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【3分でわかる】従業員体験(EX)とは?改善のメリットや方法

従業員体験

【3分でわかる】従業員体験(EX)とは?改善のメリットや方法

目次

    終身雇用制度が崩壊しつつある現在の日本では様々な働き方が推奨され、転職することが当たり前になってきました。

    企業では福利厚生の充実化や長時間労働の禁止など、働き方改革を推進することで人材の確保に努めています。

    そこで必要となってくるのが「従業員エクスペリエンス」です。

    従業員エクスペリエンスという言葉を聞いたことがあっても、意味を理解していないという人も多いのではないのでしょうか。

    そこで今回は、従業員エクスペリエンスの意味はもちろん、注目されている背景、従業員エクスペリエンスが向上するメリットなどについて紹介していきます。

    従業員エクスペリエンス(Employee Experience)とは

    従業員エクスペリエンスとは、従業員がその企業で働く上で得られる体験のことです。

    名前の通りですね。

    従業員エクスペリエンスの定義は様々ですが、従業員の満足度や幸福度を高めることを意味していることが多いです。

    従業員エクスペリエンスを向上させることで、生産性の向上や離職率の低下などに繋げることができます。

    ちなみに従業員エクスペリエンスという考えた方はアメリカから広がり、「Employee Experience」を日本語に訳したのが「従業員エクスペリエンス」です。

    頭文字を取って「EX」と呼ばれたりもします。

    最近では日本も従業員エクスペリエンスに注目するようになってきました。
    では、今になってなぜ日本は従業員エクスペリエンスを注目するようになったのでしょうか。

    従業員エクスペリエンス(Employee Experience)が注目されている背景

    従業員エクスペリエンスが注目されている背景は主に5つあります。

    人材の流動化

    従来までの働き方は、1つの会社で定年まで働き続けるということが当たり前でしたが、現在の日本では終身雇用制度が崩壊しています。

    そのため、従業員も定年まで同じ会社で勤め上げるのではなく、いくつかの企業に転職してスキルを磨きながら、自身の市場価値を高めていくという考え方が広まりました。

    その結果、人材の流動化が加速したことで、企業は少しでも自社に定着してもらうために従業員エクスペリエンスに注力するようになりました。

    労働力の不足

    日本全体では少子高齢化と人口の減少によって年々、生産人口の割合が減少傾向です。

    常に人手不足に悩まさている業界も多くあります。

    労働力が不足してしまうと、従業員ひとりひとりの負担がさらに増えて、会社も回らなくなり、離職率が悪化するという負のスパイラルに陥ってしまいます。

    その状況を一刻も早く防ぐためにも、従業員エクスペリエンスを向上させることで、人材の確保・定着を行っているのです。

    働き方改革

    働き方改革も従業員エクスペリエンスが注目される要因です。
    最近では長時間労働が制限され、働き方改革が推奨されるようになりました。

    従来の長時間残業のような働き方ができないため、短い時間でこれまでと同等の仕事量を従業員にはこなしてもらう必要があります。
    そのためにはどうしても生産性の向上が必須になるのです。

    生産性を高めるためには、職場環境や福利厚生などの従業員エクスペリエンスを強化することによって、従業員のモチベーションを上げて生産性を向上させる狙いがあります。

    例として挙げられるのが住宅手当や育休制度、最近ではテレワークなどが挙げられます。

    口コミサイトの普及

    近年、急速にIT化が進んだことで、スマホでなんでも調べられるようになりました。
    それに伴い、転職を検討している人の中には企業の口コミサイトをみて判断するという人も少なくありません。

    現在は、給与面よりも残業の有無や職場の雰囲気などの働き方を重視する人が増えてきました。

    口コミサイトの普及によって情報を簡単に確認することができるので、福利厚生や働き方改革に力を入れているのかが一目でわかります。

    もし、転職と検討している企業の口コミが悪かったらどう思うでしょうか。
    きっと、他の企業を探しますよね。

    知らないうちに優秀な人材が離れてしまうということもあるので、従業員エクスペリエンスを向上させる必要があるのです。

    従業員エクスペリエンス(Employee Experience)を向上させるメリット

    従業員エクスペリエンスを向上させる最大のメリットは、「会社への帰属意識を高めることができること」です。

    帰属意識とは、会社などの集団に属している意識のことです。

    以前までは終身雇用が一般的だったので、自然と会社に対する帰属意識が身についていました。

    しかし、現在では転職するのが当たり前になってきているため、帰属意識の低下が問題となっています。

    そこで、従業員エクスペリエンスを向上させることで帰属意識を高め、定着率の上昇にも繋がるのです。

    また、先ほども述べたように、転職サイトから企業の口コミをみて転職を決める人も少なくありません。

    従業員エクスペリエンスを向上させることで、口コミの評価も上がり、口コミサイト経由で人材を確保することもできるので、求人サイトに掲載する必要はなくなります。

    求人サイトに掲載する必要がなくなればその分の掲載費用を従業員に還元させることで、更に従業員エクスペリエンスを向上させるという好循環となるのです。

    その結果、優良企業と認定され、企業としてのブランディング力も高まるのです。

    従業員エクスペリエンス(Employee Experience)を向上させるためのコツ

    従業員エクスペリエンスを向上させるためのコツを4つ紹介します。

    従業員を理解する

    まずは働いている従業員をひとりひとり理解しましょう。

    なぜなら、従業員エクスペリエンスは働いている従業員に直接関係しているからです。

    従業員が働いていて満足していないのであれば、従業員エクスペリエンスが向上することはありません。

    従業員を理解するためには日頃のコミュニケーションはもちろんですが、定期的に面談をおこなう機会を設けましょう。

    面談などを通して、従業員が会社に対して不満に思っていることや改善してもらいたい点などを聞き出すことで、会社に足りない部分を洗い出すことができます。

    洗い出された内容を改善することによって、従業員エクスペリエンスの向上に繋がります。

    また、従業員がどんな人物であるかも把握した上で管理すること重要です。

    HRBrainでは、現在 EX Intelligenceというプロダクトを提供しており、様々なデータの集取や分析が可能です。

    あらゆる場面で活躍できるツールなので、詳しくはこちらから確認できます。
    EX Intelligence|国内初の従業員エクスペリエンスクラウド

    可視化する

    面談などで従業員から言われた企業の改善して欲しい点や、日頃から不満に思っていることは可視化するようにしましょう。

    可視化することによって内容を忘れることはありませんし、組織全員が課題として認識することができます。

    Radical Participationの意識化

    Radical Participationを意識するようにしましょう。

    Radical Participationとは、従業員が組織に貢献するために組織づくりに対してアクティブに参加することです。

    従業員エクスペリエンスの改善を上層部だけで行ってしまうと、従業員の意見が反映されず、偏りのある組織編成になることも珍しくありません。

    偏りが出ることで従業員のモチベーションの低下につながったり、疎外感をもってしまうということもあります。

    従業員エクスペリエンスを向上させたいのであれば、RadicalParticipationを意識するようにしましょう。

    あくまでも企業は従業員全員で成り立っているということも意識することが重要です。

    成長プロセスを重視

    従業員エクスペリエンスを高めたいのであれば、成長プロセスを重視する必要があります。

    企業として従業員に対し、「最終的にはこうなって欲しい」という理想像があるはずです。

    しかし、理想を掲げたとしても、そこまでのプロセスが整備されていなければ、途中で挫折してしまう従業員も少なくありません。

    大事なのはそこまでの成長プロセスです。

    将来像が決まっているのであれば、そこに到達するまでの成長プロセスをしっかりと設計しましょう。

    従業員目線で成長プロセスには何が必要であるかを考えることが重要です。

    実施規模を徐々に増やしていく

    従業員エクスペリエンスの向上させるための施策を行う際には、徐々に実施規模を拡大させましょう。

    いきなり全ての従業員を対象に行ってしまうと、なんらかの問題が生じた時に対処するのが困難になります。

    最初から成功するということはほとんど無く、ブラッシュアップしていくことでより良い政策になります。

    そのため、小規模から徐々に政策の実施規模を拡大していくようにしましょう。

    Employee Journey Mapとは

    従業員エクスペリエンスを向上させるための秘策となるのが、Employee Journey Map(エンプロイージャーニーマップ)の作成です。

    Employee Journey Mapとは、入社してから退職するまでの過程を時系列順にまとめた表になります。

    Employee Journey Mapを作成しておくことによって、「どのような時に従業員が困ってしまうのか」などをトップダウンからではなく、従業員目線で読み取ることができます。

    従業員目線で読み取ることで、従業員の悩みを先回りして把握し、事前の対策をすることができます。

    Employee Journey Mapは従業員エクスペリエンスを向上させる上で欠かせません。

    Employee Journey Mapの作成方法

    Employee Journey Mapの作成方法は主に6つのステップがあります。

    ①ペルソナの設定

    まず始めにペルソナの設定を行いましょう。

    ペルソナ設定が曖昧だとEmployee Journey Mapを作っても効果が薄いので、なるべく詳細に設定しましょう。

    「ペルソナ」とは、商品やサービスなどを購入してもらいたい架空の人物を作り上げることです。

    性別や年齢、性格など詳細な設定を行いましょう。

    なかなか思いつかないのであれば、実際に働いている従業員に見立てるのもありです。

    ②フェーズを記入する

    続いて、入社から退職するまでのフェーズを記入しましょう。

    一般的なフェーズは以下の流れです。
    入社→オンボーディング→配属→業務→育成→評価→退職

    オンボーディングとは、新しく入社した従業員を育成するためのプロセスのことを指します。

    企業によってフェーズの追加などがある場合には書き足しましょう。

    ③従業員がやりたいことや心境を書く

    フェーズを記入したら、フェーズごとにペルソナ設定した従業員の心境や、やりたいことなどを記入しましょう。

    実際に働いている従業員にアンケートを取って記入する方法もおすすめです。

    ④直面しやすい問題やトラブルを書く

    直面しやすい問題やトラブルなども記入しましょう。

    これらの内容も同様に、実際の従業員に聞いてから現在抱えている問題などを書き出す方法もあります。

    ⑤従業員エクスペリエンスを向上させるための対策などを書く

    直面した問題や、トラブルに対しての対応策・防止策を書くようにしましょう。

    そして、どうやったら従業員エクスペリエンスが向上できるのかなどを具体的に書いておくと効果的です。

    ⑥評価の設定・振り返り

    最終的にはEmployee Journey Mapを作成してどうだったのかを振り返る必要があります。

    もちろん企業によって内容は異なるので、基準を設けた上で評価するようにしましょう。

    実際に作成して足りない部分などを付け足すことによって、よりクオリティの高いEmployee Journey Mapを作成することができます。

    従業員エクスペリエンス(Employee Experience)に注力している企業

    実際に従業員エクスペリエンスに注力している4つの企業を紹介します。

    Airbnb

    民泊サイトを運営している Airbnbは創業から10年以内で企業の評価額が10億ドル以上と言われている「ユニコーン企業」として有名です。

    2016年と2017年の2年間連続で「Best place to Work」に選出されており、従業員が満足して働ける企業であると証明されています。

    Airbnbは従業員エクスペリエンスを特に重視しており、人事部の代わりに「Employee Experience」の専門部署があります。

    従業員エクスペリエンスを向上させる工夫として、オンボーディングプロセスを採用しています。

    オンボーディングプロセスとは、新しく入社する従業員が1日でも早く企業に馴染めるように設計されたカリキュラムのことです。

    初日から入社した従業員のデスク周りを飾り付けして入社を歓迎するようにしたり、1週間かけてAirbnbについての企業理念やサービスの紹介を学ぶそうです。

    また、Airbnbは従業員エクスペリエンスを向上させるための工夫がたくさんあり、社内ツールを使って従業員全員に誕生日を知らせたり、個人のキャリア開発やスキルの習得のためのシステムなども用意されているのです。

    そのため、従業員は常にモチベーション高く業務をおこなうことで、従業員エクスペリエンスの向上に繋がっていると思われます。

    シスコシステムズ

    シスコシステムズは、世界最大のコンピュータネットワーク機器開発会社で、2018年には、「 働きがいのある会社ランキング:大規模部門」で1位を獲得しています。

    シスコシステムズの特徴は、密なコミュニケーションと、魅力的な制度やイベントです。

    シスコシステムズでは、1on1でコミュニケーションを図る文化などがあります。 

    新入社員に対しては「バディ制度」というものがあり、先輩社員と2人1組で行動を共にするので、困ったことがあっても気軽に相談できます。

    また、社員同士の感謝や表彰、感謝の言葉を全従業員で共有するなどの「Connected Recognition制度」というものがあります。

    多種多様なワークスタイルにも柔軟に対応しているので、女性でも働きやすい環境が整備されています。

    また、最近ではテレワーク勤務も増えてきました。

    テレワークでストレスを抱えている従業員に対しては、オンラインヨガやオンライン落語、飲み会や仮面舞踏会など様々なイベントを定期的に開催することで従業員エクスペリエンスを高める工夫を行っています。

    スターバックス コーヒー ジャパン株式会社

    スターバックス コーヒー ジャパン株式会社では、学習する機会を従業員に提供しています。

    実際にスターバックスではアリゾナ州立大学と提携しているので、大学の費用を全て従業員に支給した上で授業を学ばせるという制度を導入しています。

    従業員は自身が学びたい内容を存分に学習することができるので、スキルの向上にもなり従業員エクスペリエンスが高まっています。

    従業員エクスペリエンスの高さから、スターバックスは飲食業界ランキングで1位を獲得しています。

    Netflix

    Netflixは配信登録制のストリーミングサービスを提供しています。

    Netflixの企業文化は「ルールを作らない」、「社員ひとりひとりの自立した意思決定を促し、尊重する」など、「プロセスより社員を重視」することを基本理念として掲げています。

    経費は使い放題で有給休暇などの制度が存在せず、休日や労働時間などが全て自己判断に委ねられています。

    自分の裁量に合わせた働き方ができるので、これこそまさに究極の働き方改革と言えるでしょう。

    まとめ

    今回は、従業員エクスペリエンスが注目されている背景や向上させるためのコツについて紹介しました。

    現在の日本は終身雇用が崩壊しつつあることで転職するのが当たり前となり、定着率の低下に悩んでいる企業も少なくありません。

    定着率を伸ばしたいのであれば、従業員エクスペリエンスを改善する必要があります。

    従業員エクスペリエンスを改善するための方法として、従業員を理解し、Employee Journey Mapなどを作成することが必要なのです。

    この記事を参考に、従業員エクスペリエンスの向上に注力してみてはいかがでしょうか。

    HR大学 編集部

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