人材育成
2022/01/17
オンボーディングとは?意味や目的、早期戦力化のためのプロセスを解説
目次
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オンボーディング(onboarding)とは
人材流動化や若年層の早期離職を背景に、注目されているオンボーディング。オンボーディングを取り入れることで、新入がいち早く会社に馴染む効果が期待できます。ここでは、オンボーディングの定義・意味を解説します。
オンボーディングとは
オンボーディングとは、新たに採用した社員の「定着化」「早期戦力化」などを目的に行われる、新入社員・中途入社社員向けの施策・プログラムを指します。
入社したばかりの新入社員や中途入社した社員は、周りのサポートがなければ、企業文化に応じたコミュニケーションを取ることはできないものです。当然ながら、配属された職場のルールや必要な業務知識などは解るはずもありません。
オンボーディングとは、入社時に行われる一律的な研修やOJTとは別に、会社やチームにいち早く馴染み、早期戦力化するための一連の取り組みです。
オンボーディングの意味
オンボーディングとは、元々、船や飛行機に乗っているという意味の「on-board」から派生したワードで、船や飛行機の新しく加わった乗務員を対象に、現場に早期に慣れてもらうための一連のプロセスを指します。
今では、人事領域で、新人を組織や職場にいち早く慣れさせ、早期戦力化するために、企業文化やルール、個々の仕事の進め方などをサポートする教育・訓練のプログラムを指すワードで使われています。
顧客醸成のためのオンボーディング!?カスタマーサクセス|SaaS
オンボーディングは、企業でいえば「社員」、飛行機や船でいえば「乗務員」というようなサービスを提供する側だけではなく、「顧客」としてサービスを受ける側にも使われるワードです。
カスタマーサクセスにおけるオンボーディングは、新規顧客などに、いち早く自社の製品・サービスを活用してもらうための一連の支援、プロセスを指します。
そもそも、カスタマーサクセスとは、顧客の疑問や問題に、企業自ら能動的な支援を行うことで成功に導き、リピーター獲得につなげているのです。特に、継続的に利用してもらうことで収益を得るSaaSビジネスで注目を集めています。
押さえておきたい、オンボーディングの目的
若年層の早期離職を背景に、注目されているオンボーディング。ここでは、オンボーディングの取り組み背景、目的を説明していきます。
オンボーディングの取り組み背景
新入社員の離職率は3年以内に3割といわれているように、企業の大きな損失といえる若年層の早期離職問題。加えて、雇用流動化に伴い、転職が活発する一方で中途入社者の定着率の低さも大きな損失の要素です。
このような早期離職問題や定着率の低さを背景に、新人に対する支援の枠組みとして、オンボーディングの取り組みが注目されています。
企業がオンボーディングを実施する目的
若年層の早期離職や定着率の低さを背景に注目されているオンボーディング。
一義的には、新人が職場に早く慣れ、早期に戦力となってもらうことが目的です。しかし、新人本人だけでなく、配属先のメンバーをも対象とし、メンバー全体を短期間で統合させて生産性を高めることこそ、オンボーディングの真の目的といえるでしょう。
オンボーディング実施のメリット3つ
早期離職防止や定着率向上により、企業の損失を抑える重要な取り組みであるオンボーディング。ここでは、オンボーディングの実施メリット3つを説明します。
採用・人材育成コストの削減
新人の採用コストや、戦力となるまでの育成期間は、成果を求めず育成に注力する投資期間といえます。
投資期間を終えて戦力化し、投資を回収できる期間になった段階での離職は、企業にとって大きな損失であり、影響は計り知れません。
オンボーディングにより、早期離職を防ぎ、定着率の向上を図ることで、採用・人材育成コストの削減が期待できます。
早期戦力化
新入社員や中途入社者は、職場に馴染んでいないと活躍しにくいものです。とくに、明文化されていない企業文化やルール、人的交流の仕方などは、教育や支援がないと戦力化に弊害がある項目です。
オンボーディングにより、企業文化やルールを身に付けさせるなど、職場に馴染むための施策により支援することで、早期戦力化を図ることが可能です。
従業員満足度向上
働きがいや職場環境、人間関係のほか、報酬や福利厚生など、様々な要素で構成される従業員満足度。
オンボーディングによる活発なコミュニケーションや、組織で活躍するための企業文化やルールの理解は、従業員満足度向上にもつながるものです。
新人の受け入れ準備もオンボーディングの重要な一部ですが、しっかりとした受け入れ体制をとることで、組織の一員として認められたという従業員満足につながる効果もあります。
知っておきたい、オンボーディングのプロセス
離職防止や定着率向上が期待できるオンボーディング。取り組みは、入社前から行うことが肝要です。ここでは、オンボーディングのプロセスを3つの段階に分けて説明します。
入社前のオンボーディング
内定段階で、誰もが陥ることがあり得る内定ブルー。内定者にとっては、複数の選択肢から1社に絞ることは、将来が大きく変わることもある大きな決断です。
この内定ブルーに陥った内定者をオンボーディングで支援することにより、入社意欲を固めてもらう重要な段階です。
入社する企業の不明点や疑問を解決することが内定ブルーを解決する大きな要素です。入社前から人事部門が新人に十分なコミュニケーションを取っておき、疑問点や不安を取り除き、信頼関係を構築しておくことがポイントです。
【入社前のオンボーディング例】
- 先輩社員座談会
- 工場見学
- 懇親会
- 定期面談
- 社内報の送付
入社直後のオンボーディング
入社直後は、職場に馴染めず、右も左も分からない、不安が大きい時期です。この時期に、目の前の仕事が忙しいなどの理由で、新人を放置することは一番避けるべきです。
職場に馴染めないなか、誰からもフォローされないという状況は、早期離職が必然ともいえます。特に、中途入社者は、即戦力を期待して採用されるために放置されがちです。企業文化やルール、個々の仕事の進め方など、既存社員が当たり前と認識している企業独自の文化やルールがわからず、苦悩することが多くあるでしょう。
入社直後のオンボーディングは、職場に慣れてもらうために、企業独自の文化やルールのほか、業界や業務内容の理解を身につけてもらうことが重要です。
【入社直後のオンボーディング例】
- 自社理念や社内規則、ルール説明
- 企業文化やルール、暗黙知の説明
- 業界知識や業界・社内用語の説明
- 工場研修
入社数カ月後のオンボーディング
早期離職の危険性がある入社数ヶ月後は、必ずオンボーディングによる支援が必要です。
職場にも慣れ、自身のキャリアの方向性が見えてくるのもこの時期。しかし、入社者に対するコミュニケーション不足で、意図しない早期離職のリスクもあるでしょう。
配属された部署への不満、自身が描くキャリアとのギャップなど、採用のミスマッチを原因として離職する可能性もあります。
このような離職を防ぐためには、キャリア面談を行うなども必要です。配属先部署では相談できない事柄など、人事部門が相談に乗ることも有用でしょう。
【入社数ヶ月後のオンボーディング例】
- キャリア面談
- 人事面談
- フォローアップ研修
- 懇親会
オンボーディングの施策や事例を詳しく知りたい方は、「オンボーディングとは?成功に導くポイントや参考にしたい事例3選」をご参考ください。
【まとめ】オンボーディングは、入社前から取り組むことが成功のポイント
本記事では、社員定着・早期戦力化に有効なオンボーディングの目的・意味やメリット、施策について説明しました。
離職防止や社員定着率を上げるには、入社後だけではなく、入社前からオンボーディングに取り組むことが成功に導くポイントです。
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HR大学 編集部
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