#人材育成
2024/12/02

アクティブリスニングとは?効果と実践方法や注意点を簡単に解説

目次

アクティブリスニングとは、「傾聴姿勢」とも呼ばれるコミュニケーション技法の1つで、会話をする際に相手の話をただひたすら聞き続けるのではなく、相手が伝えたい本質的な事柄や感情を汲み取り、主体的に内容を把握することを指します。

アクティブリスニングは、従業員の考えや本音を引き出す際に効果を発揮し、職場の問題解決に貢献します。

特に、「社内のコミュニケーションを活発化させたい」「組織の人間関係を良好なものにしたい」など課題がある企業では、アクティブリスニングの導入がおすすめです。

この記事では、アクティブリスニングが注目されている背景、アクティブリスニングの効果、アクティブリスニング向上に必要な心構え、アクティブリスニングの実践方法、アクティブリスニングを高める方法、アクティブリスニングの注意点について、簡単に解説します。

従業員の特性や研修記録を見える化する方法

アクティブリスニングとは

アクティブリスニングとは、「傾聴姿勢」とも呼ばれるコミュニケーション技法の1つです。

アクティブリスニングの特徴は、会話をする際に相手の話をただひたすら聞き続けるのではなく、相手が伝えたい本質的な事柄や感情を汲み取り、主体的に内容を把握することです。

アクティブリスニングは、もともとは精神カウンセリングで使われていたコミュニケーション技法でしたが、ビジネスシーンでも有効であると考えられ、積極的に用いられるようになりました。

企業で取り入れられる際には、管理職や上司、メンター制度を導入している組織であればメンター担当者がアクティブリスニングを行うことで、従業員の育成や社内コミュニケーションの活発化につながります。

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アクティブリスニングが注目されている背景

アクティブリスニングが精神カウンセリングだけでなく、ビジネスシーンで注目されるようになった背景には、マネジメント能力の向上があります。

激しい競争の中、企業が生き残るためには優秀な人材の育成が必要不可欠です。

アクティブリスニングは、従業員のマネジメントを行う際に必要なスキルが効果的に強化できると言われています。

マネジメントを行う際に必要なスキルには、「傾聴力」「質問をする能力」「信頼関係を築く能力」「フィードバック能力」があるとされています。

特に「傾聴力」と「質問をする能力」は、アクティブリスニングを取り入れることで、効果的に向上させられるとされており、高い注目を受けるようになりました。

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アクティブリスニングの効果

アクティブリスニングを取り入れた際に得られる効果について確認してみましょう。

アクティブリスニングの効果

  • 良好な人間関係の構築につながる

  • コミュニケーションが活発になる

  • 問題解決能力が向上する

  • ハラスメントの抑制につながる

良好な人間関係の構築につながる

アクティブリスニングを取り入れた際に得られる効果として、「良好な人間関係の構築につながる」ことがあげられます。

本音を言いづらい関係になりがちな上司と部下との会話において、上司側が積極的に傾聴をすることで、部下から本音を引き出せることがあります。

また、部下から本音を引き出すことによって、職場の見えない問題解決につながったり、従業員の不満解消につながったりします。

さらに、問題解決や不満解消は、職場のわだかまりを無くし、良好な人間関係の構築につながります。

コミュニケーションが活発になる

アクティブリスニングを取り入れた際に得られる効果として、「コミュニケーションが活発になる」ことがあげられます。

アクティブリスニングは、話し手の伝えたい本質的な内容を聞き手が引き出せるように工夫して傾聴します。

伝えることが苦手な従業員や、そもそも人と会話をするのが苦手な従業員であっても、自分の伝えたいことをが引き出せるサポートを受けられるため、コミュニケーションが活発になりやすい傾向にあります。

最初は伝えることが上手でなかった従業員も、アクティブリスニングを継続することでサポートを受けなくても伝えたいことが発信できるようになり、社内のあらゆる話し合いで活発な議論が行えるようになります。

問題解決能力が向上する

アクティブリスニングを取り入れた際に得られる効果として、「問題解決能力が向上する」ことがあげられます。

アクティブリスニングでは、聞き手が会話の途中で問題の原因を伝えたり、アドバイスをしたりするのではなく、話し手自身が会話の中で問題の原因や解決方法を見つけられるようにサポートをします。

部下が抱える問題や課題の解決策を上司がすぐに伝えてしまうと、部下の問題解決能力は成長しません。

一方、アクティブリスニングで話し手が問題の解決策を考えながら話すプロセスを踏むことで、自身で問題の解決策を見いだせる能力が身に付きます。

また、問題解決能力の向上は、業務のあらゆる活動に有効で、業務の効率化にもつながります。

ハラスメントの抑制につながる

アクティブリスニングを取り入れた際に得られる効果として、「ハラスメントの抑制につながる」ことがあげられます。

アクティブリスニングは、上司と部下の会話において本音で話せる環境や良好な人間関係の構築につながります。

また、人間関係の改善は、風通しの良い職場環境を作ることにもつながり、職場のハラスメント抑制にも大きく貢献します。

セクハラやパワハラなど多くのハラスメントが横行する現代において、ハラスメント抑制は重要です。

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アクティブリスニング向上に必要な心構え

アクティブリスニングを導入する際に必要な心構えについて確認してみましょう。

アクティブリスニング向上に必要な心構え

  • 無条件の肯定的配慮

  • 自己一致

  • 共感的理解

無条件の肯定的配慮

アクティブリスニングを導入する際に必要な心構えとして、「無条件の肯定的配慮」があげられます。

無条件の肯定的配慮とは、相手の訴えや感情、行動をそのまま受容することを指します。

会話をしている際に、相手の意見に対して、自分の意見や問題に対する解決策などが見付かる場合もあります。

ですが、アクティブリスニングでは、自分の意見や解決策が見付かったとしても、相手の話を中断して伝えることはせず、まずは相手の話を無条件に受け入れる姿勢が必要です。

もし仮に聞き手側が相手の話や意見を否定したり、発言を遮ったりしてしまうと、話し手側が萎縮してしまい、自分の意見を伝えられなくなってしまう可能性があります。

話し手側がいかにリラックスして本音を話してくれる環境が作れるかを意識して、いかなる内容であっても、まずは肯定する姿勢を取るようにしましょう。

自己一致

アクティブリスニングを導入する際に必要な心構えとして、「自己一致」があげられます。

自己一致とは、話し手と聞き手の考えや感情が一致することを指します。

アクティブリスニングでは、話し手が自分の思いを気兼ねなく発信できる環境を作ることが大切です。

聞き手は、話し手の意見を否定したり、違う考えを伝えたりするのではなく、意見に対して賛同する姿勢を取るように心掛けましょう。

共感的理解

アクティブリスニングを導入する際に必要な心構えとして、「共感的理解」があげられます。

共感的理解とは、価値観や育った環境が異なる相手について、相手の気持ちに寄り添い、相手の立場に立って理解しようとすることを指します。

アクティブリスニングでは、相手に寄り添って話を聞くだけではなく、共感していることを話し手に伝えながら話を聞くことが重要とされています。

話し手は、自分に共感してくれる人に対して自分の意見を発信しやすくなり、聞き手は、話し手の本音を引き出しやすくなるため、共感する姿勢を意識することが大切です。

話し手と同じ立場に立って、相手の気持ちを理解したり、相手の目を見て相槌を打ちながら話を聞いたりするようにしましょう。

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アクティブリスニングの実践方法

アクティブリスニングの実践方法について確認してみましょう。

アクティブリスニングの手法には、「バーバルコミュニケーション」と「ノンバーバルコミュニケーション」の2種類があります。

2つの手法の特徴や実践方法について確認してみましょう。

バーバルコミュニケーション

バーバルコミュニケーションとは、言葉を使って取るコミュニケーションのことを指します。

具体的にバーバルコミュニケーションを実行する方法として、「オープン・クエスチョン」と「パラフレーズ」があります。

オープン・クエスチョンとパラフレーズを上手に活用することで、効果的なバーバルコミュニケーションを促進することができます。

オープン・クエスチョン

オープン・クエスチョンとは、「はい」や「いいえ」で答えられない質問をすることを指します。

例えば、「そのときにあなたはどう対処したのですか?」や「根本的な問題は何だと思いますか?」などがあげられます。

話し手の話を聞きながらオープン・クエスチョンを投げかけることで、話し手が自分が伝えたい本質的な内容や話の意図を再確認することができます。

オープン・クエスチョンをする際は、「5W1H」を意識して質問するようにしましょう。

パラフレーズ

パラフレーズとは、日本語の「オウム返し」と同じような意味を持ち、相手の言葉を繰り返すコミュニケーション技法を指します。

パラフレーズは、ただ相手が言ったことをそのまま繰り返すわけではなく、相手の話を聞きながら、適切なタイミングで「今の意味は◯◯という意味ですよね?」などと聞き返すようにします。

相手が言ったことを聞きながら適切に聞き返すことは、話し手は聞き手が自分の話に耳を傾けてくれていると実感することができ、聞き手は話し手が話す内容を理解することにつながります。

ノンバーバルコミュニケーション

ノンバーバルコミュニケーションとは、言葉を使用しないコミュニケーションのことを指します。

非言語コミュニケーションと呼ばれることもあり、人が会話をする際はノンバーバル・コミュニケーションを93%ほど活用しているとも言われています。

ノンバーバルコミュニケーションを向上させるために、「声のトーン」「聞く態度」「目線」「表情」を意識するようにしましょう。

声のトーン

アクティブリスニングを行う際は、声のトーンに配慮が必要です。

相槌を打つ際の声や、質問する際に声のトーンを気にかけることで、話し手はリラックスして意見を発信することができます。

聞き手は無愛想な相槌を打つのではなく、話し手の意見に共感していることが伝わるような相槌を打つことが大切です。

声のトーンは、話し手によって気持ちのいいトーンが異なるため、話し手に合わせた相槌を打つように心掛けましょう。

聞く態度

話し手がリラックスして話せるかどうかは、聞き手の聞く態度によります。

近すぎず遠すぎず適切な距離を保って向き合いながら会話することが好ましいとされています。

また、聞き手側が話を聞く際に、腕や脚を組むことで相手に不快感を抱かせることもあるため注意しましょう。

目線

アクティブリスニングでは、会話をする際にお互いに目を合わせることが重要とされています。

話し合う際は、正面、あるいは斜め前に座り、お互いの顔を見ながら会話できる環境を整えましょう。

しかし、ずっと相手の目を見続けるとかえって緊張感を与えてしまうため、適度なアイコンタクトが重要です。

表情

アクティブリスニングを行う際は、表情への配慮が必要です。

聞き手は常に適度な笑みを浮かべ、寄り添いながら話を聞く姿勢が重要ですが、話の内容によって表情を変化させるようにしましょう。

特に、話し手が苦労した話や困っていることなどを話している際は、同じように表情を浮かべ、「辛かったね」など共感して話を聞くことが大切です。

アクティブリスニングを高める方法

アクティブリスニングのスキルを高める方法について確認してみましょう。

アクティブリスニングを高める方法

  • アクティブリスニングの研修を行う

  • 傾聴に専念する

アクティブリスニングの研修を行う

アクティブリスニングのスキルを高める方法として、「アクティブリスニングの研修を行う」ことがあげられます。

近年では、アクティブリスニングのスキルを磨く研修が豊富に揃っています。

アクティブリスニング研修は請け負う会社によって、受けられる研修内容や期間、費用が異なるため、自社に合った研修を探すようにしましょう。

研修に参加する担当者は、管理職や教育担当、メンター制度を導入している企業ではメンター担当者がおすすめです。

普段、部下と話をする機会のある管理職や、従業員を教育する担当者がアクティブリスニングを身に付けることで、職場の良好的な人間関係の構築につながります。

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傾聴に専念する

アクティブリスニングのスキルを高める方法として、「傾聴に専念する」ことがあげられます。

コストをかけず、自社内でアクティブリスニングのスキルを磨きたい、もしくはまだアクティブリスニングを強化していない企業は、傾聴に専念することから始めましょう。

アクティブリスニングは、聞き手が話し手に寄り添うことが基本です。

話し手が発信し終わるのを待たずに聞き手が話しかけたり、自身の見解を述べたりすると、話し手が本当に伝えたい本音を引き出すことができません。

アクティブリスニングを身に付けさせたい担当者間で、傾聴に専念する練習を行い、基本となる姿勢を習得させるようにしましょう。

アクティブリスニングの基本姿勢ができるようになった後に、バーバルコミュニケーションとノンバーバルコミュニケーションを上手に使いこなす練習へと移りましょう。

アクティブリスニングの注意点

アクティブリスニングを取り入れる際に注意すべきポイントについて確認してみましょう。

アクティブリスニングの注意点

  • 高い傾聴スキルが必要

  • 聞き手側が結論づけることは推奨されていない

  • 聞き手側にストレスがかかりやすい

高い傾聴スキルが必要

アクティブリスニングを取り入れる際に注意すべきポイントとして、「高い傾聴スキルが必要」ということがあげられます。

聞き手側は、話し手が発信する内容に注目しながら、適切なリアクションを取ることが求められます。

聞き手と話し手どちらか一方だけを注視することで、片方が不十分になることもあるため、バランスを保ったコミュニケーションが必要です。

アクティブリスニングは相手の話を一生懸命聞けば成り立つものではなく、成立させるためのスキルが必要になることをしっかりと理解してから導入しましょう。

初めてアクティブリスニングを導入する企業では、担当者を研修に参加させるなどして、しっかりとスキルを身に付けさせてから実施するようにしましょう。

スキルと経験を積んだ従業員が増えた場合は、社内での研修で他の従業員に波及することも可能になります。

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聞き手側が結論づけることは推奨されていない

アクティブリスニングを取り入れる際に注意すべきポイントとして、「聞き手側が結論づけることは推奨されていない」ということがあげられます。

上司や教育担当者が部下の話を聞く際に、自身の経験から話し手が抱える問題の解決策を思い付く場合もあるでしょう。

しかし、アクティブリスニングの考え方では、結論づけるのは話し手であり、聞き手には話し手が結論づけられるようにサポートする役割が求められます。

つまり、普段何気なく解決策や結論を話してしまう癖を無くし、アクティブリスニングを新しいコミュニケーションスキルとして従業員を育成することが必要になります。

アクティブリスニングを身に付ける従業員には、アクティブリスニングの必要性をしっかりと理解させ、求められる役割を把握できるようにしてから取り入れるようにしましょう。

聞き手側にストレスがかかりやすい

アクティブリスニングを取り入れる際に注意すべきポイントとして、「聞き手側にストレスがかかりやすい」ということがあげられます。

アクティブリスニングでは聞き手に高い傾聴スキルが求められます。

また、聞き手側が話を結論づけることは推奨されていないため、自身の考え通りに話し手が意見をまとめられない場合もあり、聞き手側に大きなストレスがかかりやすい傾向にあるため、注意が必要です。

しかし、アクティブリスニングは話し手が自分で解決策を考えたり、本音を引き出したりすることが本来の目的とされています。

聞き手側にストレスがかからないためにも、主役は話し手であることをしっかりと理解し、自身で解決策を見付けることや、本音を引き出すことにやりがいを感じられるような意識付けが重要です。

従業員ひとりひとりの特性を把握する方法
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アクティブリスニングは従業員の本音の抽出や職場の問題解決に役立つ

アクティブリスニングとは、「傾聴姿勢」とも呼ばれるコミュニケーション技法の1つで、会話をする際に相手の話をただひたすら聞き続けるのではなく、相手が伝えたい本質的な事柄や感情を汲み取り、主体的に内容を把握することを指します。

アクティブリスニングは、従業員の考えや本音を引き出す際に効果を発揮し、職場の問題解決に貢献します。

従業員の意見を組織改革に取り入れたい企業や、従業員ひとりひとりの成長を進めたい企業には、アクティブリスニングの導入がおすすめです。

一方で、聞き手側には高い傾聴スキルや相手の話に集中することが求められ、大きなストレスがかかる場合もあります。

初めてアクティブリスニングを導入する企業では、アクティブリスニングの研修や教育を実施し、聞き手側に求められる役割をしっかりと理解してもらってから取り入れるようにしましょう。

「HRBrain タレントマネジメント」は、従業員ひとりひとりの特性や、アクティブリスニング研修の受講記録、1on1などのコミュニケーション施策の実施や、評価の透明性を高め納得感の高い評価制度の実施を実現します。

さらに、従業員のスキルマップや、これまでの実務経験、育成履歴、異動経験、人事評価などの従業員データの管理と合わせて、OKRなどの目標管理、1on1やフィードバックなどの面談履歴などの一元管理も可能です。

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  • 検索性と実用性の高い「データベース構築」を実現

運用途中で項目の見直しが発生しても柔軟に対応できるので安心です。

  • 柔軟な権限設定で最適な人材情報管理を

従業員、上司、管理者それぞれで項目単位の権限設定が可能なので、大切な情報を、最適な状態で管理できます。

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株式会社HRBrain 東本真樹
東本 真樹
  • 株式会社HRBrain コンサルティング事業部 組織・⼈事コンサルタント

2008年、デジタルマーケティングを支援する企業に入社。
企業ブランディングを活かしたマーケティング支援を経験した後、人事コンサルティング事業の立ち上げに参画。
主に300名未満の中小企業に向けた人事評価制度設計・運用支援・研修企画/実施を行う。

その後、1,000名規模の上場企業にて人事ポジションを経験し事業会社人事としての職務にも従事。

人事評価制度の運用、サーベイによる組織傾向分析、人材データベースの運用管理を経験。
現在は、HRBrainコンサルティング事業部にて組織人材コンサルタントとして活躍中。
人事評価制度の設計から定着に向けたコンサルティングまで各企業のフェーズに沿った支援を行っている。

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