#人材管理
2023/12/05

エンゲージメント改善方法!低下原因の分析から改善アクションと事例まで完全網羅

目次

    エンゲージメントとは、会社に対する愛着心や好意を表す言葉で、従業員の定着率やモチベーションなどに大きく関わる重要な指標です。

    人事異動や新入社員の入社など、環境の変化に伴って変化するエンゲージメントは、新しい環境がスタートした4月〜6月頃に低下しやすいと言われています。

    またその他の時期でも、人事異動や従業員の個人の環境の変化など、エンゲージメント低下にはさまざまな原因があります。

    エンゲージメントが下がる原因や高める方法を理解し、あらかじめ準備しておくことが、人事や管理職には必要です。

    従業員に高いエンゲージメントで高いパフォーマンスをあげてもらうために、従業員のエンゲージメントを向上させる取り組みについて解説します。

    従業員エンゲージメントを高める重要なポイント

    エンゲージメントが下がる理由

    従業員エクスペリエンスを構成するキードライバー

    従業員のエンゲージメントは、「従業員エクスペリエンス(EX)」と密接な関係があります。

    従業員エクスペリエンスは、入社から研修、人事異動に至る、各従業員の体験のことを指します。

    そして、従業員エクスペリエンスが悪いことが、従業員のエンゲージメント低下の要因となります。

    つまり、従業員エンゲージメントを向上させるためには、従業員エクスペリエンスに注目し、各就業体験でどのような課題があるのかを探る必要があります。

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    エンゲージメントが下がる具体的な原因

    エンゲージメントが下がる具体的な原因について確認してみましょう。

    エンゲージメントが下がる原因を知ることは、従業員の生産性を維持するうえでも重要な観点です。

    エンゲージメントが下がる具体的な原因

    • 社内のコミュニケーション不足

    • 仕事へのやりがいが感じられない

    • 業務負担に差異があり公平感が感じられない

    • エンゲージメントが下がる原因が不明

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    社内のコミュニケーション不足

    従業員間で十分なコミュニケーションが取れていない会社は、業務遂行における協働関係を感じづらく、エンゲージメントが下がる傾向があります。

    また、コミュニケーションが不十分な会社は、従業員のエンゲージメントが下がるだけでなく、緊急時の報告スピードが遅くなるなど、重大な問題が発生することもあります。

    仕事へのやりがいが感じられない

    会社へのエンゲージメントが低い原因のひとつに、仕事に対してやりがいを感じられないことがあげられます。

    やりがいの感じられない仕事は、従業員の努力を妨げる原因になります。

    また生産性の低下など、業績への悪影響も考えられるでしょう。

    努力が正当に評価されるかどうかも、従業員のやりがいに大きく関連します。

    努力が正当に評価されないと、やりがいを感じられないばかりか、努力をしなくなる従業員が増える結果になります。

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    業務負担に差異があり公平感が感じられない

    会社が従業員の実態を把握できていないことも、エンゲージメントが低下する原因です。

    例えば従業員ごとに業務負担の差があるにもかかわらず、改善されないことなどが例にあげられるでしょう。

    改善の兆しが見えないと、従業員が会社に対して期待を持たなくなるため、エンゲージメントの低下につながります。

    エンゲージメントが下がる原因が不明

    エンゲージメント低下の原因が分からない場合は、従業員エクスペリエンスを観察し、どこに原因があるのかを探るのがおすすめです。

    従業員が会社に抱いていた期待値と、実際に働いたことで感じるギャップを比較し、その差によって、エンゲージメント低下の原因がどこにあるかを探る事ができます。

    従業員エクスペリエンスの改善によって、従業員エンゲージメントの改善が可能となります。

    エンゲージメントを高めるメリット

    エンゲージメントを高めるメリットについて確認してみましょう。

    エンゲージメントを高めることは、離職率の低下の防止や、顧客満足度を向上させる効果もあり、業績アップにもつながります。

    エンゲージメントを高めるメリット

    • 離職率の低下

    • 顧客満足度が高まる

    • 業績が上がる

    離職率の低下

    エンゲージメントを高めることで離職率の低下が望めます。

    つまり、優秀な人材の流出を防止できます。

    また、採用にかかるコストを軽減できるため、資金の有効活用にもつながるでしょう。

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    顧客満足度が高まる

    エンゲージメントの高い会社は、従業員の自発性や積極性も高い傾向にあります。

    仕事への前向きさが品質にも好影響を与え、結果的に顧客満足度の向上にもつながります。

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    業績が上がる

    業績は、エンゲージメントの高さに比例して向上する傾向にあります。

    株式会社リンクアンドモチベーションが2018年9月に発表した研究では、従業員エンゲージメントが1ポイント向上するごとに、営業利益率が0.35%上昇するとされています。

    (参考)株式会社リンクアンドモチベーション「『エンゲージメントと企業業績』に関する研究結果を公開

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    エンゲージメントを改善するための取り組み

    エンゲージメントを改善するための取り組みについて確認してみましょう。

    エンゲージメントを改善するためには、1on1の定期的な実施、目標設定の見直し、従業員サーベイの実施など、従業員エクスペリエンスを改善するための取り組みが必要です。

    エンゲージメントを改善するための取り組み

    • 1on1の実施

    • 目標設定の見直し

    • 従業員サーベイの実施

    1on1の実施

    社内のコミュニケーション不足に対しては、定期的な1on1の実施がおすすめです。

    従業員同士が会話をする機会を定期的に作ることにより、従業員同士の相互理解につながります。

    1on1を実施する目的の整理や内容の設定など、意味のある1on1にするための事前準備も大切です。

    コーチングスキルやコミュニケーションスキルなど、1on1を実施するうえで重要なスキルのレベルアップもあわせて行っておきましょう。

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    目標設定の見直し

    「やりがいが感じられないこと」が原因でのエンゲージメントの低下は、適切な目標設定をすることで改善が可能です。

    目標設定の見直しは従業員だけでなく、人事や管理職にとっても重要な観点です。

    従業員がどのような目標を持っているかを理解することで、効果的な人材育成にもつながります。

    また、目標達成のためにどのようなアクションをするべきかを従業員と一緒に考えることで、従業員のモチベーションも向上します。

    従業員ひとりひとりの目標にしっかりと向き合える環境を整備するようにしましょう。

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    従業員サーベイの実施

    業務負担の差など目に見えづらい課題に関しては、従業員サーベイを実施し改善につなげることで、エンゲージメントの向上が期待できます。

    従業員サーベイは、従業員の実態を正しく把握し、改善につなげるために大切です。

    従業員が会社に対してどのような意見を持っているかを、客観的に分析する資料になります。

    また従業員サーベイは、言葉に出しづらい不満や懸念を文章化する効果もあるため、顕在化していない従業員の要望を可視化する事ができます。

    従業員と会社の間にどのような差異があるのかを把握し、エンゲージメントの向上に努めましょう。

    ▼「従業員サーベイ」についてさらに詳しく
    従業員サーベイとは?メリット・デメリットと実施時の注意点を解説

    ▼「組織診断サーベイ」についてさらに詳しく
    組織サーベイとは?目的や従業員満足度調査・社内アンケートとの違いを解説
    サーベイにおける3つの壁を突破する方法

    エンゲージメント改善事例

    従業員エクスペリエンスの改善を通じて、エンゲージメントの向上に取り組んでいる企業の具体的な事例について確認してみましょう。

    エンゲージメント改善事例:株式会社TBSアクト

    1on1の定期的な実施でエンゲージメント向上

    株式会社TBSアクトでは、定期的な1on1の実施やそのログの蓄積に取り組んでいます。

    また、従業員同士の相互理解や社内コミュニケーションの活性化など、エンゲージメントにつながる対応もあわせて進めています。

    さらに、従業員サーベイの実施による適材適所の実現など、1on1では対応しきれない部分もしっかり補填しています。

    株式会社TBSアクト

    (参考)HRBrain「株式会社TBSアクトが『HRBrain』を導入。新会社設立を機に改変される人事評価制度のスムーズな運用を目指す。

    ▼導入システム
    HRBrain タレントマネジメント

    ▼「タレントマネジメント」についてさらに詳しく
    【完全版】タレントマネジメントとは?基本・実践、導入方法まで解説
    タレントマネジメントシステムの課題とは? 目的・導入の課題と成功事例まで
    【人事担当者必見】タレントマネジメントに関するお役立ち資料まとめ

    エンゲージメント改善事例:株式会社千葉キャリ

    従業員が目標設定を設定し自走型組織へ

    株式会社千葉キャリでは、目標設定のすり合わせと、1on1文化の定着を通して、従業員エンゲージメントの向上に取り組んでいます。

    HRBrainを導入し、従業員ひとりひとりがしっかりと目標を立てチャレンジすることで、MBOのアクションプランの調整をする必要がなくなりました。

    また、1on1で話す内容についても、目標に対する進捗管理の話は本当に簡単に済むようになったため「この先のビジネスをどうしていくか」というような、少し大きな話ができるようになったことが、エンゲージメントを高める要因になりました。

    株式会社千葉キャリ

    ▼「株式会社千葉キャリ導入事例」はこちら
    株式会社千葉キャリ | 導入事例

    ▼導入システム
    HRBrain タレントマネジメント

    エンゲージメント改善事例:ドギーマンハヤシ株式会社

    従業員サーベイで現状把握と離職対策を実施

    ドギーマンハヤシ株式会社では、従業員サーベイを通して従業員のエンゲージメント調査を実施していくだけではなく、ハイパフォーマーの離職を予兆する施策も視野に入れています。

    従業員サーベイは、従業員の状態を把握するために重要な指標です。

    特に、継続的に調査を実施することで、前回に比べてどうなのか、改善した箇所がどこなのかが可視化できます。

    エンゲージメントを向上させるために、組織の状態の可視化はもちろんですが、従業員ひとりひとりの状態を可視化し、離職防止やエンゲージメントの低下を発見することで、早期の対策が可能となります。

    ドギーマンハヤシ株式会社

    (参考)HRBrain「ドギーマンハヤシ株式会社が『HRBrain』を導入。人事情報を一元管理し、分析・活用をふまえた人材データベースを構築。

    ▼導入システム
    HRBrain タレントマネジメント

    エンゲージメント改善事例:TOPPANホールディングス株式会社

    サーベイで従業員エクスペリエンスを定期モニタリンクすることで生産性を最大化

    TOPPANホールディングス株式会社では、労働人口が減少する中、従業員ひとりひとりの生産性を最大限に引き出すために、従業員エンゲージメントの向上が経営課題となっています。

    管理者目線での生産性至上主義、管理監督型マネジメント、一方向型マネジメントではなく、従業員ひとりひとりのエクスペリエンス(体験、経験)に光を当て、それらを可視化し、改善を重ねる「共創・対話型マネジメント」へのシフトを目的とし、従業員エクスペリエンスの定期的なモニタリングを行っています。

    TOPPANホールディングス株式会社

    (参考)HRBrain「凸版印刷がトッパングループ23社でHRBrainの『EX Intelligence』を導入、従業員エクスペリエンスの向上・人的資本開示への取り組み強化へ

    ▼導入システム
    HRBrain 組織診断サーベイ EX Intelligence

    ▼「HRBrain導入事例」についてさらに詳しく
    導入事例 | HRBrain

    エンゲージメントを高めるカギは従業員エクスペリエンス

    鍵は従業員エクスペリエンスにあり!従業員エンゲージメントを高める重要なポイント

    エンゲージメントは、会社に対する愛着心や好意を表す言葉で、従業員の定着率やモチベーションなどに大きく関わる重要な指標でエンゲージメントは、新しい環境がスタートする時期や、人事異動など従業員の個人の環境の変化があるタイミングで低下しやすいと言われています。

    エンゲージメントが下がる原因や高める方法を理解し、あらかじめ準備しておくことが、人事や管理職には必要です。

    また、従業員のエンゲージメントは、入社から研修、人事異動に至る、各従業員の体験である「従業員エクスペリエンス(EX)」と密接な関係があります。

    そして、従業員エクスペリエンスが悪いことが、従業員のエンゲージメント低下の要因となります。

    つまり、従業員エンゲージメントを向上させるためには、従業員エクスペリエンスに注目し、各就業体験でどのような課題があるのかを探る必要があります。

    株式会社HRBrain 吉田 達揮
    吉田 達揮
    • 株式会社HRBrain 執行役員

    • ビジネス統括本部 本部長

    • 人的資本TIMES編集長

    新卒で東証プライム 総合人材サービス企業に入社。2020年HRBrainに入社。
    人事制度コンサルティング部門の立ち上げから大手企業向けのクラウド営業に従事。
    また社内タレントマネジメントのユニットの立ち上げと運営を担当。
    以後、事業企画にてゼネラルマネージャーとして全社戦略の策定・推進を担当。
    その後、組織診断サーベイ「EX Intelligence」を提供しているEX事業本部を管掌。
    2022年4月に執行役員へ就任。2023年4月よりビジネス統括本部の本部長として全体を統括。「人的資本TIMES」の編集長も兼務。

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