#人材管理
2023/09/06

ジョハリの窓で自己分析するには?定義、診断方法、学習方法を専門的観点から解説

目次

    ジョハリの窓とは

    ジョハリの窓とは

    ジョハリの窓は、ビジネスシーンでは主にカウンセリングや人材育成で使われるキーワードです。

    ジョハリの窓とは、他者とのコミュニケーションを通じて自己を理解するツールです。ジョハリの窓は、Joseph Luft とHarrington Ingham によって考案されたとされます。考案者2人の名前から「ジョハリ(JoHari)」という名前になりました。

    ジョハリの窓の考え方に基づくと、自己の中には「開放の窓」「盲点の窓」「秘密の窓」「未知の窓」の4つの窓が存在するといわれています。

    開放の窓とは「自分も他者も知っている自己」、盲点の窓とは「自分は気づいていないが他者は知っている自己」、秘密の窓とは「自分は知っているが他者は気づいていない自己」未知の窓とは「誰からも知られていない自己」と定義しています。

    ジョハリの窓

    ジョハリの窓の活用方法と活用シーン

    ジョハリの窓は自己理解を深めるツールとしてとても有用です。人は自分では気づかなくても、他者から思われているイメージが存在しています。そうした他者からのイメージと、自己イメージとのギャップを埋める際にも活用できます。

    例えば、自分ではきちんと仕事ができていると考えていても、上司や同僚からすると、もう少し改善してほしいと思う部分が少なからずあるはずです。こうした他者との認識の差を埋めるためにジョハリの窓を活用すると、より仕事が円滑に進められるようになります。

    企業では研修でジョハリの窓を取り入れて、他者イメージと自己認識のギャップを埋めるワークをやることもあるでしょう。

    ジョハリの窓のデメリットや注意点

    ジョハリの窓は、他者とのコミュニケーションを通じて自己理解を深めるツールです。そのため、周りに自分のことを知っている他者がいなければツールとして使用できません。また、未知の自分を知るためには、他人に知らせていない自分を伝え、その反応を知る必要があります。秘密の自分を伝えることは心理的抵抗を生み出すだけではなく、職場環境によっては秘密の自分を伝えることが周囲の人にネガティブにとらえられることもあるので注意が必要です。

    ジョハリの窓のワーク方法

    ジョハリの窓のワーク方法

    ジョハリの窓を活用するには、いくつかのワーク方法があります。最近ではテレワークの普及により、オンラインで研修を行う企業も増えています。オンラインでも行えるワーク方法についてもご紹介します。

    ひとりで適性検査によりジョハリの窓を診断する

    一つ目はWEB上の適性検査を使用することです。通常ジョハリの窓は他者がいることが必要ですが、適性検査を使用すれば、ひとりでも自分自身のジョハリの窓の状態を診断できます。どうしても周りに自分のことを知っている人がいない場合は適性検査を使用しましょう。

    メンバーを集めて紙とペンでジョハリの窓を診断する

    最もポピュラーなやり方が、自分を知っているメンバーを集めてジョハリの窓を診断することです。自分以外のメンバー数名に、自分に対するイメージを紙に書き出してもらいます。同時に自分自身でも自分に対するイメージを言葉で書き出していきます。その中から、自分自身の中で考えていたイメージと合致するものを選んでいきます。イメージが合致した部分が「開放の窓」であり、合致しなかった部分が「秘密の窓」あるいは「盲点の窓」です。

    メンバーを集めてWEBでジョハリの窓を診断する

    最近ではメンバーを対面で集めることが難しい場合もあるでしょう。その場合は先ほどご紹介した紙で実施する方法をオンラインで実施するとよいでしょう。

    オンラインホワイトボードや共同編集できるメモを用意したうえで、ツール上でメンバーに自分に対するイメージを書き出してもらいます。基本的な進め方は対面と一緒です。Zoomなどのオンライン会議ツールを使用すれば、十分に対面と同じアウトプットを出すことができるでしょう。

    ジョハリの窓を活用した研修方法

    ジョハリの窓を活用した研修方法

    ジョハリの窓は企業の研修でも使える有用なツールです。研修ではどのように活用すればよいのでしょうか。

    リーダーシップ研修での活用

    ジョハリの窓は、特にリーダーシップ研修で有効です。最近のリーダーシップ論のトレンドは、オーセンティックリーダーシップと言われ、リーダー自身が自分を深く理解することによって他者を導く手法が中心的です。リーダーが他者を導くためのぶれない軸を持つためには、自分を知るだけではなく、他者からの自分に対するイメージも理解する必要があります。研修で活用するならば、例えば部下を持つリーダーであれば、部下や上司から対象者のイメージを書き出してもらい、対象者自身がジョハリの窓に沿って自分自身を分析していきます。そして最後に未知の自分を開いていくために、他者イメージと自己イメージとのギャップを知ったうえで、どのような自分になっていきたいかを宣言してもらうとよいでしょう。

    リーダーシップに関して詳しく知りたい方は「リーダーシップとは?具体的7つの資質からリーダー研修まで解説」もご確認ください。

    新入社員研修での活用

    ジョハリの窓を活用した新入社員研修もおすすめです。新入社員研修の場合は入社してすぐよりも、少し業務に慣れた入社後半年以降にジョハリの窓を活用した研修を行うとよいでしょう。入社後半年頃は学生時代の自分と、社会人の自分という2つのアイデンティティの中で揺れ動く時です。そうした時に上司や同僚から自分に対するイメージを書き出してもらい、自分が考えている自己イメージと比較することで、社会人としての自己イメージを確立することができます。

    新入社員研修に関して詳しく知りたい方は「【実践!】階層別研修の目的と管理職研修から新入社員研修までの具体的手法を徹底解説」をご確認ください。

    チームビルディング研修での活用

    チームビルディング研修でもジョハリの窓はとても有効なツールです。人は相手に対して自分自身のことを深く話す「自己開示」をすることで信頼性が高くなっていきます。ジョハリの窓を活用してチームメンバーがお互いのことを話し合うことで、相互理解が生まれるとともに、お互いに対する信頼性が高まっていきます。また、信頼性が高まれば本音も言いやすくなるため、チームビルディング研修でのジョハリの窓のワークを通じて信頼性が高まったタイミングで、チームの改善点を話し合ってもらうのがよいでしょう。

    ジョハリの窓を本格的に学ぶなら

    ジョハリの窓を本格的に学ぶなら

    産業カウンセラー講座を受講する

    ジョハリの窓を学ぶために最もおすすめなのが産業カウンセラー講座を受講することです。

    産業カウンセラーは、カウンセリングの公的資格として日本において信頼性の高い資格です。資格を取得できるだけではなく、徹底的なカウンセリングのロールプレイングを通じて自己理解を深めることができます。まさにジョハリの窓を開けていくために有効な講座といえます。

    ジョハリの窓を学ぶおすすめ書籍

    最後にジョハリの窓を学ぶためにおすすめの書籍をご紹介します。

    • ジョハリの窓―人間関係がよくなる心の法則

    女性を主人公としてストーリー形式でジョハリの窓のそれぞれの窓を開けていくプロセスを解説しています。ジョハリの窓を活用するとどのような変化が起こるのかが分かりやすく追体験できます。

    • 世界一わかりやすいジョハリの窓の理論と実践: 30分で身につく人間関係改善術

    ジョハリの窓について理論的な背景だけではなく、実践方法を分かりやすく解説した書籍です。Amazonの読書端末であるKindleを保有している方であれば、読み放題のKindle Unlimitedの対象書籍となっているため無料でこの書籍を読むことができます。ジョハリの窓について新たに本を買うほどでもないが実践してみたい、という方におすすめの本です。

    【まとめ】ジョハリの窓を活用して自己理解を深めよう

    2010年代頃から日本でもダイバーシティの取り組みが本格化し、多様な価値観が認められるようになりました。多様な価値観が認められるということは、その分、自分とは価値観が異なる相手が増え、相手を理解することが難しくなるということです。

    こうした時代を生き抜くには、自己理解を深めることが不可欠です。自分を知ることで、より深く相手も理解できるようになります。ジョハリの窓を活用して、ぜひもっと自分自身のことも相手のことも理解を深めていきましょう。

    「ジョハリの窓を活用して人材育成の取り組みを行いたい」
    「もう少し専門的な観点から人材育成に取り組みたいが、知見のある人がいない・・・」
    「管理作業に時間・工数が掛かりすぎる。無駄な業務に時間を割きたくない・・」

    このような悩みをHRBrainで解決できます!
    無料トライアル実施中!ぜひお試しください!

    HR大学編集部
    HR大学 編集部

    HR大学は、タレントマネジメントシステム・組織診断サーベイを提供するHRBrainが運営する、人事評価や目標管理などの情報をお伝えするメディアです。難しく感じられがちな人事を「やさしく学べる」メディアを目指します。