#労務管理
2024/04/15

部下に退職の相談をされたら?上司としての対応方法や辞める前兆を知る方法を解説

目次

突然部下から退職の相談をされた際、上司の立場としてどのように対応すべきなのでしょうか。

部下の退職は、上司の立場であれば必ず訪れるシチュエーションです。

部下が離職する際に、上司がどのような対応をするかによって部下の会社に対する最終的なイメージは大きく変わってきます。

この記事では、部下から退職の相談をされた際の対応や、部下の退職を引き止めたい場合

にすべきこと、上司として部下の退職手続きや退職期間にするべきフォロー、部下の退職を減らすためにすべきことについて解説します。

離職の予兆の早期発見に

部下の退職は普通のこと

上司の立場として、部下に退職の相談をされて驚いたり慌ててしまう場合があるかもしれません。

ですが、人材の流動性が激しく転職が当たり前の現代では、退職や転職は人生の一大イベントではなく、多くの人が経験するものになっています。

退職のハードルは下がっている

総務省統計局による「労働力調査(詳細集計)2023年(令和5年)平均結果」では、2023年の転職者数は328万人と、前年の2022年に比べ25万人の増加で2021年から2年連続の増加、転職希望者数は1,007万認と前年の2022年に比べ39万人の増加で2016年から7年連続の増加となっています。

また、年齢階級別転職者比率を見てみると若年層は特に転職する割合が高く、全体的に見ても転職者の割合は年々緩やかに上昇していることが分かります。

実はアメリカやイギリスでは転職による退職は当たり前のことで、一生の間に11箇所の職場を渡り歩くということも珍しくありません。

退職をしても能力が高ければ、すぐに他の会社から声がかかることから、個人の能力を重視していると言え、グローバル化が進み、退職が当たり前という傾向は日本にも波及してきています。

(参考)総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2023年(令和5年)平均結果

▼「早期離職」についてさらに詳しく
早期離職の理由と問題とは?離職の原因と中途採用の定着率を上げる方法

退職への心のハードルを下げる

これまで日本では、入社して定年を迎えるまで1つの会社に勤め上げる「終身雇用」が一般的でした。

しかし現在では、転職を前提にキャリアプランを構築している従業員も少なくありません。

転職のハードルが下がり、あらゆる転職サービスが台頭する中、従業員だけでなく管理者側の転職への心のハードルも下げる必要があります。

いつ誰が退職しようとしても慌てないように退職の相談を持ちかけられた時のフローを明確にし、トラブルが起こらないような対応を心がけるようにしましょう。

円満退職を目指すべき理由

部下から急に退職の相談を受けた場合、「裏切られたような気持ち」になってしまうこともあるかもしれません。

ですが、退職を相談された部下に厳しく当たるべきではありません。

部下の退職に際して円満退職を目指すべき理由について確認してみましょう。

円満退職を目指すべき理由

  • 今後も関係性が続く可能性がある

  • アラムナイとして関係を築くことでメリットがある

今後も関係性が続く可能性がある

専門性の強い職業であるほど、再度業界内で関係性がつながる可能性が高いでしょう。

部下が会社に悪い印象を持って転職した場合、部下が転職した先の会社と自社との関係にも悪い影響を与える可能性があります。

最後まで部下との関係を円満に維持し、良い印象を持って退職してもらうことで将来の他の会社との関係性も良好に保つことができます。

部下の転職先が顧客だけでなくアンバサダー、セールスパートナー、業務委託先となる可能性もあります。

また、転職後に部下から社外の有力な情報を取得することもあるかもしれません。

アラムナイとして関係を築くことでメリットがある

アラムナイ(alumni)とは、卒業生や同窓生という意味の英語で、人事領域では「企業を離職・退職した人の集まり」を指します。

アラムナイと良好な関係性を保っておくことで、「出戻り制度」「再雇用制度」「ジョブリターン制度」などを活用することが可能になります。

会社を離職する理由は、「会社が嫌になった」からとは限りません。

たまたま自分の資格や個性をいかせる仕事が無かったり、タイミングが合わなかったりなどの理由で離職したのであれば、時間が問題を解決してくれる可能性もあります。

良いタイミングで再雇用を持ちかけることで、会社のことを理解しパワーアップした人材を採用することができる場合もあります。

▼「離職の原因」についてさらに詳しく
離職の原因TOP3!特に気をつけたい若者・新卒の離職理由も詳しく解説

部下から退職の相談をされたら

部下から退職の相談をされたら、まずは「話を聞く」ことが大切です。

なぜなら、どのくらい離職の意志が強いかが分からないからです。

9割の人が「会社を辞めたいと思ったことがある」という結果が出たアンケート調査もあるため、上司に相談する全ての人が、本当に会社を辞めるわけではないのです。

では、部下と話す際には、どのようなことに気を付ければ良いのか、部下の話を聞く際に気を付けるポイントについて確認してみましょう。

話を聞く際に気を付けるポイント

  • 部下のことを1番に考える

  • 冷静に親身になって話を聞く

  • 部下の話を否定しない

  • 部下の話を遮らない

部下のことを1番に考える

退職したい部下と話をする際に1番気を付けたいポイントは 、「部下のことを1番に考えること」 です。

話をする際は、主語を部下に固定して話すことで、部下は真剣に自分のことを考えてくれていると感じやすいでしょう。

冷静に親身になって話を聞く

退職を考える部下の相談に乗る際に、感情的になることはご法度です。

感情的になることで、部下は上司に感情を押し付けられているように感じ、会社や上司への嫌悪感を強めてしまいます。

頭ごなしに叱るのは言語道断です。

また、会社から心が離れているのに、会社の都合を慮る部下はいないため、「困る。辞めないでほしい。」などの会社の都合を押し付けるような発言もマイナスです。

部下の立場に立って寄り添うことで部下が退職を考え直す可能性が高まります。

部下の話を否定しない

退職が現実的な選択肢に含まれている部下にとって、否定は退職への意志をさらに強める燃料にしかなりません。

「これで辞めたら他の会社でもやっていけない」などのネガティブなメッセージを発言することも控えましょう。

退職の意志を強めるだけでなく、退職後の会社への好感度にもヒビを入れることになってしまいます。

部下の話を遮らない

退職の相談をする部下の中には、話を聞いてもらって満足するというケースもあります。

もし話を遮ってしまえば、相談をした際には実はそこまで強くなかった退職の意向を強めてしまう結果になってしまう可能性があります。

とにかくまずは部下の話を真摯に受け止める態度を心掛けましょう。

部下の退職の意向を報告すべきかは慎重に判断する

部下から退職の相談をされた際に、1人では抱え切れずに人事部やさらに上の立場の従業員に相談したくなる気持ちがあるかもしれません。

ですが、本人の許可なく他の人に話した場合、部下はプライバシーが守られていないと感じ警戒心を強めてしまいます。 

また、もしも辞めないということになった際に部下が気まずい思いをしてしまいます。

まずは、「退職を考え始めた時期」「退職のきっかけ」「今後の予定」などをヒアリングして、退職意志の固さがどの程度なのかを見極めるようにしましょう。

退職意志が強く、本人が許可を出した場合のみ、人事部やさらに上の立場の人間に話しましょう。

部下の退職を引き止めたい場合

せっかく採用し育成しここまで一緒に勤めてきた部下が退職してしまうのは「惜しい」「引き止められるのであれば引き止めたい」と思う場合もあるでしょう。

部下の退職を引き止める場合に気を付けるべきポイントについて確認してみましょう。

部下の退職を引き止めたい場合

  • 本心で部下の仕事の役割を振り返る

  • 問題の所在を判断する

  • ビジョンの明確さを確認する

本心で部下の仕事の役割を振り返る

退職を考えている部下は、自分の仕事の役割を見失ってしまっている場合があります。

部下の現在の仕事は社会のために、部下自身のために、どのように役に立っているのかを説明することによって部下の仕事での役割を振り返ってみましょう。

また部下の仕事を振り返る際は、本心で語ることが重要になります。

なぜなら、「退職させないために仕向けられている」と少しでも感じてしまえば、部下は上司の言葉を誠実なものとして受け止められなくなってしまいます。

あまりに一般化された褒め言葉も皮肉に感じるので控えましょう。

問題の所在を判断する

退職を相談してきた部下の退職理由が、「本人側」にあるのか「会社側」にあるのかによって対応の仕方は変わります。

もしも部下の退職理由が、「育児や介護のため」「自身のキャリアアップのため」「療養のため」といった本人の問題である場合は、引き止めるのは難しいでしょう。

しかし部下の退職理由が、「人間関係が悪かったから」「給与や収入が低かったから」「自分の資格や個性が生かせなかったから」といった会社側の問題だった場合は、適切な対処をすることで離職を防げる可能性があります。

「譲歩」ではなく部下のために「対処」する姿を見せることによって、もし部下を会社に留められなかったとしても、会社に好印象をもって退職してもらえるでしょう。

ビジョンの明確さを確認する

退職を考えている部下は、その会社での将来について不安に思っている場合が多いです。

退職の相談を持ちかけられたら、部下の将来のビジョンや本当にやりたいことを確認して、この会社でも実現できないかを部下と一緒に検討しましょう。

本当に部下のやりたいことが今の会社でできないのかを確認することで、改めて部下が今の会社での可能性に気づくだけでなく、上司も部下のいかし方に気づけるというメリットがあります。

部下の希望するキャリアを自社で応援することで離職を防ぐことができるかもしれません。

上司は退職したい部下の話に真剣に耳を傾け、部下の抱える問題の本質を部下と共に解決する姿勢を見せることによって、部下を会社に引き止められる可能性が高まるでしょう。

間違っても退職願を受け取らないなど、部下の退職を拒否する行為はしてはいけません。

退職は従業員の権利であると民法で定められており、退職願を受け取らないなどの行為は違法行為にあたるからです。

▼「離職防止」についてさらに詳しく
離職防止に効果的な施策9つ!離職の原因とその影響も解説

離職の原因と対策を考える

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部下の退職手続きで上司がすべきこと

部下が強い意志で退職を希望しており、引き止められそうにない場合は、退職のための手続きを始めましょう。

部下の退職手続きで上司がすべきことについて確認してみましょう。

退職手続きの手順

  1. スケジュールを決める
  2. 後任の人を探す
  3. 引継ぎ資料の作成依頼
  4. 必要なものの受け渡し

スケジュールを決める

まずはスケジュールを部下と相談して決めましょう。

一般的には退職の意向は退職2〜3ヶ月前に、部下から伝えられることが多いようです。

転職する側はさまざまな手続きをする必要があります。

転職日を細かく決めておくことで見通しが立ち、トラブルを未然に防ぐことができます。

後任の人を探す

人が組織から抜ける際には、その人がやっていた業務を残りの従業員に割り振る必要があります。

もしも従業員全員が各々の仕事で手いっぱいの場合は、新しく人材を採用することも考えるべきでしょう。

後任がいないからといって退職を引き止めることはできません。

また、退職の際の引継ぎは法的には義務ではなく、引継ぎをしないことに対して損害賠償を請求するようなことは、客観的に見て会社に明らかな損害を与えるような悪質な行為でない限りはほぼあり得ません。

退職させないために引継ぎをさせないなどの行為を行った場合、引継ぎなしで部下が退職しても手を打てず、墓穴を掘ってしまう可能性があります。

後任を探す際には、業務に適したスキルや能力のある人材を見つけなければなりません。

新しく後任を探す際に有効なのが「タレントマネジメントシステム」です。

タレントマネジメントとは、「スキルやノウハウなどの従業員データを一元的に集約し、異動や人材育成、評価などの人事戦略に反映させることで、組織成長や業務効率化を目指すプロセスを指します。」を指します。

タレントマネジメントを導入することによって、誰が何の能力に長けているのかが明確になり、後任を探す時だけでなく普段の人材育成や人材開発にも役立ちます。

▼「タレントマネジメント」についてさらに詳しく
【完全版】タレントマネジメントとは?基本・実践、導入方法まで解説

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スキル管理とは?目的や方法とスキルマップについて解説

タレントマネジメントを推進する方法

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引継ぎ資料の作成依頼

部下の退職の1ヶ月前には、引継ぎ資料の作成を依頼しましょう。

まだ後任の人が決まっていない場合は、特に詳細な引継ぎ資料が必要です。

引継ぎ資料の内容

  • 担当業務の目的

  • 業務内容

  • 仕事の流れ

  • 社内外の関係者の連絡先

  • ノウハウやトラブルの実例

  • 資料の保管場所

  • 決裁や依頼項目別の問い合わせ先

引継ぎ資料には、従業員独自の仕事のノウハウや実践的なアドバイスを含めてもらうようにしましょう。

引継ぎ資料作成によって仕事量が過多になりそうであれば、人員を足してあげるなどのフォローをするようにしましょう。

必要なものの受け渡し

退職する前には従業員がその会社の従業員であることを証明する全てのものを返却してもらいましょう。

また、従業員から退職の手続きに必要な書類の請求があるので、受け渡しでのトラブルが無いよう事前に準備しておきましょう。

回収するもの

  • 会社支給の備品など

  • 健康保険被保険者証

  • 会社支給の備品

  • 社員証、社章、名刺

  • 制服、作業着

  • 業務資料、マニュアル

渡すもの

  • 雇用保険被保険者証

  • 年金手帳

  • 源泉徴収票

  • 離職票

▼「離職票と退職証明書」についてさらに詳しく
退職証明書とは?もらえない時の対処法から書き方や発行のタイミングまで

退職時の退職届について

ほとんどの会社は退職する際に、退職届を提出させることが就業規則によって定められています。

しかし、退職届を出さないと退職できないということはありません。

民法では本人からの退職の申し出と、申し出に対する会社の承諾があれば合意による退職が成立すると定められています。

また、会社都合の退職の場合退職届を提出する必要はありません。

会社都合の退職とは、「事業所の移転によって、通勤が困難になった」「労働条件が契約内容と異なる」「給与支払いの遅延・滞納・未払い」などです。

会社都合の退職にもかかわらず、退職届を提出してしまうと、自己都合の退職とみなされて、退職した従業員が受け取れる失業給付金の額が減少してしまいます。

会社都合での退職の際に、退職届の提出を部下に要求すると、退職届が手続き上の理由で必要な場合であっても、会社都合退職の通知書を求められることがあります。

源泉徴収や離職票の交付の拒否はできない

退職者が離職票を会社に請求した場合、雇用保険法によって会社には離職票を交付する義務が課されています。

交付を拒んだ場合は、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金刑が課せられます。

源泉徴収の交付を拒んだ場合には、税務署から税務指導が入る場合があります。

いくら退職して欲しくない場合であっても退職は従業員の当然の権利です。

源泉徴収や離職票を人質にとって退職を拒むことはやめましょう。

部下の退職が決定した場合は、しっかりと手続きを踏んでトラブルのない円満退社を目指しましょう。

(参考)e-Gov法令検索「雇用保険法 雇用保険法第83条4項」 

部下の退職期間にするべきフォロー

部下から退職の意向を伝えられてから退職する日までには、長くて3ヶ月程の期間があります。

退職までの期間にどのような対応をするかによって、退職をする部下の会社への印象は大きく左右されます。

退職までの期間にはどの様なことを心がければよいのか、部下の退職期間にするべきフォローについて確認してみましょう。

部下の退職期間にするべきフォロー

  • 部下の退職を応援する

  • 後任の人と仕事をしてもらう

  • 円満退職をしてもらうようお願いする

  • 挨拶回りに行ってもらう

部下の退職を応援する

退職が決定したとたんに上司の態度が冷たくなると部下はショックを受けてしまいます。

出社最終日まで自分の部下であるという認識で部下の門出を応援してあげましょう。

後任の人と仕事をしてもらう

部下が退職するまでの期間に業務の引き継ぎを行いましょう。

マニュアルを作成してもらうだけでなく、実際に後任の従業員と一緒に仕事をしてもらうと良いでしょう。

一緒に仕事をしてもらうことで、仕事のコツをその場で習得でき、仕事へのイメージが掴みやすくなるからです。

退職する部下に作成してもらった引継ぎ資料やマニュアルを、最初に使うのは後任の従業員です。

退職する部下が後任の従業員と仕事をする期間を与えられることで、引継ぎ資料を作る際に特に詳しく説明する必要がある部分などの参考にすることができます。

円満退職をしてもらうようお願いする

退職してからも顧客、アンバサダー、セールスパートナーとなる可能性がある部下と良好な関係性を保つためには、部下にもその認識を持ってもらう必要性があります。

上司が退職する部下を他人扱いしないようにするだけでなく、退職する部下本人にも退職する際のモラルを守ってもらうようにしましょう。

例えば、「会社や他の従業員の悪口を言うのを控えてもらう」「退職日まではモチベーション高く仕事をしてもらう」などです。

退職する部下の態度が残された従業員の業務に支障をきたさないよう気を配りましょう。

▼「モチベーション」についてさらに詳しく
仕事のモチベーションを上げる方法とは?元人事が実体験をもとに解説

挨拶回りに行ってもらう

退職1週間〜2週間前になったら、退職する部下には挨拶回りに行ってもらいましょう。

営業などの会社の顔となる業務の場合は特に挨拶回りが必要です。

挨拶回りができない場合は、メールなどで挨拶を送るようにしましょう。

また、退職する部下が営業先などからもらった名刺は会社に帰属します。

部下が退社する際には、名刺の回収も怠らないようにしましょう。

退職する際には後任の従業員に、取引先の名刺と連絡先を渡してもらい、挨拶回りにも可能であれば後任の従業員を同行させましょう。

メールで挨拶をする際には後任の従業員の情報を載せてもらいましょう。

部下の退職を減らすためにすべきこと

もしも、会社の問題が原因で退職する部下が多い場合、社内環境を改善し同じ理由で退職する部下を増やさないように、離職防止のための対策をする必要があります。

部下の退職前には問題の本質を一緒に探り、今後さらに離職率を上げないように対策をしましょう。

エンゲージメントサーベイを実施して、従業員から見た「従業員と会社とのつながりの強さ」を計測し把握しておくのも良いでしょう。

▼「エンゲージメントサーベイ」についてさらに詳しく

エンゲージメントサーベイとは?質問項目や実施する目的と必要性について解説

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従業員エンゲージメントを高める方法

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部下を退職させる場合

無断欠勤を続け連絡のつかない部下を退職させる場合の注意点について確認してみましょう。

従業員が退職する場合、2ヶ月前には退職願を受け取るのが一般的ですが、中には突然音信不通になって出社してこなくなってしまう従業員もいるかもしれません。

部下の中に出社してこなくなってしまった部下がいる場合、上司としてどのような対応を取れば良いのか、連絡が取れないまま無断欠勤を続ける従業員の退職のさせ方について確認してみましょう。

勝手に退職させない

部下が無断欠勤を続けているからといって、会社から一方的に従業員を解雇することはできません。

従業員を勝手に解雇させると不当解雇で訴えられてしまう可能性があります。

就業規則や雇用契約書の規定を満たした場合、懲戒解雇や自然退職という形を取りますが、そのためには連絡を取り続け、音信不通であるということを確認できるようにしなければなりません。

無断欠勤をしている従業員にはさまざまな方法で連絡を取り、このままでは解雇になるということを伝えましょう。

従業員と連絡が取れれば自主退職をしてもらえたり、万が一犯罪に巻き込まれていた場合でも早期発見につながります。

 連絡手段の例としては、「本人に連絡を取り続ける」「身元保証人に連絡を取る」「出勤を促す内容の郵便を送る」「自宅を訪ねる」などがあげられます。

「いつ、誰が、どのような手段で」連絡をしたかを記録に残しておくことによって、もし不当解雇で訴えられた場合に、証拠として提出できるようにしておきましょう。

どうしても連絡がつかない場合

さまざまな方法で従業員と連絡を取り、それでも連絡がつかない場合には、就業規則や雇用契約書を確認し、規則にのっとって退職の手続きをしましょう。

懲戒解雇の場合、解雇通知が従業員本人に到達しなければ効力を発揮しないため、従業員と連絡が取れなければ解雇が成立しません。

解雇通知を出す場合は、内容証明や配達証明郵便を活用すると良いでしょう。

内容証明郵便とは、いついかなる内容の文書が誰から誰宛てに差し出されたかということを、差出人が作成した謄本によって郵便局が証明する制度です。

配達証明郵便とは、郵便物や荷物について、配達したという事実を証明するサービスです。

もしも、紛争になった際に有力な証拠として役に立ちます。

部下が退職する前に対策を打つ方法

部下の退職には手続きや引継ぎなどのコストがかかります。

部下の退職の意向が弱いうちに、部下の抱える社内の問題に気づき、対応することで部下の退職を防ぐことができます。

「パルスサーベイ」は、エンゲージメントとストレス値から従業員のメンタルヘルスをチェックし退職兆候を見抜くことができるツールです。

従業員の感じているストレスは外から見ても分かるものではありません。

しかし、ストレス調査にはコストがかかるほか、従業員が非協力的だったり正直に答えてくれない場合効果的なものにはなりません。

パルスサーベイを導入して、従業員のびっくり退職を避けるように対策を進めましょう。

▼「パルスサーベイ」についてさらに詳しく
パルスサーベイとは?意味や目的と質問項目を解説

従業員の離職の兆候を事前につかむ方法

⇒「HRBrain パルスサーベイ」資料ダウンロード

部下の退職へのフォローは万全に

上司の立場であれば部下の退職は必ず訪れるシチュエーションです。

突然部下から退職の相談をされて驚いたり慌ててしまう場合があるかもしれませんが、退職は従業員の当然の権利のため、上司として部下の退職へのフォローは万全にするようにしましょう。

退職のフォローを万全に行うことは、結果として会社と退職する部下の双方にメリットがあります。

とはいえ可能であれば、採用し育成し一緒に勤めてきた部下に、退職して欲しくはないものです。

部下の退職を防止するためには、「ストレスやメンタル面での不安はないか?」「離職の兆候がないか?」など従業員ひとりひとりの抱える問題や、コンディションをしっかりと把握することが大切です。

ですが、従業員の感じているストレスや不安は、外からでは分からない場合があり、気付かぬうちに退職を決意する状態にまで至ってしまい、上司の目線からすると「びっくり退職」となってしまう場合があります。

「HRBrain パルスサーベイ」は、従業員ひとりひとりのメンタル状況や離職の兆候を早期段階で発見し「びっくり退職」を防止することが可能です。

従業員のコンディションを分かりやすく見える化し、従業員ごとにサーベイを最適化、回答内容によって質問数を調整することで、従業員の負担を減らしながらコンディションを把握することができます。

「HRBrain パルスサーベイ」の特徴

  • 従業員と組織の状態を効率的に可視化

対話型サーベイで設問を最適化し従業員の回答負担を軽減

さらにアラートレベルが高い従業員を的確に察知することが可能です

  • 「課題特定」から「解決策の提示」までトータルサポート

サーベイの回答結果をもとにシステムが自動で課題を特定し問題を可視化します

推奨アクションもシステムが自動提供し個人最適の課題改善を支援します

  • 収集した情報の一元管理とモニタリング基盤の構築

収集した情報は一元管理され課題の特定から解決までをサポート

蓄積したデータを活用することで「エンゲージメント」の維持と向上を行います

HR大学編集部
HR大学 編集部

HR大学は、タレントマネジメントシステム・組織診断サーベイを提供するHRBrainが運営する、人事評価や目標管理などの情報をお伝えするメディアです。難しく感じられがちな人事を「やさしく学べる」メディアを目指します。

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