#人事評価
2024/06/13

1on1とは?面談との違いや効果的なやり方について解説

目次

1on1とは、上司と部下が定期的に1対1で行うミーティングで、部下の成長をサポートするためのマネジメント方法です。

1on1はシリコンバレーでは文化として根付いていて、日本でもヤフーの1on1が注目され、導入する会社が増えました。

この記事では、1on1について、1on1の目的ややり方、1on1と面談の違い、1on1で部下の本音を聞き出す方法について解説します。
1on1ミーティングを雑談で終わらせない方法

1on1とは

1on1とは、上司と部下が定期的に1対1で行うミーティングで、部下の成長をサポートするためのマネジメント方法です。

1on1は、「ワンオンワン」と読み「1on1ミーティング」とも呼ばれ、対話を通して上司は部下とコミュニケーションを取り、部下のキャリアパスや悩みを把握しサポートを行います。

1on1の実施頻度は一般的に、15〜30分の短時間での面談を、毎日、毎週、毎月という短い期間で区切り、高頻度で繰り返し行います。

1on1と面談の違い

面談とは、「人事面談」「評価面談」「目標設定面談」などを指し、評価者である上司から部下へ「伝える」ことで、「指示や指摘」「目標や進捗の管理」「フィードバック」などを目的として実施されます。

一方で1on1は、上司と部下が「対話」をすることで、「日々の悩みの解消」「部下の成長の促進」「信頼関係の構築」などを目的として実施されます。

つまり1on1は、上司から一方的に何かを伝えるのではなく、上司が部下と対話をしながら部下の成長をサポートするために実施されます。

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1on1が意味ないと言われる理由

1on1は、成長企業の多くが導入していると言われているマネジメント方法として注目されていますが、一方で「1on1は意味がない」という声を耳にすることもあります。

1on1は適切に行えば有効な人事施策になります。

しかし、従業員が1on1のミーティング形式に慣れていない場合、1on1で話すことが無い状態になってしまったり、上司から一方的に話す場になってしまい、結果的に「1on1は意味がない」といった声が上がるようになってしまうのです。

1on1を実施する際は、1on1のポイントを理解した上で実施するようにしましょう。

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1on1の効果

1on1を実施することで、どのような効果が得られるのか、1on1のメリットについて確認してみましょう。

1on1のメリット

  • 部下との信頼関係が構築される

  • 部下の成長を促進する

部下との信頼関係が構築される

1on1を実施することで得られるメリットは、「部下との信頼関係が構築される」ことです。

人材の流動化が進み、「優秀な部下の思いもよらない退社」が増えていると言われています。

また、上司と部下のコミュニケーションが不足していると、部下は誰にも相談できずに悩み続け、ある日急に辞める決断をしてしまいます。

1on1は信頼関係を作る場であり、コミュニケーションの時間です。

そして、情報共有の場ではなく対話をする場です。

対話とは、「体調はどうか?」「今後のキャリアで今の仕事をどんな想いでやっているのか?」などを親身になって話し合うことです。

1on1を通じて相互理解を深めることによって、悩みを相談しやすい関係性を構築することができます。

部下の成長を促進する

1on1を実施することで得られるメリットは、「部下の成長を促進する」ことです。

1on1は目標達成だけではなく成長支援を目指すものでもあります。

多くの企業では、OJTなど、実際の仕事を通して最低限の業務の内容を教えた後は、仕事に慣れて自分で成長してもらう、というスタンスが取られています。

つまり、仕事の内容は教えてもらえても、どのようにして業務を振り返り、改善していくかは教えられていないケースがほとんどです。

1on1は部下に振り返りの習慣を付けてもらう機会としても有効です。

また、1on1で業務改善をサポートすることで、すぐではないかもしれませんが、いずれ自立して良い業績を生み出せるようになるでしょう。

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1on1のやり方

1on1のやり方について確認してみましょう。

対話の場である1on1にとって、何より大切なのが「話しやすい雰囲気」です。

1on1のやり方

  1. 1on1のネーミングを決める
  2. 1on1に適した場所を決める
  3. 1on1での共通の面談記録を残す
  4. 1on1ミーティングの専用シートを作成する
  5. 1on1の時間は部下と一緒に決める

1on1のネーミングを決める

1on1のやり方の1つ目は、「1on1のネーミングを決める」ことです。

呼び名次第でミーティングに対する部下の意識が変わり、参加意欲にも大きく影響します。

例えば、「個人面談」という呼び名の場合、部下も乗り気がせず硬くなってしまいます。

自動車メーカーの本田技研工業株式会社は、1on1ミーティングではありませんが、商品開発会議を「年齢や職位にとらわれずワイワイガヤガヤと腹を割って議論しよう」という意味で「ワイガヤ」という名前を付けています。
(参考)Honda「受け継がれる思想

1on1に適した場所を決める

1on1のやり方の2つ目は、「1on1に適した場所を決める」ことです。

話しやすい雰囲気作りには1on1を実施する場所も大切です。

1on1の実施場所は、毎回同じ場所である必要はありません。

もし退職やハラスメントについてなど、他の人に聞かれたくない深刻な話題の場合は、会議室でのミーティングが良いでしょう。

部下の将来やキャリアについてなど、明るい話をする場合は、日差しの良く入るカフェやラウンジなどがおすすめです。

近くのビルや公園のベンチに座って、もしくは散歩をしながというのも気分が変わって良いかもしれません。

その時話す内容や目的、部下のタイプに合わせて1on1の実施場所を選ぶようにしましょう。

1on1での共通の面談記録を残す

1on1のやり方の3つ目は、「1on1での共通の面談記録を残す」ことです。

1on1はその場限りの雑談ではなく、連続性のある「成長のためのコミュニケーション」となるべきで、過去に話した内容や今話している内容の記録を共有しながら話すことが重要です。

1on1の記録管理には1on1のためのクラウドツールを活用すると便利です。

クラウドで一元管理することで、面談記録の整理がしやすいだけでなく、部署異動があった場合でも上司は部下の過去の面談記録を簡単に参照することができるため、スムーズに1on1を引き継ぐことができます。

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1on1ミーティングの専用シートを作成する

1on1のやり方の4つ目は、「1on1ミーティングの専用シートを作成する」ことです。

毎回1on1を実施する際に、話す内容を決めていては、ネタが尽きたり、従業員にとって魅力のないテーマになってしまい、1on1自体が形骸化してしまいます。

そこで、いくつかの面談項目をシートに定型化して記載しておきます。

例えば、「仕事の進捗状況」「部下から上司に話したいトピック」「上司からのフィードバック」などです。

また、トピックも「相談したい」「話を聞いてほしい」「仕事について質問したい」など、いくつかの定型項目を設定しておけば1on1の形骸化も防げるでしょう。

1on1の時間は部下と一緒に決める

1on1のやり方の4つ目は、「1on1の時間は部下と一緒に決める」ことです。

1on1は、「部下のための時間」で、部下の積極的な参加がなければ成立しないため、まずは部下の賛同を得ることから始めましょう。

「家庭など生活面の状況、職場で困っていることから、キャリア設計についてフランクに話しましょう」と、実施する目的をしっかりと伝え、部下の賛同をもらってから、日程を調整するようにしましょう。

1on1の実施に部下が納得していないようであれば、具体的な事例などを提示して、1on1を実施する意味を感じてもらえるよう工夫する必要があります。

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1on1を雑談で終わらせない方法
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1on1にあるとはかどる小道具

1on1を実施する際にあるとはかどる小道具について確認してみましょう。

1on1にあるとはかどる小道具

  • お菓子や軽食

  • タイムキープ用の時計

  • ホワイトボードとポストイット

お菓子や軽食

1on1にあるとはかどる小道具は、「お菓子や軽食」です。

会議室などで、どうしても堅くなってしまうような場所で1on1を実施する場合は、お菓子や軽食などを用意することで、気軽に話を聞き出せるようになります。

タイムキープ用の時計

1on1にあるとはかどる小道具は、「タイムキープ用の時計」です。

1on1は自由な話題が特徴の「対話」ですが、「雑談」ではないことを意識しなければなりません。

そのためにも事前に議題やアジェンダをザックリと組んだうえで進めていく必要があります。

ダラダラとした雑談ではなく、メリハリのある対話にするためには、時間をしっかり切ることも重要です。

ホワイトボードとポストイット

1on1にあるとはかどる小道具は、「ホワイトボードとポストイット」です。

視覚化して整理が必要な話の場合にすぐに対応できるように、ホワイトボードがある部屋でミーティングを行うこともおすすめです。

1on1で部下の本音を聞き出すために意識すべきこと

1on1を実りあるものにするためには、しっかりと部下の本音を聞き出せるコミュニケーションを取ることが重要です。

1on1で部下の本音を聞き出すために意識すべきことについて、「傾聴」と「自己開示」の2つに分けて確認してみましょう。

1on1で部下の本音を聞き出すために意識すべきこと

  1. 傾聴
  2. 自己開示

傾聴

1on1で部下の本音を聞き出すために意識すべきことの1つ目は、「傾聴」です。

傾聴とは、相手に対して「話をしっかり聞いています」「興味があります」と言うことを示す聞き方を指します。

傾聴にはたくさんのコツやスキルが必要とされますが、すぐに実施できる簡単なテクニックも多くあります。

すぐに実施できる簡単な傾聴のテクニックには、うなずくなどのボディランゲージや、相手の目を見ることがあげられます。

相手の目を見ることに慣れていない場合は、相手のほほを見るだけでも目を見ることと同じくらいの効果があります。

また、上司は部下が話し出す悩みに対して、すぐに答えを出さないことが重要です。
まずは相手の言葉にじっくりと耳を傾けるようにしましょう。

部下は自分の言葉で話しきることで、自分の思考の整理をすることができ、話をしっかり聞いてもらえることで、上司に対して安心感と信頼感を抱くようになります。

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自己開示

1on1で部下の本音を聞き出すために意識すべきことの2つ目は、「自己開示」です。

部下に心を開いてもらうためには、まずは上司自身が心を開かなければいけません。

「昔こういう大失敗をしたんだよね…」など、上司が自分の話をすることで、部下も自分の話をしやすくなります。

ですが、上司が話し過ぎてしまっては本末転倒です。

1on1の実施時間が30分の場合、上司が話す時間は多くても合計5分程度に抑えるようにしましょう。

価値観や本音は失敗や不満、もしくは成功経験の裏に隠されています。

部下の経験や意見を共有するだけでなく、裏にある価値観をいかに引き出せるかは、上司の質問力に掛かっているため、部下の価値観を引き出すような上手な質問をするようにしましょう。

また、上司は質問を通して、部下自身の価値観について、部下が自発的に気付けるようにしましょう。

部下自身が自分の価値観、考え方を理解することで、自然とパフォーマンスも向上して行きます。

1on1は上司ではなく「部下の成長のための時間」であることをお忘れないようにしましょう。

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1on1で大切なこと

1on1で大切なことは、目的を踏まえたうえで、セッティングの仕方やコミュニケーションを通して「部下の本音を聞き出すこと」です。

1on1は、単なる雑談ではなく、部下の成長を促進させるような時間にするようにしましょう。

1on1を雑談で終わらせない方法

1on1ミーティング入門書

1on1とは、マネージャーとメンバーが定期的に対話をする1対1の面談のことで、1on1は評価面談とは違います。

マネージャーがメンバーとコミュニケーションを図り、メンバーの成長を促すために設けられる面談です。

1on1は、自主的に考え、行動できる人材が育成できることから、近年導入する企業が増えています。「1on1ミーティング入門書」では、1on1の効果から進め方、浸透方法まで詳しく解説します。

1on1ミーティング入門書で分かること

  • 1on1は何のためにやるのか

  • 1on1の導入が増えている背景

  • 1on1を組織全体に浸透させるための3つのポイント

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1on1を意義あるものにするために

1on1とは、上司と部下が定期的に1対1で行うミーティングで、部下の成長をサポートするためのマネジメント方法です。

1on1ミーティングは、継続することが重要です。

そして、継続と同じくらい重要なのが、1on1ミーティングの記録の管理です。

1on1ミーティングを重ねるほど、記録の数は膨大になっていきまが、記録をきちんと管理し共有することができれば、異動などで1on1ミーティングを実施する上司が変わっても、今までのデータが行方不明になることもなく、継続や改善を続けることができます。

「HRBrain タレントマネジメント」は、1on1ミーティングの記録や、目標設定や業務の進捗状況、従業員のモチベーション状況などの人材データの見える化を、シンプルで使いやすいデータ管理で実現します。

さらに、従業員のスキルマップや、これまでの実務経験、育成履歴、異動経験、人事評価などの従業員データの管理と合わせて、OKRなどの目標管理やフィードバックなどの面談履歴などの一元管理も可能です。

HRBrain タレントマネジメントの特徴

  • 検索性と実用性の高い「データベース構築」を実現

運用途中で項目の見直しが発生しても柔軟に対応できるので安心です。

  • 柔軟な権限設定で最適な人材情報管理を

従業員、上司、管理者それぞれで項目単位の権限設定が可能なので、大切な情報を、最適な状態で管理できます。

  • 人材データの見える化も柔軟で簡単に

データベースの自由度の高さや、データの見える化をより簡単に、ダッシュボードの作成も実務運用を想定しています。

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HR大学編集部
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