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従業員エンゲージメントとは?測定する目的やメリットを解説

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従業員エンゲージメントとは?測定する目的やメリットを解説

目次

    本記事の内容は作成日または更新日現在のものです。本記事の作成日または更新日以後に、本記事で紹介している商品・サービス・企業・法令の内容が変更されている場合がございます。

    企業と従業員との関係性を示すものとして度々取り上げられるのが、従業員エンゲージメントです。
    従業員エンゲージメントが高いほど、従業員が自社に愛着を持ち、貢献したいという気持ちを持っているといえます。
    では、従業員エンゲージメントを表す際には、具体的にどのような指標が用いられるのでしょうか。
    そして、それらの指標の数値を高めていくためにはどのような施策を行えばよいのでしょうか。
    この記事では、従業員エンゲージメントの意味や、なぜ従業員エンゲージメントが重視されるのか、そして、その測定方法や具体的な指標について説明します。

    従業員エンゲージメントとは

    最初に述べた通り、従業員エンゲージメントは、従業員が自社に対してどれほど愛着を持ち、貢献したいという気持ちを持っているかを示すものです。
    「エンゲージメント(engagement)」という単語には、「約束」「つながり」といった意味があります。
    従業員エンゲージメントは、企業と従業員間の結びつきの強さを表すものであると言えるのです。

    従業員エンゲージメントが重視される理由とは

    では、従業員エンゲージメントはなぜ重視されているのでしょうか。
    ここでは、4つに分けて説明します。

    業績の向上

    従業員エンゲージメントが高いということは、従業員が自社に貢献したいという気持ちを強く持っていることを指します。
    自社に貢献したいと考える従業員は、業務に対して自然と積極的になり、自主的に行動することが増えるでしょう。
    従業員ひとりひとりが高い自主性を持つようになれば、部署や企業全体の士気が高まると考えられます。
    そうなれば、生産性が高まると同時に、質の良いサービスや商品が生まれやすくなるでしょう。
    結果的に企業としての利益が増え、業績が向上していくと考えられます。

    近年では、従業員エンゲージメントの数値を自社やグループ全体のKPIとしている企業もあります。
    KPIとは、「Key Goal Indicators」を省略したもので「重要目標達成指数」と訳されます。
    企業にとってKPIは事業運営において、最終的に目指す目標と言えます。
    最終目標であるKPIとして設定されていることからも、従業員エンゲージメントが企業の継続的な成長において重要な指標であることが分かります。

    従業員エンゲージメントのKPIとして役立つサービスに「EX Intelligence」があります。
    「EX Intelligence」は従業員エクスペリエンスの可視化をサポートし、自社における課題の分析や必要な施策を決めるのにも役立ちます。

    ▼「EX Intelligence」についての詳細なご案内はこちらからご覧になれます。
    https://www.hrbrain.jp/employee-experience

    離職率の低下

    近年では、少子高齢化により労働力人口が減少していると言われています。
    さらに、能力の高い優秀な人材が、より良い報酬や職場環境を求めて転職していくこともあるでしょう。
    そのような観点からも、従業員エンゲージメントが注目されています。

    従業員エンゲージメントが高いということは、従業員は自社に対して強い誇りや愛着を持っている状態と言えます。
    そうなれば、必然的に離職する人が少なくなると考えられます。
    従業員エンゲージメントを高めることは、従業員の離職を防ぎ、優秀な人材を自社に留めることに有効に働くと言えます。

    採用力の強化

    従業員エンゲージメントが高い企業の従業員は、自社に対する誇りや、業務における強い向上心を持っています。
    そのような従業員が多い企業は、求職者にとって非常に魅力的に映るでしょう。
    従業員の自社への帰属意識が高い企業は、自然と企業イメージも良くなります。
    その結果、多くの求職者が集まり、優秀な人材を得やすくなるでしょう。

    このように、従業員エンゲージメントが高まることは自社内だけではなく外部へも影響します。
    結果として、自社の採用力の強化に繋がっていくのです。

    従業員のモチベーション維持

    従業員エンゲージメントを測定することは、従業員のモチベーション維持にも役立ちます。
    たとえ懸命に日々の業務に励んだとしても、それを評価してもらえなければ、従業員のモチベーションは低下してしまいます。
    従業員エンゲージメントの測定は、そのような従業員の日々の仕事ぶりを適切に評価する仕組みのひとつです。
    従業員エンゲージメントの測定により、仕事に対する姿勢を正しく評価することで、従業員ひとりひとりがモチベーションを保ちやすくなるでしょう。

    従業員エンゲージメントを測定する方法とは

    実際に従業員エンゲージメントを測定するには、どのような方法があるのでしょうか。
    ここでは、自社で一から計画・実施する方法と、外部サービスに委託する方法について説明します。

    自社で実施する

    自社で従業員エンゲージメントを測定する場合は、下記の流れのように実施時期・紙やメールなどの実施ツール、設定する質問や評価指標などを全て自社内で計画します。

    • 従業員エンゲージメント測定の目的の把握
    • 調査対象の設定
    • 実施方法の決定
    • 従業員エンゲージメント測定の意図の従業員への説明
    • 従業員エンゲージメント測定の実施
    • 測定によって得られた結果の分析
    • 分析によって見えた課題解決のための施策決定

    自社で一から従業員エンゲージメント調査を準備する際は、自社の課題や特性に合わせたアンケートの設問を自由に設定できるため、カスタマイズ性は高いものになります。
    一方で、準備や実行にかける時間や工数は多くなるでしょう。

    外部サービスに委託する

    従業員エンゲージメントの測定は、外部サービスに委託して行うことも可能です。
    従業員エンゲージメントの測定に精通したサービスに委託する場合、以下のような点を詳細まで説明してもらえるでしょう。

    • 設定できる設問にどのようなものがあるのか
    • どの設問がどのような指標に繋がるのか
    • 指標がどのくらいであればエンゲージメントが高い・低いとみなせるのか

    計画・実施・分析にかかる時間・工数を省くことができる点が、外部サービスに委託する最大のメリットと言えます。
    一方、デメリットとして、委託費用がかかることに注意が必要です。

    従業員エンゲージメントを測定する指標とは

    具体的に従業員エンゲージメント測定の中で用いられる指標には具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
    以下で代表的な3つの指標について説明します。

    エンゲージメント総合指標

    「エンゲージメント総合指標」は、従業員から企業に対する評価を指すものです。
    具体的な評価内容は以下のようになります。

    • eNPS(employee Net Promoter Score):自社を知人・友人に勧めたいと思う度合い
    • 総合満足度:自社に対する満足度
    • 継続勤務意向:自社で今後も働き続けたいと思う度合い

    また、エンゲージメント総合指標を問う説明の例には以下のようなものがあります。

    • 友人や知人、親族に自社を勧めたいですか?
    • この一年間に、仕事をする上で学んだり成長したりする機会を持てましたか?
    • 職場に自分を気遣ってくれる上司や同僚はいますか?

    これらの設問から、従業員の企業に対する「総合満足度」や「期待度」が測定できるでしょう。

    エンゲージメントレベル指標

    「エンゲージメントレベル指標」は、従業員自身が携わる業務に対する熱意の度合いを測ることができます。
    仕事に対して、意欲や価値を見出せているかどうかを測ることができる指標と言えるでしょう。

    エンゲージメントレベル指標は、オランダにあるユトレヒト大学のウィルマー・B・シャウフェリ(Wilmar B.Schaufeli)教授らが提唱したUWES(ユトレヒト・ワーク)尺度が元になっています。
    エンゲージメントレベル指標はUWES尺度を元に、仕事に対する「熱意」「没頭」「活力」の三点から判断されます。
    エンゲージメントレベル指標を問う説明の例には以下のようなものがあります。

    • 仕事中、時間が経つのを早く感じますか?
    • 仕事において、自分の最も得意なことを行う機会を毎日持てていますか?
    • 自分の仕事を正確に行うために、必要な設備・資源を持っていますか?

    これらの設問からは、従業員の企業に対する姿勢を測ることができるでしょう。

    エンゲージメントドライバー指標

    「エンゲージメントドライバー指標」は、以下の3つの要素からなります。
    従業員エンゲージメントを最終的に判断するのに使用される指標であると言えます。

    • 組織ドライバー:人間関係、職場環境などの、企業と従業員との状態
    • 職務ドライバー:職務の満足度や難易度、当事者意識に関すること
    • 個人ドライバー:個人の資質が業務に及ぼす影響

    エンゲージメントドライバー指標を問う説明の例には以下のようなものがあります。

    • 仕事において自分の意見が考慮されているように思いますか?
    • 組織全体の戦略目標を理解していますか?
    • 直近の一週間で、良い仕事をしたと褒められたり、認められたりしましたか?

    これらの設問からは、従業員自身が企業に対して貢献できていると感じているかどうかを測ることができるでしょう。

    従業員エンゲージメントを高める要素とは

    従業員エンゲージメントを測定した結果、想定よりも各指標の数値が低い場合もあるでしょう。
    このような場合には、従業員のモチベーションや企業の業績向上のために、適切な施策を講じる必要があります。
    では、従業員エンゲージメントを高めるためには、どのような要素があるのでしょうか。
    ここでは、次の3つの要素について説明します。

    理解度

    「理解度」とは、企業が定める方針や考え方を理解し、支持できるかどうかを指します。
    企業にはそれぞれ、将来のビジョンや今後の事業成長を見据えた戦略があるでしょう。
    そのような企業の考え方と、従業員の方向性が一致しているかどうかが理解度であると言えます。

    企業が今後どのような方針に基づき事業を運営し、その上で成長していこうとしているのかということは、従業員には伝わりづらいものです。
    理解度を高めるためには、企業はまず確固とした理念に基づいた経営戦略を定める必要があります。
    そして、その経営戦略や企業が目指す姿について従業員に十分に説明を行うことで、従業員の理解度が高まっていくでしょう。

    また、掲げている企業理念が時代に合っているかどうかを見直したり、その理念を浸透させるために社内報を作成・配布することも有効です。
    従業員エンゲージメントを企業におけるKPIとする際は特に、従業員エンゲージメント向上のための取り組みを充実させることが重要になります。
    さらに、その取り組みの内容を従業員ひとりひとりに知ってもらうことが大切です。

    ​​共感度

    「共感度」とは、従業員が自社や部署、同僚などの仲間に対して、どれほどの愛着や帰属意識を抱いているかを指します。
    共感度が高ければ高いほど、共に働く仲間や企業に対して貢献したいという気持ちが強いと言えるでしょう。
    また、仲間と助け合いたい、コミュニケーションを取りたいという気持ちが強いことであるとも言えるため、社内の活性化に繋がると考えられます。

    自社を好きと思えるかどうかは、従業員エンゲージメントの結果に大きく影響するものです。
    従業員エンゲージメントをKPIに設定する場合は、この共感度を高める施策に重点を置くと有効に働くでしょう。

    行動意欲

    「行動意欲」とは、求められている以上のことを企業のために自分からやろうと考える気持ちを指します。
    例えば、一生懸命に仕事をしても周囲がそれを見ておらず、正しく評価されていない状態では、企業の役に立ちたいという気持ちは育たないでしょう。
    行動意欲を高めるためには、従業員ひとりひとりの成果を認め、適切な評価をすることが重要です。
    具体的には、社内の評価制度を充実させたり、上司との1on1ミーティングなどの施策を行ったりすることが有効です。
    成果を十分に認められた上で、自身が必要とされていると感じられることが行動意欲を高めることに繋がっていくでしょう。

    従業員エンゲージメントを測定する際の注意点

    従業員エンゲージメントを測定する方法や指標について説明しました。
    では、これらの方法や指標によって従業員エンゲージメントを測定する際は、どのような点に留意すれば良いのでしょうか。
    ここでは、調査目的の説明、迅速な集計・分析、アンケートの頻度・設問数の3点に分けて説明します。

    調査の目的の説明

    従業員エンゲージメントを測定する際は、その目的を従業員に対して十分に説明することが大切です。
    従業員は多忙な業務時間を割いて従業員エンゲージメントの調査に回答することになります。
    何のために行われ、その結果が何に役立つのかが分からない調査に対しては、なかなか回答が集まらない場合もあるでしょう。
    だからこそ、調査結果から企業が抱える課題を明らかにし、その改善施策を行うための調査であるということを十分に伝える必要があります。

    また、アンケートの実施・分析後は、調査の結果や今後企業が改善に取り組もうとしている点を従業員に共有しましょう。
    従業員エンゲージメント調査は、改善施策を実施しながら継続的に繰り返し行っていくことが重要です。
    今後の調査がスムーズに進み、十分な回答を得られるものになるためにも、従業員へのフィードバックを丁寧に行うことが大切です。

    集計から分析までをすばやく行う

    アンケートの結果が集まったら、その集計や分析は間を置かずにスピーディーに行いましょう。
    従業員は日々多くの業務やプロジェクトに携わっているため、企業に対する思いもその時々で変わっていくものです。
    だからこそ、従業員エンゲージメントの調査後は、その時点での従業員の思いを汲み取り、適切な改善施策を行うことが重要です。

    また、継続的に従業員エンゲージメント調査を実施している場合は、その時々の調査結果と過去の調査結果とを比較しましょう。
    調査結果の数値に著しい変化があった従業員に対して、面談などのフォローを実施することも有効です。

    アンケートの頻度と設問数を適切に

    従業員エンゲージメントの調査は、一回のみの実施では従業員に対して大きなインパクトを残しません。
    実施する回数と時期をあらかじめ定めて定点観測し、その結果を人事での施策に落とし込んでいくことが重要です。

    上でも述べたように、従業員エンゲージメントの調査は、従業員ひとりひとりの業務時間を割いて行うものです。
    調査を定期的に行う以上、限られた業務時間の中で調査への負担が最低限に抑えられるよう、アンケートの頻度が多すぎないよう注意しましょう。

    また、アンケートの設問数についても同様です。
    設問が多すぎて従業員の業務に支障をきたすことのないよう、回答に要する時間から逆算し、適切な設問数を設定するよう留意しましょう。

    まとめ

    従業員エンゲージメントは、従業員のモチベーションや生産性の向上に繋がるなど、企業の運営において重要なものです。
    自社で実施する場合も、外部のサービスに委託する場合も、自社が目指すビジョンを見据えたアンケートの設計や設問の設定を行いましょう。
    従業員エンゲージメントそのものをKPIとする場合も、他に重視したいKPIを設定する場合も、従業員エンゲージメントの調査結果を活かし、各KPIを高めていける改善施策を策定・実行していくことが大切です。

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    HR大学 編集部

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