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人事が知るべき”生産性”とは?計算式・上げる方法・失敗要因・役立つ制度とは

人事が知るべき”生産性”について解説

人事が知るべき”生産性”とは?計算式・上げる方法・失敗要因・役立つ制度とは

目次

    生産性の向上は企業成長に欠かせないものです。特に2019年から施行された働き方改革の影響により、生産性への意識が急激に高まっています。しかし「生産性の向上」はよく聞く言葉ですが、この言葉の意味・種類・計算式を理解している方は少ないように感じます。

    生産性とは一体何なのか理解できれば、人事施策の効率化や従業員のパフォーマンスを最大限発揮できるヒントになるでしょう。今回は、そんな「生産性」の基本から向上に向けた実践方法まで、事例も一緒に詳しく解説します。

    生産性とは?定義・種類・計算式・日本の現状

    生産性の基礎知識

    従業員一人一人の生産性を高める事が、企業生命を左右すると言っても過言ではありません。働き方改革・コロナの影響もあり、限られた資源の中で最大のパフォーマンスを発揮し、労働生産性を高められるかがポイントになるためです。

    生産性の定義から種類・計算式、日本の現状まで、基本を確認しましょう。

    生産性の意味/定義

    生産性とは「生産要素の有効利用の度合いである」と、ヨーロッパ生産性本部(EPA)が定義したと言われています。生産性の式は「産出(output)÷投入(input)」で表します。生産性の定義・意味について、さらに詳しく知りたい方は 「生産性とは何を意味するのか。生産性向上のポイントや方法とは」をご確認ください。

    生産性の種類

    生産性には大きく分けて2種類あります。

    ・労働生産性(労働者視点):労働者が生み出す売上・製品

    ・資本生産性(資本の視点):設備投資・固定資産への投資割合 

    働き方改革では「労働生産性」の言葉をよく使用されています。

    日本の多くの企業において、働き方改革に順応し、いかに労働生産性を向上できるかが重要な企業課題の一つでしょう。本記事では、生産性の中でも「労働生産性」に着目し解説します。

    労働生産性の高い企業の特徴や判定方法について、さらに詳しく知りたい方は 「労働生産性の計算方法を解説。判定方法や向上によるメリットとは」を、生産性の主な種類について、さらに詳しく知りたい方は 「生産性とは何を意味するのか。生産性向上のポイントや方法とは」をご確認ください。

    生産性の計算式

    従業員の生産性を算出するために、労働生産性の計算式が活用されます。まず、労働生産性には大きく分けて2種類あります。

     ・物的労働生産性:数字として計測できるものが対象(自動車の生産台数・接客人数など)

    ・付加価値労働生産性:企業が新しく付加価値となったものが対象(付加価値とは新商品の粗利益など)

    各労働生産性の計算方法は、以下の画像の通り表すことができます。

    生産性を測定する方法

    労働生産性の計算式について、さらに詳しく知りたい方は 「労働生産性の計算方法を解説。判定方法や向上によるメリットとは」をご確認ください。

    日本の労働生産性の現状

    日本の労働生産性は、他国と比較しても低い傾向です。 公益財団法人日本生産性本部によると、2017年の日本の時間あたり付加価値労働生産性は47.5ドルであり、OECD加盟国36カ国中20位でした。先進7ヵ国中で見ると日本の労働生産性は、1970年以降から最下位のままです。なぜ日本の労働生産性が低いのかと言うと、業務に対して担当する従業員数も多い上に時間がかかり過ぎているため、付加価値を生み出す力が弱いからだと考えられます。日本は今後、労働人口の減少・高齢化に伴い、転職市場の激化・マンパワー不足が懸念されるでしょう。日本企業が国際社会で生き抜くためにも、労働生産性の向上を目指す働き方改革が推進されたと考えられます。

    日本の労働生産性の現状について、さらに詳しく知りたい方は 「労働生産性は日本が先進国最低?現状や理由について理解しよう」を、働き方改革が施行される背景や目的・法案について、さらに詳しく知りたい方は 「働き方改革関連法案とは。法案の概要やポイントを解説」ご確認ください。

    労働生産性が上がる/下がるとどうなるのか?

    労働生産性の影響

    労働生産性は、組織の経営状況へ直接影響を及ぼす重要なポイントです。しかし、労働生産性が上がる/下がると具体的に何が起こるのでしょうか。

    生産性が上がる:人手不足に対応できる

    労働生産性が上がると「人手不足」に対応できます。従業員が不足すると、一人当たりの業務量が増え、健全な事業運用ができなくなるなど悪影響が発生します。その結果、人手不足倒産リスクも跳ね上がるでしょう。先述した通り、今後の日本は労働人口が減少・高齢化の一途をたどっています。 帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査(2020年4月)」によると2019年度の人手不足倒産は、194件にも及び6年連続で過去最高件数を更新するなど人手不足が深刻化しており、決して他人事ではありません。労働生産性を上げる事が、人手不足の深刻化を防ぐ手段になるでしょう。

     労働生産性の向上で得られる効果について、さらに詳しく知りたい方は 「労働生産性の計算方法を解説。判定方法や向上によるメリットとは」をご確認ください。

    生産性が下がる:余分なコスト発生

    労働生産性が下がると本来不要であった人件費・光熱費など、余分なコストが発生します。従業員一人当たりの利益(労働生産性)が減少しても、企業が目指すべき目標数値は変わらない事が多いため、埋め合わせ分が必要だからです。埋め合わせのための長時間労働によるストレスや疲労の蓄積・集中力の低下がミス発生へと繋がります。優秀人材の退職・ノウハウ流出など、経営資源の損失により大きな痛手を負う事になるでしょう。

    労働生産性が下がる理由を、さらに詳しく知りたい方は 「生産性とは何を意味するのか。生産性向上のポイントや方法とは」をご確認ください。

    大企業が生産性を上げるためにすべきこと

    生産性を上げるためにすべきこと

    生産性向上に向けて大企業がすべき事とは一体何でしょうか。押さえておくべきポイントを4つ厳選しました。

    生産性が落ちる理由を把握する

    生産性向上に取り組む前に、まず自社の状況を適切に把握しましょう。生産性が落ちる原因がわかれば、従業員・組織の課題や方向性が浮き彫りになるからです。例えば、以下の風潮はありませんか?

    ・署名/捺印がないと業務が止まる

    ・担当者しか対処できない属人的な業務が多い

    ・残業代目当てでダラダラ仕事をする風潮がある

    ・形式だけの会議=会議自体が目的

    上記のような項目は、生産性を下げる要因になります。

    特に大企業は歴史や伝統がある分、昔の慣習を現代も引き継いでいるケースも珍しくありません。「労働時間に対して、何を生み出せたか」に着目し現状を把握すると良いでしょう。

    組織/マネジメントで生産性を上げる

    企業のビジョンの達成・実現のために「ヒト」を管理・活用する人事戦略・マネジメントの改善で生産性向上に効果が期待できます。経営資源の根幹である「ヒト・モノ・カネ・情報」を適切に管理・機能させる事は組織の活性化・生産性向上に繋がるからです。特に最近では、従業員のスキル・ノウハウを一元管理し、配置転換・育成へと反映させる「タレントマネジメント」が注目を集めています。タレントマネジメントの概要・導入プロセスについて、さらに詳しく知りたい方は 「タレントマネジメントとは?メリットや目的、導入プロセスについて解説」をご確認ください。

    システム/IT導入で生産性を上げる

    既存の業務をシステム/IT導入できないか検討しましょう。システムやITツール、ロボットの導入は業務の省人化・自動化に繋がるからです。2018年に経済産業省が 「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」を発表・推進したのを皮切りに、企業の一部では以下の取り組みを実施しています。

    ・キャッシュレス決済化

    ・会員カードのアプリ化

    ・AIによる配車システム

    ・システムによる管理業務の一元化

    業務をシステム/IT化する事で、従業員の手間暇が減り、生産性の向上に繋がるでしょう。また近年では、ベンチャー企業から大企業を問わず、人事管理業務にシステムを活用する企業も増えています。従業員数が多く、各地に支店がある大企業ほど従業員データをシステム化する事で人事業務の生産性向上が期待できるでしょう。

    人事管理システムの概要・選ぶポイントなど、さらに詳しく知りたい方は 「【人材管理:システム編】人事必見のおすすめクラウドシステム・ツール」をご確認ください。

    生産性向上の効果をより高める人事システムの基本知識・実践方法について、さらに詳しく学びたい方のために 「人事評価システムを使うべき3つの理由」をご用意しているのでぜひご活用ください。

    助成金/補助金を活用する

    一定の条件で、生産性向上が認められると国から助成金/補助金が支給されます。生産性の向上は日本のビジネスにおいて重大な課題であり、国をあげて支援をしているためです。生産性に関連する助成金の例として 「業務改善助成金」 「人材開発支援助成金」などが挙げられます。補助金は地方公共団体が主導で実施する制度もあるため、地域・県の公共団体に確認しましょう。

    生産性に関する助成金/補助金について、さらに詳しく知りたい方は 「生産性とは何を意味するのか。生産性向上のポイントや方法とは」をご確認ください。

    生産性の向上につながる人事施策

    生産性の向上につながる人事施策

    生産性の向上は、今後の企業生命を左右する重大な要素です。しかし、人事施策にどう具体的に取り組めば良いのでしょうか。人事視点でポイントを4つ解説します。

    働き方/労働条件の見直し

    生産性の向上には、従業員の協力が必要不可欠です。パフォーマンスを最大限発揮するためにも、快適な職場環境、働き方や労働条件の見直しを行いましょう。

    ・フレックス/リモートワークなど柔軟な働き方が可能か

    ・長時間労働が常態化していないか

    ・自社と競合他社では、労働条件に大きな格差があるか

    上記のように、従業員目線で働きやすい環境・条件を整える事が重要です。1on1ミーティング、社内アンケートや意見交換会など実施すると良いでしょう。

    1on1ミーティングの概要・実施方法など、さらに詳しく知りたい方は 「1on1とは?従来の面談との違いや効果を高めるコツ」をご確認ください。

    中長期を見据えた人材育成

    長期的な組織成長に繋げるためには、目の前にある業務を単純にこなせる人材ではなく、組織の将来を見据えた働きができる従業員の能力開発・育成が重要です。時間やコストは必要ですが、従業員エンゲージメントの向上・離職防防止など生産性向上に効果が期待できます。

    人材育成の概要・考え方・企画方法など、さらに詳しく知りたい方は 「【実践編】人材育成って何やるの?これを読めば基本的考え方と具体的な企画方法がよくわかる」をご確認ください。

    年功序列から成果主義へ

    日本では終身雇用・年功序列制度を多くの企業が取り入れていました。しかし、従業員の勤続年数や年齢を重視し決定される給与制度は、会社への帰属意識を高める反面、事なかれ主義を助長する要素になりかねません。現状維持を求めるため、生産性が下がる可能性もあります。一方、成果主義では業務への成果が評価基準になるため従業員自らがスキル・能力を高めるきっかけになり、生産性も高まると考えられます。

    成果主義の概要・メリット・デメリットなど、さらに詳しく知りたい方は 「成果主義と能力主義の相違点を知る。概要や導入のポイントを解説」をご確認ください。

    適切な人事配置/評価

    適切な人事配置/評価は、業務の適正化・効率化に繋がります。適材適所に従業員を配置すれば適性・スキルを存分に発揮できるでしょう。業務に対する人事評価の設定・整備も重要です。公正で明確な評価基準と処遇の決定は、従業員がやるべき課題や組織の経営戦略を示す事ができます。従業員と組織が同じ共通認識として持つと、効率的な人材育成・生産性向上が期待できます。

    人事配置の基本・最適化への手順について、さらに詳しく知りたい方は 「【人材管理:人員配置編】人員配置のメリット・適切な手順や目的、ポイント」を、人事評価の目的・設定方法について、さらに詳しく知りたい方は 「人事評価制度のつくり方事前に把握しておきたいポイント」をご確認ください。

    事例3つ:生産性の向上に効果があった人事施策

    生産性の向上に効果があった人事施策

    生産性向上に向けて他社はどんな取り組みをしたのか、事例を踏まえて解説します。

    事例1.従業員エンゲージメントを向上

    タワーズワトソンの調査によると「従業員エンゲージメントの高さは、組織の業績に比例する」と言われています。コーヒーチェーンのスターバックスコーヒージャバンは、通信教育の補助によりスキルアップのサポートをしています。その他、正社員・アルバイトを含めた従業員全員を「パートナー」と呼び、理念共感・従業員エンゲージメント向上へ繋げています。

    従業員エンゲージメントの概要・高める方法について、さらに詳しく知りたい方は 「従業員エンゲージメントとは?向上施策・事例も紹介」をご確認ください。

    事例2.人材育成で生産性を向上

    経営資源である「ヒト」の育成・成長は、組織の経営戦略実現への一歩です。エンターテインメント事業を手掛ける株式会社エイチームは、永続的な人材育成・成長のために、アルバイトから正社員まで全員参加型で役員に直接、新規事業案をプレゼンできる制度を実施しています。役職や社歴に関係なく挑戦できるチャンスがあり、熱意をかきたたせる人材育成です。人材育成の概要・導入ステップについて、さらに詳しく知りたい方は 「【人事必見】人材育成とは?」をご確認ください。

    事例3.人事評価を整備・周知

    公正で明確な人事評価は、人材育成・配置の改善に役立ちます。とある人事系コンサルティング会社の営業職では、オフィスにいる事は少ないリモートワークでの働き方をしています。期初には、上司と部下が目標設定と3カ月単位の評価のもと昇進・昇給を実施しています。今後は、働き方改革の推進・コロナ感染予防もあるため、従業員個人に合った働き方や情勢に合わせた柔軟な人事評価制度が重要です。

    人事評価の基本・押さえておくべきポイントについて、さらに詳しく知りたい方は 「人事評価におけるコメントの重要性。職種別のコメント例やポイントを紹介」をご確認ください。

    適切に評価をし生産性を向上するためには、目標管理が必要です。優秀人材の目標管理する方法として「OKR」が注目を集めています。生産性向上の効果をより高めるOKRの基本知識・実践方法について、さらに詳しく学びたい方のために「 OKR入門書」をご用意しているのでぜひご活用ください。

    【まとめ】生産性の向上で、組織の成長・目標実現できる

    生産性の向上は、企業生命を左右する重要課題です。従業員一人当たりの労働生産性を上げると、人手不足問題への対応力向上・利益追求に繋がります。生産性向上に向けて、現状の把握・システム導入・労働条件の改善・人材育成など、見直すべき人事施策は非常に多いのです。HRBrainは生産性の向上に必要な従業員のデータ・目標・評価を一元的に管理し、確かな成長につなげる人事評価クラウドです。

    HRBrainは、従業員の目標設定から評価までのオペレーションの全てをクラウド上のソフトウエアで効率化するサービスです。MBOやOKR、1on1などの最新のマネジメント手法をカンタン・シンプルに運用することができます。

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    HR大学 編集部

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