組織とは?目的や定義と良い組織を作るために会社がすべきことについて簡単に分かりやすく解説
- 組織とは
- 組織を構成する要素
- 共通目的
- 協働意識
- 意思疎通
- 組織の目的
- 意義目標
- 成果目標
- 行動目標
- ドラッカーの組織論における組織の目的
- 自らの組織に特有の目的と使命を果たす
- 仕事を生産的なものにし働く人たちに成果をあげさせる
- 自らが社会に与えるインパクトを処理するとともに社会的な貢献を行う
- 組織を良いものにするために必要なこと
- 適切な人事評価制度の構築
- 企業のビジョンや理念の共有
- スキルを高める教育制度の確立
- 組織を機能させより成長していくために
組織とは、組織を構成するメンバー全員が1つの目標を持ち、それぞれに与えられた業務や作業を行っている集団を指します。
社会には学校や企業、地域の自治会や一世帯ごとの家庭まで、さまざまな組織があります。
その中でも企業は、業績を上げて事業を発展させていくためにひとりひとりの従業員が毎日働いているという点で、他とは特性の異なる組織と言えます。
この記事では、組織の意味や、組織の企業における定義、組織の構成要素、組織の目的、ドラッカーの組織論における組織の目的、組織を良いものにするために必要なことについて、簡単に分かりやすく解説します。
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組織とは
組織とは、「一定の共通目標を達成するために、成員間の役割や機能が分化・統合されている集団」と辞書では定義されています。
つまり、構成メンバー全員が1つの目標を持ち、それぞれに与えられた業務や作業を行っている集団という事になります。
学校であれば、学業や課外活動を行うために、企業であれば、商品やサービスの提供、業績向上のために、生徒や従業員などの各メンバーが、それぞれが担当する作業を行っている状態を指します。
また、アメリカの電話会社の社長で経営学者でもあったチェスター・バーナード氏は、組織について「意識的で、計画的で、目的を持つような人々相互間の協働」と定義しています。
組織を構成する要素
メンバーひとりひとりが特定の目的を持って業務に従事する組織は、どのような要素から成り立っているのかについて確認してみましょう。
チェスター・バーナード氏は、組織とは「意識的で、計画的で、目的を持つような人々相互間の協働」であると同時に、「意識的に調整された2人またはそれ以上の人々の活動や諸力のシステム」と考えていました。
ただ人が集まっているだけでは組織とは言えず、意思を持ってお互いに協調しながら活動するのが組織であるという解釈をしました。
そのうえでチェスター・バーナード氏は、組織を構成する要素として「共通目的」「協働意思」「意思疎通」の3つをあげています。
(参考)「組織と管理」(著:C・I・バーナード、訳:飯野春樹、出版:文真堂)
組織を構成する要素
共通目的
協働意識
意思疎通
共通目的
組織を構成する要素として、「共通目的」があげられます。
共通目的は「組織目的」とも言われ、企業という組織であれば「企業理念」「ビジョン」という言葉で表されるもので、組織に属するメンバー間で共有され、組織を運営するための軸となるものです。
共通目的が企業全体に浸透し定着することで、各部署やプロジェクトなどそれぞれのセクションでの具体的な目標や指標を設定することができるようになります。
共通目的がはっきりと定められていない場合、もしくは定められていても社内で共有されていない場合には、組織の運営や発展のための目標や意味を各従業員が把握できないため、メンバー間のつながりが育たず、組織として団結することが難しくなってしまいます。
また、共通目的の内容は何でも良いというわけではなく、社会的に受け入れられるものであり、かつ市場において有効であるものでなければなりません。
共通目的を定めることによって、企業は社会で支持され、業績を上げて、長く経営を維持することができるため、企業がミッション、ビジョン、バリューを重視しながら経営を行うことが必要です。
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協働意識
組織を構成する要素として、「協働意識」があげられます。
協働意識とは、自身が勤めている企業に「貢献したい」「役に立ちたい」という個人の思いを指します。
担当業務をただ義務的にこなすよりも、企業に貢献したいという思いを持って取り組む方が、従業員ひとりひとりに自主的な姿勢が育つと同時に、従業員間の連携やつながりが生まれやすくなり、組織全体の力が強くなります。
しかし協働意思は、従業員が一方的に企業のために貢献したいと考えるだけでは育ちません。
従業員は企業の目標に応じた成果を出し、企業側は結果を認めて成果に見合った評価を与えるということが協働意思の前提となります。
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意思疎通
組織を構成する要素として、「意思疎通」があげられます。
離職の理由として良く「職場での人間関係」や「コミュニケーションのしにくさ」があげられるように、組織を円滑に機能させるためには、組織に所属するメンバーとメンバーを率いるリーダーとの間でスムーズな意思疎通が行えることが重要です。
メンバーからリーダーへ気軽に話しかけづらい雰囲気があったり、リーダーがあまり積極的にメンバーへ声掛けをしなかったりする風土がある場合、業務全体の生産性にも影響するでしょう。
リーダーとメンバーとの定期面談などのオフィシャルな場はもちろん、普段の業務でも気軽にリーダーとメンバー間でコミュニケーションが取れる雰囲気の職場づくりが大切と言えます。
また定期面談の際には、「1on1」を取り入れることも有効です。
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組織の目的
組織の目的と聞くと、売上額や契約数を始めとした数値化や可視化ができるものを思い浮かべるかもしれませんが、それだけが組織の目標とは限りません。
企業を始めとしたさまざまな場所で、メンバー同士が集まって組織を構成し、維持し続けることにはどのような目的があるのか、組織の目的について、「意義目標」「成果目標」「行動目標」の大きく3つに分けて確認してみましょう。
組織の目的
意義目標
成果目標
行動目標
意義目標
組織の目的として、「意義目標」があげられます。
企業では一般的に、企業理念やビジョンが定められていますが、企業理念やビジョンを達成するために設定されるのが意義目標です。
つまり、企業が社会で存在し活動し続ける意義に関する目標が意義目標です。
意義目標の具体的な例としては、生活に関わるサービスを提供する企業であれば「自社のサービスを通して人々の生活をより良いものにする」、ビール販売会社であれば「ビールの販売を通じて幸せな食事の時間を届ける」などがあげられます。
成果目標
組織の目的として、「成果目標」があげられます。
成果目標とは、各部署や従業員が達成すべきものとして設定される、具体的な数値を指します。
成果目標の具体的な例としては、営業部署で言えば、契約獲得数や特定のサービスの会員数などで、「今期〇〇億円を売り上げる」などがあげられます。
成果目標は、現場で業務に従事する従業員にとっては、意義目標に比べると自身に最も関係する身近な目標と言えます。
行動目標
組織の目的として、「行動目標」があげられます。
行動目標とは、従業員自身が達成したい目標のために自ら設定する目標のことで、基本的にはひとりひとり異なるものです。
行動目標の具体的な例としては、「ひと月に1件は契約を成立させる」「今月は新規の顧客開発〇件を目指す」など、日々の具体的な行動に関係するものがあげられます。
また、従業員ひとりひとりが目標を意識して日々の業務に臨むためには、適切な人事評価を行うことが大切です。
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ドラッカーの組織論における組織の目的
「経営学の父」「マネジメントの権威」とも呼ばれる経営学者のピーター・ドラッカー氏は、組織の目的について独自の理論を展開しました。
ピーター・ドラッカー氏は、組織運営のトップであるマネジメント層が組織を機能させ、社会的貢献へつなげるためには「3つの役割(tasks)」を果たさなくてはならないと考えました。
3つの役割
自らの組織に特有の目的と使命を果たす
仕事を生産的なものにし働く人たちに成果をあげさせる
自らが社会に与えるインパクトを処理するとともに社会的な貢献を行う
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自らの組織に特有の目的と使命を果たす
「自らの組織に特有の目的と使命を果たす」とは、組織やビジネスの場で言うなら、それぞれの企業が担う社会的な目的と使命を果たすという意味です。
例えば、保険会社であれば「自社の保険商品で契約者の万が一のときの補償を行い」、レストランであれば「おいしく安全な食事を提供する」といったことが、企業の社会的な目的や使命を果たすことになり、言い換えれば、「その企業にしか出来ない商品やサービスの提供」をすることとも言えます。
企業が利益を上げて経済価値を生み出すためには、同業他社と同じではなく「自社にしかできない」ものを追求する姿勢が重要です。
自社の「独自性」が自社製品やサービスのファンを増やし、確かな売上につながっていくため、本業以外の様々な業種に手を広げ過ぎることはせず、本来の事業に真剣に向きあうことが大切です。
ピーター・ドラッカー氏は、様々な業種に手を広げた結果、業績不振に陥りかけていたアメリカの企業のコンサルティングを担当した際に、「世界で1位か2位になるつもりの事業だけを残し、後は捨てる」という提案をしました。
実際にその後、厳選した事業に人的資源と資産を投入し、急成長させることに成功しています。
それぞれの企業が独自性を追求し、社会的な役割を果たすことが組織の目的の1つであるとピーター・ドラッカー氏は述べています。
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仕事を生産的なものにし働く人たちに成果をあげさせる
「仕事を生産的なものにし働く人たちに成果をあげさせる」とは、企業で働く従業員が仕事をすることによって達成感や存在意義を感じられることを指します。
企業そのものが利益を上げる一方で、従業員が過剰な労働によって疲労を蓄積させ、自分の能力を活かせていると感じられない状態では、従業員にとって幸せな働き方ができているとは言えません。
仕事の大きな目的は、生活するうえでの収入を得ることですが、人はただ十分な報酬を得られるだけでは幸せに仕事をすることはできません。
自分がした仕事が企業や社会の役に立ち、自分が仕事をすることに意味がある、仕事を通じて自分を活かせていると感じられることによって、前向きに働き続けられるのです。
人は働き続けるうえで何かしらの組織に属し、普段の生活の大半をその中で過ごします。
ピーター・ドラッカー氏が提唱する組織の目的とは、企業が自社で働いている従業員に対して仕事を通して自己実現ができるような環境を整えること、そして従業員ひとりひとりがやりがいを持って仕事をし続けられることが大切であると述べています。
自らが社会に与えるインパクトを処理するとともに社会的な貢献を行う
「自らが社会に与えるインパクトを処理するとともに社会的な貢献を行う」とは、仕事のポジティブな面だけではなく、仕事によって生じたネガティブな面やデメリットにも対応するべきであるということを指します。
例えば、鉄鋼業や電力産業などでは「生産によって汚れた空気などの有害な物質を放出する」ことがあります。
またレストランなどでは、「調理をすることによって熱やにおい、廃棄物である生ゴミなどが生み出される」ことがあります。
組織の目的として、企業の活動によって発生する副産物についても、組織自身が処理をするべきであるということを指しています。
また、ピーター・ドラッカー氏は企業は経営者のものでも株主のものでもなく「社会」のためにあると考えていました。
企業は、社会における人材や資源を預かって事業を運営しているため、社会から求められるものを提供するべきとし、「社会的な貢献を行う」ことにあたります。
また、「社会的な貢献を行う」とは、企業が内外へアピールする「社会貢献活動」とは別のもので、元々は企業の利益のための商品やサービスであっても、結果として社会の中で求められているものになれば、社会のために貢献ができているということになります。
(参考)「マネジメント【エッセンシャル版】」(著:P・F・ドラッカー、編訳:上田惇生、出版:ダイヤモンド社)
組織を良いものにするために必要なこと
より良い組織を作りや、組織活動をし続けていくためには、どのようなことが必要なのか、3つのポイントに分けて確認してみましょう。
組織を良いものにするために必要なこと
適切な人事評価制度の構築
企業のビジョンや理念の共有
スキルを高める教育制度の確立
適切な人事評価制度の構築
組織を良いものにするために必要なこととして、「適切な人事評価制度の構築」があげられます。
良い組織には、従業員ひとりひとりを公正に評価できる人事評価制度が不可欠です。
従業員が企業に貢献したいと思う、協働意思を持つためには、「自分自身の働きを正しく評価されている」「頑張りを認めてもらえている」と感じられることが大切です。
自身が生み出した業績や普段の働き方を公正に評価できる人事評価制度があることによって、従業員ひとりひとりが仕事に対するモチベーションを保つことができ、生産性の高い仕事ができるようになります。
従業員が意欲を持って仕事に取り組める人事評価制度を作るために留意すべき点は、組織で「何が貢献とみなされるか」を明確にしておくことです。
従業員の功績が最大限に認められるためには、企業にとって生産性が高く、事業の発展に寄与する貢献をした場合でしょう。
業務における何が企業にとって大きな貢献になるかを周知することが重要になります。
「何が貢献とみなされるか」を明確にし構築した適切な人事評価制度は、従業員のモチベーションの維持や向上など、結果的により良い組織づくりにつながっていきます。
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企業のビジョンや理念の共有
組織を良いものにするために必要なこととして、「企業のビジョンや理念の共有」があげられます。
企業が持つ一貫したビジョンや理念を従業員へ共有することは、組織の構成要素の1つである「共通目的」につながります。
企業が社会の中でどのような目的を持ち、貢献していきたいのかをはっきりと定め、従業員が知ることができれば、従業員ひとりひとりが仕事をする中での方向性を定めることが可能になり、目標の達成を見据えた自発的な行動を取れるようになります。
また、従業員数の多い大規模な企業になればなるほど、全体がまとまって同じ方向を目指すことが難しくなるため、従業員全体が団結し、同じ目標を目指すために企業理念やビジョンを持つことが重要になります。
企業のトップがビジョンや企業理念を分かりやすい言葉で共有することによって、従業員全体が同じ方向を向いて日々の業務に従事することができ、より生産性の高い団結した組織を作り上げていけるようになります。
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スキルを高める教育制度の確立
組織を良いものにするために必要なこととして、「スキルを高める教育制度の確立」があげられます。
企業が業績を上げて発展し、社会に貢献し続けていくためには、従業員ひとりひとりのスキルの向上が大切です。
従業員が意欲ややりがいを持って仕事をしていることに加え、より高い知識やスキルを持ち、磨き続けていくことで、企業全体としてより良い商品やサービスを提供し続けていけるようになります。
企業側は、研修など従業員が学び続けられる環境を整え、継続的にスキルや技能の向上を支援できるシステムを確立することが求められます。
しかし、教育と言ってもさまざまな要素があり、従業員それぞれが所属している部署や担っている職務によって、必要なスキルや知識は異なります。
また、役職が上がった際には、労務管理や部下の育成、上層部への報告など業務の責任と範囲が広がります。
業務での専門的知識に加えて、働くうえで必要になる幅広いスキルも含めた教育を、共通目的、協働意思、意思疎通の考えに基づいて行うことで、企業全体としてより成長していくことができるでしょう。
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組織を機能させより成長していくために
組織とは、組織を構成するメンバー全員が1つの目標を持ち、それぞれに与えられた業務や作業を行っている集団を指します。
企業が継続的に成長していくためには、「企業のビジョンや理念の共有」を行い、従業員全員が「共通目的」を持って企業に貢献していこうという「協働意識」のもと、目標達成に向けて業務に取り組むことが大切です。
また、組織をより良いものにするためには、「適切な人事評価制度の構築」「企業のビジョンや理念の共有」「スキルを高める教育制度の確立」が大切です。
従業員ひとりひとりが主体的に日々の業務に取り組めるようになるために、企業がまず社会における自社の目的を常に意識し、従業員と社会にとって企業自体がより良い組織になっていけるような制度を整えていくことが必要になります。
「HRBrain タレントマネジメント」は、組織をより良いものにするために必要な、ビジョンや理念の社内浸透や、目標や評価項目を明確化し、納得度の高い人事評価を実現します。
さらに、従業員のスキルマップや、これまでの実務経験、育成履歴、異動経験、人事評価などの従業員データの管理と合わせて、OKRなどの目標管理、1on1やフィードバックなどの面談履歴などの一元管理も可能です。
HRBrain タレントマネジメントの特徴
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従業員、上司、管理者それぞれで項目単位の権限設定が可能なので、大切な情報を、最適な状態で管理できます。
人材データの見える化も柔軟で簡単に
データベースの自由度の高さや、データの見える化をより簡単に、ダッシュボードの作成も実務運用を想定しています。
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