#人材育成
2024/04/08

職業適性(職場適性)とは?自分に合った職場や向いている仕事を見つけるポイントを解説

目次

    職業適性(職場適性)とは、従業員の能力やスキルの職業や職務との適性や、価値観や性格が組織文化や職場環境、マネジメントなどに適応しているかを表す言葉で、「課題や目標に対して正確に対応できる能力や知能、性格を要している」と言った意味が含まれています。

    職業適性を見極めることは、従業員と企業の双方にメリットがあります。

    この記事では、職業適性(職場適性)とはどういう意味なのか、職業適性を見極める方法、職業適性のある職場で働くことで得られるメリット、職業適性のない職場でのリスクと対処方法について解説します。

    職業適性を見極めるためのデータ管理

    職業適性(職場適性)とは?

    職業適性(職場適性)とは、従業員の能力やスキルの職業や職務との適性や、価値観や性格が組織文化や職場環境、マネジメントなどに適応しているかを表す言葉です。

    職業適性の「適性」とは、Weblio辞書では「性格や性質が、その物事に適していること。」と定義されていて、社会で適性という言葉を使用する際には、「課題や目標に対して正確に対応できる能力や知能、性格を要している」と言った意味が含まれています。

    (参考)Weblio辞書「『適性』の意味や使い方

    職業適性検査の具体例

    職業適性検査がある職業で有名な例は、飛行機の操縦士であるパイロットです。パイロットになる前にふさわしい素質が備わっているかの適性検査が行われます。

    パイロットに必要な能力をイメージすると、「英語が話せる」「視力がいい」「身体能力が高い」などさまざまな能力がありますが、1つの能力に長けているだけではパイロットに向いているとは言えません。

    例えば、英語がスラスラと話せるだけではパイロットになるのは難しく、パイロットに必要なスキルや性格をバランスよく持った人が、パイロットの職業適性検査で合格する可能性が高いでしょう。

    パイロットの例をもとに考えると、職業適性とは「職場の仕事や課題を解決するためにふさわしい能力や潜在的資質などがバランスよく備わっていること」を意味します。

    職業適性と人間の適性要因

    職業適性が高い人とは、職場の仕事や課題を解決するための素質をバランスよく持った人を指しますが、人間はどういった適性要因を保有しているのかについて確認してみましょう。

    人間の適性要因は大きく分けて、「能力」と「パーソナリティ」の2つと言われています。

    人間の適性要因

    1. 能力
    2. パーソナリティ

    能力

    人間は、生まれてから技術と知能を身に付けながら成長します。

    こうした技術や知能は人間の「能力」と呼ばれる要素になります。

    社会人になるまでの約20年間で、どういった技術や知識を身につけるかは人それぞれで異なり、人によって得意な分野や業種が異なります。

    パーソナリティ

    パーソナリティは、生まれながら身に付けている性格や、人生で経験した価値観などが含まれ、能力と同様に所持しているパーソナリティは人それぞれ違うため、向いている職業も異なります。

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    職業適性と6つの職種

    自分の個性や能力に合った職種を見つけるためには、世の中にある職種を理解している必要があるかもしれません。

    社会に存在する職種は、大きく6つのカテゴリーに分かれると言われています。6つの職種から自分に合う職種を探してみましょう。

    企業的職種

    企業的職種とは、企画立案や新しい計画を立てることが主な業務で、自らイニシアティブをとった行動が求められます。

    所属するグループや会社全体に貢献したいと強く思える人が多く、論理的思考を得意としている人が当てはまります。

    具体的な職種では、総務、人事、経理などの管理部門業務、マーケティングや商品開発といった企画職です。

    社会的職種

    社会的職種とは、人と一緒に働き、大きな成果を出すことが多く、また顧客をサポートする役割が求められる職種です。

    必要な資質としては、人とのコミュニケーションを楽しめ、人と関わることが好きな性格の人が当てはまります。

    具体的な職種は、コンサルタントやカウンセラー、営業職や接客職が含まれます。

    現実的職種

    現実的職種とは、機械や車両を扱うのが得意で、モノづくりを主に行う職種です。

    メカニック的な分野に関心が高く、手先が器用な人は現実的職種に向いていると言われています。

    具体的な職種は、技術職、エンジニア、大工、機械オペレーターなどが含まれます。

    芸術的職種

    芸術的職種とは、美術や音楽、文学といった芸術分野に高い関心があり、自ら何かを生み出すことができる人が当てはまります。

    感受性が豊かで、自分が見たり感じたりするものに人とは違った感性を得られる人や、自らの個性を大切にできる人が向いていると言われています。

    具体的な職種では、主にクリエイティブ職が該当し、デザイナー、カメラマン、ウェディングデザイナーなどです。

    研究的職種

    研究的職種とは、自らで研究や実験を行い、携わっている分野の知識を極めることができる人が向いていると言われています。

    感じたことや思ったことを基に考えを膨らませるのではなく、論理的根拠に基づいて考えることを得意としている人が当てはまります。

    具体的な職種では、研究・開発職、エンジニア、プログラマーなどが該当します。

    慣習的職種

    慣習的職種とは、ある一定の習慣や規則にしたがって行動するのが得意で、堅実な性格の人が向いているとされています。

    ルーティンワークが好きで、計画性を持ちながら仕事ができる人は慣習的職種が向いているでしょう。

    具体的な職種では、事務的な業務がこれに当てはまり、会計職、窓口業務や受付業務が該当します。

    職業適性の見分け方

    職業適性を見分けるためのポイントとなる考え方とコツについて確認してみましょう。

    職業適性の見分け方

    • 没頭できる職種か

    • これまでどのようなことで評価されたか

    • 自分が「やりたくない」ことは何か

    • 客観的な意見はどうか

    • 適正診断の結果はどうか

    没頭できる職種か

    今までの人生経験の中で、何時間でも没頭できたことがないか再確認してみましょう。

    過去に転職を経験している人は、これまでの業務経験の中で、没頭出来た仕事がなかったかを確認してみてください。

    転職経験がない場合や、これから社会に出る場合は、今までの人生の中で、アルバイト、部活動、学校生活、日常生活で没頭できたことがないかを思い出してみましょう。

    人生の中で自然と没頭できたことを見つけられれば、自分に合った仕事を見つけるチャンスです。

    自分が夢中になれることや分野を確認してみて、それに関連した仕事がないか確認してみてください。

    これまでどのようなことで評価されたか

    これまでの人生経験の中で、人から評価してもらったことや褒めてもらったことが自分に向いている仕事の場合もあります。

    自分自身では向いていないと感じている事でも、自分が気づいていないだけの可能性もあるため、過去に人から評価してもらったことは何かを思い出してみましょう。

    具体的な仕事に対して評価してもらったことや、自身の潜在的能力、行動などを褒めてもらった経験を思い出し、それに関連する仕事を探してみてください。

    自分が「やりたくない」ことは何か

    自然と没頭できることを探すのとは反対に、やりたくないことや苦手なことを考えてみるのも良いでしょう。

    今までの人生経験の中で、やりたくないと感じたことを洗い出し、その分野は避けるようにして職業を見つけてみましょう。

    やりたくない分野に該当する職種を選択肢から消し、消去法で残った業種を整理することで、興味がある職業を見つけられるかもしれません。

    客観的な意見はどうか

    自分の向いている仕事がどうしても分からないという場合は、キャリアアドバイザーからの客観的な意見を参考にしてみるのも良いでしょう。

    自分に合った仕事を見つける際は、自分自身が優れていると思う分野ではなく、他者から見て優れている分野を選ぶ方が良いとも言われています。

    キャリアアドバイザーなど、人を見るプロに自身の強みを探してもらい、強みに合った業務を探してみましょう。

    職業適性診断の結果はどうか

    客観的な意見を参考にする際の方法として、職業適性診断の活用もあります。

    簡単な質問に答えるだけの診断で、自分でも気づかなかった潜在的な能力を把握できることもあります。

    自分に合うと診断された職業について、自分自身でも本当に合うのかを考えることで、自分の気持ちを整理できるのも利点です。

    職業適性が合うことで得られるメリット

    職業適性が合う仕事に就くことで得られるメリットについて、従業員と企業の2つの立場に分けて確認してみましょう。

    職業適性が合うことで従業員が得られるメリット

    職業適性が合うことで従業員が得られるメリットについて確認してみましょう。

    • ストレスを感じにくい

    自分に向いていること、好きなことに集中できる時間はストレスを感じにくい傾向にあります。ストレス社会と言われている日本では、ストレスを感じないで働くのは困難な時代になりました。自分が担当している業務が自身のストレスを軽減できれば、ストレス社会で生き抜く大きな武器にできます。

    • やりがいが持てる

    自分に向いている職業に就くことで、自分が組織やプロジェクトにどう貢献できるかが明確になりやすく、その分やりがいを感じながら仕事をすることができます。日々の業務にやりがいを感じられると、モチベーションも上がり、多少のストレスや疲れを感じても次への糧に変えられるでしょう。

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    職業適性が合うことで企業が得られるメリット

    従業員の職業適性が合うことで企業が得られるメリットについて確認してみましょう。

    • 労働生産性のアップ

    従業員が自身の業務に適性を感じられる場合、労働生産性が向上する可能性があります。従業員が自分に合った仕事を行うことで、仕事への責任感ややりがいを感じる環境につながり、意欲的に業務に打ち込めます。こうした環境が生産性向上につながり、企業の業績アップにもつながります。

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    • 離職率の低下

    離職理由で特に多いものは、「仕事でのストレス」や「仕事のやりがいを感じられない」ということだと言われています。自分に合った職種に就いている従業員は、離職につながる問題を抱えにくい傾向にあるため、職業適性が合う従業員が増えることで社内の離職率も低下すると考えられます。離職率の低下は優秀な人材確保と、人材育成へのコスト削減につながり、企業にとっても大きなメリットと言えます。

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    雰囲気の良い職場づくりにつながる

    職業適性の合った仕事はストレス軽減や仕事へのやりがい、責任感を持ちながらの仕事につながり、従業員は意欲的に業務に取り組むことができます。こうした職場環境によって、従業員がお互いを思いやる余裕を生み出し、雰囲気の良い職場づくりにつながります。

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    職業適性のない職場に居続けるリスク

    職業適性のない職場だと思っても、すぐには辞める決断はできず、合わないと思いながら働き続ける場合もあります。

    職業適性のない職場にいることで発生するリスクについて確認してみましょう。

    職業適性のない職場に居続けるリスク

    • 成長のチャンスを逃す

    • ストレスが溜まり続ける

    • 転職のタイミングを失う

    成長のチャンスを逃す

    職業適性がなくやりがいを感じられない仕事では、仕事に意欲的に向き合えず、成長できないまま時間を過ごしてしまう可能性があります。

    仕事の中でやりがいを見出すために工夫をしてみても、やりがいを感じられない場合は、自分が夢中になれる仕事や分野はないかを探してみましょう。

    自然と夢中になれる仕事を行うことで、新たな発見や知識が身につくこともあります。

    ストレスが溜まり続ける

    自分が主体的に行動できない時や、嫌なことをやり続けなければいけない場合、ストレスが溜まりやすい状態になります。

    また、仕事だけではなく、人間関係が合わなかったり、職場の雰囲気が合わなかったりすると精神的な疲労を感じやすくなり、自分でも気付かないうちに精神的な不調につながることもあります。

    職業適性がないと感じた際は、自分の気持ちに素直になって違う道を検討できるくらいの余裕を持てるように意識して生活してみましょう。

    転職のタイミングを失う

    転職を希望する企業に入れる能力や資格があったとしても、時期とタイミングが合わなければ、転職のチャンスを失ってしまうこともあります。

    他にやりたいことが見つかった場合は、躊躇せずに転職を決断することをおすすめします。

    当然ながら転職したのちに「前の職場の方がよかった」と感じることがないように、自分が本当にやりたいことは何かについて、十分向き合ったうえで転職先を決定しましょう。

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    職業適性がないと感じた場合

    自分が働いている職場や職種に対して職業適性がないと感じた場合に行うべき対策について確認してみましょう。

    職業適性がないと感じた場合

    • 職業適性診断を受けたうえで転職を検討する

    • 異動願いを出す

    • 会社に相談する

    職業適性診断を受けたうえで転職を検討する

    今いる会社以外に自分に合った会社や職種はないかを探してみましょう。

    他の会社や職種を探す際に注意すべきポイントは、現在の職場が合わない原因をしっかりと把握することです。

    「職種が合わないのか」「人間関係が合わないのか」「雰囲気が合わないのか」などによって次に選ぶべき進路が変わってきます。

    現在の職場が合わない原因を見つけた後、職業適性診断で自分に合う職業を確認した上で転職を検討しましょう。

    異動願いを出す

    会社内にさまざまな部署が存在し、各部署で職場の雰囲気が違う場合は、他の部署に異動希望を出してみるのも良いでしょう。

    しかし、会社に在籍する従業員数が多い場合、異動希望を出しても通らない可能性があるため、転職も考えながら行うのが良いでしょう。

    また、他の部署に知り合いがいる場合は、働いている環境について話を聞いて自分に合うかを確認しましょう。

    自身が抱えている悩みは、他の部署に行っても存在する可能性もあり、特に人間関係の問題は会社の風土から発生している場合があります。

    もし他の部署に知り合いがいなくても、同じ会社なら働いているオフィスを覗ける可能性もあるため、自分の目で確認することも意識しましょう。

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    会社に相談する

    職業適性がないと感じた場合、勇気を出して職場の上司や人事部門の担当者に相談してみましょう。

    しっかりとした理由があれば、会社側も従業員の意向を汲み取り、異動などの措置を取ってくれる場合もあります。

    また、相談した際の会社側の対応も自分に合った会社なのかを判断する材料になるでしょう。

    自身の想いを伝えてもしっかりと対応してくれなかったり、自分の考え方を改めるように言われた場合は会社の方針と自身の考えが合わない可能性があります。

    感情的に動くのではなく、会社がどういった行動を取ってくれるのかを、確認ができるくらいの余裕を持ちながら相談してみましょう。

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    職業適性を見極めることは従業員と企業の双方にメリットがある

    職業適性(職場適性)とは、従業員の能力やスキルの職業や職務との適性や、価値観や性格が組織文化や職場環境、マネジメントなどに適応しているかを表す言葉です。

    社会で適性という言葉を使用する際には、「課題や目標に対して正確に対応できる能力や知能、性格を要している」と言った意味が含まれています。

    職業適性を見極めることで、従業員は「ストレスを感じにくい」「やりがいが持てる」というメリットが得られ、結果的に企業も「労働生産性の向上」「離職率の低下」「雰囲気の良い職場づくりにつながる」などのメリットが得られます。

    このように職業適性を見極めることは、従業員と企業の双方にとってメリットのあることだと言えます。

    現在、職業適性のない職場で働いていると感じている場合は、転職や異動希望を出すことを視野に動いてみるのも良いでしょう。

    職業適性を見極めるためには、これまでの従業員自身の業務での経験や成果、スキルや特性などのデータを基に、職業適性のある職場や職種を選択する必要があります。

    「HRBrain タレントマネジメント」は、従業員のひとりひとりの能力やスキル、人事評価、過去の異動履歴などのデータを見える化し、企業と従業員の双方で従業員の「職業適性」を見極めるのために役立ちます。

    また、従業員のスキルマップや、これまでの実務経験、育成履歴、異動経験、人事評価などの従業員データの管理と合わせて、1on1やフィードバックなどの面談履歴などを一元管理します。

    HRBrain タレントマネジメントの特徴

    • 検索性と実用性の高い「データベース構築」を実現

    運用途中で項目の見直しが発生しても柔軟に対応できるので安心です。

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    HR大学編集部
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