グローバル人材とは?今後注目な理由や必要なスキルについて解説!
- グローバル人材とは?
- グローバルとは
- グローバル人材の定義
- グローバル人材に必要とされる能力
- 語学力(文章、会話、表現)
- 情報力(文化の違いなどの知識)
- コミュニケーション力
- リーダーシップ
- 日本においてグローバル人材が必要とされる理由
- 日本ではグローバル人材が不足
- 新型コロナウィルス時代におけるグローバル人材の育成も課題
- 少子高齢化と外国人労働者の増加
- 企業にとってグローバル人材育成が急務である
- ダイバーシティ経営にもグローバル人材が必要
- グローバル人材育成の方法
- 候補者選定の前提は、十分な職務スキルがあるか
- 今の業務で成果を出せているか
- グローバル人材育成のポイント
- 社内にて人材の候補者抜粋
- 候補者の現状の能力やスキルを確認
- 育成計画の具体化
- グローバル人材としての職務に抜てき
- 配属の柔軟性、成果の確認
- まとめ
海外進出やIT運営などにより、大きく変化する現代。企業の成長に必要不可欠となるのが、グローバル人材の確保だといえます。
ここでは、グローバル人材の意味から、日本においてグローバル人材が必要とされる理由、グローバル人材の育成方法などについて説明します。
グローバル人材とは?
グローバルとは
「グローバル」と聞くと企業などの海外進出のイメージがありますが、世界各国の統一化と、とらえる方が良いでしょう。現代、交通機関の発達などにより世界中を行き来しやすくなりました。またインターネット等により、世界中の情報を手に入れやすくなりました。世界各国が身近になってきており、人と人との距離が近くなったと言えます。
グローバルとは、言語や距離に関係なく、世界中が身近になったことだとと言えます。
グローバル人材の定義
グローバル人材とは、このような人と定義できます。
主体的に多様な知識を持っている
異国の環境や言語の違いに対して理解を示せる
相手と違いがあっても、円滑にコミュニケーションが取れる
自社に新しい価値・利益を生み出せる
政府はグローバル人材について、初等教育からの必要性、語学力や海外留学の現状などをまとめています。文部科学省、総務省の定義については以下を参照してください。
文部科学省の定義
要素1: 語学力・コミュニケーション能力
要素2: 主体性・積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感
要素3: 異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティー
参考:文部科学省「グローバル人材の育成について」
総務省の定義
要素1:語学力・コミュニケーション能力
要素2:異文化理解の精神
要素3:主体性・積極性
参考:総務省「グローバル人材育成の推進に関する政策評価<評価結果に基づく勧告>」
グローバル人材に必要とされる能力
語学力(文章、会話、表現)
まず、第一に必要とされる能力と言えるのが語学力です。
特に、コミュニケーションを取るときに、相手の言語に合わせた会話ができる能力は必要不可欠です。語学力は伝えたい事、知りたい事、お互いの意思疎通に欠かせない能力なのです。世界共通言語である、英語力を身に着けることが重要だと言えます。
情報力(文化の違いなどの知識)
次に欠かせないのが「情報力」です。これはグローバル人材という視点から考えると、相手国の文化や、その国についての情報をいかに知っているかという事になります。そのことによって、安心感や信頼が得られるのです。
また、ビジネスにおいて新しい取り組みや判断をする際、情報をいかに持っているかがとても重要になると言えます。
情報を持ち合わせているだけではなく、即座に情報を集めることができるということも、とても大切になります。情報収集力は情報力に匹敵するほど、重要なグローバル人材のスキルなのです。
コミュニケーション力
先に述べた言語力、情報力(情報収集力)が身についていたとしても、それを相手に伝える能力がなければ、意味がありません。
仕事をする中で、相手と価値観の違いや、意見の食い違いなども出てきます。その際、相手の立場や意見を理解したうえで、自社の要望や意見を受け入れてもらうことが大切です。新たな価値をビジネスの結果に結びつけるために、「コミュニケーション能力」がグローバル人材にはとても重要となります。
リーダーシップ
「コミュニケーション能力」に加え、必要となってくるのが、リーダーシップです。
チームで仕事をするときは、チーム全体が同じ目標に向かって進まなければなりません。チーム全体をまとめる力も、グローバル人材には欠かせないと言えます。
グローバル化する中で、チームが色々な国の人種の集まりになる場合は特に、高度なスキルを備えたリーダーシップが必要と言えます。
日本においてグローバル人材が必要とされる理由
日本ではグローバル人材が不足
グローバル化が叫ばれる中で、世界各国と比べて、「日本がどれくらいグローバル化が進んでいるのか」について、グローバル人材の視点から触れてみたいと思います。
WEF(世界経済フォーラム)の世界競争力報告資料をもとにした国際競争力ランキングにおいて、「日本は9位」トップにはスイス、アメリカ、シンガポールが続きます。
また、高校生・大学生の日本人留学生については、「世界で30位以下」となっており、少子化だけでなく、若い世代の海外への意識の低さが数字にも出ていると言えます。
他にも、日本のグローバル化が低迷している背景には、国際社会でビジネスや研究開発を行うことのできる人材の不足や、グローバルな視野を持って技術経営ができる人材が不足していることが挙げらます。
このように、日本の現状は、グローバル人材になりえる人材自体が不足しており、世界的にみてもその成長が遅いと言わざる負えません。
新型コロナウィルス時代におけるグローバル人材の育成も課題
情報社会の中で、この新型コロナウィルス時代に、最先端のパソコン技術や知識を備える事が、グローバル人材育成の課題となっています。
新型コロナウィルスの影響で時代が大きく変わりました。その原因のひとつが、感染拡大防止のために政府から出された『緊急事態宣言』です。その影響で、外出自粛・学校休校・施設等の使用禁止や、飲食店・娯楽施設等の営業時間の短縮、さらには在宅ワーク・時差出勤などを取り入れる企業が増えました。人と人との接触を避けながら、仕事を進めなけれならない時代へと変わってきたのです。
新型コロナウィルスの影響で働き方自体が変わってきました。そのため、グローバル人材のスキルと同様に、さらなるIT技術が求められるようになりました。その理由として以下のようなことがあげられます。
取引先へのプレゼンやミーティングがオンラインとなる。
社内でのミーティングや書類のやり取りがパソコン上となる。
在宅での仕事が増える。
海外出張が減り、インターネットでの打ち合わせなどが増える。
世界が統一されるグローバル化が発展してきた中、突如現れた新型コロナウィルスの影響で、人と人との接触が制限される時代に突入しました。グローバル人材育成の方向性や取り組みにも変化が生じてきていると言えます。
政府のグローバル人材に関する、更に具体的な取り組みについては、以下を参照してください。
参考:参議院常任委員会調査室・特別調査室「コロナの時代におけるグローバル人材育成ー大学等を中心にー」
少子高齢化と外国人労働者の増加
日本では「少子高齢化」が問題視され、今後の経済のあり方に大きな影響を与えると考えられます。
1950年と2020年の高齢者と子供の人口比率を比較してみます。
高齢者約5%(1950)→約28%(2020)23%増
子供約35%(1950)→約12%(2020)23%減
となっています。
今後さらに進んでいくと考えられています。
少子高齢化の詳しい推移については、以下の総務省統計を参照してください。
参考:総務省統計局「統計が語る平成のあゆみ―1.人口 人口減少社会、少子高齢化」
これらの数字をみても分かるように日本国内において、若手人材の確保が課題となっています。大手企業に限らず、外国人労働者を増やす企業が増えています。
企業にとってグローバル人材育成が急務である
先に述べたように、新型コロナウィルスの影響もありグローバル人材育成の際に、IT技術をそなえることが重要です。国内での労働力減少などにより、海外へ向けたビジネス展開や、外国人労働者などが今後もさらに増えていくと考えられます。
政府においても、今後の日本経済に大きく影響を与えると考え、企業のIT運営に関わる政策に取り組んでいます。詳しくは「経済産業省のIT関連の取組」を参照してください。
このように海外のメンバーと協働し、IT運営をリードしていくグローバル人材が急速に求められているのです。企業にとっては、グローバルなスキルとIT技術を備えた人材育成が急務だと言えるでしょう。
ダイバーシティ経営にもグローバル人材が必要
ここで、触れておきたいのが「ダイバーシティ」についてです。グローバル人材の育成に力を入れる企業の中には、「今後のダイバーシティ経営に繋げて行きたい」と考える方も多いと思います。
ダイバーシティとは、人種・宗教・価値観・性別・障がいの有無・ライフスタイルなどの多様な枠組みをこえて、人材を採用することにより、企業に新しい価値観や創造力を生み出そうという取り組みです。
このことからも企業にとって、現代社会の大きな変化に対応できるグローバル人材の採用、育成の取り組みがとても重要となってくることが分かります。
グローバル人材育成の方法
候補者選定の前提は、十分な職務スキルがあるか
企業内でグローバル人材を育成していく際、まず人材の候補者を選抜する必要があります。候補者の選抜に当たっては、「グローバル人材になるためのスキルを身につけているか」を見極めることが重要だと言えます。
具体的には、このような能力です。
通常の仕事がこなせているか
向上心があるか
チャレンジ精神があるか
同僚との関係性や上司との関わり方は適切か
社会人としての自覚
今の業務で成果を出せているか
このように組織の中では、グローバルである前に、必要とされる能力が多くあります。先に述べてきたようなコミュニケーションや、情報力を持ち、現状の仕事をこなせていることが大切と言えます。
しかし、いくらそのような能力を持っていたとしても、企業にとって利益となる成果を出せていなければ意味がありません。
色々な能力を持っているだけではなく、企業にとって利益ある成果を出せる業務遂行能力のある人材かどうかという事が、グローバル人材育成の候補者を選抜する際に、とても重要になります。
また、企業側が「人材の評価が的確にできるかどうか」という点にも注目するひつようがあります。。個人のスキルや情報、仕事の成果を評価できるシステムが整っているかがとても重要なのです。
最近では大手企業に限らず、人事評価ソフトを取り入れる企業も増えています。このような取り組みが、今後の企業成長に重要となってきます。
グローバル人材育成のポイント
今まで見てきたように、今後はさらに企業の成長にはグローバル人材が必要不可欠になってくると考えられます。日本経済の成長にも繋がっていくことでしょう。
初めからグローバル人材を募集し採用することもできますが、自社の仕事内容に必要なスキルを持つグローバルな人材を社内で育成していくことが多いでしょう。
そこで育成の際に大切なポイントをまとめてみます。
社内にて人材の候補者抜粋
まず、第一に育成する人材の候補者を抜粋しなければなりません。この際に大切なのが、これまでの業務遂行能力やスキルを、企業の人事が把握できているかという点です。また、人材の業務遂行能力だけでなく、やる気や伸びしろという観点から見極めることも大切です。
海外取引や外国人とのやりとりなど、その仕事に向いているかどうか、また育成・教育することにより成長できる人材かどうかという点も、見極めなければならないのです。
候補者の現状の能力やスキルを確認
候補者を抜粋するため、現状の能力、スキルを確認しなければなりません。従業員数の多い・少ないの違いもありますが、より正確にスピーディに能力の把握を行うためには、人事評価システムなどを利用することをおすすめします。人事担当者が人材の評価を正確かつスピーディに行えることがグローバル人材育成だけに限らず、企業の人材育成に、とても重要なシステムです。
最近では中小企業などでも、このシステムを導入する傾向にあります。企業にとって、いかに従業員個々のデータを持ち、分析し、人材を正しく評価できるかどうかが、とても大切なのです。
育成計画の具体化
育成する人材を抜粋したあとは、育成計画を立て、目標を定め、それに向けてグローバル人材に育て上げる必要があります。具体的には以下の通りです。
「グローバル人材」の、社内で必要とされるスキルの定義を決める。
選抜した人材のスキルと照らし合わせ、伸ばす部分・改善部分を決める。
グローバル人材に向けて、選抜したスキルを磨く研修を計画する。
計画を実行し、PDCAを回す。
研修では、社内研修に加え、外部研修に参加したり、通信教育なども利用することで、社内工数を削減できたり、社内には無いノウハウを蓄積することができます。この際、スケジュール計画をしっかり立てましょう。通常業務との平行が必要不可欠となるので、他の従業員との仕事の分配や、日時、時間的な調整などを細かくたてることが、とても大切です。
PDCAの部分では、教育を受けてもらい、その成果を確認します。成果の確認方法は、研修実施語のアンケートや、確認テストがおすすめです。
成果が感じられないときは、計画や内容を修正しながらまた実行する。これを繰り返しながら、スキルを定着させていきましょう。その際、成果が感じられない理由をしっかり分析することもとても重要です。
グローバル人材としての職務に抜てき
育成計画が達成できたら、いよいよ職務に抜てきです。グローバル人材の育成は、結果を出して初めて成功といえるでしょう。
まず職務に合う人材を、適切に配置しましょう。グローバル人材の中でも、仕事内容や、得意・不得意などの差が生じます。それを見極めながら、適切な配属をする事がとても大切です。
配属の柔軟性、成果の確認
人材育成をし、配属をしても結果が出せない場合が出てくることもあります。その際、「いかに柔軟な人事異動ができるか」も重要になってきます。計画的に仕事が進められないとき、担当を変える事によって円滑に進む場合が考えられるときは、人事は即座にその判断をする必要があります。
グローバル人材を育成するだけでなく、その後の配置・結果の確認などが、とても重要となってきます。人事担当が柔軟に人材の配属をして、仕事の成果を確認できて始めてこのグローバル人材の育成が成功したと言えるでしょう。
まとめ
インターネットや携帯電話の進化に加え、色々な交通機関の技術等が発達し、新しい出来事が起き、時代が大きく変化しています。働き方や人材育成にも大きな変化が生じている時代と言えます。
企業はこの「時代の変化」に敏速に対応していかなければなりません。情報力・人事の力・人材育成力・柔軟力。さらにチャレンジ精神・向上心などのエネルギーをいかに持っているかがとても重要だと言えます。
日本では少子化や人口減少、人材確保の難しさなどの問題を多く抱えています。さらにめまぐるしく変化する時代。これからは、時代の変化を利用し、スピーディかつ柔軟に対応し、最先端の技術・人材を確保していく事のできる企業こそが成長を遂げることが出来るのです。
グローバル人材の育成こそが、その第一歩と言えるのではないでしょうか。
ここではグローバル人材について見てきましたが、企業が新しい一歩を踏み出し、時代にそって成長していくために、このグローバル人材育成が、いかに重要な取組みかを理解して頂けたと思います。
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