人材育成
2022/01/25
職場適性とは?自分に合う職業を見つけるポイントについて
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就職を考えている方は、「自分に合う仕事を探したい」や「やりたい仕事に就きたい」と思うのが普通ではないでしょうか。
しかし、実際に働いている人で自分に合った仕事ややりたい仕事に就けている人は少ないかもしれません。
その理由は、自分に合う仕事に就くには、自分の気持ちを正確に理解した上で合うと判断し、その会社に選んでもらう必要があるため、かなり困難と言えます。
今回は、そもそも自分に合う仕事とは何かや、自分に合う仕事を見つけるために注意すべきポイントを解説します。
そもそも職場適性とは?
ここからは職場適性や時として職業適性と呼ばれるものが何を指すのか解説します。
適性の定義
まず先に、そもそも「適性」の定義を確認すると、「性格や性質が、その物事に適していること。」と定義されています。※参照「Weblio辞書」
つまり、社会で使用する適性というワードには、「課題や目標に対して正確に対応できる能力や知能、性格を要している」と言った意味が含まれるでしょう。
適性審査がある職業で有名な例を出すと、飛行機の操縦士であるパイロットは、パイロットになる前にふさわしい素質が備わっているか適性検査が行われます。
パイロットに必要な能力をイメージすると、「英語が話せる」、「視力がいい」、「身体能力が高い」など様々ありますが、これらひとつが長けているだけではパイロットに向いているとは限りません。
英語がスラスラと話せるだけでパイロットになるには難しく、パイロットに必要なスキル・性格をバランスよく持った人が適性検査で合格する可能性は高いでしょう。
パイロットの例をもとに考えると、適性とはその職場の仕事・課題を解決するためにふさわしい能力や潜在的資質などがバランスよく備わっていることを意味します。
一人ひとりが持つ適性要因
職場適性が高い人とは、職場の仕事や課題を解決するための素質をバランスよく持った人を指しますが、人間はどういった適性要因を保有しているのでしょうか。
人間の適性要因は大きく分けて2つあると言われており、一つ目は能力、二つ目にパーソナリティがあります。
ここからは能力とパーソナリティを詳しく解説します。
能力
人間は、生まれてから技術と知能を身につけながら成長し、こうした技術や知能は人間の能力と呼ばれる要素になります。
社会人になるまでの約20年間でどういった技術や知識を身につけるかは人それぞれで異なり、人によって得意な分野、業種が異なります。
パーソナリティ
能力の他にも人間が保有しているもので、パーソナリティがあります。
これは生まれながら身につけている性格の部分や、人生で経験した価値観などがこれに含まれ、能力と同じで所持しているパーソナリティは人それぞれ違うため、向いている職業も異なります。
職種でわかる自分の職場適性
自分の個性や能力に合った職種を見つけたいけどなかなか見つけられないという方も多いのではないでしょうか。
しかし、世の中にどう言った職種があるのかを理解していなければ自分に合う職種は見つかりにくいかもしれません。
社会に存在する職種は、以下の6つのカテゴリーに分かれると言われていますので、自分に合う職種を探してみましょう。
企業的職種
企業的な職種というのは、企画立案や新しい計画を立てることが主な業務で、自らイニシアティブをとった行動が求められます。
所属するグループや会社全体に貢献したいと強く思える人が多く、論理的思考を得意としている人が当てはまります。
具体的な職種では、総務、人事や経理などの管理部門業務、マーケティングや商品開発といった企画職です。
社会的職種
社会的な職種は、人と一緒に働き、大きな成果を出すことが多く、また顧客をサポートする役割が求められる職種です。
必要な資質としては、人とのコミュニケーションを楽しめ、人と関わることが好きな性格の人が当てはまります。
具体的な職種は、コンサルタントやカウンセラー、営業職や接客職が含まれます。
現実的職種
現実的職種では、機械や車両を扱うのが得意で、モノづくりを主に行う職種です。
メカニック的な分野に関心が高く、手先が器用な人は現実的職種に向いていると言われています。
具体的な職種は、技術職、エンジニア、大工、機械オペレーターなどが含まれます。
芸術的職種
芸術的職種とは、美術や音楽、時には文学といった芸術分野に高い関心があり、自ら何かを生み出せる人が当てはまります。
感受性が豊かで、自分が見たり感じたりするものに人とは違った感性を得られる人や自らの個性を大切にできる人が向いているとされています。
具体的な職種では、クリエイティブ職が主に該当し、デザイナーやカメラマン、ウェディングデザイナーなどです。
研究的職種
研究的な職種とは、自らで研究や実験を行い、携わっている分野や知識を極めることができる人が向いているとされています。
感じたことや思ったことで考えを膨らませるのではなく、論理的根拠に基づいた考えを得意としている人が当てはまります。
具体的な職種では、研究・開発職がこれに含まれ、エンジニアやプログラマーなども該当するのです。
慣習的職種
慣習的な職種というのは、ある一定の習慣や規則にしたがって行動するのが得意で、堅実な性格の人が向いているとされています。
ルーティンワークが好きで、計画性を持ちながら仕事ができる人は慣習的職種が向いているでしょう。
具体的な職種では、事務的な業務がこれに当てはまり、会計職、窓口業務や受付業務が該当します。
自分に合った職場はこの観点で探そう!
ここからは、自分に合った職業を見つける上でポイントとなる考え方、コツを解説します。
没頭できる職種であるか
今までの人生経験の中で、何時間でも没頭できたこと、気づいたらかなりの時間が経っていたといったことがないか再確認してみましょう。
過去に転職を経験している方は、これまでの業務経験の中でそういった仕事がなかったか確認してみてください。
もし転職経験がなく、一つの会社のみ経験している方や、これから社会に出る方は、今までの人生の中でアルバイトや部活動の経験、学校生活や日常生活で没頭できたことがないかも思い出してみましょう。
人生の中で自然と没頭できたことを見つけられれば、自分にあった仕事を見つけるチャンスです。
自分の気持ちに素直になって、自分が夢中になれることや分野を確認してみて、それに関連した仕事がないか確認してみてください。
これまでどのようなことをして評価をもらったか
これまでの人生経験の中で、人から評価してもらったことや褒めてもらったことが自分に向いている仕事の場合もあります。
自分自身では向いていないと感じている事でも、自分が気づいていないだけの可能性もあるため、過去に人から評価してもらったことは何か思い出してみましょう。
具体的な仕事に対して評価してもらったことや、自身の潜在的能力、行動などを褒めてもらった経験を思い出し、その内容に関連する仕事を探してみてください。
自分が「やりたくない」ことは何か
自然と没頭できることを探すのもおすすめですが、その反対にやりたくないことや苦手なことを考えてみるのもいいでしょう。
今までの人生経験の中で、やりたくないと感じたことを紙に書き出し、その分野は避けるようにして職業を見つけてみましょう。
やりたくない分野に該当する職種を選択肢から消し、消去法で残った業種を整理することで、興味がある職業を見つけられるかもしれません。
客観的な意見はどうか
上述した内容を試してみても自分の向いている仕事が見つからない場合は、キャリアアドバイザーからの客観的な意見を参考にしてみるのもいいでしょう。
自分に合った仕事を見つける時は、自分自身が優れているだと思う分野ではなく、他者から見て優れている分野を選ぶ方がいいとも言われています。
キャリアアドバイザーなどの人を見るプロに自身の強みを探してもらい、その強みに合った業務を探してみるのも方法のひとつです。
適正診断の結果はどうか
他人の意見を参考にする際の方法として、適性診断の活用もあります。
簡単な質問に答えるだけの診断で、自分でも気づかなかった潜在的な能力を把握できることもあります。
自分に合うと診断された職業を自分自身でも本当に合うのかを考えることで、自分の気持ちを整理できるのも利点です。
職場適性が合致することによるメリット
仕事をする上で自分に合った仕事に就くことでどういったメリットがあるのか、従業員目線と企業目線で解説します。
従業員目線
まずは従業員目線のメリットです。
責任感が持てる
自分に合った仕事に就くことで、日々の仕事に責任を感じながら業務にあたれます。
責任感のある仕事を行うことで、自身の更なる成長やパフォーマンスの質向上などが期待でき、職場内からの信頼は厚くなります。
こうした周りからの評価がさらに責任感を生み、好循環で社会人生活を歩めるでしょう。
ストレスを感じにくい
自分に向いていること、好きなことに集中できる時間はストレスを感じにくい傾向にあります。
現在の日本はストレス社会と謳われ、ストレスを感じないで働くのは困難な時代になりました。
自分が担当している業務が自身のストレスを軽減できれば、ストレス社会で生き抜く大きな武器にできます。
やりがいが持てる
自分に向いている職業に就くことで、自分が組織やプロジェクトにどう貢献できるかが明確になりやすく、その分やりがいも感じながら仕事ができます。
日々の業務にやりがいを感じられると、多少のストレスや疲れを感じても次への糧に変えられるでしょう。
企業目線
次に企業にとってのメリットをご紹介します。
労働生産性のアップ
社員が自身の業務の適性を感じられる場合、労働生産性が向上する可能性があります。
上述したように、従業員が自分に合った仕事を行うことで、仕事への責任感ややりがいを感じる環境につながり、意欲的に業務に打ち込めます。
こうした環境が生産性向上につながり、企業の業績アップにもつながるのです。
離職率の低下
会社を退職するときの理由で特に多いものは、ストレスや仕事のやりがいを感じられないなどがあると言われています。
自分に合った職種に就いている従業員は、こうした問題を抱えにくい傾向にあり、こうした従業員が増えることで社内の離職率は低下するでしょう。
離職率低下は優秀な人材確保と、教育への時間とコスト削減につながり、企業にとって大きなメリットと言えます。
雰囲気の良い職場づくりにつながる
上述したように、自分に合った仕事はストレス軽減や仕事へのやりがい、責任感を持ちながらの仕事につながり、社員は意欲的に業務に集中できます。
こうした環境が従業員間でお互いを思いやる余裕を生み出し、雰囲気のいい職場づくりにつながるでしょう。
適正のない職場に居続けるリスク
自分には合わないと思っても、将来変わるかもしれないとすぐには辞める決断はできない人が多いのではないでしょうか。
同じ職場に残るのも問題ないですが、自分に合わないと思いながら働くことによるリスクも発生します。
ここからは適性のない職場にいることで発生するリスクについて解説します。
成長のチャンスを逃す
やりがいを感じられない仕事では仕事に意欲的に向き合えず、成長できないまま時間を過ごしてしまう可能性があります。
仕事の中でやりがいを見出すために工夫しても感じられない場合は、自分が夢中になれる仕事や分野はないか一生懸命探してみましょう。
自然と夢中になれる仕事を行うことで、新たな発見や知識が身につくこともあります。
ストレスが溜まり続ける
人間は、自分が主体的に行動できない時や、嫌なことをやり続けることでストレスが溜まりやすい環境になります。
また、仕事だけではなく、人間関係が合わなかったり雰囲気が合わなかったりすると精神的な疲労を感じやすくなり、自分でも気づかないうちに精神的な不調につながることもあります。
合わないと感じた時は、自分に素直になって違う道を検討できるくらいの余裕を持てるように意識して生活してみましょう。
転職のタイミングを失う
自分に転職を希望する企業に入れる能力や資格があったとしても、時期とタイミングが合わなければチャンスを失ってしまうこともあります。
他にやりたいことが見つかった場合は、躊躇せずに転職を決断することをおすすめします。
当然ながら転職したのちに「前の職場の方がよかった」と感じることがないように、自分が本当にやりたいことは何かを日々向き合った上で転職先を設定しましょう。
今いる職場が合わないと感じた場合の対策
ここからは、自分の会社・職場が合わないと感じた時に行うべき対策を解説します。
適正診断をした上で転職を検討する
今いる会社以外に自分に合った会社・職種はないか探してみましょう。
他の職種を探す際に注意すべきポイントは、現在の職場が合わない原因をしっかりと把握することです。
職種が合わないのか、人間関係が合わないのか、それによって次に選ぶべき進路が変わってきます。
合わない原因を見つけた後、適性診断で自分に合う職業を確認した上で転職を検討しましょう。
異動願いを出してみる
会社内に様々な部署が存在し、各部署で職場の雰囲気が違う場合他の部署に異動希望を出してみるのもいいでしょう。
しかし、会社に在籍する従業員数が多い場合、異動希望を出しても通らない可能性があるため、転職も考えながら行うのがおすすめです。
また、他の部署に知り合いがいる方は、働いている環境について話を聞いて自分に合うか確認しましょう。
自身が抱えている悩みは、他の部署に行っても存在する可能性もあり、特に人間関係の問題は会社風土から発生している場合があります。
もし他の部署に知り合いがいなくても、同じ会社なら働いているオフィスを覗ける可能性もありますので、自分の目で確認することも意識しましょう。
会社に相談をしてみる
合わないと感じた際は勇気を出して職場の上司や、上司に相談しづらい場合は人事部門の担当者に相談してみましょう。
しっかりとした理由があれば、会社側も従業員の意向を汲み取ってくれ、異動などの措置をとってくれることもあります。
また、相談した時の会社側の対応も自分に合った会社なのか判断する材料になるでしょう。
自身の想いを伝えてもしっかりと対応してくれなかったり、自分の考え方を改めるように言われたりした場合は会社の方針と自身の考えが合わない可能性があります。
感情的に動くのではなく、会社がどういった行動をとってくれるのか確認できるくらいの余裕を持ちながら相談してみましょう。
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