CDP(キャリアディベロップメントプログラム)とは?人事制度における意味と導入方法や効果を解説
- CDP(キャリアデベロップメントプログラム)とは
- CDPの人事制度における意味
- CDPの導入効果
- 昇進や昇格意欲の向上
- エンゲージメントの向上
- 従業員のキャリア志向の把握
- 離職防止
- CDPの導入方法
- CDPの導入の目的を決める
- CDPの運用方法を決める
- CDPの導入を周知する
- CDP導入の注意点
- 計画だけではなく実行を重視する
- キャリアを実現する施策を用意する
- 人材管理は育成だけにこだわらず採用も取り入れる
- CDPは重要な人材育成ツール
CDP(キャリアデベロップメントプログラム)は、人事制度における能力開発計画やキャリア開発計画を意味し、従業員エンゲージメントの向上が重視される現代だからこそ、重要な人材育成ツールの1つとなっています。
近年では新卒社員が「3年で辞める」早期離職が当たり前になっていますが、CDPがあれば5年、10年といった長期スパンで従業員のキャリアを考えることができ、従業員のキャリアゴール実現にも役立ちます。
そのため、CDPを積極的に活用することは、従業員の成長と、会社のパフォーマンスの最大化を結びつけることにつながります。
この記事では、CDPの導入効果、導入方法、導入の際の注意点について解説します。
CDPに必要な従業員のキャリアデータの管理
CDP(キャリアデベロップメントプログラム)とは
CDPとは、「Career Development Program(キャリアデベロップメントプログラム)」の頭文字を取ったもので、人事制度における能力開発計画やキャリア開発計画を意味します。
また、近年では人事領域以外でもCDPという言葉が使われています。
マーケティング分野では、「Customer Data Platform(カスタマーデータプラットフォーム)」として、顧客情報を集めてマーケティングに活用するデータ基盤を意味します。
環境分野では、世界中の企業に対して気候変動に関する取り組みの情報収集と公開を行う、イギリスで設立されたNGO団体の組織名をあらわしています。
IT用語としては、シスコシステムズ合同会社の通信機器で使われる通信プロトコルである「Cisco Discovery Protocol(シスコデバイスプロトコル)」のことを指します。
このように、CDPはさまざまな言葉の略語を意味します。
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CDPの人事制度における意味
CDPはさまざまな意味を持ちますが、CDPの人事制度における意味について確認してみましょう。
CDPとは、企業が従業員の育成を計画的に行う制度です。
CDPは、「キャリアデベロップメントプログラム」という名称が付いているように、従業員本人の長期的なキャリア形成を目的としていて、従業員の適性を見極めながら配置や教育を行います。
多くの場合、従業員と上司が1on1で面談を行い、従業員本人の将来のキャリアゴールをヒアリングしたうえで、上司と人事部が一体になってキャリアゴールの実現に向けた支援を行います。
CDPは新卒の一括採用によって、長期的に従業員を育てる日本企業の根幹をなす人事制度の1つと言えます。
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CDPの導入効果
多くの日本企業で、CDPが導入されています。
特に、大企業ではCDPの導入が一般的です。
CDP導入にはどのような効果があるのか確認してみましょう。
CDPの導入効果
昇進や昇格意欲の向上
エンゲージメントの向上
従業員のキャリア志向の把握
離職防止
昇進や昇格意欲の向上
CDPは、従業員の将来のキャリアゴールに向けて、配置や教育を計画的に行う総合的なプログラムです。
キャリアゴールを実現するプログラムの中には当然、昇進や昇格といったマイルストーンも含まれます。
従業員と上司が面談したうえで、いつまでに昇進や昇格するかをすり合わせることで、従業員の昇進や昇格への意欲を高めることができます。
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エンゲージメントの向上
CDPは、従業員エンゲージメントの向上にも役立ちます。
長期的に従業員のキャリアを実現することを支援することは、エンゲージメント向上につながります。
エンゲージメントの向上には、上司や会社の支援が寄与することが、最近の研究で判明しています。
そのため、CDPを通じて会社や上司が従業員の自己実現を支援しているというメッセージを発することがエンゲージメントの向上につながります。
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従業員のキャリア志向の把握
経営視点で考えてみると、人材は重要な経営資源です。
一方で人材は、後から良くも悪くも変化する資源の1つと言えます。
新卒採用が中心の日本では、どんな能力やキャリア志向を持っている人材なのかが分からない段階で人を採用して育成します。
そのため、本人のキャリア志向の把握は会社のパフォーマンスを左右する重要な情報と言えます。
例えば、技術職を大量に補充しようと思い、200名程度の技術系新卒社員を採用したとします。
その中に、「実は技術系ではなく事務系の仕事がやりたい」という従業員が100名いたとしたら、本来予定していた事業計画が実現できなくなる可能性があります。
そのため、従業員との対話を通じて、本人のキャリア志向を情報として把握するとともに、CDPを通じて会社の方向性と本人のキャリア志向を合致させていくことが重要です。
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離職防止
CDPは長期的にキャリアを形成する仕組みであるため、離職防止にもつながります。
もしCDPがなければ、従業員はこの会社でどのように成長していけば良いかが分からず、会社での自己成長が見えずに離職してしまいます。
反対にCDPがきちんと運用されていれば、いつどのタイミングでどのような成長機会があるかを明確に示すことができるため、従業員は会社での長期的なキャリア形成に安心して取り組むことができます。
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CDPの導入方法
企業の人的資源管理において非常に重要な制度であるCDPを実際に導入する場合、どのようにすれば良いのか、CDPの導入方法について確認してみましょう。
CDPの導入方法
CDPの導入の目的を決める
CDPの運用方法を決める
CDPの導入を周知する
CDPの導入の目的を決める
まずはCDP導入の目的を明確にすることから始めましょう。
CDPの目的は、従業員の長期的なキャリア形成の支援を通じて、人的資源の最大活用と離職防止を実現する試みと言えます。
ただし、企業によっては個々の事情があるため、事情に応じて目的を決めましょう。
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CDPの運用方法を決める
CDPで最も重要なのが運用方法を決めることです。
従業員のキャリア形成のためには、人事部が中心となって運用するだけではなく、従業員とその上司を巻き込んで運用する必要があります。
また、将来のキャリアゴールの実現には、教育研修に加え、配置転換や昇進、昇格、出向などのプログラムを盛り込む必要があるでしょう。
さらに、特に優秀な人材には「選抜プログラム」を用意することも考えられます。
このように、本気で従業員の能力の最大化を目的としてCDPを運用するのであれば、多岐にわたるプログラムを用意する必要があります。
CDPの導入を周知する
制度は導入すれば終わりではありません。
社内に周知され、認知され、利用されてこそ制度は意味を成します。
CDPの導入と運用のためには周知が必要です。
特にCDPでは多くの場合、従業員とその上司が面談を通じてキャリアゴールを設定します。
本人と上司がCDPの仕組みや目的を理解して、CDPの運用に積極的に協力してもらえるようにするために、周知することはとても大切な取り組みです。
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CDP導入の注意点
CDP導入の注意点について確認してみましょう。
CDPをきちんと運用すれば、離職防止をはじめとする、さまざまな効果が得られますが、CDP導入には注意点があることが現実です。
CDP導入の注意点
計画だけではなく実行を重視する
キャリアを実現する施策を用意する
人材管理は育成だけにこだわらず採用も取り入れる
計画だけではなく実行を重視する
CDPの導入後にありがちなのが、CDPが計画倒れになってしまうことです。
特に、従業員が高い目標を設定して上司がそれに対して支援を行わない場合には、計画倒れとなってしまいます。
例えば、従業員が1年後にマネージャーに昇進するという目標を立てたとします。
しかし、その目標に対して人事部や上司が何も支援をしなければ、従業員がマネージャーになることは難しいでしょう。
またマネージャーになるために必要な教育を計画しても、実際に従業員の仕事が忙しすぎて教育を受けられない場合もあります。
CDPで計画したことは実行しなければ、その後の従業員の離職やCDP制度の形骸化へとつながってしまいます。
キャリアを実現する施策を用意する
最も難しいのがキャリアを実現する施策を用意することです。
従業員が一般的なキャリアを望むのであれば、そこまで問題にはなりません。
しかし上昇志向が高く、従業員が「社長になりたい」という希望を持った場合や、「新規事業をやりたい」という希望を持った場合、キャリアを実現する施策を用意するのは困難な場合もあります。
この場合、それでもキャリアを実現する施策を用意することで、従業員のやる気を促進することができます。
ある企業では、将来、新規事業をやりたいという従業員に対して、子会社を用意して新規事業をやらせました。
その結果、子会社の事業が大きく成長し、その企業の主力事業の一部になっています。
このように、時にはキャリアを実現する施策にはリスクが伴うことがありますが、きちんとキャリアを実現できる施策を用意することで、従業員の成長を会社の成長へと確実に結びつけることができるようになります。
人材管理は育成だけにこだわらず採用も取り入れる
CDPを運用する企業にとって盲点なのが、人材育成にこだわりすぎてしまうことです。
長期的に社内で人材を育てることは、企業の競争力形成においてとても重要な取り組みです。
ですが、育てることに注力するあまり、人材不足や事業成長の停滞をかえって招いてしまうことがあります。
例えば、近年ではAIやロボティクスなどの新しいテクノロジーが生まれています。
こうした新しいテクノロジーに関する人材を社内で育てるには時間がかかるだけではなく、育成に気を取られているうちに、世の中の競争に置いて行かれる可能性もあります。
時には育成ではなく、必要な人材を採用した方が早い場合もあります。
CDPは人材育成において優れたツールですが、人的資源管理の目的はあくまでも「必要な時に必要な人材を手にする」ことであることを忘れないようにしましょう。
CDPは重要な人材育成ツール
CDPは、人事制度における能力開発計画やキャリア開発計画を意味し、従業員エンゲージメントの向上が重視される現代だからこそ、重要な人材育成ツールの1つとなっています。
近年では新卒社員が「3年で辞める」早期離職が当たり前になっていますが、CDPがあれば5年、10年といった長期スパンで従業員のキャリアを考えることができ、従業員のキャリアゴール実現にも役立ちます。
そのため、CDPを積極的に活用することは、従業員の成長と、会社のパフォーマンスの最大化を結びつけることにつながります。
「HRBrain タレントマネジメント」は、CDPに必要な、従業員データの可視化やキャリア情報をクラウドシステム上で管理することができます。
また、CDPでの育成データやキャリアプラン、研修記録、スキルマップ、これまでの実務経験、異動経験、人事評価などの従業員データの管理と合わせて、MBOやOKR、1on1などの最新のマネジメント手法をカンタンかつシンプルに管理運用することができます。
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