#人材育成
2024/04/02

ワークエンゲージメントとは?その意味や高める方法を解説

目次

    ワークエンゲージメントとは、仕事に関してポジティブかつ充実した心理状態を指します。

    昨今、人事領域ではこのワークエンゲージメント向上の重要性が説かれています。

    厚生労働省によると、ここ10年間でワークエンゲージメント(エンゲイジメント)の関心が高まっていることが指摘されています。

    ワークエンゲージメントが高い人ほど、仕事にやりがいを感じることで熱心に取り組み、仕事から活力を得ていきいきとしている状態にあることがさまざまな先行研究で明らかになっています。

    この記事では、ワークエンゲージメントの意味・要素などの詳細や測定方法、ワークエンゲージメントを向上させることによるメリットやその方法について詳しく解説します。

    鍵は従業員エクスペリエンスにあり!従業員エンゲージメントを高める重要なポイント

    ワークエンゲージメントとは?

    ワークエンゲージメントとは、仕事に関してポジティブかつ充実した心理状態を表しており、オランダ・ユトレヒト大学のSchaufeli教授らが2002年に提唱した概念として知られています。

    ワークエンゲージメントが高まることで、従業員個人だけでなく、企業にもポジティブな影響を与えることが知られており、特に人事領域においては近年さらに広く注目されている概念の一つでもあります。

    ▼「従業員エンゲージメント」についてさらに詳しく
    従業員エンゲージメントとは?向上施策・事例も紹介
    従業員エンゲージメントと従業員満足度(ES)の違いとは?相関関係も紹介

    ワークエンゲージメントの3つの要素

    ワークエンゲージメントは、オランダ・ユトレヒト大学のSchaufeli教授らによって以下の3つの要素が揃った状態として定義されています。

    ワークエンゲージメントの3つの要素

    ※厚生労働省「令和元年版労働経済白書 第2部 第3章」を元に作成

    ワークエンゲージメントの3つの要素

    • 活力

    • 熱意

    • 没頭

    活力

    「活力」とは、就業中に高水準でみなぎるエネルギーや心理的なレジリエンスのことを指しており、「仕事から活力を得ていきいきとしていること」と指摘されています。

    熱意

    「熱意」とは、仕事に対して強く関わっているという意識や仕事に対する有意味感を指しており、「仕事に誇りとやりがいを感じていること」であるとされています。

    没頭

    「没頭」とは、仕事に集中・没頭していること、つまり「仕事に熱心に取り組んでいること」を指します。

    以上の「活力」「熱意」「没頭」の3つを合わせて、ワークエンゲージメントという概念が定義されています。

    (参考)厚生労働省「令和元年版労働経済白書 第2部 第3章
    (参考)島津明人 (2010) 「職業性ストレスとワーク・エンゲイジメント

    ワークエンゲージメント以外の仕事に対する心理状態

    前項までで説明したとおり、ワークエンゲージメントは仕事に対する態度や認知がポジティブ(快)であり、活動水準が高いものを指す状態と言えるでしょう。

    この「仕事に対する態度や認知」と「活動水準の高さ」という2軸で、従業員の状態を測ったとき、他にはどのような心理状態があるのでしょうか。

    ワークエンゲージメントに関連して、いくつかの関連概念を紹介します。

    ワークエンゲージメント以外の仕事に対する心理状況

    ※厚生労働省「令和元年版労働経済白書 第2部 第3章」、島津明人 (2010) 「職業性ストレスとワーク・エンゲイジメント」を参考に作成

    ワーカホリック

    ワーカホリックとは、ワークエンゲージメントと比較してどちらも活動水準が高いものとして挙げられます。

    しかしながら、仕事への態度・認知がポジティブ(快)ではなくネガティブ(不快)なものであり、「仕事をしなければならない」というような過度な一生懸命さを招き、それが強迫的に働いてしまうことから、ワークエンゲージメントと差別化される概念です。

    リラックス

    リラックスとは、ワークエンゲージメントと同様に仕事への態度・認知がポジティブ(快)であるのに対し、活動水準が低く仕事に対する活力があふれているとは言い難い心理状態です。

    バーンアウト

    バーンアウトとは、「燃え尽き症候群」と表現されることも多く、仕事に対して過度にエネルギーを使ったことで疲弊してしまい、仕事への関心や自信が低下してしまった状態のことを指します。

    以上のように、ワークエンゲージメントを維持した状態にするためには、活動水準を高め、かつ仕事に対する態度や認知をポジティブなものとして認識させることが重要と言えるでしょう。

    (参考)厚生労働省「令和元年版労働経済白書 第2部 第3章
    (参考)島津明人 (2010) 「職業性ストレスとワーク・エンゲイジメント

    ▼「バーンアウト」についてさらに詳しく
    バーンアウト(燃え尽き症候群)とは?早期に気づくための対策と回復方法や診断チェック表について解説

    厚生労働省がワークエンゲージメントに注目する理由

    ワークエンゲージメントの重要性の高まりの背景には、日本の現代社会で急速に進む少子高齢化による生産年齢人口の減少があります。

    生産年齢人口の減少によって、どのような企業においても人手不足が進むことが見込まれるでしょう。

    このような状況下では、より多くの人が「働きがい」をもって働くことができる環境を整え、より豊かな職業人生を過ごしながら、「働く方の健康の促進」と「労働生産性の向上」を実現させることが重要であるとして、厚生労働省もワークエンゲージメントの向上に着目しています。

    (参考)厚生労働省「令和元年版労働経済白書 第2部 第3章

    ワークエンゲージメントと働く方の健康の促進に関連して、以下の記事もあわせてご覧ください。

    ウェルビーイングとは?意味と定義「5つの要素」を解説

    ワークエンゲージメントの尺度と測定方法(質問項目)

    近年ワークエンゲージメントに対する関心の高まりから、さまざまな研究がなされており、加えてワークエンゲージメントを測定する方法も「活力」「熱意」「没頭」の3つの要素からの観点だけでないものが検討されてきました。

    以下に代表的な3つの尺度を紹介します。

    UWES(ユトレヒト・ワークエンゲージメント尺度)

    ワークエンゲージメントの測定尺度として最も広く使用されているのがUWES(ユトレヒト・ワークエンゲージメント尺度)です。ワークエンゲージメントに関する研究で広く知られるオランダ・ユトレヒト大学のSchaufeli教授らによって開発され、以下の3つの因子、17の質問項目で測定する事ができるとされています。

    • 活力(6項目)

    • 熱意(5項目)

    • 没頭(6項目)

    (参考)島津明人 (2010) 「職業性ストレスとワーク・エンゲイジメント
    (参考)Schaufeli, W.B., Salanova, M., Gonzalez-Romá, V., et al. (2002) 「The measurement of engagement and burnout: A two sample confirmative analytic approach.

    MBI-GS(マスラック・バーンアウト・インベントリー)

    MBI-GSという測定尺度は、1996年にMaslach教授とLeiter教授によって開発された、全般的な職業人を対象とするバーンアウトの測定尺度です。ワークエンゲージメントの逆の心理状態であるバーンアウトを測定することで、結果的にワークエンゲージメントの高さを測定できるとしています。MBI-GSは、以下の3つの因子、16の質問項目で測定できるとされています。

    • 疲弊感(5項目)

    • シニシズム:仕事に対する冷笑主義的態度(5項目)

    • 職務効力感(6項目)

    (参考)北岡和代・荻野佳代子・増田真也 (2004)「日本版MBI-GS (Maslach Burnout Inventory-General

    OLBI(オルデンバーグ・バーンアウト・インベントリ)

    OLBIという測定尺度は、1998年にDemerouti教授とNachreiner教授によってMBIの構成概念の妥当性に関する課題を踏まえ開発された尺度の一つです。OLBIはMBIと同様にアウトバーンを測定する尺度であり、MBIとの差異は、MBI-GSの構成要素は3因子であるのに対しOLBIの構成要素が2因子、16項目であることや、職種を問わずあらゆる労働者に活用できることなどが挙げられます。

    • 心身含む疲労感:exhaustion(8項目)

    • 離脱:disengagement(8項目)

    以上のように、ワークエンゲージメントを測定する尺度はさまざまなものが開発されています。

    このように、さまざまな視点でワークエンゲージメントの測定を検討することは、あらゆる職業においてワークエンゲージメントの重要性が高まった結果と言えるでしょう。

    (参考)Demerouti, E. and Nachreiner, F. (1998) "Zur Spezifitaet von Burnout fuer Dienstleistungsberufe: Fakt oder Artefakt." ZEITSCHRIFT FUR ARBEITSWISSENSCHAFT, 52(2), 82-89.
    (参考)熊谷たまき・小竹久実子・藤村一美・三宮有里・上野 恭子 (2021)「the Oldenburg Burnout Inventory−German version邦訳の信頼性と妥当性の検討

    ワークエンゲージメントを高めることで期待できるメリット

    これまでワークエンゲージメントの意味や測定尺度などをご紹介してきましたが、ワークエンゲージメントを高めることで、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。

    先行研究により、ワークエンゲージメントを高めることで以下のような効果が見込まれることがわかっています。

    ワークエンゲージメントを高めることで期待できるメリット

    • 組織コミットメントの向上

    • メンタルヘルスの安定

    • 離職率の低下・定着率の向上

    • 生産性の向上

    • 顧客満足度の向上

    組織コミットメントの向上

    ワークエンゲージメントの向上は組織コミットメントの向上に影響を与えることが示唆されています。仕事から活力を得て熱意をもって取り組み、没頭できる環境では、組織が一丸となって業務に取り組むことが指摘できるでしょう。

    実際に、2019年に行なわれた労働政策研究・研修機構「人手不足等をめぐる現状と働き方等に関する調査」から、厚生労働省が集計し分析した結果、ワークエンゲージメント・スコアと組織コミットメントに正の相関がみられました。

    メンタルヘルスの安定

    ワークエンゲージメントの向上によって、仕事のやりがいだけでなくメンタルヘルスの改善も見込めます。ワークエンゲージメントは、仕事による過度な疲労やストレスと負の相関があり、すなわちワークエンゲージメントが高いほど、仕事からネガティブな影響を受けづらく、結果的に従業員の健康促進につながることが明らかになっています。

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    離職率の低下・定着率の向上

    ワークエンゲージメントの向上が、離職率の低下や定着率の向上に寄与していることも明らかにされています。アウトカムとしての組織コミットメントの向上と同じく、仕事に没頭できる環境があるからこそ、より組織から離れたくないと感じ、離職率の低下につながっていることが考えられます。

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    生産性の向上

    従来の研究から、ワークエンゲージメントを高めることで個人および企業の生産性を高めることも示唆されています。仕事に熱意を持って働くことで、従業員個人が業務に集中するだけでなく、組織コミットメントの向上を通じてより高い組織力を促進し、パフォーマンスを発揮できることが考えられます。

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    顧客満足度の向上

    ワークエンゲージメントが組織や企業に与える影響について説明してきましたが、顧客満足度の向上にもつながることがわかっています。2005年にSalanova教授とPeiro教授によって行われた研究では、従業員同士の積極的な支援によって仕事の資源が豊富になり、組織のサービス風土が形成されることで、結果的に顧客満足度に還元されるのではないかという考察がなされています。

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    以上のことから、ワークエンゲージメントを向上させることで、組織にはさまざまなメリットがもたらされることがわかっています。

    ワークエンゲージメントを高める方法

    前項では、ワークエンゲージメントが高まることでどのようなメリットがあるかを詳しく説明してきました。

    では、このワークエンゲージメントを高めるためにはどのような要素が重要なのでしょうか?

    一般的に、ワークエンゲージメントを高めるためには、「仕事の資源」と「個人の資源(心理的資本)」が重要とされています。

    ワークエンゲージメントを高める方法については、2001年にDemerouti教授によって提唱されたJD-Rモデル(Job Demands-Resources model)を参考にすると分かりやすいでしょう。

    JD-Rモデル(Job Demands-Resources model)

    ※厚生労働省「令和元年版労働経済白書 第2部 第3章」を元に作成

    JD-Rモデルとは、ワークエンゲージメントを規定する要因と、その結果もたらされる効果を説明したものです。

    このJD-Rモデルによれば、ワークエンゲージメントを向上させるためには仕事の資源と個人の資源(心理的資本)を充実させることが重要であることがわかります。

    仕事の資源

    仕事の資源とは、具体的に以下の要素を含んでいます。

    • 就業条件(キャリア開発の機会など)

    • 対人・社会関係(適切なコーチングなど)

    • 組織での仕事の進め方(意思決定への参加、コントロールなど)

    • 課題(フィードバック、正当な評価など)

    この仕事の資源が豊富であればあるほど、どれだけ仕事に関するストレスやプレッシャーが大きかったとしても、ワークエンゲージメントは高い水準で保たれることが明らかになっています。

    つまり、人手不足の環境下では、従業員への仕事の要求度は高まると考えられますが、仕事の資源を活用できる環境を整備することでワークエンゲージメントを維持することができるのです。

    仕事の資源を豊富に満たす方法として、具体的に以下の3つが挙げられます。

    ほどよい業務量を保つ

    仕事の資源として望ましい就業条件に、業務量が適切であることが挙げられます。

    業務量が多すぎると、仕事に追われ働きすぎてしまうことでワーカホリック、ゆくゆくはバーンアウトの状態を引き起こしてしまう可能性があります。

    逆に少なすぎても、仕事に対する達成感が得られず、仕事に対するやりがいを感じられなくなってしまうでしょう。

    上司は、1on1などで部下のもつタスクや心身の状況を把握したうえで、適切な業務量をコントロールすることが求められるでしょう。

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    適切なフィードバック・評価をする

    仕事の資源では、上司からの適切なフィードバックや評価なども重要な要素とされています。

    従業員は、自分が行った業務に対して適切な内容・分量でフィードバックや評価がないと、自分の行った業務がきちんと成果を出せていたのか、正しかったのかがわからないままになってしまい、やりがいを感じられなくなってしまう場合があります。

    納得のいくようなフィードバックや評価を心がけることで、従業員のワークエンゲージメントを高められると考えられます。

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    キャリア開発の機会を与える

    ワークエンゲージメントを高める要素として、キャリア開発の機会を与えることも、仕事の資源として挙げられます。

    キャリアの展望が明確になっていることで、自分が今の仕事を通じてどのように成長できるかが想像でき、業務に向き合う姿勢もより熱意あるものとなるでしょう。

    実際に、2019年に行なわれた労働政策研究・研修機構「人手不足等をめぐる現状と働き方等に関する調査(正社員調査票)」でも、「勤め先企業でどのようにキャリアを築いていくか、キャリア展望が明確になっている」という認識を持つ頻度の高さとワークエンゲージメント・スコアの間には正の相関があることが明らかになっています。

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    以上から、仕事の資源を高めることで従業員のワークエンゲージメントの向上を目指すことができます。

    (参考)厚生労働省「令和元年版労働経済白書 第2部 第3章

    個人の資源

    個人の資源とは、個人が成長するために重要なポジティブな心理状態のことを指し、以下の要素が挙げられます。

    • 自己効力感・成長実感

    • 楽観性

    • レジリエンス(逆境からの回復力、困難に立ち向かう力)

    仕事の資源と個人の資源は、相互に良い影響を与え合っているとされるため、仕事の資源を高めることで、個人の資源を高めることにも繋がります。

    個人の資源には、従業員が元来持つ性格が影響を与えることもありますが、仕事の資源を充実させることで性格にかかわらず個人の資源を満たせる可能性もあります。

    ▼「レジリエンス」についてさらに詳しく
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    個人の資源を充実させるためには、具体的に以下の2つが挙げられるでしょう。

    業務の難易度を適切にコントロールする

    適切な難易度の業務を数多くこなすことで、従業員は成長実感や「自分はこの仕事を遂行できる」という自己効力感、すなわち自信を得られます。

    業務が簡単すぎると成長実感が得られなかったり、逆に難しすぎても途中で挫折してしまうなど、難易度の塩梅を見極め業務を任せることが重要になります。

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    仕事とプライベートのメリハリをつけさせる

    業務中のワークエンゲージメント向上には、休み方も重要な要素となります。

    特に、人手不足な職場では、仕事中の過度なストレスや疲労を感じることも考えられます。そのストレスを終業後や休日に十分に回復させ、再度就業する際のワークエンゲージメントを高めることも重要となります。

    業務を行っていないときは、心理的にも業務から距離を離させるように、メリハリのある業務への姿勢をレクチャーすることも重要であると言えるでしょう。

    ワークエンゲージメント向上が組織に与える影響

    昨今人事領域で注目度が上がっているワークエンゲージメントとは、仕事に関してポジティブかつ充実した心理状態のことです。

    特に厚生労働省は、働く人が「働きがい」をもって働くことができる環境を整えることを日本の労働市場における課題の一つとしています。

    その中で重要なキーワードとしてワークエンゲージメントを取り上げ、「働きがい」を測る一つの指標として示しています。

    以上から、抽象的な概念である「働きがい」の向上を客観的に捉えるためにワークエンゲージメントの向上が鍵を握るとも言えるでしょう。

    実際に、ワークエンゲージメントを向上させることで、従業員の組織コミットメントの向上や定着率の向上を通じ、ゆくゆくは企業の業績に望ましい影響を与えることが明らかになっています。

    以上の理由から近年注目を集めているワークエンゲージメントですが、この指標を向上させるための方法として、就業条件や仕事をすることで得られる対人・社会関係などを指す「仕事の資源」と、個人が成長するために重要なポジティブな心理状態のことを指す「個人の資源」を充実させることが挙げられます。

    これらを向上させることで、従業員のワークエンゲージメントを向上させ、それを通じて従業員の健康状態の改善や働きがいの向上、さらに生産性の向上や企業業績の向上を見込むことができるようになるでしょう。

    ワークエンゲージメント向上を推進する「組織診断サーベイ」 

    これまでワークエンゲージメントについて説明してきましたが、個人のワークエンゲージメントを向上させるためには、定期的なスコアの測定から分析までが重要になります。

    「HRBrain 組織診断サーベイ」は人事、経営、現場の全てで活用が可能な、改善につながる「組織診断サーベイ」です。

    EXやエンゲージメントを可視化し、課題の優先順位づけから改善アクションの提案を行います。

    改善施策に直結した独自の設問設計によって、改善アクションを明確にし、従業員エンゲージメントの向上を実現します。

    「HRBrain 組織診断サーベイ」の特徴

    • 高いカスタマイズ性で自社にあった運用を実現

    設問内容、配信対象やスケジュールなど、柔軟なカスタマイズが可能

    • 課題の優先順位付けから具体的な改善アクションへの接続まで

    部署、年齢、役職、性別、評価データなど豊富な分析軸を活用し組織ごとの根本課題を特定できます

    • 人的資本の情報開示にも対応したデータの収集から活用

    エンゲージメント状態の定量化を実現し、人的資本の情報開示に必要な人材データの収集が可能

    ▼「エンゲージメントサーベイ」についてさらに詳しく
    エンゲージメントサーベイとは?質問項目や実施する目的と必要性について解説
    エンゲージメント改善方法!低下原因の分析から改善アクションと事例まで完全網羅

    HR大学編集部
    HR大学 編集部

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