#労務管理
2026/03/06

勤怠管理システムの導入手順や選定のポイント、メリット・デメリットを解説

人材データと勤怠データをひとつに、より深い組織分析が可能に

目次
閉じる

働き方が多様化しており、従来の勤怠管理では、従業員の勤務状況を正確に把握・管理するのが難しくなり、勤怠管理システムの導入を考えている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、勤怠管理システムを導入するべき理由から、得られるメリット、導入に伴う課題と対策、そして失敗しないシステム選びのポイントまでわかりやすく解説します。

HRBrain 3分でわかるサービス紹介資料

勤怠管理システムの導入は必要?

勤務スタイルや雇用形態などが多様化するなかで、手作業での勤怠管理は難しくなりつつあり、勤怠管理システムの導入が必要なケースが増えています。

さまざまなパターンで勤怠管理をしなければならず、手作業では業務負担が増加したり、ヒューマンエラーが起きやすくなったりするなどのリスクがあります。

勤怠管理システムを導入すれば、勤怠データの登録や管理などを自動化できるようになり、担当者はより重要な業務に時間を割けるようになるでしょう。勤怠管理業務の負担が増えていたり、人為的なミスが多発していたりするなら、勤怠管理システムの導入が課題解決のきっかけになるはずです。

勤怠管理システム導入の4つのメリット

ここでは、勤怠管理システムを導入することで得られるメリットを4つ紹介します。

<勤怠管理システム導入の4つのメリット>

  • 打刻・勤怠集計の自動化で業務効率を高める

  • 給与計算連携で集計工数と転記ミスを大幅削減する

  • 働き方の可視化によって労務リスクを抑制する

  • 打刻ルール徹底で不正打刻・打刻漏れを防止する

打刻・勤怠集計の自動化で業務効率を高める

勤怠管理システムを導入することで、日々の打刻データに基づき、所定労働時間や残業時間がリアルタイムで自動集計されます。複雑な就業規則や手当の計算ルールも事前に設定できるため、締め日の業務は計算から確認へと変わります。

これにより担当者の業務負荷は削減され、本来注力すべき人事計画や労務環境の改善といったコア業務に時間を割けるようになるでしょう。

【関連コンテンツ】

給与計算連携で集計工数と転記ミスを大幅削減する

勤怠管理システムによっては、勤怠データと給与計算を連携でき、集計の工数や紙媒体からの転記ミスなどを大幅に削減できます。

勤怠データをそのまま給与ソフトに取り込めるようになり、手入力で起こりやすい数字の打ち間違いや入力漏れといったミスを防げるのがメリットです。

【関連コンテンツ】

働き方の可視化によって労務リスクを抑制する

勤怠管理システムを導入すれば、従業員の労働時間、有給休暇の取得状況などをシステム上でひと目で確認できるようになります。

あらかじめ設定した残業時間の上限に近づいたら、自動でメール通知してくれるアラート機能を備えたシステムもあり、超過する前に対策が可能です。また、パソコンのログオン・ログオフや入退室の記録と、打刻データをつき合わせて確認できます。

これらの記録はそのまま「証拠」として残るため、監査が入った際にも、適切に労務管理をしていることを示すことができ、企業のリスクを大きく減らせます。

【関連コンテンツ】

打刻ルール徹底で不正打刻・打刻漏れを防止する

勤怠管理システムの導入によって、テレワークや直行直帰など、さまざまな働き方に対して「いつ・どこで働きはじめたか」を正確に記録できます。

スマートフォンのGPSやICカード、顔認証などを使って本人確認を行えるシステムでは、不正や記録ミスを防ぐことができます。打刻を忘れた場合も、自動でお知らせが届くため、その日のうちに修正しやすくなります。

HRBrain 3分でわかるサービス紹介資料

勤怠管理システム導入の3つのデメリット

ここでは、勤怠管理システム導入に伴うデメリットと、その解決策を紹介します。

<勤怠管理システム導入の3つのデメリット>

  • システム導入・運用にコストが発生する

  • 導入初期に設定やデータ移行の手間がかかる

  • 現場の操作習熟・ルール変更に伴う抵抗が起きやすい

システム導入・運用にコストが発生する

勤怠管理システムを導入するためには、初期費用や運用するためのランニングコストが発生します。クラウド型のシステムであれば、サーバーを用意する必要がなく、初期費用を抑えられますが、従業員1人あたりの利用料がかかる点に注意が必要です。

業務効率化を目的とした場合に、費用対効果が見えにくくなる場合もあります。紙管理の廃止によるコスト削減や勤怠管理業務の効率化など、費用以外の効果に目を向けて導入を検討しましょう。

導入初期に設定やデータ移行の手間がかかる

勤怠管理システムを契約したからといって、すぐに使い始められるわけではありません。本格的に運用するまでには、細かな初期設定やデータ移行といった大変な作業が必要になります。

たとえば、勤務時間の仕組み、休暇の付与ルール、残業や深夜・休日の割増計算の方法などを勤怠管理システムに正しく設定しなければなりません。

こうした負担を減らすには、ベンダーが提供する初期設定サポートを利用したり、Excelデータをまとめて取り込める機能を活用したりするなど、効率よく準備を進める工夫が重要です。

現場の操作習熟・ルール変更に伴う抵抗が起きやすい

どれだけ便利な勤怠管理システムでも、実際に使う従業員が慣れないと効果は出ません。導入直後に起きやすいのが、現場の反発や混乱によって運用が根付かないケースです。

長く使ってきたタイムカードや手書きの出勤簿から、スマホやパソコンでの打刻に切り替わると、IT操作が苦手な人にとっては大きな負担になります。

こうしたトラブルを防ぐには、いきなり全社で始めるのではなく、まずは一部の部署で試しながら課題を見つける進め方が効果的です。

勤怠管理システムの8ステップの導入手順

ここでは、勤怠管理システムを失敗なく導入し、現場に定着させるためのステップを詳しく解説します。

<勤怠管理システムの8ステップの導入手順>

  1. 導入目的と現状課題の明確化
  2. 勤怠管理に必要な機能要件の整理
  3. システム比較と最適なツールの選定
  4. 初期設定と勤怠ルールのシステム反映
  5. 従業員・管理者への説明と運用体制の整備
  6. トライアル運用による課題抽出と改善
  7. 本格運用の開始と定着支援
  8. 導入後の継続的な見直し・改善サイクルの実行

1.導入目的と現状課題の明確化

勤怠管理システムを導入する前に、勤怠管理に関する現在の課題を洗い出し、課題解決を軸とした導入目的を明確に設定しましょう。

集計作業の負担増や打刻漏れの頻発などの課題が明確になれば、なぜ勤怠管理システムを導入するのかがはっきりします。目的が明確になれば、導入して終わりにならず、組織に定着しやすくなるでしょう。

2.勤怠管理に必要な機能要件の整理

勤怠管理システムを導入する目的が決まったら、次は自社の働き方やルールを整理し、システムに必要な機能を整理します。

勤務形態、残業や深夜手当の計算方法、有給休暇の付与ルールなどを一つずつ確認し、「必要不可欠な機能」と「あると便利な機能」に分けておくことが大切です。また、今使っている給与ソフトとどう連携するか、将来ほかの人事システムとつなぐ可能性があるかも考えておきましょう。

3.システム比較と最適なツールの選定

勤怠管理システムに必要な機能を整理できたら、条件に合うシステムを比較します。費用、使いやすさ、機能、サポート体制などを総合的に比較し、目的にあったシステムを選ぶことが大切です。

特に重要なのは、現場が迷わず使える操作性と、管理者が柔軟に設定できる仕組みです。どれだけ高機能でも、操作が難しければ定着しません。無料トライアルを使って、実際に打刻や承認操作を試すことをおすすめします。

4.初期設定と勤怠ルールのシステム反映

導入する勤怠管理システムを決定したら、本稼働に向けて初期設定を行います。まずは従業員の情報(所属・雇用形態・入社日など)を登録し、始業/終業時刻や休憩などの勤務パターンを作ります。

次に、残業や深夜、休日の計算ルールや承認の流れを設定します。設定ミスは給与トラブルにもつながるため、必要ならベンダーの初期設定支援を使って負担を減らしましょう。

5.従業員・管理者への説明と運用体制の整備

勤怠管理システムの設定が終わったら、従業員に新しい勤怠管理ルールをわかりやすく伝える準備をします。まずは「なぜ導入するのか」「どのようなメリットがあるのか」を説明し、協力を得ることが重要です。

トライアル運用をはじめる前には、説明会を開き、質問に答える時間を確保して不安を取り除きます。また、パスワード忘れや操作ミスが起きた時の相談窓口を明確にしておくことで、「困ったらここに聞ける」という安心感が生まれ、運用が早く定着しやすくなります。

6.トライアル運用による課題抽出と改善

全社でいきなり本番運用をはじめるとトラブルが起きやすいため、まずは一部の部署だけで試験的に運用するのが安全です。この期間の目的は、実際に使ってみないとわからない問題を早めに見つけることです。

月末には旧データと新システムのデータを比べて、計算結果にズレがないか確認します。もし差があれば設定を修正します。

この試験運用を通して設定の精度を高め、現場の質問や要望をまとめてマニュアルやFAQを改善しておくことで、本番運用に移行しやすくなります。

7.本格運用の開始と定着支援

トライアル運用で見つかった問題を改善し、マニュアルやFAQなどが整ったら、いよいよ全社で本格運用を開始します。

導入直後は慣れていない人が多く、打刻忘れや申請ミスがどうしても起こりやすくなります。そのため、導入後しばらくは「定着させる期間」と考え、手厚いサポートが必要です。現場がスムーズに使いこなせるようになるまで粘り強くフォローし、本格運用を軌道に乗せていきましょう。

8.導入後の継続的な見直し・改善サイクルの実行

勤怠管理システムは、導入して終わりではありません。日々の運用が安定した後も、定期的にチェックし改善を続けることで、より大きな効果を得られます。

導入目的の達成度や勤怠データの収集状況、運用に関する現場の声などに目を向け、課題を改善していくことで適切な運用に近づいていきます。日々のチェックとあわせて、効果検証と振り返りの時期を定めて、課題の改善サイクルを止めない運用を目指しましょう。

勤怠管理システムを導入する際の選定ポイント

自社に合った勤怠管理システムを選ぶためのポイントは、以下の5つです。

  • 自社の勤務形態にマッチしているか

  • 直行直帰やリモートワークなど、多様の勤務スタイルにあった打刻方法があるか

  • どの従業員も無理なく使える操作性を備えているか

  • 給与計算ソフトなどの既存システムと連携できるか

  • 初期設定やメンテナンスなどのサポートを受けられるか

自社の勤務形態や勤務スタイルにマッチしていることを前提に、誰でも使いやすいシステムを選ぶのがポイントです。勤怠管理や労務管理などに別のシステムを導入している場合には、システム間の連携ができると、より業務の効率化を期待できます。

製品ページやの情報だけで判断せず、無料トライアルで実際に使い、自社の運用に合うかを確かめてから導入を決定しましょう。

HRBrain 3分でわかるサービス紹介資料

勤怠管理システムを活用し、業務効率化と労務リスク対策を両立させよう

勤怠管理システムを導入することによって、勤怠の集計作業の効率化や勤務状況の可視化など、さまざまな効果を期待できます。一方で、導入・運用に費用がかかることや、設定やデータ移行に手間がかかることなどの注意点もあるため、あらかじめ把握して、準備を進めることが大切です。

勤怠管理システムを導入する際は、まず目的を明確にする必要があります。課題解決のために導入が必要な場合は、複数のシステムの比較やトライアルなどを行なったうえで、自社にあった勤怠管理システムを導入しましょう。

株式会社HRBrain 中野 太朗
中野 太朗
  • ISO30414リードコンサルタント/アセッサー

  • ビジネス統括本部 エンタープライズセールス

新卒で大手総合人材サービス会社にて新卒採用のコンサルティング営業に従事し、スタートアップ〜ナショナルクライアントまで数百社を担当。2023年にHRBrainに入社。上場企業中心に組織診断サーベイ、タレントマネジメント等を提案。

  • LinkedIn

\ この記事をシェアする /

  • X
  • Facebook
  • LinkedIn

おすすめ記事

  1. HR大学
  2. 労務管理
  3. 勤怠管理システムの導入手順や選定のポイント、メリット・デメリットを解説