人材育成
2023/09/06
コーチングとは?ビジネスでの役割と仕事で活かせる学び方
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コーチングとは
コーチングとは、目標達成に向けて対象者の能力・気力を引き出し、自己成長や自発的な行動を促すコミュニケーション手法です。「答えは対象者のなかにある」ことを前提としています。以下では、言葉の意味やティーチングとの違い、メリットとデメリットを解説します。
コーチングの意味
コーチングは、馬車を意味する英語の「Coach」が語源です。馬車の役割は、乗る人を目的地まで送り届けることです。対象者を目標達成という目的地までサポートする行為が、馬車の役割と重なり、現在の意味として認識されています。
ビジネスにおけるコーチングの役割
コーチングは、対象者の能力・気力を引き出し、自己成長や自発的な行動を促すため、ビジネスにおいては社員の育成に役立ちます。また例えば、各社員の個人目標達成にもコーチングを活用できます。具体的には、定期的にコーチングを行い、本人を主体とした活動の見直しやモチベーションの回復を図ります。その結果、目標達成の確度が高まるでしょう。
コーチングとティーチングの違い
コーチングとティーチングの違いを一言で表すと、答えを本人から引き出すのが「コーチング」、答えを指導者が与えるのが「ティーチング」です。
具体的には、コーチングは本人が目指したいゴールやプロセスを、コーチ側との対話を通じて自ら考えます。一方、ティーチングは指導者が目指すべきゴールを示した上で、達成までのプロセスを指南します。
コーチングとティーチングの違いを理解しておくことで、場面に応じた使い分けが可能となります。
メリットとデメリット
コーチングのメリットとデメリットを把握することで、コーチングがどのような場面での活用に適しているのかを理解しましょう。
コーチングのメリット
【自ら考えて行動する力が身につく】
コーチングは対象者に考えることを促すため、自ら考えて行動する力を身につけることに役立ちます。例えば、「目的達成のためには何をすべきか」を自ら考えさせることで、自発的な動機づけに繋がります。その結果、自発的な行動に結びつきやすくなります。
【モチベーションを高い状態で維持しやすい】
コーチングでは、目標やそのために取るべき行動を対象者が自ら考えるため、他者から指示をされるよりもモチベーションが高い状態で行動を起こせます。さらに、自らが立てた目標や行動の計画であれば、自らその内容に修正をかけやすいため、モチベーションの維持もしやすいといえます。
【新たな能力や個性を引き出すきっかけになる】
コーチングには、対話のなかで本人も気づいていなかった能力や個性を見いだせるというメリットがあります。これは、一人では自らの評価も固定観念にとらわれがちですが、コーチングでの対話によって新たな能力や個性の発見に至る可能性があるためです。
コーチングのデメリット
【効果が出るまで時間がかかる】
コーチングは、常に対象者のペースで進行します。例えば、問いかけに対して、対象者から答えが出るまで待つ、答えを見出せるようにヒントを与える、などの要素が必要になるのです。そのため、一方的に知識を与えるティーチングと比較すると効果が出るまでの時間を要します。
【多人数を一斉に育成することは困難】
コーチングは原則として、対象者と1対1の対面方式で実施するため、研修のように多人数での実施は困難です。そのため、大人数を一斉に育成する場面には適してはいません。
【対象者の知識や経験が不足すると効果が出にくい】
コーチングは、対象者の知識や経験から答えなどを見出すため、そもそも対象者が知識や経験不足の場合は、効果が薄くなる可能性があります。
以上が、コーチングのメリットとデメリットです。このようにコーチングには、適する場合とそうでない場合があります。例えば、新卒の社員の場合は、知識と経験を前提とするコーチングよりも、まずは短期的に知識習得を見込めるティーチングが向いていると言えるでしょう。効果的な人材育成のためには、目的に応じた育成手法を選択しましょう。
コーチングの種類
コーチングにはさまざまな種類があります。以下では、それぞれの特徴について説明します。
ライフコーチング
ライフコーチングとは、「人生」と「生き方」を対象としたコーチングです。「自分にとっての理想的な人生とは何か?」「人生に制限をもたらす障害を取り除くにはどうしたら良いか?」などをテーマとして扱います。
ビジネスコーチング
ビジネスコーチングとは、ビジネスでの目標を達成するために、自ら考え、行動できる社員を育成するためのコーチングです。自発的な社員の育成や組織の目標達成など、ビジネスでの成果に重点をおいています。
セルフコーチング
セルフコーチングとは、自らがコーチとクライアントの双方を担い、一人で目標達成のために考え行動するコーチングです。自分自身で完結するため、直ぐにいつでも行えるというメリットがあります。一方で、挫折の回避も自らで行わなければならないデメリットがあります。
エグゼクティブコーチング
エグゼクティブコーチングとは、組織の経営者層を対象としたコーチングです。企業において、経営幹部候補者の育成、意思決定の質の向上、チームビルディングなどを目的として活用されています。
メンタルコーチング
メンタルコーチングとは、より精神面に着目し、クライアントのパーソナリティ形成を支援するためのコーチングです。苦手意識の克服の仕方や、セルフコントロールの方法などを身に付けることができます。
NLPコーチング
NLPコーチングとは、日本NLP能力開発協会が商標をもつ「NLPの要素を応用したコーチング」です。NLPの理論をコーチングに応用し、深層心理への働きかけを行います。
コーチングで必要なスキルとは
実際にコーチングを行うためには、どのようなスキルが求められるのでしょうか。以下では、コーチングの基本である3つの原則と3つのスキルを解説します。
コーチングの「3つの原則」
コーチングは以下3つの原則が満たされて、はじめて成立します。
- インタラクティブ(双方向)
クライアントの持つ答えを引き出すためには、コーチからの一方的な指導ではなく、コーチとクライアントの双方向でやりとりが必要です。
- オンゴーイング(現在進行形)
コーチングは1度で終わりではありません。日々状況が変化するなかで、描いたビジョンや目標に向かってクライアントが自走できるまで関わり続けることが求められます。
- テーラーメイド(個別対応)
人は誰一人として同じではないため、それぞれの価値観や受け取り方にあわせた個別対応により、クライアントの自発性を引き出していくのです。
コーチングに必要な「3つのスキル」
コーチングに必要とされるスキルは以下の3つです。
- 傾聴スキル
傾聴とは、ただ話を聞くのではなく、本音や背景、感情までを読み取れるように「聴く」ことです。さらに、話の内容に「共感」を示し、ありのまま受け入れる「受容」によって、相手は心を開いてくれます。
- 質問スキル
対象者の考えを引き出すためや、自ら答えをみつけてもらうために、質問スキルが求められます。コーチ側は、対象者の状況や心境に応じた適切な質問を投げかけることで、考えるきっかけを与え、自らで答えを見出せるようにサポートします。
- 承認スキル
承認とは、対象者の長所を見つけたり、客観的な事実で褒めたりすることで、存在を全面的に認めることです。きちんと対象者に伝わるよう、言動で示すことが大切です。対象者は存在を認められたと思えると、気持ちが前向きになり、コーチ側との信頼関係も生まれます。
コーチングを身につける方法
コーチングスキルを身に付ければ、人材育成や目標達成、チームビルディングなど、ビジネスに幅広く活用できます。では、コーチングスキルを身に付けるにはどのような方法があるのでしょうか。ここでは、4つの方法について解説します。
本を読んで学ぶ
コーチングに関しての初心者向け書籍や、ビジネスパーソン向け書籍などを読むことで、自分のレベルや目的にあわせたコーチングに関する学びを得られます。書籍であるため、いつでも、どこでも、何回でも読み返せます。費用が手ごろなのもメリットです。ただし、あくまでも「知識」の習得に活用しましょう。
オンライン動画で学ぶ
YouTubeなどには、無料で視聴できるコーチングに関してのオンライン動画があります。知識やマインド面を学べる動画や、実際のコーチングの様子を視聴できる動画もあります。書籍に比べると、実映像のため、コーチングのより具体的なイメージをつかみやすいでしょう。コスト面の手軽さや、いつでも、どこでも、何度でもといったメリットは、書籍と同様です。
コーチングを受けてみる
自らがクライアントとしてコーチングを受けることで、実際のコーチングを目の当たりにできます。コーチングを受けることで生じる自身の心境の変化を注視しつつ、コーチ側がどのような言動を展開していくかを観察することで、気づきと学びを得られるでしょう。
セミナーに参加する
各団体や企業が開催するセミナーに参加することで、その道のプロからコーチングを体系的に学べます。また、座学形式はオンライン動画で視聴が可能なため、セミナーに参加する場合は、実践型や体験型のセミナーの受講をオススメします。なかには1日完結の管理職向けコーチングセミナーなどもあるため、どのようなコーチングセミナーがあるかを調べてみるとよいでしょう。
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