EVP(Employee Value Proposition)とは?意味や事例と導入方法や効果を解説
- EVPとは
- EVPが注目される背景
- EVPの具体的な内容
- EVPの導入で期待される効果
- 企業理念などの浸透
- 従業員エンゲージメントの向上
- 採用競争力の向上
- 離職率の改善
- EVPの導入手順とポイント
- 自社の分析
- 他社の分析と比較
- EVPの決定と導入
- EVPの従業員への周知
- EVPの企業事例
- EVPの企業事例:ソニーグループ株式会社
- EVPの企業事例:株式会社日立社会情報サービス
- EVPの企業事例:日本マクドナルド株式会社
- EVPは企業価値の向上には欠かせない要素
EVPとは、「企業が従業員に提供できる価値」を指します。
人材の流動性が高まり、人材獲得競争が激しくなっている現在の市場において、「優秀な人材を確保」し、企業価値の向上を図るうえで、EVPは重要な要素です。
この記事では、EVPの意味や何の略なのか、EVPの導入で期待される効果、EVPの導入方法、EVPを高めるためにすべきこと、EVPを導入している企業の事例について解説します。
自社の「EVP」を知るための効果的な「サーベイ」実施方法
EVPとは
EVPとは「Employee Value Proposition」の略で、日本語で「従業員価値提供」と訳され、企業が従業員に提供できる価値のことを指します。
EVPを高めることで、「従業員エンゲージメントの向上」や「採用競争力の強化」を行うことが可能です。
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EVPが注目される背景
EVPが注目される背景には「人材の流動性の高まり」があります。
2011年以降、転職者は増加し、人材の流動性は年々高まっています。
そんな中、優秀な人材に選ばれる企業になるために、従業員に対してどのような価値を提供できるかを明確にし、発信することが重要になっています。
従業員が「この会社にいたい」、求職者が「あの会社で働きたい」と思えるような価値を提供することで、優秀な人材を確保し、企業価値を向上させることにつながるため、従業員への価値提供であるEVPが注目されるようになりました。
優秀人材の抽出や確保のためのデータ管理
EVPの具体的な内容
人材の確保のために重要なEVPですが、実際に企業が価値を提供する方法はさまざまです。
例えば、「ミッションやビジョン」「企業文化(カルチャー)」「成長環境」「職場環境」「報酬や待遇」「福利厚生」などがあります。
その中でも分かりやすいのが「報酬や待遇」「福利厚生」といった実際にお金や体験として得られる価値です。
一方で、「ミッションやビジョン」「企業文化」といった概念的なものもEVPになります。
これらの概念的なEVPは、従業員が企業でモチベーション高く働く上で、重要な要素となります。
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EVPの導入で期待される効果
EVPを実際に導入するとどのような効果が期待できるのか、具体的に期待される効果について確認してみましょう。
EVPの導入で期待される効果
企業理念などの浸透
従業員エンゲージメントの向上
採用競争力の向上
離職率の改善
企業理念などの浸透
EVPの導入で期待される効果として、「企業理念などの浸透」があります。
企業理念などに沿ってEVPの設計を行うことで、従業員は提供された価値から企業の掲げる理念などを意識することができるようになります。
また、企業が掲げる理念やミッション、ビジョン自体がEVPでもあります。
そのため、企業理念などに従業員が価値を感じられるようになると、企業理念などが従業員に浸透してきていると言えるでしょう。
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従業員エンゲージメントの向上
EVPの導入で期待される効果として、「従業員エンゲージメントの向上」があります。
EVPが充実することで、従業員は企業に対して高い価値を感じるようになります。
高い価値を提供してくれる会社に対して、従業員は「もっと貢献したい」と思ったり、ミッションに共感することで「会社のミッション実現に向けて頑張りたい」と思ったりするようになり、従業員エンゲージメントの向上が期待できます。
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採用競争力の向上
EVPの導入で期待される効果として、「採用競争力の向上」があります。
EVPは社内の従業員に向けた価値提供であると同時に、求職者に向けた企業の価値アピールでもあります。
求職者が他社に比べて、入社することで自分にとってメリットがあると感じられる価値を提供することで、採用競争力の向上につなげることができます。
離職率の改善
EVPの導入で期待される効果として、「離職率の改善」があります。
企業に在籍していることで得られる価値が他社に比べて高いと従業員が感じるのであれば、離職率を減少させることができます。
さらに、採用競争力の向上と合わせて、優秀な人材の確保が期待できます。
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EVPの導入手順とポイント
EVPの考え方を取り入れ、実際に従業員に提供する価値を形にしていくためには、どのようにすれば良いのか、EVPを取り入れるための手順とそのポイントについて確認してみましょう。
EVPの導入手順
- 自社の分析
- 他社の分析と比較
- EVPの決定と導入
- EVPの従業員への周知
自社の分析
EVPを作成するために、まずは自社の分析を行いましょう。
分析内容は、「職場環境」「各種人事制度」「福利厚生」「企業文化」などです。
分析を行うことで、現在自社が従業員に提供している価値が何なのかを多角的に把握します。
また、従業員が会社に対して何を求めているのかを把握することも大切です。
実際に従業員に対してアンケートなどを通してヒアリングすることで、より多くの人の意見を集めるようにすると良いでしょう。
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他社の分析と比較
他社の分析を行い、自社と他社とを比較して自社には「どのような点が優れていて独自性があるのか」を見極めるようにしましょう。
他社と同じ程度の価値では、従業員や求職者は自社に対して特別な価値を感じにくいです。
「自社にしか提供できない価値は何なのか」「自社の強みとは何か」を見極め、EVPを考えるようにしましょう。
EVPの決定と導入
自社と他社の分析をすることによって、自社の強みを知ることができたら、その強みを活用する形でEVPを決定していきましょう。
EVPを決定していく際には、人事部などの担当者だけではなく、現場や経営層など、多くの従業員を巻き込んで設定すると、実効性の高いEVPを作ることが可能になります。
また、EVPは一度導入して終わりではなく、従業員の反応や求職者の増減など、反応を見て改良を重ねていくようにしましょう。
EVPの従業員への周知
導入したEVPを従業員へ周知し、EVPを認識して、活用してもらえるようにしましょう。
せっかくEVPを作っても従業員が知らない状態では、価値を提供できていないことになってしまいます。
そして、社内の従業員だけでなく、外部の求職者などに対しても、企業サイトや企業説明会などの場を使って発信していきましょう。
このように、社内外に広く認識してもらうことで、初めてEVPの効果が期待できます。
EVPの周知と社内浸透に役立つ
EVPの企業事例
実際にEVPを取り入れている企業はどのような考えをもって価値を提供しているのか、具体的な企業の事例について確認してみましょう。
EVPの企業事例:ソニーグループ株式会社
ソニーグループ株式会社では、人材を「個」として捉え、個の自律性と挑戦を尊重し、会社と従業員との対等な関係を前提に、「都度、お互いに選び合い、応え合う」企業文化を大切にしています。
こういった企業文化や「個性あふれる多様な従業員ひとりひとりが生み出す価値を最大化する」という考え方から、これまで多くの価値提供を従業員に行っています。
ソニーグループのEVPの例として、「各種アワードの実施」「グローバルリーダー育成プログラムの実施」「仕事とライフイベントの両立支援制度」などがあげられます。
(参考)ソニーグループ株式会社「サステナビリティレポート 2023」
EVPの企業事例:株式会社日立社会情報サービス
株式会社日立社会情報サービスは、「教育制度」「ワーク支援」「ライフ支援」という3つの点から従業員への価値提供を行っています。
人材教育制度としては、「個人に寄り添ったキャリア形成支援」「事業を支える人財育成」「各種資格取得支援」を用意し、従業員の教育に力を入れています。
また、ワークとライフの支援制度を充実させることで、従業員が安心して長く働きやすい環境を提供しています。
(参考)株式会社日立社会情報サービス「EVP(福利厚生・教育)について」
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経営戦略と連動した「人材育成」を実現する方法
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EVPの企業事例:日本マクドナルド株式会社
日本マクドナルド株式会社では、従業員が最も価値を置いていることをサポートし、より多くの価値を提供するプログラムを実行しています。
その内容は多岐に渡りますが、特に従業員の育成制度に力を入れています。
従業員の育成制度の一部をあげると、「最新の教育理論及び手法を用いて人材育成に取り組むハンバーガー大学」「価値あるアルバイト経験とするための仕組み」「成長をサポートする評価制度」などがあります。
その他にも、ワークライフバランスの充実を目指した各種制度の整備や多様性を尊重する取組み等、多くの価値を従業員に提供しています。
(参考)日本マクドナルド株式会社「McDonald's Sustainability Report 2022」
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人材育成を実現するための「人事評価」のポイントを解説
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EVPは企業価値の向上には欠かせない要素
EVPとは、「企業が従業員に提供できる価値」を指します。
人材の流動性が高まり、人材獲得競争が激しくなっている現在の市場において、「優秀な人材を確保」し、企業価値の向上を図るうえで、EVPは重要な要素です。
自社が従業員に提供できる価値は何かをしっかりと把握し、EVPを導入し企業価値向上をはかりましょう。
EVPは多岐に渡りますが、「ミッションやビジョン」「企業文化(カルチャー)」「成長環境」「職場環境」「報酬や待遇」「福利厚生」「評価制度の適切な運用」などがあり、これらを通して、企業は従業員へ価値を提供します。
「HRBrain タレントマネジメント」はEVPに必要な「自社の価値の把握」や、従業員データの管理と見える化による「評価の透明性」など風通しの良い社内環境を実現することでEVPの導入「企業価値の向上」を可能にします。
また、従業員のスキルマップや、これまでの実務経験、研修などの育成履歴や、異動経験、人事評価などの従業員データの管理と合わせて、1on1やフィードバックなどの面談履歴、OKRなどの目標設定と進捗管理などを一元管理します。
HRBrain タレントマネジメントの特徴
検索性と実用性の高い「データベース構築」を実現
運用途中で項目の見直しが発生しても柔軟に対応できるので安心です。
柔軟な権限設定で最適な人材情報管理を
従業員、上司、管理者それぞれで項目単位の権限設定が可能なので、大切な情報を、最適な状態で管理できます。
人材データの見える化も柔軟で簡単に
データベースの自由度の高さや、データの見える化をより簡単に、ダッシュボードの作成も実務運用を想定しています。
▼「タレントマネジメント」についてさらに詳しく
【完全版】タレントマネジメントとは?基本・実践、導入方法まで解説
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