人材管理
2022/04/01
CHRO・CHO、人事のCXOの役割や必要な能力とは?人事部長との違いも解説
目次
本記事の内容は作成日または更新日現在のものです。本記事の作成日または更新日以後に、本記事で紹介している商品・サービス・企業・法令の内容が変更されている場合がございます。
CHRO/CHOとは
はじめに、CHRO/CHOの概要や注目される背景、人事部長との違いについて解説します。
CHRO/CHOとは
CHROとはChief Human Resource Officerの略称で、日本語で最高人事責任者を意味します。また、CHO(Chief Human Officer)とも言われます。
最高経営責任者であるCEO(Chief Executive Officer)や、最高財務責任者であるCFO(Chief Financial Officer)と同じ、CXOと呼ばれる役職の1つです。CXOという役職は、主に欧米企業で用いられていましたが、近年日本企業でも見られるようになりました。日本では代表取締役CEOという形で使われている場合が多いです。
代表取締役とCEOの違いなどについて詳しく知りたい方は「代表取締役とは?社長やCEOとは違う?代表権や権限について解説」をご覧ください。
CHROが注目された背景
CHROが日本で注目され導入され始めた背景には人事戦略の重要性が高まっていることが挙げられます。近年、人材不足による採用競争の激化や内部人材の育成など、人事が果たすべき役割は徐々に高まっています。優秀なCHROは経営者の視点と人事の視点、両方を持つことから、経営戦略に資する人事戦略、つまり戦略人事を推進することが可能です。そのため、企業にとって重要性が高まってきています。
人事の果たすべき役割について詳しく知りたい方は「人事という仕事について 役割や最近の潮流を解説」をご覧ください。
人事部長との違い
CHROはこれまでの人事部長とはどう違うのでしょうか。違いは「経営視点の有無」です。人事部長は人事部門の長として、部門を管理する立場にありますが、経営者の1人として経営に関与する立場ではありません。一方、CHROは経営者の1人として「人」という経営資源をどう活用していくかを考え、戦略を立案・実行します。ただし、CHROが人事部長を兼務している場合もあります。
CHROの役割
CHROは戦略人事を行う上で重要な存在です。ここでは、CHROが果たすべき役割について解説します。
戦略人事の展開
まず挙げられるのは「戦略人事の展開」です。従来の人事部長になくてCHROにあるのは経営者としての視点です。「ヒト・モノ・カネ」といわれるように、企業にとってヒトは重要な経営資源です。経営者の視点から人事に関する豊富な知識と経験を用い、経営戦略が計画通りに推進されるようヒトを最大限活かすことができる人事戦略を立案・実行します。
戦略人事についてさらに詳しく知りたい方は「【人事部必見】「戦略人事」とは?経営戦略を実現する人事を徹底解説します」をご覧ください。
人事施策の進捗管理
人事戦略に基づいた各種人事施策の進捗管理もCHROの役割です。
- 遅滞なく施策を進めることができているのか
- 期待された効果は出ているのか
など、定性・定量の両面から人事施策の進捗管理を行う必要があります。また、進捗に遅れがある場合、その対策を随時実行していかなくてはなりません。
社員育成の体制構築
経営戦略を実行するために必要な人材を育成することも、CHROの役割です。
- 今後どのような人材が必要になるのか
- 必要な人材にするには、どういう育成を行えばいいのか
など、会社にとって必要な人材を常に供給できるような体制構築が必要です。
企業理念の浸透
会社が掲げるビジョンやミッション、行動規範を社内に浸透させていていくこともCHROの役割です。
- ビジョン・ミッションを共有し、会社全体が同じ方向に向かって進む
- 行動規範を基準として意思決定をする
など、企業理念の浸透によって、意思決定の迅速化や臨機応変な対応などの効果が期待できます。今のような不確実性の高い市場環境では、まさに迅速な意思決定や臨機応変な対応が必要です。そのため、企業理念の浸透は経営者の1人であるCHROが担うべき重要な役割の1つなのです。
CHROになるにはどんな能力が必要か
重要な役割を持つCHROは、どのような能力が必要なのでしょうか。ここではCHROに必要な能力について解説します。
人事分野に関する深い知識
CHROは最高人事責任者ですので、人事分野に関する深い知識や経験が必要です。人事に関する知識・経験がないと机上の空論となってしまう可能性もあります。人事に対する広く深い知識があるからこそ、実効性の高い人事戦略の立案・実行が可能になるのです。
経営戦略等への深い理解
CHROは経営者の1人ですので経営戦略等への深い理解が必要です。自社の策定する経営戦略の理解はもちろん、一般的な経営に関する知識・スキルの習得も必要でしょう。CEOと同じレベルで経営戦略の理解をし、人事の側面からCEOのサポートができることが望ましいです。
戦略策定能力
実効性の高い人事戦略を策定するためには戦略の策定能力も必要です。
- 現状の課題の把握
- 課題に対して効果の高い施策の立案
- 施策の実行
- 実行した施策の課題から改善
以上のような一連の流れを戦略として策定し、経営戦略に資する人事戦略を策定する能力が求められます。
CHRO人材を育成するために
これら3つの能力を持つCHRO人材を育成するためには、長期間にわたる育成計画が必要です。人事部門での経験はもちろんですが、会社の事業への理解を深めるためにも人事部門以外での経験も必要になります。CHROの候補となる人材を早期からピックアップし、長期的な育成計画を立てましょう。
このような重要な経営ポジションを担う人材の育成をサクセッションプランといいます。サクセッションプランについて詳しく知りたい方は、「人事がやるべきキーポジションの後継者育成計画・サクセッションプランとは?」と「サクセッションプランとは?事例・導入方法から便利ツールまで解説」をご覧ください。
日本でのCHROの導入状況
海外では導入されていることも多いCHROのポジションですが、日本企業ではどうなのでしょうか。ここでは日本におけるCHROの導入状況や実際にCHROのポジションを設けている企業を紹介します。
日本でのCHROの導入状況
欧米で導入率の高いCHROですが、日本ではまだ高いとは言えません。
しかし、一部大企業やベンチャー企業で徐々に導入が進んでいます。
例えば
- 株式会社サイバーエージェント
- 株式会社一休
- 富士通株式会社
- 株式会社メルカリ
- 株式会社ココナラ
- 日本電気株式会社
- 株式会社HRBrain
等が挙げられます。
導入企業例:株式会社メルカリ
導入企業の1つであるメルカリの例を紹介します。2021年10月時点でCHROに着任されている木下達夫さんは、CHROに「中長期的な会社の方向性に対するビジョンを持ち、人事領域における戦略を描く力が求められている」と考えています。その考えのもと、
- 組織や人に対する考え方の明文化
- 育成型組織へのシフト
- データドリブンのHRへ
- 評価制度のグローバルスタンダード化
等に積極的に取り組まれています。どれも人事部門の責任者という視点ではなく、経営者の視点で人事に取り組まれているからこそできることでしょう。
一般社団法人日本CHRO協会について
一般社団法人日本CHRO協会は、「従来の”管理型人事”から、”デザイン型人事”へ戦略人事を推進する、真の『CHRO』を支援する」というミッションを掲げ活動している団体です。主に、
- CHROとして活躍している人材を呼びセミナーを開催
- 次世代のCHROの育成勉強会
- 最新の経営・人事トレンド発信のためのフォーラム開催
などCHROの普及・育成を目指した活動を行っています。
【まとめ】人材管理・タレントマネジメントをカンタン・シンプルに
今回は、CHRO/CHOについて解説しました。経営に資する人事戦略を進める上では重要なCHROというポジションですが、能力として求められるレベルは高く誰もがなれるわけではありません。将来を見据えて、CHROを担うにふさわしい人材を育成しましょう。
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HR大学 編集部
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