。1on1ミーティングを始めるときのアイスブレイクとしても効果的です。

・現在の仕事に対する思いを聞く

現在の仕事にどのような気持ちで取り組んでいるかを話しましょう。やりがいを持ってやれているか、今の仕事のどこにモチベーションを感じているか、などを知ることで適した仕事へのアサインが可能になります。

1on1を通じて部下を育成する

1on1における大きな目的の1つである部下の育成に関するテーマです。仕事における課題や目標などを話しましょう。

・仕事において直面している課題を聞く

現在の仕事において直面している課題を聞き、対話を通して解決策を考えさせましょう。対話によってヒントを与え、答えに導くことで、課題解決能力の向上など人材育成ができます。

・今後の目標やキャリアについて話す

これから身に着けたいスキルや今後進みたいキャリアなどを聞き、アドバイスをすることで部下の長期的な育成を図ることが可能です。

1on1を通じてチーム力を上げる 

個人の課題だけではなく、チーム力を高めるためにチームに対して感じている課題や思いについて聞き、対話を重ねましょう。

・チームの状態を把握する問いをする

同じチームの同僚との関係で不和はないか、様子が気になる同僚はいないかなど、チームの様子を聞いてみましょう。複数人の部下から話を聞くことでチームの状態を把握することができます。

1on1を通じて戦略を共有する 

1on1を通じて会社や組織の目指している場所やそこに至るまでの戦略を共有しましょう。部下の戦略理解を促進することで、同じ方向を向いて仕事に取り組むことができ、チームの生産性向上を期待できます。

・経営戦略やそれに伴う組織戦略の共有

経営会議や管理職会議などで決まった戦略の共有を行いましょう。同じ方向を向いて仕事に取り組むために欠かせない話です。

・部下が戦略に対して疑問に思っている点を聞く

戦略を一方的に共有するだけでなく、部下が疑問に感じている部分をヒアリングして、疑問の解消を図りましょう。疑問を解消することで、生産性を上げる効果が期待できます。

【テーマ別】話すときに意識すべきポイント

1on1ミーティングで話すべきテーマがわかったからといって、それをただ話題として提示するだけでは対話にならない場合があります。ここでは、テーマ別に話す際のポイントを解説します。

聞くだけではなく、自己開示をする 

相互理解を進める上でポイントになるのが、自己開示を行うことです。一方的に聞いているうちは、部下は本音で話してくれない場合があります。自分の話も交えて話すことで、緊張感を解き、部下から積極的に話ができるような場を作りましょう。ただ、プライベートのことを聞かれるのを嫌がる従業員もいるので無理やり聞くようなことはないように注意が必要です。

対話によってヒントを与える

部下の育成を1on1で行うにあたってポイントになるのが、対話によってヒントを与えることです。上司が部下の課題に対して解決策としていきなり答えを与えることもできますが、それでは部下は成長しません。それどころか上司に聞けば答えが返ってくるものと思い、自分で考える力を失ってしまう可能性すらあります。直接的に答えを与えるのではなく、ヒントを伝えて自分で考えるきっかけを作ることで部下の育成を図りましょう。

チームでの役割を意識させる 

チーム力を上げるために重要なのが、チームにおける役割を意識してもらうことです。チームにどのような形で貢献すればいいのか、どんな役割を求められているのか、を意識することで、能動的な行動を促すことができます。特に、その時チームが抱えている課題に対しての関わり方を伝えられるとよいでしょう。

部下の業務との関係性を伝える 

経営戦略や組織戦略を伝えるときにポイントになるのが、部下の業務との関係性を併せて伝えるということです。自分自身の業務がどのように会社の経営に関わっているかを知ることで、モチベーションやエンゲージメントの向上を期待できます。1on1での対話を通じて、経営戦略を自分事化することが大切です。

【テーマ別】1on1で話す話題具体例

1on1で話すべきテーマ4つと話し方のポイントをそれぞれ解説してきました。ここではテーマ別に具体的な話題の例を紹介します。

相互理解を促進する話題例 

相互理解の促進をテーマにした内容は主に「プライベートに関して」「仕事に対する思い」でした。これらの内容の具体的な話題例を紹介します。

【プライベートに関する話題】
・休日は何しているの?
・最近はまっている趣味はある?

【仕事に対する思いについて】
・今の仕事に対して思うことはある?
・今の仕事でやりがいを感じる部分は?

部下の育成を進める話題例

部下の育成をテーマにした内容は主に「仕事の課題」「今後の目標とキャリア」でした。これらの内容の具体的な話題例を紹介します。

【仕事の課題について】
・仕事が進まずに悩んでいることはある?
・現在の業務で感じている課題は?

【今後の目標とキャリアの話題】
・これから身に着けたいと思っている能力は何?
・今後どんなキャリアに進んでいきたいと考えている?

チーム力を上げる話題例

チーム力の向上をテーマにした内容は主に「チームにおける課題」でした。この内容における具体的な話題例を紹介します。

【チームにおける課題の話題】
・チームワークを今以上に発揮するために必要だと思うことはある?
・チームで働く上で改善していきたい部分はある?

戦略共有を図るための話題例

戦略の共有をテーマにした内容は主に「経営・組織戦略の共有」「戦略に関する疑問」でした。これらの内容の具体的な話題例を紹介します。

【経営・組織戦略の共有】

経営戦略や組織戦略に関する話題は、はじめは上司から一方的に話すことになる場合が多いと思います。その場合は、次の戦略に関する疑問を併せて聞くことで戦略理解の促進を図りましょう。

【戦略に関する疑問】
・これからの組織戦略の中で、疑問に思っていることはある?
・経営戦略・組織戦略に対して、どうやって貢献できそう?

1on1で話すことに悩んだら

1on1を効果的に実施するためには、1on1で何を話すかが大切です。

1on1での目的を設定せず、1対1で会話するだけでは、1on1が雑談に終わってしまう場合もあります。

1on1は本来、マネージャーがメンバーとコミュニケーションを図り、メンバーの成長を促すことを目的に設けられる面談です。

1on1を効果的に実施すれば、自主的に考え、行動できる人材が育成できるでしょう。

「1on1入門書」では、1on1の効果から進め方、浸透方法までを詳しく解説します。

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  • 1on1は何のためにやるのか

  • 1on1の導入が増えている背景

  • 1on1を組織全体に浸透させるための3つのポイント

▼「1on1」のやり方やテーマについてさらに詳しく
1on1のアジェンダ11個/部下のモチベーションを下げない方法とは
【実践編】1on1実施時の質問/テーマ、1on1ツール紹介まとめ
【基礎編】1on1とは?DX時代。リモート環境下の課題、進め方を解説
1on1は意味ない?1on1が無駄になる理由と意味ある1on1にするポイント
【1on1ツール】おすすめクラウド型厳選4選を徹底解

【まとめ】1on1を効果的に運用し、育成をカンタン・シンプルに

今回は、1on1ミーティングを意味のある場にするための話題とその具体例、話すときのポイントを解説してきました。1on1はただ上司と部下の1対1で話す場ではなく、目的とその効果を意識して行うことで高い効果を発揮します。

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HR大学編集部
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