HRBrain

HR大学

人材管理

従業員エンゲージメント・従業員満足度の違いとは?相関関係も紹介

alt

従業員エンゲージメント・従業員満足度の違いとは?相関関係も紹介

目次

    本記事の内容は作成日または更新日現在のものです。本記事の作成日または更新日以後に、本記事で紹介している商品・サービス・企業・法令の内容が変更されている場合がございます。

    従業員エンゲージメントと従業員満足度の違い

    「従業員エンゲージメント」と「従業員満足度」という2つの言葉ですが、「具体的にどこが違うのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。

    この記事では、2つの言葉が示すものやその相関関係、これらを高めるための各社の取り組みなどについて紹介していきたいと思います。まずは、「従業員エンゲージメント」と「従業員満足度」、それぞれの言葉が指し示すものについて解説していきます。

    従業員エンゲージメントとは?

    従業員エンゲージメントとは、企業への「愛着度合い」や「共感度合い」を示す言葉です。「企業理念を深く理解し、主体的に体現したいと思っているか」「企業や同僚に愛着をもっているかどうか」などの意味が含まれます。そのため「与えられた仕事をこなすだけ」「生活のために仕事をしているだけ」といった状態は、従業員エンゲージメントが高い状態とは言えません。

    従業員満足度とは?

    従業員満足度とは、「従業員が労働条件にどれくらい満足しているか」を図る指標のことです。満足度の指標としては、仕事内容・職場環境・人間関係・給与待遇・福利厚生などが挙げられます。そのため、「自分のスキルにあった仕事が割り当てられている」「休暇が取りやすく、仕事とプライベートのバランスが取りやすい」といった状態は、従業員満足度が高い状態と言えます。

    「従業員満足度」において、「愛社精神があるかどうか」はあまり関係ありません。ですが一般的に、従業員満足度が高い会社は、従業員エンゲージメントも高い傾向にあると言われています。

    従業員満足度・従業員エンゲージメント・顧客満足度の関連性

    前述した、従業員満足度・従業員エンゲージメントという言葉のほかに、「顧客満足度」という言葉があります。「顧客が企業のサービスや商品に対してどれくらい満足しているのか」を図る指標のことで、一般的に従業員満足度が高い会社は、従業員エンゲージメントが高く、従業員エンゲージメントが高い会社は、顧客満足度も高い傾向にあると言われています。その相関関係の構図を表すと、以下のようになります。

    スクリーンショット 2022-01-31 11.01.45

    ※画像は一例です。

    従業員満足度の向上が、必ずエンゲージメントの向上に結びつくわけではありませんが、従業員満足度が低い状態では、エンゲージメントの向上を期待することは難しいと言えます。また、エンゲージメントの向上が必ず顧客満足度の向上に結びつくとは限りませんが、エンゲージメントが低い状態で提供されるサービス・商品よりも、エンゲージメントが高い状態で提供されるサービス・商品の方が、顧客満足度の向上は期待できると言えます。

    日本の従業員エンゲージメントは世界最低水準?

    従業員満足度や従業員エンゲージメントは、企業の業績向上や発展を目指すうえで重要な要素になりますが、世界的に見たとき、日本企業のエンゲージメント水準は非常に低いという結果が出ています。

    アメリカの人材コンサルティング会社ギャラップ(Gallup, Inc.)が行った、「熱意のある社員の割合」に関する調査では、日本は139ヵ国中132位という結果になっています。その具体的な割合としては、「熱意のある社員」が6%、「やるきのない社員の割合」が71%、「周囲に不満を漏らす無気力な社員の割合」が23%となっており、実に94%もの社員が仕事や会社に対して無関心、または何らかの不満をかかえている状態である、ということが判明しています。

    オランダの人材サービス会社ランスタッド(Randstad N.V.)が行った、「仕事満足度」に間する国際調査でも、日本は34ヵ国中最下位という結果に終わっています。満足度レベルの内訳としては、「非常に満足している」が42%、「どちらとも言えない」が30%、「不満足」が21%、「分からない」が7%となっています。ちなみに「不満足」の割合にフォーカスした場合、全体平均は8%であるのに対して日本は21%となっているため、平均から10%以上も差があることになります。

    特に接客業では一般的に低い傾向があります。
    低くなりがちな理由や改善施策について知りたい方は
    こちらをご覧ください。

    エンゲージメントを高めるには、まず従業員満足度から?

    「自社の従業員エンゲージメントが低いことは分かっている、でも具体的にどうしたらいいのか分からない」という場合は、まず現在の従業員満足度を調査・改善するところからはじめてみることをおすすめします。

    前述した通り、従業員満足度を上げたからと言って、必ずエンゲージメントが向上するとは限りません。しかし、従業員満足度が低いうちは、エンゲージメントの向上も難しいです。まずは、従業員の不満を出来る限り取り除けるよう、課題を分析して1つずつ改善していくことが大切です。ここでは、従業員満足度を上げるためのキーポイントについて紹介していきたいと思います。

    ポイント1:労働環境を整える

    デスクやPCといった、業務を進めるうえで必要不可欠なものをそろえることはもちろん、在宅勤務制度を整えたり、フレックスタイム制度を整えたりすることで、従業員は働きやすさを感じやすくなります。また、残業時間の管理や有給の取得推奨など、仕事のON/OFFがしやすい環境づくりも大切です。

    ポイント2:社内コミュニケーションを活性化させる

    良好な人間関係を構築するためには、コミュニケーションによってお互いを理解し、尊重し合うことが大切です。部署内だけでなく、社内のさまざまな人と関わり合うことができるように、チャットツールや社内報などを活用すると良いでしょう。仕事のことだけでなく、趣味や好きなことについて自由に発信できるチャンネルがあると、仕事以外の部分についても知ることができ、社員同士の距離感を縮めることにつながります。

    ▽1on1を活用することで、コミュニケーションを活性化するポイントについては、この記事から確認できます。 1on1とは? 従来の面談との違いや効果を高めるコツ

    ポイント3:評価制度を設ける

    従業員が頑張って取り組んだことに対して、評価する機会を創出することは大切です。どんなに一生懸命頑張っていたとしても、誰からも何のリアクションもないと、やりがいを感じることは難しいです。従業員が取ったアクションに対して、定期的に評価・振り返りを行うようにすると良いでしょう。目標設定などを行い、それに対して評価する手法が効果的です。

    ポイント4:適正を考慮した人材配置を行う

    従業員の性格やスキルに適した人材配置を行うことは、仕事内容に対する満足度を高めるうえで重要です。よくありがちなのが「とりあえず人が足りないから異動させる」「とりあず3年経ったから異動させる」というパターンです。

    企業の都合上やむを得ない場合もありますが、従業員本人が今のポジションでやりがいを感じている可能性や、専門性を高めようと思っている可能性もあります。その場合、異動によってモチベーションが低下する恐れがあるため、異動の打診をする際は、従業員の意向についてもヒアリングすると良いでしょう。

    大切なのはやってみること!

    ここまで4つのポイントを紹介してきましたが、大切なのは課題に対して柔軟に対応していくことです。やってみて上手く行かなければ、また別の方法を考えれば良いのです。前例がないからといって「出来ない」と判断するのではなく、どうしたらできるのかを考えて1つずつ改善していくことが重要です。そうすることで少しずつ働く環境が整備され、従業員満足度を向上させることにもつながるでしょう。

    各社の取り組みを紹介!

    課題の洗い出しや施策を考える段階で、「他の企業はどうしているのだろう?」と思うこともあるのではないでしょうか。ここでは、高い満足度・エンゲージメントを維持している企業の取り組みについて紹介していきます。

    株式会社オリエンタルランド

    オリエンタルランドは、お互いのアイディアや取り組みを賞賛し合う組織風土を醸成することで、従業員エンゲージメントを高めることに成功しています。その取り組みの一例を紹介します。

    ■I have アイデア
    ゲストの体験価値を向上させる「商品」や「サービス」を提案することができる制度です。従業員は誰でも提案が可能で、年に1回グランプリが選ばれます。自ら発案したアイディアが、年に約3,000万人ものゲストが訪れるパークで形になることは、大きなやりがいを感じることにつながるでしょう。

    ■スピリット・オブ・東京ディズニーリゾート
    「素晴らしい!」と思ったキャストの行動について、専用のメッセージカードで賞賛する活動です。送られたカードの枚数や、その内容を高く評価されたキャストには「スピリット・アワードピン」が送られます。キャスト同士の絆が深まったり、モチベーションが高まったりするだけでなく、自分自身の新たな強みを発見することにもつながっています。

    株式会社ユーザベース

    ユーザベースは、企業が考える価値・行動基準を明確にすることで、従業員が同じ方向性で業務に取り組めるよう、環境整備を行っています。以下のビジョンとルールを正しく浸透させるため、「カルチャーチーム」と呼ばれる専門ポジションを設置しています。

    ■The 7 Values
    従業員が取るべき行動について迷ったとき、指針となるのが『The 7 Values』です。「迷ったら挑戦する道を選ぶ」「渦中の友を助ける」など、企業が従業員に求めている仕事の取り組み方や、仲間への姿勢について定めています。

    ■31 PROMISES
    上記の7つのバリューについて、具体的な事例を用いて「するべきこと」と「すべきでないこと」を説明しているのが、『31 PROMISES』です。行動指針がより具体的に示されているため、従業員にとっても行動イメージがつきやすく、企業の認識と従業員の認識にズレが生じにくくなっています。

    (例)“迷ったら挑戦する道を選ぶ”
    Do(するべきこと):自ら挑戦することを決めて実行する
    Don’t(すべきでないこと):「権限がないから」と思考停止する

    スターバックスコーヒージャパン

    スターバックスは、従業員ひとりひとりの行動が企業ミッションに基づくものになるよう、4つのフェーズに分けてエンゲージメントの醸成を行っています。

    ■エンゲージメントを育てる4つのフェーズ

    1. ミッションへの共鳴:ミッションに強く共感できる環境で、“こうなりたい”という目標を発見するフェーズ。
    2. ビジョニング&ロールモデル:同じ目標を目指す仲間をロールモデルとして、自分が目指す姿を具体化するフェーズ。
    3. コーチング&フィードバック:目標を達成するために努力し、周りからコーチングやフィードバックをもらうフェーズ。
    4. 内発的動機の醸成:「次はもっとこうしたい、こうなりたい」といった成長の意欲が湧いてくるフェーズ。

    ■グリーン・エプロン・カード制度
    上司・部下関係なく、ミッションやバリューに沿った行動を見つけたら、専用のカードにメッセージを書いて渡す制度です。これによって、お互いの良い行動を称え合うリスペクトの文化が育っています。

    リンクアンドモチベーション

    リンクアンドモチベーションは、スキルや能力をブラッシュアップする機会の提供や、評価制度の整備を通じて、従業員のモチベーション構築・エンゲージメント醸成を行っています。主な取り組みとしては、以下の通りです。

    ■アイカンパニーブランディング制度
    年に2回、従業員ひとりひとりが自分を「株式会社」に見立てて、自身のキャリア展開や今後の行動について記載した「経営企画書」を提出する制度です。自分自身の意向やスタンスを会社と共有する目的で運用されていますが、改めて自分の将来について考える大切な機会にもなっています。

    ■社内留学制度
    他部署の仕事内容に対する理解や、多角的な視点を養うために設けられている制度です。あくまでも一定期間の「留学」であり、異動ではない点が特徴的です。

    ■「即時性」を意識した報酬制度
    3ヵ月ごとに「業績・組織への貢献度合い」と「個人の成長度合い」を指標に評価を行う制度です。一般的な企業と比較しても、タイムリーに成果が給与と結びつく点が特徴的で、従業員のモチベーション維持にもつながっています。

    ▽従業員エンゲージメントについて詳しく知りたい場合は、こちらもご確認ください。
    社員のエンゲージメントを高めるには?明日から実践できる方法も

    従業員エンゲージメント・従業員満足度調査をしよう!

    従業員エンゲージメントや従業員満足度は、従業員を観察しているだけで分かるものではないため、アンケート調査を実施するのがおすすめです。ここでは、スムーズな調査をおこなうための手順とポイントを紹介していきます。

    ①課題をピックアップ!質問を策定する

    まずは、課題だと感じていることを洗い出して、従業員の率直な気持ちが聞けるような質問を考えます。

    質問項目をつくる際に大切なのは、「回答者が負担を感じる量・内容になっていないか」を意識することです。質問の意図が分かりづらい内容であったり、質問数が多すぎたりすると集中力が散漫し、正確な回答が得られない可能性があります。堅すぎない文章で、大体5分~10分程度で応えられる量がおすすめです。

    ②調査目的と調査スケジュールを共有する

    質問項目がそろったら、調査目的と調査スケジュールについて周知します。

    この時に大事なのは、目的とスケジュールを明確にすること、余裕のある回答期間を設けることです。回答期間の目安としては1~2週間ほどに設定するのがおすすめで、回答は業務時間内に行うことが多いため、繁忙期の実施は避けた方が良いでしょう。また、調査目的や回答期間を周知することのほか、フィードバック日程についても明確にしておくと、より回答者の協力意識が高まります。

    ③回答を集計・分析する

    アンケートの回答期間が過ぎたら、集計と分析を行います。

    回答を集めるだけ、集計しただけでは課題の解決にはつながらないため、必ず分析まで行うようにしましょう。そうすることで、「当初課題に感じていたこと」と「実際の回答結果」のギャップや、新たな課題に気づくことができます。

    ④改善策を検討して、回答者へフィードバックを行う

    最後に分析結果から改善策を検討します。また、集計結果・改善策について従業員と共有します。

    課題が明確になった後、すぐに解決策を打ち出すことが難しい場合もあります。そのような状況でも、企業として「どう考えているか」「どういう方向性で取り組んでいきたいか」など、現時点での意向を発信することが重要です。アンケート協力後に何のリアクションもないと、「何のために回答したのか」「意味はあったのか」など、従業員のモチベーションをさらに下げてしまうことにつながります。

    ▽従業員満足度調査について詳しく知りたい場合は、こちらもご確認ください。
    従業員満足度調査(ES調査)のメリットとは?実施時の注意点と便利なツールを紹介

    まとめ

    今後も労働人口の減少傾向は続いていくと予想されています。優秀な人材の確保は企業にとってますます重要な課題になってくることでしょう。人材の定着率を上げるためにも、従業員エンゲージメントや従業員満足度の向上を目指した取り組みは重要です。

    働きやすい環境整備や、愛社精神が育つ組織風土づくり、正当性を感じられる評価制度の仕組みづくりなど、企業ごとの課題に沿って1つずつ着実に改善していくことが求められています。

    HRBrainは、人事評価や人材管理が簡単に行える、クラウド型タレントマネジメントシステムです。カスタマイズ性の高いアンケート機能もあるため、従業員満足度調査などにも役立てることができます。

    また、従業員エクスペリエンスクラウド「EX Intelligence」では、従業員体験における期待値と実感値のギャップを可視化することができます。鮮明に企業の課題を洗い出すことができるため、より価値の高い従業員体験の創造につなげることができるでしょう。

    従業員エクスペリエンスライフサイクル

    例えば、

    • 人材データベースとサーベイの連携で、現状を定量的に把握
    • 現状と理想の差を計測して、組織の課題を抽出
    • 組織課題に加えて個人の課題まで把握することで、離職予兆の分析も可能に
    • 理想の状態に近づけるための施策を、現場・人事両面から実施
    • プロジェクト立ち上げから組織改善まで、HRの専門家がサポート

    といった上記のことを可能にし、企業の人事課題解決をご支援します。

    HRBrainでは、「人事評価の整備をしたいけど、効率的な方法が分からない」「人事領域の業務を効率化して、エンゲージメント向上のための施策考案に注力したい」といったお悩みやご希望についてサポートすることが可能です。是非一度、ご相談・導入を検討してみてください!

    ▽HRBrainの詳細はこちら▽
    • 人材業務の効率化から人材データの一元管理・活用まで HRBrain
    • 人材管理

    • Twitterでシェア
    • Facebookでシェア
    • はてなブックマークでシェア

    HR大学 編集部

    HR大学は、タレントマネジメントシステム・組織診断サーベイを提供するHRBrainが運営する、人事評価や目標管理などの情報をお伝えするメディアです。難しく感じられがちな人事を「やさしく学べる」メディアを目指します。

    • 人的資本経営を成功に導く人事部門のKPIとは
    • 「1on1ミーティング」入門書〜1on1を雑談で終わらせないためには〜

    おすすめ記事