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2025/12/24

アダプティブラーニングとは?eラーニングとの違いや活用方法を解説

簡単操作でオリジナルコンテンツをアップロードし、e-ラーニング化

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近年、企業研修や教育現場では、一人ひとりに合った学びを実現する仕組みとして、アダプティブラーニングが注目を集めています。

AIが学習者の理解度や進捗を分析し、最適な教材を自動で提示することで、従来のeラーニングでは難しかった個別最適化を可能にします。

本記事では、アダプティブラーニングの特徴やeラーニングとの違い、企業での活用方法までわかりやすく解説します。

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アダプティブラーニングとは?

アダプティブラーニングとは、学習者一人ひとりの理解度や進捗に合わせて、最適な学習内容や難易度を自動で調整する学習手法です。

AIやデータ分析を活用し、テスト結果や行動データから学習者の弱点・得意分野を特定して、必要な教材や課題を個別に提示します。

これにより、「わからない部分を放置しない」「得意分野をさらに伸ばす」といった、効率的かつ継続的な学びが実現できます。

アダプティブラーニングとeラーニングの違い

従来のeラーニングは、あらかじめ決められた教材を順番に学ぶ仕組みです。一方、アダプティブラーニングはAIが学習者の回答や行動データを分析し、その人の理解度に合わせて教材や問題の難易度を自動で調整します。

eラーニングが全員が同じ道を進むのに対し、アダプティブラーニングは一人ひとりに合った最適な学びのルートを示す点が特徴です。

従来のLMS(学習管理システム)は学習履歴を記録することはできますが、そのデータをもとに内容を変えることはできません。その結果、学習スピードや理解度の差が広がりやすく、途中で学びをやめてしまう人も出やすいという課題がありました。

アダプティブラーニングは、こうした問題を解決し、学習者に合わせて最適な教材をリアルタイムで提示します。学習効果を高めたい企業や教育機関にとって、次世代の学習スタイルといえるでしょう。

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アダプティブラーニングの4つのメリット

ここでは、アダプティブラーニング導入によって得られるメリットを紹介します。学習成果の向上だけでなく、指導者・管理者の業務効率化やコスト削減にも直結するメリットは、以下の通りです。 

<アダプティブラーニングの4つのメリット>

  • 一人ひとりに最適化された効率的な学習が可能になる 

  • 教育効果を定量的に評価できる

  • 講師・指導者による質の差が少なくなる 

  • 場所や時間の制約がない

一人ひとりに最適化された効率的な学習が可能になる 

アダプティブラーニングの利点は、学習者一人ひとりの理解度やペースに合わせて、最適な学習内容を自動で提示できる点です。従来の授業やeラーニングでは、得意な人には冗長で、苦手な人には難しすぎるという課題がありました。

アダプティブラーニングでは、AIが学習者の行動データを分析し、「今どこでつまずいているか」「次に何を学ぶべきか」を即座に判断します。たとえば、数学で基礎に戻るべき生徒には復習教材を、理解が進んだ生徒には応用問題を自動配信します。

この仕組みにより、学習のムダを省き、弱点克服とスキル強化を同時に実現できます。結果として、学習効果の向上と早期戦力化につながります。

教育効果を定量的に評価できる

アダプティブラーニングの大きな特徴は、学習効果をデータで客観的に評価できることです。従来のeラーニングでは、学習ログが蓄積されても活用が難しく、学習の成果や課題を正確に把握しにくいという問題がありました。

アダプティブラーニングでは、xAPI(学習履歴データを取得する仕組み)などを通じて、「どの問題で迷ったか」「どの動画を繰り返し見たか」といった行動データを詳細に収集・分析できます。

これにより、管理者は学習者がつまずいたポイントを可視化し、教材や指導方法の改善に活かすことができます。

講師・指導者による質の差が少なくなる 

アダプティブラーニングの導入は、講師や指導者による教え方の差を減らし、教育の質を標準化できる点が大きなメリットです。

従来は、講師やOJT担当者の経験によって成果に差が出るという課題がありました。アダプティブラーニングでは、AIが学習データを分析し、一人ひとりに最適な教材や復習タイミングを自動で提示します。

そのため、経験の浅い講師でもシステムが提示する推奨課題をもとに高品質な指導が可能になります。企業では、基礎学習をシステムに任せることで、OJT担当者は実務指導やキャリア支援に集中でき、教育効率と品質の両立が実現します。

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場所や時間の制約がない

アダプティブラーニングは、多くがクラウド型(SaaS)で提供され、PC・スマートフォン・タブレットに対応しています。そのため、学習者は時間や場所に縛られず、自分のペースで学習できます。

従来の集合研修や時間割授業では、忙しい社員や遠隔地の学習者が参加できない課題がありましたが、アダプティブラーニングなら移動中や休憩時間などのすき間時間にも学習可能です。

さらに、eラーニングと異なり、今の理解度に最適な教材を自動で提示できます。学習機会を広げつつ、効果と効率を同時に高められる仕組みです。

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アダプティブラーニングの2つの注意点

ここでは、アダプティブラーニング導入検討時に直面しやすい注意点を解説します。

<アダプティブラーニングの2つの注意点 >

  • 導入・運用にコストとリソースがかかる 

  • 継続的なデータ検証とコンテンツ改善が必要になる

あらかじめ注意点を把握し、対策を講じたうえで、アダプティブラーニングを導入しましょう。

導入・運用にコストとリソースがかかる 

アダプティブラーニング導入の課題のひとつは、コストとリソースの負担です。従来のeラーニングに比べて初期費用や作業量が多く、「現場の手間が増える」「費用対効果が見えにくい」といった懸念が生じやすい傾向があります。

AIによる最適化を実現するためには、教材を細かく分解し、それぞれに難易度や前提知識などのタグを設定する必要があります。このタグ付け作業が、導入プロセスの中でも最も時間と専門知識を要する部分です。

そのため、いきなり全社展開を目指すのではなく、まずは特定の分野や部署で小規模に実証実験を行うのが現実的です。

既存の教材を活用しながら投資対効果を試算すれば、初期投資も将来的な学習効率の向上によって十分に回収できるでしょう。

継続的なデータ検証とコンテンツ改善が必要になる

アダプティブラーニングは、導入して終わりではありません。継続的にデータを検証し、改善を重ねることで、はじめて学習効果を期待できます。

学習ログを分析して、学習者がつまずきやすい箇所を特定し、教材を定期的に更新していくことが欠かせません。

また、AIによる教材推薦には、偏りや不公平が生じるリスクもあります。そのため、属性ごとの学習データを定期的に監査し、偏りをチェックすることが重要です。

さらに、なぜこの教材が選ばれたのかを学習者に説明できる機能を備えたシステムを選ぶことで、公平性と透明性を確保し、安心して運用できます。

アダプティブラーニングの3つの活用方法

ここでは、企業におけるアダプティブラーニングの活用方法を紹介します。

<アダプティブラーニングの3つの活用方法>

  • 全社研修

  • 新入社員研修

  • 従業員の自己学習

自社の状況を振り返ったうえで、全社や新入社員などへの研修に役立ててみましょう。

全社研修

アダプティブラーニングは、全社研修で特に効果を発揮します。従来の一律研修では、知識のある社員には時間の無駄となり、理解が浅い社員は取り残されるという課題がありました。

AIが事前テストや学習履歴を分析し、必要な人にだけ不足分野の教材を自動配信することで、効率的な学習が可能になります。

この仕組みにより、研修コスト削減とリスク低減を同時に実現し、高い投資対効果を示せます。

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新入社員研修

新入社員研修は、アダプティブラーニングの効果が発揮されやすい分野です。製品知識や営業プロセス、基礎用語の習得をAIが一人ひとりの理解度に合わせて最適化し、反復学習によって知識の定着を自動的にサポートします。

従来のOJTでは、指導者による教え方のばらつきや負担の大きさが課題でした。アダプティブラーニングを活用すれば、基礎教育を自動化できるため、OJT担当者は実践的な指導や現場フォローに専念できます。

さらに、学習データをもとに新人一人ひとりの理解度や弱点を可視化できるため、必要なサポートを的確に行うことが可能です。

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従業員の自己学習

アダプティブラーニングは、多忙な従業員がすきま時間を活用して学べる自己学習ツールとして効果的です。

3〜10分程度の短時間学習形式で配信し、AIが習熟度や記憶の定着度に応じて最適な教材を自動で推薦します。これにより、学ぶ時間が取れないという課題を解消し、学習の継続と定着を自然に促すことができます。

また、学習データをタレントマネジメントシステムと連携すれば、個々のスキルや成長度を可視化し、人材配置や育成計画にも活用可能です。ただし、学習データを評価に活用する際は、プライバシー保護と公平性への配慮が欠かせません。

学習管理の基盤を構築するなら「HRBrain ラーニング」

サービスサイト_ラーニング

アダプティブラーニングを導入するためには、まずLMS(学習管理システム)を活用し、学習コンテンツのデジタル化や学習データの蓄積などを行い、管理基盤を整える必要があります。

本格的なAI導入に踏み切る前の土台作りに、おすすめしたいのが「HRBrain ラーニング」です。
「HRBrain ラーニング」は、企業のeラーニングや研修管理をシンプルに効率化できるLMS(学習管理システム)です。

直感的な操作でオリジナル研修コースを作成でき、受講者の進捗確認・テスト実施・レポート回収までを一元管理できます。

部署や職種など多様な属性で柔軟に受講設定でき、受講催促も自動化できます。スマートフォンにも対応しており、時間や場所を選ばず学習を継続できるのがメリットです。

3,500社以上の導入実績と高い顧客満足度を誇り、教育担当者の工数削減と人材育成の質向上を同時に実現します。まずは無料トライアルで、その使いやすさを体感してみましょう。

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アダプティブラーニングを活用し、学びの最適化を実現しよう

アダプティブラーニングは、AIが一人ひとりの理解度や進捗を分析し、最適な教材を自動で提示することで、効率的かつ個別最適な学びを実現します。

従来のeラーニングのように全員が同じ内容の教育を受ける仕組みではなく、弱点を重点的に補強し、得意分野をさらに伸ばせるのが特徴です。企業研修では、OJTの負担軽減や育成期間の短縮にもつながります。

今後の人材育成では、「学びを個別最適化できるか」が成果を左右します。まずは小規模な領域からアダプティブラーニングを導入し、自社の学習データを活用した戦略的な人材育成をはじめましょう。

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株式会社HRBrain 中西諒
中西 諒
  • 株式会社HRBrain コンサルティング事業部 組織・⼈事コンサルタント

大学卒業後、組織・人事コンサルタントとして、研修設計/納品、アセスメント設計/納品等、商材開発から納品フロントまで一気通貫でプロジェクトを担当。
各社の評価制度に合わせた評価者研修の設計も担当しており、これまでの支援実績は200社以上。

現在は、HRBrainコンサルティング事業部で組織・人事コンサルタントとして活躍中。人事評価制度設計のコンサルティングに加え、評価者研修/1on1研修/フィードバック研修/キャリアマネジメント研修等、企業の課題に合わせた様々な研修の設計/納品を担っている。

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