#人事評価
2023/03/17

人事評価制度研修はなぜ必要?研修の目的や被評価者メリットについて解説!

目次

    人事評価制度研修とは、どのような企業が必要としている研修なのでしょうか。

    人事評価制度研修の対象者、研修を行ったことで得られるメリット、学べる内容などについて紹介します。

    人事評価制度研修とは?

    人事評価制度研修とは、主に評価者に対し人事評価制度への理解を深め、正しく公平な評価を身につけることを目的とした研修のことです。

    詳しく人事評価制度研修について紹介する前に、そもそも人事評価とはなにを目的にして作られたものなのか、振り返ってみましょう。

    人事評価とは

    人事評価とは「なにを重視して従業員を評価するか」、企業の指針をあらわしたものです。

    人事評価の目的は以下の4つです。

    • 処遇の決定

    • 人材育成

    • より良い採用を行うため

    • 企業文化を作るため

    人事評価制度研修

    これらの目的は、人事評価が適切に行われることで初めて達成されます。
    そのためにも、人事評価制度研修が必要となります。

    評価者研修の導入状況

    産労総合研究所がまとめた「2016年 評価制度の運用に関する調査」によると、評価者訓練を「実施している」割合は71.4%にのぼり、多くの企業が実施していることがわかります。

    しかし、被評価者(評価される側の従業員)に対しての研修は22.6%と2割ほどにとどまっているのが現状です。

    ちなみに、被評価者の研修では、「評価の仕組みの理解」や「どのような行動が評価されるか」といったこと学びます。
    関連リンク:2016年 評価制度の運用に関する調査

    人事評価制度研修の目的とは「評価者が正しい評価能力を身につけること」

    人事評価制度研修を行う目的について紹介します。

    正しい評価能力を身につける

    評価者が正しい評価能力を身につけることが、人事評価制度研修の主な目的です。
    先入観や偏見を排除し、公平に部下を評価しましょう。

    そのためにも、普段から部下の行動に関心を持ち、フラットに「見る」ことを心掛けることが重要です。

    評価制度の運用における理解

    一口に人事評価制度と言っても、その制度は企業によって様々です。自社が、なぜそのような人事評価制度を構築したのか、なにを重視したのか。

    人事評価制度の適切な運用には、制度自体への理解を深めること、そしてその運用の方法を学ぶことが欠かせません。

    成長に繋がるフィードバック

    評価者は、被評価者に対し、成長に繋がるフィードバックを行わなくてはなりません。

    評価をただ伝えるだけではなく、会社の方針に沿っていたか、また部署の目標に対しての達成度などを振り返り、評価します。

    そして、実現が可能なことを建設的・具体的に助言することが重要です。また被評価者との信頼関係を築くことも、適切なフィードバックには欠かせないことです。

    人事評価制度研修で得られるメリットとは「人材育成・業績アップ」

    次に、人事評価制度研修で得られるメリットについて紹介します。

    人事評価制度が機能する

    人事評価制度研修を行うことで、評価者は人事評価制度、そして評価方法などの正しい運用を理解することができます。

    どんなに立派な人事評価制度が自社にあったとしても、評価者に浸透していないのでは意味がありません。

    人事評価制度を機能させるためにも、人事評価制度研修は有効なひとつの手段です。

    人材を育成できる

    人事評価の代表的な項目には、成果評価、能力評価、情意評価の3つがあります。

    人事評価項目

    とくにこの「能力評価」の項目は、人材の育成に欠かせません。この項目は、ただ被評価者のスキル・能力を伸ばすことだけにとどまりません。

    被評価者が複数の部署を体験した場合「その従業員には、どの業務が合っているのか」を、俯瞰・総合的に判断することもできます。

    それによって、被評価者がより能力を発揮できる部署への異動も検討できます。

    人事評価制度研修で人事評価制度の項目への理解を深めること、そして被評価者の保有するスキル・能力を発見・評価方法を学ぶことは、総じて人材の育成へと繋がります。

    一点注意したいことは、エクセルなどのソフトにより人事評価を行った場合、異動によってそのデータが活かしきれない場合があります。

    そのため、一括、また横断的に従業員の保有スキルを把握できる「タレントマネジメントシステム」の導入がおすすめです。

    成果に繋がる

    人事評価制度研修を行うことで、評価者は適切にフィードバックができるようになります。

    また、被評価者に対しても「なにが評価されるのか」をインプットする研修を行うことで、会社が求めていることをブレなく伝えることができます。

    「正しく評価されている」という意識を被評価者が持つことで、エンゲージメントが向上します。業務に対するモチベーションも高まり、その結果、成果に繋がりやすくなります。

    人事評価制度研修の対象者とは

    管理職(マネージャー)

    評価者である管理職(マネージャー)は、人事評価制度研修の対象者です。

    管理職の経験が浅い場合、豊かな場合によって、人事評価制度研修の内容は異なります。管理職の経験が浅い場合は、そもそもの人事評価制度への理解や、フィードバックの流れ、よいフィードバックとは、など総合的な知識を得る研修がメインとなります。

    管理職の経験が豊かな場合は、より具体的な実例、その場合における評価者同士認識の擦り合わせなど、応用に近い内容が求められます。

    人材業界・人事担当者

    人材業界・人事担当者にとっては、人事評価制度研修を受けることで、人事評価制度の鬼門的な事項、また運用のポイントを学ぶことができます。

    変化の多い現代、人事評価制度の更新も人事担当者の重要な業務です。人事担当者が人事評価制度を学ぶためにも、人事評価制度研修は役立ちます。

    経営者

    経営・事業の戦略を、人事評価制度をリンクさせることは、会社の業績アップに直結します。そのため、経営者が人事評価制度研修に参加することには大きな意味があります。

    研修をきっかけに、人事評価制度を見直したり、新たな構築へと行動を移すことも重要になります。

    また、他社の人事評価制度の活用事例などを効率的に学ぶことができます。

    被評価者

    評価者だけではなく、被評価者にも人事評価制度研修は有効です。

    しかし、この記事でも紹介した通り「2016年 評価制度の運用に関する調査」によると、被評価者(評価される側の従業員)に対しての研修は22.6%と全体の2割にとどまっています。

    他社に先んじて人事評価制度研修を実施することは、大きなアドバンテージになります。被評価者の研修では「どのような行動が評価に結びつくか」といったことを、主に学びます。

    「なにが評価ポイントなのか」を理解することは、被評価者と評価者とのギャップを減少させることに繋がり、被評価者から不平・不満が出にくくなることに繋がります。

    人事評価制度研修で学べる事

    次に、人事評価制度研修で学べることを紹介します。

    目標設定の能力

    被評価者が成果を出しやすくするため、具体的な目標まで落とし込むことが、評価者の仕事でもあります。

    会社から課された数値をそのまま部署に当てはめるのではなく、どうしたら達成できるのか。それを被評価者が「腹落ち」するレベルに設定できる力を養うことができます。

    そうした能力は、被評価者のモチベーションアップに繋がるだけなく、実際の成果アップも狙うことができます。

    人事評価制度研修では、こうした目標設定の能力を養うことができます。

    目的達成のための支援

    では、具体的にどうしたらその目標を達成できるのでしょうか。

    人事評価制度研修では、そのための具体的な支援、建設的な助言の仕方について学ぶことができます。

    評価者がそうした思考の型やパターンを理解し、被評価者にインプットすることで、具体的な行動に繋がります。行動が成果に結びつくことで、目的達成のためのよいサイクルが生まれていきます。

    評価力の向上

    被評価者のタイプはさまざまで、業務、また雇用形態も異なる場合があります。

    評価者によって、評価がまちまちというのでは、被評価者にとっては納得感がありませんし、透明性にも欠けます。

    そこで人事評価制度研修では、実際のケースをもとに話し合う場が持たれることもあります。そうすることで、評価者の間で認識の「すり合わせ」が可能になります。

    研修に参加した評価者の間で、共通の認識を持つことは、評価力の向上だけでなく公平な評価にも繋がります。

    面談のスキル向上

    評価者も、はじめは被評価者の立場から社会人生活をスタートしています。誰しも、自分がフィードバックされた経験しかありません。

    そのため、評価者には個人の経験に頼らない、面談・フィードバックの研修が必要になります。

    人事評価制度研修を受けることは、評価者だけでなく被評価者にとっても大きなメリットをもたらします。評価者が正しい面談スキルを身に着けることで、被評価者との円滑なコミュニケーションが可能になります。

    モチベーションアップ、ひいては業績アップに繋がります。

    よいフィードバックとはどういったものか、その実例をロールプレイングなどで学ぶことができます。

    評価制度の運用における理解

    人事評価制度には、企業の色が強く出ます。

    そうした自社の人事評価制度の特色についても、他社と比較して学ぶことができます。

    人事評価制度についての基本を押さえ、評価方法・運用を学ぶことで、制度自体の刷新に繋げることもできます。

    これらの知識は、評価者だけでなく、人事関係者にとっても欠かせないものです。

    人事評価制度を体系的に学ぶことは、評価者にとって評価の「目的」だけでなく、自身の「責任」を理解することにも繋がります。

    なにが評価されるか理解できる(被評価者向け)

    最後に、被評価者向けの「人事評価制度研修で学べる事」があります。

    人事評価制度研修を行うことは、被評価者にとっても有効です。

    「なにが評価されるか理解できる」ことに繋がり、評価者との認識のズレ・ギャップが埋まります。

    ただ評価を伝えられるだけのフィードバックではなく、人事評価に主体的に参加している意識も生まれます。

    「どのような行動が評価されたのか」「逆に、評価されないことはなんなのか」、これらの事例を具体的に学ぶことで、会社が期待していることに、自身の評価を結び付けて考えることができるようになります。

    人事評価制度研修を取り入れるべき企業

    次に、人事評価制度研修を取り入れるべき企業について紹介します。

    人事制度が機能していない/根本的な人事制度の見直しが必要

    時代の変化、また企業の規模、事業の成長により人事制度を見直すことは必要です。

    とくに人事担当者にとっては、重要な仕事の一環でもあります。

    自社において、成果を出すための人事制度の構築が不十分な場合、また新規で作成する場合、「タレントマネジメントシステム」の導入がおすすめです。

    HRBrainのタレントマネジメントシステムは、評価制度を設計する時点からカスタマーサクセスに相談できます。

    経験豊富な人事スペシャリストが、制度設計も導入後も専任でしっかりサポートをしてくれます。

    評価者のスキルが低い

    どんなに立派な人事制度があったとしても、評価者の評価スキルが未熟だった場合、それは「絵に描いた餅」になってしまいます。

    「目標設定ができていない」「インプットが不十分」「面談のスキルが低く、コミュニケーションが上手く取れていない」、これらのことが積み重なると、被評価者は「なにが評価されているのかわからない」という不満を抱えることになります。

    それはモチベーションの低下を引き起こします。

    評価者が適切な目標設定、そしてフィードバックを行えるよう人事評価制度研修を行いましょう。

    被評価者のスキルが低い

    人事評価制度研修は、評価者だけでなく被評価者のスキル向上にも有効です。

    被評価者が人事評価制度研修を受けることで「どのように行動すれば評価されるのか」という点を理解することができます。

    人事評価制度研修を評価者、被評価者の双方が受けることで、評価に対するギャップを埋めること、また意識を改革することにも繋がります。

    人事評価制度研修はどこで受けられる?

    では、人事評価制度研修はどこで受けられるのでしょうか。

    人事評価制度研修を行っている業界・団体、またその企業について、それぞれの傾向と特徴について紹介していきます。

    とくに社労士事務所・コンサルティング会社は人事制度構築から研修までをパッケージで行ってくれることが多いので、制度自体を抜本的に見直したい場合にもおすすめです。

    また、タレントマネジメントシステムを提供している弊社HRBrainでも、人事評価制度コンサルティングを行っています。

    人事評価制度研修を行っている業界・団体

    人事評価制度研修を行っている業界・団体について紹介します。

    社労士事務所

    社労士事務所は、人事・労務管理の専門家です。

    そのため、人事制度構築のコンサルティングを請け負っている事務所も、数多くあります。その人事評価制度を定着させる施策の一環として、人事評価制度研修を実施しています。

    社労士事務所の開催する人事評価制度研修は、「人事評価制度とは」という、制度の根幹から学べるところが魅力です。

    社労士事務所によっては、労務管理を得意としてる場合もありますので、人事をメインで扱っているところに依頼しましょう。

    コンサルティング会社

    人材育成を行うコンサルティング会社は、人事制度コンサルの一環として人事評価制度研修を行っています。

    行動経済学など、コンサルティング会社ならではの課題設定や、ケーススタディを豊富に盛り込んだ人事評価制度研修が多くあります。

    また、一律の研修ではなく、評価者のレベルに合った細やかな研修が期待できます。

    一般財団法人

    一般財団法人では、企業向け、また公務員向けの人事評価制度研修を実施しています。

    企業向けでは「自社の人事評価見直しのポイント」、「人事評価の運用における部下とのコミュニケーション方法」などについて学ぶことができます。

    学校法人

    学校法人でも人事評価制度研修を行っています。

    産業能率大学総合研究所の人事考課者研修では、臨場感のある映像教材を使用した、特色のある人事評価制度研修を行っています。

    人事評価制度研修を行っている企業

    最後に、どのような企業が人事評価制度研修を行っているのかご紹介します。

    株式会社HRBrain

    株式会社HRBrainの提供する「人事評価制度コンサルティング」サービスでは、目標設定・評価に関わる実効性の高い人事評価制度の設計が可能です。

    人事評価、また目標管理を簡単・シンプルに運用できるクラウドサービスを合わせて導入することが可能です。

    それだけではありません。
    設計・運用のデータを活用し、従業員のタレントマネジメントに活かすこともできます。
    関連リンク:人事評価制度コンサルティング で自走型組織へのアップデート を。(株式会社HRBrain)

    株式会社インソース

    「人材育成」の点に重点を置いた研修を実施しています。

    また評価者向けに、目標設定からその管理、中間・期末・評価面談などの人事評価制度を支援する様々なサービスを提供しています。オンライン研修についても相談できます。
    関連リンク:人事評価研修

    日本能率協会マネジメントセンター

    日本能率協会マネジメントセンターの主催する人事評価スキル養成コースでは、映像教材を使った実際の評価、また評価面談のロールプレイングを行うことで、実践力を養うことができます。

    個人の考えのばらつきを確認しながら、評価のルールを身につけることができます。
    関連リンク:人事評価スキル養成コース

    まとめ

    人事評価制度研修とは、主に評価者に対し人事評価制度への理解を深め、正しく公平な評価を身につけることを目的とした研修のことです。

    その目的は、以下の3つです。

    • 評価者が評価能力を身につけること

    • 評価制度の運用における理解をすること

    • 成長に繋がるフィードバックを行うこと

    人事評価制度研修を行うことで、人事評価制度が機能し、人材育成・成果アップに繋がります。

    人事評価制度研修の対象者は、管理職(マネージャー)だけでなく人事担当者、経営者です。また、これら評価者だけでなく被評価者に行うことで「評価者とのギャップを埋める」ことにも繋がります。

    人事評価制度研修で学べる事は、以下の5つです。

    • 目標設定の能力

    • 目的達成のための支援

    • 評価力の向上

    • 面談のスキル向上

    • 評価制度の運用における理解

    人事評価制度研修によっては、面談のロールプレイングや、映像教材などを使用して実際の面談を想定することもできます。

    また、人事評価制度研修は評価制度の運用における理解を深めるだけでなく、人事担当者においては、根本的な人事制度の見直しにも役立ちます。

    ぜひ、自社に合った人事評価制度研修を検討してみてはいかがでしょうか。

    HR大学編集部
    HR大学 編集部

    HR大学は、タレントマネジメントシステム・組織診断サーベイを提供するHRBrainが運営する、人事評価や目標管理などの情報をお伝えするメディアです。難しく感じられがちな人事を「やさしく学べる」メディアを目指します。