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3C分析とは?SWOT分析との関係性、やり方などを簡単に解説

3C分析を解説

3C分析とは?SWOT分析との関係性、やり方などを簡単に解説

目次

    マーケティング戦略や事業計画策定の場面で、使われることの多い3C分析。マーケットインの発想が重視されている昨今、3C分析などの外部環境分析は欠かせません。本記事では、3C分析の目的・やり方とともに、SWOT分析との関係性、スターバックスなどの企業事例について解説します。

    3C分析とは

    3C分析とは

    3C分析は、マーケティング環境分析には欠かせないフレームワークですが、ここでは3C分析の内容、目的を説明します。

    3C分析とは?

    3C(サンシー)分析とは、次の3つの視点からマーケティング環境を分析するフレームワークです。

    • Customer(市場・顧客)
    • Competitor(競合)
    • Company(自社)

    3C分析は、この3つの頭文字「C」をとったもので、1980年代に、マッキンゼー・アンド・カンパニーの大前研一氏が提唱した考え方です。

    3C分析は、客観的なマーケティング環境の情報を集めることに主眼を置いた分析で、それぞれの「C」を分析することで、マーケティング環境を漏れなく把握することが可能です。

    3C分析の目的はKSF!?

    3C分析は、マーケティング分析に用いるものですが、本質を理解するにはマーケティングの定義を知っておく必要があります。

    米国マーケティング協会(AMA:American Marketing Association)は、マーケティングの定義を定めており、2007年の定義は次のとおりとなっています。

    「マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のあるオファリングス(提供物)を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。(和訳)」

    つまり、市場・顧客にとって、価値あるモノ・サービスを提供する一連の活動であるといえるでしょう。

    市場・顧客に価値あるモノ・サービスを提供するため、Customer(市場・顧客)のニーズを捉え、Competitor(競合)を分析し、Company(自社)との関係性を明確にすることで、KSF(Key Success Factor:重要成功要因)の発見につなげるのです。

    詳細は後にふれますが、戦略策定フローとしては、「3C分析等の環境分析」「戦略の方向性をきめるSWOT分析」「重要成功要因となるKSF」の順になります。

    マーケティングにおける3C分析の位置づけ

    3C分析の位置づけ

    3C分析は、マーケティング戦略策定プロセスにおいて欠かせないフレームワークです。ここでは、マーケティング戦略策定プロセスにおける3C分析の位置づけ、SWOT分析との関係性、マーケティング戦略全体の策定フローを解説します。

    3C分析は戦略策定フローの環境分析

    マーケティング戦略の第一歩は、環境分析です。環境分析は、政治・経済などのマクロ環境を分析する「PEST分析」、市場・業界などのミクロ環境を分析する「3C分析」があります。

    3C分析は、市場・顧客ニーズを捉えて競合他社を分析し、自社との関係性を明確にする環境分析となります。

    3C分析はSWOT分析の分析要素!?

    3C分析とSWOT分析は、双方とも内外環境の分析を行うことから、どう使い分けるべきか混同しやすいでしょう。

    3C分析は、主に顧客・市場を中心とした環境分析、SWOT分析は、3C分析などで得た外部環境の結果を受けて、自社の戦略を検討する環境分析です。

    3C分析を含めた環境分析からKSF、マーケティング施策までの全体フロー

    マーケティング戦略の策定プロセスは、マクロ環境分析→ミクロ環境分析→戦略分析→マーケティング戦略→マーケティング施策となります。

    マーケティング戦略フロー

    ・マクロ環境分析

    政治・経済・社会・技術の4つの視点で分析するPEST分析によって、マーケティング戦略上の機会・課題を発見します。
    3C分析の「Customer(市場・顧客)」の要素となります。

    ・ミクロ環境分析

    【5F(Five Forces)分析】

    「競争環境」「新規参入の脅威」「代替品の脅威」「売手の交渉力」「買手の交渉力」からなる5つの視点で、業界構造を把握します。
    5F分析も3C分析の「Customer(市場・顧客)」の要素となります。

    【3C分析】

    「市場・顧客」「競合」「自社」のそれぞれの関係性を明確にし、市場・顧客ニーズを捉え、競合他社との差別化を図るための環境分析です。
    PEST分析で捉えたマクロ環境、5F分析で捉えたミクロ環境を踏まえ、3C分析を行います。

    ・SWOT分析

    「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4つの視点からKSF を導く分析です。
    PEST分析や3C分析で捉えた外部環境と自社の「強み」「弱み」からなる内部環境を踏まえ、戦略分析を行います。

    SWOT分析について詳しく知りたい方は、「 【実践】人事フレームワークまとめ・KSF活用。SWOT/PEST分析」をご参考ください。

    ・KSF

    SWOT分析から導いた戦略の方向性をKSF(重要成功要因)として設定します。このKSFを実現するために、KPIを設定することが不可欠です。

    仮に、SWOT分析から導いた戦略の方向性の一つとして「新たに定めたターゲット層に向けた◯◯の機能を開発し、特許を取得する」があげられた場合、KPIは「◯◯に向けて特許申請を、◯◯までに権利を取得する」といった設定になります。

    KPIの設定により、戦略に実効性を持たせるためのPDCAサイクルを回すのです。

    ・STP分析

    設定したKSFに基づき、STP分析を行います。

    「Segmentation(市場細分化)」「Targeting(対象市場の決定)」「Positioning(自社の立ち位置)」から、マーケティング戦略における方向性を決定します。

    SWOT分析は、全社戦略の方向性ですが、STP分析は事業戦略であるマーケティング戦略の方向性であるように、戦略の位置づけに違いがあります。

    ・4P(マーケティング・ミックス)

    「Product(プロダクト)」「Price(プライス)」「Place(プレイス)」「Promotion(プロモーション)」のそれぞれのマーケティングの具体策を決定します。

    競争優位を確立するために、「どの製品・サービスを売るか」「どのような価格、支払方法にするか」「どのように流通させるか」「どのような広告、販売促進をするか」を定めるのです。

    3C分析のツール・テンプレートとやり方解説

    3C分析のやり方

    3C分析は、3つの「C」を分析し、関係性を明確にすることでKSFにつなげますが、分析する順番ややり方が重要です。ここでは、3C分析のやり方、ツール・テンプレートの活用、コツについて紹介します。

    3C分析のやり方は?

    3C分析は、市場・顧客ニーズを主眼に、それぞれの「C」との関係性を明確にするフレームワークです。3C分析は市場・顧客を主眼においたミクロ環境の分析ですが、その前段としてマクロ環境分析や業界等のミクロ環境分析を、他のフレームワークを活用して分析することが基本です。次に、順を追って説明します。

    ・Customer(市場・顧客)分析

    【PEST分析】

    マクロ環境の分析として「Politics(政治)」「Economy(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」の4つの視点でPEST分析を行います。

    為替動向、法律による規制緩和・強化、革新的な技術動向かないかなど、自社に影響するマクロ環境動向を洗い出します。

    PEST分析を詳しく知りたい方は、「 【実践】人事フレームワークまとめ・KSF活用。SWOT/PEST分析」をご参考ください。

    【5F分析】

    ミクロ環境分析として、「競争環境」「新規参入の脅威」「代替品の脅威」「売い手の交渉力」「買い手の交渉力」の5つの視点で5F分析を行います。

    ファイブフォースモデル

    ・競争環境
    業界内の競争環境について、業界全体の規模・成長率、競合、自社のポジショニングのほか、各社の知名度、ブランド力、技術力などを分析します。

    ・新規参入の脅威
    新規参入のハードルが低い業界であるほど、業界内の競争が激化し、いわゆるレッドオーシャンといわれる状況になり、価格競争によって収益性が低下することが見込まれます。
    新規参入のハードルが高い業界であれば、収益性が高いといえます。
    新規参入のハードルが低い場合、新規参入者がどれだけ業界に与える影響が大きいか、自社が業界内での差別化が図れているか、などが分析ポイントとなります。

    ・代替品の脅威
    代替品の脅威とは、代替品によって既存の商品・サービスの市場が奪われる脅威を指します。たとえば、レンタルビデオ事業が動画配信サービスに市場を奪われるといったケースです。
    既存市場・商品が技術の進歩などによって代替品の脅威が増す可能性のほか、代替品との質やコストの違い、代替品に乗り換えるコストなどを分析します。

    ・売り手の交渉力
    仕入れ先となる売り手の業界構造により、交渉力は変わります。売り手の交渉力は、業界が少数で寡占・独占市場であれば交渉力が高まり、売り手が多数であれば、交渉力は低くなります。
    他の仕入れルートを確保する、仕入れ価格の見直し、原材料を他のものに置き換えるなどの検討が必要です。

    ・買い手の交渉力
    顧客となる買い手についても、買い手市場が寡占・独占状態にあるか否かで交渉力が変わります。競合他社との価格競争の状況や自社の価格設定の適正性、対象市場の見直しなどがポイントになります。

    これらの5つの視点から、業界全体の収益性や構造を把握し、自社の利益を上げやすい戦略につなげるための分析を行うのです。

    ・Competitor(競合)

    競合他社のシェア・収益性、強みや差別化の程度などを分析します。

    現在、表出化している競合他社のみならず、今後、現れてくるであろう潜在的な参入者、代替品の脅威などの競争環境についても対象にすることがポイントです。

    ・Company(自社)

    自社の既存の事業、製品・サービスのシェア・収益性やプロダクトミックス、ビジネスモデルの特徴や経営資源の内部環境について分析します。

    SWOT分析の「強み」「弱み」の分析に活用できる部分でもあります。この内部環境分析には、VRIO分析の活用が可能です。

    【VRIO分析】

    「価値(Value)」、「希少性(Rarity)」、「模倣困難性(Inimitability)」、「組織(Organization)」の4つの視点で企業の「強み」「弱み」を分析します。

    • 価値:その経営資源の価値は、競争優位にあるか
    • 希少性:その経営資源は、市場・業界において希少性が高いか
    • 模倣困難性:そのビジネスは簡単に模倣できないか
    • 組織:価値・希少性・模倣困難性を保てる組織運営になっているか

    この4つの視点をすべてクリアしたものは、持続的な競争優位となり「強み」になります。

    なお、VRIO分析は、SWOT分析の内部環境分析にも使われます。

    3C分析のツール・テンプレートの活用

    ここまで紹介した各種フレームワークは、ウェブ上でさまざまなテンプレートが公開されています。3C分析の前段でマクロ環境分析を行う「PEST分析」、ミクロ環境分析を行う「5F分析」などそれぞれテンプレートがあります。

    ここでは、3C分析のツール・テンプレートの一例をあげますが、自身が使いやすいテンプレートを探して活用することも有用でしょう。

    【3C分析ツール・テンプレート 一例】

    3C分析テンプレート

    3C 分析のコツ

    ・順番がポイント

    市場・顧客を主眼にすることから、分析の手順としては、Customer(市場・顧客)を最初に分析し、次にCompetitor(競合)、Company(自社)の順に分析します。これにより、市場・顧客を主眼におき、外部環境に応じた関係性の分析ができます。

    近視眼的な分析になることを避けるため、自社から分析することないように留意してください。

    ・マクロ環境も必ず分析する

    精通している業界を分析する場合、近視眼的な分析となり大局的なマクロ分析が抜けがちになります。技術動向はもちろん、政治・法律などのマクロ環境の変化は、マーケティング戦略に大きな影響を与えるものです。

    マクロ環境分析の抜けが生じないよう、必ずPEST分析を行ってください。

    ・各種フレームワークを最大限活用する

    3C分析には、PEST分析、5F分析、VRIO分析などさまざまなフレームワークの活用が可能です。フレームワークを活用することで、モレなくダブりなくMICEに分析が可能ですので、フレームワークを最大限活用しましょう。

    3C分析の企業事例

    3C分析事例

    3C分析を学ぶには、事例を見ることが近道でしょう。ここでは、スターバックス、マクドナルド、トヨタ自動車を例に、3C分析事例を紹介します。

    スターバックスの事例

    同社は、1995年に日本に上陸以来、高い支持率を誇っていますが、同社の3C分析例は次のとおりです。

    【Customer:市場・顧客】

    • 落ち着ける空間でくつろぎたい
    • 美味しいコーヒーが飲みたい
    • 周囲からセンスが高いと思われたい

    【Competitor:競合】

    • リーズナブルな価格
    • 気軽に入りやすい
    • 日本ではドトールが首位だが、コンセプトは自社と対極

    【Company:自社】

    • 良質で落ち着ける空間
    • ハイセンスなブランドイメージ
    • 付加価値が高いコーヒー(高品質・高価格帯)
    • 店員の行き届いたホスピタリティ

    マクドナルドの事例

    同社は、1971年、日本に上陸以来、同社は低価格であらゆる年齢層から支持を受けていますが、この同社の3C分析例は次のとおりです。

    【Customer:市場・顧客】

    • 手早く食べたい
    • 低価格でお得に食べたい
    • 子供連れでも気兼ねなく食べたい

    【Competitor:競合】

    • 美味しいハンバーガーだが価格は高い
    • 都度調理しているため、提供時間がかかる
    • 子供向けに力を入れていない

    【Company:自社】

    • 低コスト・ハイスピードなオペレーション
    • 調理済みのパッケージングで味わいに弱み
    • 子供向けのおもちゃや遊び場、イベントを提供

    トヨタ自動車の事例

    自動車業界をけん引するトップメーカーである 同社。世界市場でもブランドを確立しており、レクサスブランドは米国で大成功を収めています。この同社のレクサスブランドの3C分析例は次のとおりです。

    【Customer:市場・顧客】

    • 重厚感があるアメ車を好まない富裕層の存在
    • 伝統的なアメ車を好まない若年層の存在

    【Competitor:競合】

    • フォードなど伝統的なアメ車メーカー
    • BMWやメルセデスベンツなどのブランド力の脅威

    【Company:自社】

    • 高い品質と技術力、静寂なエンジンの開発力
    • 日本車に対する信頼性
    • 従来のユーザーにおける大衆車イメージ

    【まとめ】3C分析からKSFを導き、KPIで戦略人事

    本記事では、マーケティングの定義や策定フローの全体像を踏まえ、3C分析の目的・やり方、SWOT分析との関係性、企業事例について解説しました。

    3C分析は、市場・顧客ニーズを主眼に置く環境分析で、KSFにつなげるための重要な分析です。

    自社の属する業界の分析にとどまらず、政治・法律・社会動向などのマクロ環境をも分析するように、モレなくダブりなくMICEに分析することが重要ポイントです。

    3C分析をはじめとして、PEST分析、5F分析、VRIO分析などのフレームワークを最大限活用してマーケティング戦略を策定するとともに、KSFからKPIを設定し、戦略人事に活かしましょう。

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    HR大学 編集部

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