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ボトルネックを解消する方法とは?TOCの解説から具体的な問題点、役立つツールを徹底解説!

ボトルネックとは

ボトルネックを解消する方法とは?TOCの解説から具体的な問題点、役立つツールを徹底解説!

目次

    ビジネスパーソンであれば、一度は「ボトルネック」という言葉を仕事の中で聞いたことがあるのではないでしょうか。特に仕事の工程で行き詰ったときにボトルネックを解消するにはどうすればいいのか悩む方も多いでしょう。そこで今回はボトルネックの例と解消方法をTOC理論の解説と合わせてご紹介します。

    ボトルネックとは?

    ボトルネックとは

    ボトルネックはよく聞く言葉ですが、その正確な意味を理解されている方は意外と少ないのではないでしょうか。ボトルネックとはどのような意味なのでしょうか。

    ビジネスにおけるボトルネックの意味

    ボトルネックは、英語表記で「bottleneck」と記載します。主な意味は、「瓶の首」「狭い通路」「交通渋滞の起きている所」などになります。こういった英単語の意味から、ビジネス用語としてもボトルネックという言葉は使われるようになりました。ビジネス用語としてのボトルネックは、全体の業務工程の中で最も処理速度が遅くなる部分を意味する用語ですす。では、なぜボトルネックはビジネスではこのような意味で扱われているのでしょうか。

    これは、「bottleneck」が「瓶の首」という意味を持っていることが理由です。瓶は注ぎ口に行くほど上の方が細くなっています。この仕組みにより、瓶は一気に内容物が流れ出ることなく、ゆっくりと注げる構造になっています。逆に言えば、瓶の太い部分から細い部分にかけては、どんなに大量の内容物を流しても流れる最大量が限定されるのです。

    このような意味が転じて、ボトルネックという言葉が、全体の業務工程の中で最も処理速度が遅くなる部分を意味するビジネス用語として使われるようになりました。

    ボトルネックの問題点や課題

    ボトルネックは、全体の中で最も処理速度が遅くなる工程のことが多いです。全体の工程の中で、どんなに他の工程がスピーディーかつ高品質に完了していたとしても、ボトルネックを解消しない限り全体の処理速度や品質は向上しません。例えば大企業のビジネスシーンでボトルネックになりがちなのが承認プロセスです。どんなに素晴らしい企画をスピーディーに立案したとしても、稟議が決裁されなければ実行できません。しかも大企業では稟議に関わる上長が多い場合もあります。稟議などの決裁は、決裁者が限られているため、一気に処理速度を高めることは難しいでしょう。

    このようにボトルネックを解消しなげれば、どんなに素晴らしい仕事でも仕事が一向に進まない、品質が改善されないという問題が発生します。

    ボトルネックになる例

    ボトルネックになる例

    ボトルネックについて理解できましたでしょうか。次に、仕事の作業工程の中で、ボトルネックとなる具体例を見てみましょう。

    専門的な業務をできる人間が限られる作業

    仕事の全体工程の中で専門的で高度な知識が求められる工程は、ボトルネックになり得ます。

    例えば人事企画の仕事であれば、賃金や就業規則の改定の際には必ず社労士のチェックをいれるはずです。しかし、社労士が社内にいない場合は外部の社労士事務所へ依頼することとなり、チェックが完了するまでは作業がストップします。

    このように、専門的な知識が必要で、それを担える人材が限られている業務は、ボトルネックになりやすい業務です。

    完了までに時間がかかる作業

    業務の中には、完了までに毎回必ず時間がかかる業務があります。

    例えば健康診断の結果を取得する業務では、社員が健康診断を受け、その後、医療機関で検査結果をまとめるという工程が必要になります。特に医療機関で検査結果をまとめる際には、血液検査など、検査結果が出るまでに時間がかかるものがあります。

    このように必ず時間がかかる工程では、どんなに効率化をしても時間を早めることは難しいものです。

    他者と連携が必要な作業

    他者や他部門と連携する必要のある仕事も、ボトルネックになり得ます。自分ひとり、あるいは自部門で完結できないため、作業を改善することが難しいのです。

    例えば仕事に関わる他部門で、大量離職が発生した場合、人員が補充されるまでの当面の間は業務の処理速度が遅くなります。また、他部門のスタッフが新人ばかり、という場合は処理速度だけではなく、業務品質も低下するでしょう。

    このように他者と連携する必要のある仕事もボトルネックになるのです。

    ボトルネックを解消するTOCのステップ

    ボトルネックを解消するTOCのステップ

    ボトルネックを解消するには、全体最適の視点が不可欠です。なぜなら、ボトルネックは全体の工程の中で最も処理速度が低下する箇所だからです。こうした全体最適の視点でボトルネックを解消する理論がTOC理論です。

    TOC(制約理論)とは

    TOC(theory of constraints)理論とは、日本語では制約理論とよばれ、主に生産工程全体を最適化するための考え方です。物理学者であるゴールドラット博士によって提唱され、日本では書籍「ザ・ゴール」で紹介されました。TOC理論では全体の工程を俯瞰して制約となる条件(ボトルネック)を発見して、それに合わせて全体工程を調整することで工程の最適化を図ります。

    もともとはサプライチェーンマネジメント(SCM)のための考え方でしたが、現在ではプロジェクト管理の手法としても応用されています。

    TOCのステップ

    TOC理論には基本的なステップがあります。

    1. 制約条件を見つける

    まずは全体工程のなかで制約条件となっている工程を見つけます。制約条件となっている工程がボトルネックです。TOC理論では、まずボトルネックを見つけ、ボトルネックを徹底的に分析します。

    2. 制約条件を徹底的に活用する

    全体工程の中でボトルネックとなっている箇所は、すぐには解消や改善が難しい箇所です。

    例えば工場であれば、ボトルネックとなっている生産工程は新しい設備へと交換しない限りボトルネックとなります。また、仮にボトルネックの生産量を上げたとしても、全体工程の処理速度は早くなりません。ある部分だけを改善しても、全体の処理能力が向上しない限り全体的に処理能力が向上しません。また、逆にボトルネックの処理能力が低下すると、大幅に全体の処理能力が低下します。

    そのためTOC理論では、まずはボトルネックを徹底的に活用して、ボトルネックとなる工程をフル稼働させます。

    3. 制約条件以外を制約条件に従属させる

    次にボトルネックに合わせて全体工程を再設計します。ボトルネックをいきなり解消するのではなく、ボトルネックに合わせて他の工程を改善することで処理能力を向上させるのです。例えば大企業では稟議書の決裁には非常に時間がかかる場合があります。そこで予め稟議書決裁の時間を見込んで他の工程を調整しておけば、納期までに決裁を完了できるでしょう。

    4. 制約条件の能力を向上させる

    ボトルネックに合わせて全体工程を調整できたら、ここで初めてボトルネックの処理能力を向上させます。すると、全体工程の処理能力が向上され、よりスムーズに処理ができるようになります。

    5. 惰性に注意しながら繰り返す

    こうしてボトルネックだけではなく、全体工程が改善された後も気を抜いてはいけません。全体のバランスが少しでも崩れると、全体の処理能力が低下します。こうした惰性にも注意しながら1~5を繰り返していきます。

    ボトルネック解消に役立つツール

    ボトルネック解消に役立つツール

    理論を理解しても実際にボトルネックを解消するのは難しいものです。そこで最後にボトルネック解消に役立つツールをご紹介します。

    ODSCを決める 

    TOC理論でも提唱されている方法として、ODSCを決める方法があります。ODSCとは、Objective(目的)、Deliverable(成果物)、Success Criteria(成功基準)のことです。ODSCを決めることは直接ボトルネックを解消する取り組みではありませんが、全体最適視点で処理能力を向上させるために重要な考え方です。あなたも、取り組みの目的を考えずに、部分最適で業務工程の改善を行ったことはないでしょうか。

    いきなり工程改善に取り組むのではなく、目的を考えてみるとボトルネックを解消するのではなく、他の工程を改善するほうが優先であることもあるでしょう。また、目的によって得られる成果物も変わってきます。

    このように本当にボトルネック解消が最善の判断なのかを検討するためにも、ODSCを決めるのはTOC理論の基本的なプロジェクト管理方法です。

    スキルマップで全員のスキルを見える化する

    社員が持つスキルレベルは最大のボトルネックになり得ます。

    例えばあるIT企業でAIの開発を行うことになった場合、そもそもAIに詳しいエンジニアが社内にいるかどうかが分からなければ、開発に着手できません。また、仮に開発できるエンジニアがいたとしても、スキルレベルによっては、もっと詳しい人材を採用する必要があるかもしれません。

    こうした社内の状況を見える化するためにはスキルマップの作成が有効です。スキルマップを作成すれば、作業が遅れている原因がスキル不足によるものであることを明確化できるようになります。

    工程表を作成する

    ボトルネック解消に特に有効なのが、Excelなどで全体の工程表を作成することです。

    全体工程を見える化すれば、どこがボトルネックになるのかを明確にできます。また予めボトルネックになる箇所を想定しておけば、全体工程をボトルネックに合わせて調整できるでしょう。

    【まとめ】ボトルネック解消には全体最適の視点を持つこと

    大企業では、各部門や各業務で部分最適の改善を行うことが多いのではないでしょうか。部分最適を行うと、自部門の処理速度が早くても他部門の処理速度が遅ければ全体の処理速度が向上しません。また全体最適の視点を持たずに自部門だけを改善し続けた場合、全体的に処理能力が向上するわけではないので、逆に非効率な取り組みになります。このように、本当にボトルネックを解消したいのなら、全体最適の視点を持つことが不可欠なのです。

    TOC理論で提唱されているように、全体最適の視点を持って仕事に取り組んでいきましょう。

    「ボトルネック分析の一環としてスキルマップを作成したい」
    「人事業務を見える化したい」
    「管理作業に時間・工数が掛かりすぎる。無駄な業務に時間を割きたくない・・」

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    HR大学 編集部

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