アクションプランとは?目的や作り方、具体例をテンプレ付きで解説
人材データの一元管理を実現し、あらゆる人事施策の実行をサポート
- アクションプランとは?
- アクションプランを作成する目的
- アクションプランの3つのメリット
- 何をすべきかが明確になり、無駄な作業を削減できる
- 進捗を管理しやすくなり、遅延のリスクを減らせる
- 目的意識が明確になり、モチベーションを維持できる
- アクションプランの2つのデメリット
- 計画づくりが目的化し、実行が後回しになる
- 作成・更新に工数がかかり形骸化しやすい
- 【5ステップ】アクションプランの作り方
- 1.アクションプランを作る目的を定義する
- 2.現状と理想の差分を把握する
- 3.実行可能なレベルまで落とし込む
- 4.実行の見通しを立て、管理しやすくする
- 5.計画を実行に移し、必要に応じて修正する
- アクションプラン作成の具体例
- 営業のアクションプランの具体例
- 人事のアクションプランの具体例
- アクションプランを立てて計画的に成果を生み出す
アクションプランとは、目標を達成するための道筋を明確にし、チーム全体で着実に成果を積み上げるための計画です。
どれだけ優れた戦略やアイデアがあっても、計画段階で実行まで落とし込めなければ結果にはつながりません。
本記事では、アクションプランを効果的に作成・運用するためのポイントを、WBS(作業分解構造)やガントチャートを用いた具体的な手法とともに解説します。
計画を形にするだけでなく、実行できる仕組みに変えるためのステップを詳しく見ていきましょう。
アクションプランとは?
アクションプランとは、目標を達成するために具体的なアクションを定めた行動計画です。
目標を達成するために、その道筋を具体的かつ実行可能なレベルまで分解し、「誰が・何を・いつまでに・どのように」やるのかを整理します。
単なる計画表ではなく、明確な目標や期限、担当者などを具体的に定義することで、タスクの進捗管理やチームの意識統一などを行いやすくなります。
アクションプランを作成する目的
アクションプランを作成する目的は、主に以下の3つです。
目標達成のためのタスクを明確にするため
目標達成のためにリソースを適切に配分するため
進捗の可視化により課題の発見や軌道修正を迅速に行うため
目標達成までの道筋で、何をすべきかを明らかにするために、アクションプランに具体的なタスクやアクションを落とし込みます。
明確になったタスクを効率よく実施するために、現在あるリソースを適切に割り当てることもアクションプラン作成の目的です。タスクに対して、適切なメンバーや人数、費用などを配分することで、無駄なく進行できるようになります。
目標達成の過程で進捗が思わしくない場面もあるでしょう。そのようなときにアクションプランがあると、進捗に影響を与えているタスクが明らかになり、課題の発見や軌道修正をすばやく行えます。
アクションプランの3つのメリット
ここでは、アクションプランを正しく作成・運用することで得られる3つのメリットを紹介します。
<アクションプランの3つのメリット>
何をすべきかが明確になり、無駄な作業を削減できる
進捗を管理しやすくなり、遅延のリスクを減らせる
目的意識が明確になり、モチベーションを維持できる
何をすべきかが明確になり、無駄な作業を削減できる
アクションプランを作成するメリットの1つ目は、チームメンバーが「次に何をすべきか」で迷う時間を減らし、無駄な作業を削減できる点です。
多くの現場で課題となる「タスクが粗く、優先順位が曖昧で前に進まない」という状況は、タスクのゴールが不明確なことに起因します。
「営業資料を改訂する」「新規採用を推進する」といった曖昧な指示では、担当者は「何を・どこまで・どの品質で」やれば完了なのか判断できません。
アクションプランにより、タスクの詳細や範囲、求めるクオリティなどが明確になれば、担当者のやるべきことが明らかになります。無駄のないタスク進行によって、クオリティを高められたり、工数を削減したりする効果を期待できます。
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進捗を管理しやすくなり、遅延のリスクを減らせる
アクションプランを作成するメリットの2つ目は、プロジェクトの進捗管理が容易になり、遅延のリスクを早期に発見・回避できることです。
アクションプランによって、タスクごとの進捗を可視化できるため、プロジェクトにおけるボトルネックを発見しやすくなります。
リーダーの感覚的な進捗管理ではなく、アクションプランに基づいた状況把握ができることで、遅れのあるタスクへのケアをすばやくできるようになり、プロジェクトの遅延を未然に防ぐことが可能です。
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目的意識が明確になり、モチベーションを維持できる
アクションプランを作成するメリットの3つ目は、チームメンバー個々の目的意識を明確にし、モチベーションを維持できることです。
目標に対するプロセスをアクションプランに落とし込むことで、チーム全体で取り組むべきことへの意識を統一できるようになります。
同じ目的に向かって取り組むなかで、アクションプランによってタスクの進捗が明確になることによって、達成感からモチベーションの維持・向上を期待できます。
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アクションプランの2つのデメリット
ここでは、アクションプランの作成に失敗する2つのデメリットと、未然に回避する方法を紹介します。
<アクションプランの2つのデメリット>
計画づくりが目的化し、実行が後回しになる
作成・更新に工数がかかり形骸化しやすい
計画づくりが目的化し、実行が後回しになる
アクションプラン作成における落とし穴は、計画を作ること自体が目的化し、実行(行動)が遅れることです。
計画書は、実行を全体にした成果を出すための地図です。完璧なアクションプランを立てようと、設計に時間をかけすぎると、計画を作ったことで満足してしまい、実行へのエネルギーが削がれてしまいます。
さらに、市場や現場の状況は刻一刻と変わるため、完成に時間をかけた計画は、実行開始時点ですでに陳腐化しているケースもあるでしょう。
アクションプランは最初に完璧に作るものではなく、実行とレビューをしながら軌道修正していくものと認識する必要があります。
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作成・更新に工数がかかり形骸化しやすい
アクションプラン作成における第二の落とし穴は、作成したアクションプランの更新作業が重荷となり、次第に運用が止まってしまうことです。
アクションプランはあくまで計画であり、実行していくなかで、状況は変わっていきます。状況に応じて、タスクの変更や期日の調整などが必要になりますが、更新が滞ると、次第にアクションプランは使われなくなってしまうでしょう。
アクションプランを形骸化させず、目標達成に向けて活用するためには、誰でも簡単にタスクの新規作成や記載内容の変更などができるようにし、作成・更新の工数を最小限に抑えることが大切です。
【5ステップ】アクションプランの作り方
ここでは、目標達成につながるアクションプランの具体的な作り方を5つのステップで解説します。
<【5ステップ】アクションプランの作り方>
- アクションプランを作る目的を定義する
- 現状と理想の差分を把握する
- 実行可能なレベルまで落とし込む
- 実行の見通しを立て、管理しやすくする
- 計画を実行に移し、必要に応じて修正する
1.アクションプランを作る目的を定義する
最初のステップは、アクションプランの目的を定義することです。
目標を立てるときは、まず「何を目指すか」という最終的なゴールを決めることからはじまります。しかし、ゴールだけを掲げても、そこに至るまでの道筋が見えなければ計画が形骸化してしまいます。
たとえば、売上を伸ばすという大きな目標を設定したとします。その場合、いきなり数値を追うのではなく、商談数の増加や提案の質の向上など、成果を左右する要因に注目することが重要です。こうした日々の行動に焦点を当てることで、結果を動かすための具体的な手立てが見えてきます。
2.現状と理想の差分を把握する
次のステップでは、現在の状況と理想の姿との間にあるギャップを明確にします。そのうえで、その差を埋めるために必要な具体的な成果物や取り組みを整理します。
ここでいう成果物とは、目標を動かすための具体的な施策やアウトプットのことです。たとえば、新しい提案資料の作成、営業トークの改善、研修の実施など、実際に形として生み出す取り組みを指します。
この洗い出しを怠ると、「もっと頑張る」といった抽象的な行動に終始してしまい、実行の精度が下がります。現状と理想のギャップを埋めるために、まず何を作り出すのか、どのような行動を起こすのかをひとつずつ整理し、その一覧をもとに次のタスク分解へと進めていきましょう。
3.実行可能なレベルまで落とし込む
ステップ2で整理したアウトプットを、実際に行動へ移せるレベルまで細かく分解します。
目安は「1つのタスクを1人が1日(おおよそ8時間)以内で完了できる程度」です。これより大きい作業は途中で止まりやすいため、さらに小さな単位に分けて具体化します。
次に、それぞれのタスクに対して以下を設定します。
優先度(Must=必ず実施、Should=できれば実施、Could=余裕があれば実施)
責任者(担当・承認・協力などの役割を明確化)
完了条件(完了とみなす基準を明確に定義)
これらを整理し、曖昧な部分をなくすことで、実行性の高い計画に仕上げます。
4.実行の見通しを立て、管理しやすくする
ステップ3で分解したタスクをもとに実行計画を立てます。
まず、タスクの順番や依存関係を整理します。特に他部署に依頼する作業は時間がかかるため、余裕を持ってスケジュールに組み込みます。
次に、担当者ごとの作業量を確認し、タスクが偏っていないかをチェックします。もし負荷が集中している場合は、タスクを減らすか、期限を延ばして調整しましょう。
依存関係と作業量を可視化することで、無理のない現実的な計画を立てられます。
5.計画を実行に移し、必要に応じて修正する
アクションプランは、作って終わりではなく、実行と改善を繰り返すところからが本番です。
多くのリーダーが「計画を立てても続かない」「途中で止まってしまう」と悩むのは、実行を支える仕組みがないことが原因です。
計画をやり切るためには、たとえば週に一度30分のレビュー定例をカレンダーに固定しておきましょう。
このレビューは、単なる進捗報告の場ではなく、計画と実績の差を分析し、次の行動を決めるための時間です。
進捗を確認する場から次の一手を決める場へと変えることで、計画が形骸化せず、チーム全体が実行し続ける組織へと成長します。
アクションプラン作成の具体例
ここでは、職種別にアクションプランの立て方をイメージしやすくするための具体例を紹介します。
<アクションプラン作成の具体例>
営業のアクションプランの具体例
人事のアクションプランの具体例
営業のアクションプランの具体例
営業職では、目標が明確なため、アクションプランを数値化して立てやすい傾向があります。
たとえば、次のような手順で目標達成に向けた行動を具体化します。
数値目標の設定
KGI:年間売上3,000万円
KPI:月間契約数10件、平均単価30万円
重点商品・提案方針の決定
成約率が高い商材を中心に提案し、既存顧客からの追加受注を強化する。
行動量の設計
新規アプローチ150件/月
訪問・オンライン商談20件/月
営業のアクションプランでは、「目標達成のためにどのくらい活動すべきか」を明確にすることが鍵です。行動を数値で可視化することで、計画の進捗が把握しやすくなり、改善のスピードも高まります。
人事のアクションプランの具体例
人事職では、業務内容が多岐にわたるため、プロセスごとにアクションを分解して管理することが重要です。
採用をテーマにした場合、次のようなアプローチが有効です。
目標の設定
KGI:新規事業部の立ち上げを支える人材採用の成功
KPI:中途採用5名の確保、応募数100件の獲得
採用ターゲットの明確化
求めるスキル・経験・価値観を整理し、ペルソナを具体的に設定する。
採用プロセスの設計
求人媒体の選定・掲載(10月上旬まで)
書類選考・一次面接の実施(11月中旬まで)
内定通知・条件提示(12月下旬まで)
入社後フォロー面談(入社1か月後)
人事領域では「いつ・誰が・何を行うか」を時系列で整理することで、属人化を防ぎ、確実に進捗を管理できます。
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アクションプランを立てて計画的に成果を生み出す
アクションプランは、目標を実現するための具体的な行動計画です。成果を出すには、計画を立てるだけでなく、実行と見直しを継続することが重要です。
まず、目標から逆算して「誰が・何を・いつまでに」行うかを明確にし、進捗を定期的に確認しましょう。完璧な計画よりも、実行しながら改善を重ねることが成果への近道です。
曖昧な計画を脱し、行動につながるアクションプランを立てて、着実に成果を生み出していきましょう。







