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顧客満足度と従業員満足度の相関関係を解説!企業事例も紹介

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顧客満足度と従業員満足度の相関関係を解説!企業事例も紹介

目次

    従業員満足度と顧客満足度とは?

    多くの企業において「顧客満足度(CS)」は業績向上を目指すうえで重要な指標であると捉えられていますが、「従業員満足度(ES)」についても同様に注目する企業が増えてきています。最近では「ESなくしてCSなし」と言われるほど、従業員満足度と顧客満足度は相関関係の強いものとして認識されており、どちらも企業の発展に欠かせない指標となっているのです。

    この記事では「従業員満足度」と「顧客満足度」がどのように関わり合っているのかといった相関関係や、満足度を向上させるために押さえておくべきポイントについて紹介していきます。まずは「従業員満足度」と「顧客満足度」、それぞれが示す言葉の意味について振り返りましょう。

    従業員満足度とは?

    従業員満足度とは、仕事内容・職場環境・人間関係・給与待遇・福利厚生・ワークライフバランスなど、「仕事・職場に関して、どれくらい満足しているのか」を示す指標です。「適性のある業務が割り振られている」「従業員同士で良好な関係が築けている」といった場合は従業員満足度が高まり、「能力に合わない業務が与えられている」「職場の風通しが悪い」といった場合には従業員満足度が低下する傾向にあります。

    従業員満足度が向上することによって、生産性の向上や離職率の低下、それにともなう採用コストの削減やノウハウの蓄積といったメリットがあります。

    顧客満足度とは?

    顧客満足度とは、「企業が提供する商品・サービスに対して、顧客がどれくらい満足しているのか」を示す指標です。これには顧客の期待値が大きく関わっており、「想像よりも良い商品・サービスだった」と感じれば顧客満足度は高くなります。逆に「期待していたほどではなかった」「商品は良かったけどスタッフの対応がイマイチ」というように、期待値よりも商品やサービスのクオリティが下回ると、顧客満足度は低くなります。

    顧客満足度が向上することによって、ロイヤルティが高まるため、リピート率上昇やクチコミの拡散による新規顧客の獲得といったメリットを得ることが可能です。

    従業員満足度が上がると顧客満足度も上がる?相関関係を解説

    前述した通り、従業員満足度と顧客満足度には相関関係があると言われており、特に接客業ではその関係が顕著に現れます。ここでは、従業員満足度と顧客満足度の関連性について『サービス・プロフィット・チェーン(略してSPC)』というフレームワークを用いて解説していきます。

    サービス・プロフィット・チェーン(SPC)とは

    サービス・プロフィット・チェーンとは、「従業員満足度・顧客満足度・企業利益の間には因果関係がある」とした考えで、1994年にハーバードビジネススクールのヘスケット教授とサッサー教授によって提唱されています。

    サービス・プロフィット・チェーンのフレームワークでは、7つの段階が円滑に循環することで、従業員・顧客・企業の3者に良い影響をもたらすとされており、その流れは以下の図の通りです。

    サービス・プロフィット・チェーン

    「業績向上」というゴールから逆算していくと、業績向上のためには、高い顧客満足度を獲得する必要があり、高い顧客満足度を獲得するためには、期待値を超えるサービス・商品を提供する必要があります。そして、高品質なサービスや商品が生み出せるかどうかは、従業員のパフォーマンス力にかかっており、従業員が最大限のパフォーマンスを発揮するためには、職場における満足度を向上させる必要があります。

    「従業員が働きやすいと感じられる環境づくり」は、業績向上や顧客満足度の向上を目指すうえでとても重要であり、全ての基盤・原点になるとも言えます。

    従業員満足度を上げるために大切なこと

    前述した通り、業績向上と顧客満足度の向上を目指すためには、まず従業員満足度から向上させる必要があります。ハーズバーグの二要因理論によると、従業員満足度は「動機付け要因」と「衛生的要因」という2種類の要因によって構成され、動機付け要因は「満足度を高める要因」、衛生的要因は「満足度を低下させる要因」だとしています。

    ハーズバーグの二要因理論

    動機付け要因には、仕事の内容・責任権限・昇進・成長・承認・達成などが含まれるため、「やりがいのある仕事か」「裁量をもって仕事ができているか」「成果が承認される環境か」といったところが重要なポイントになります。衛生的要因には、企業方針への共感・労働環境・人間関係・給与などの要素が含まれるため、「風通しの良い職場か」「ポジションに見合った給料か」「快適に仕事をする環境が整っているか」といったところがポイントになります。

    そのため、満足度を高めるためには、まず衛生的要因で満足度の基盤を整え、次に動機付け要因で満足度を高めていく必要があるとされています。ここでは、動機付け要因と衛生的要因を満たすためにポイントとなる点について紹介していきます。

    ▽ハーズバーグの二要因理論について詳しく知りたい方は、こちらをご確認ください。
    従業員満足度(ES)とは?満足度構造や各社の取り組み事例を紹介!

    動機付け要因①:適性のある仕事内容か

    仕事内容に関する満足度を高めるためには、従業員のスキル・能力・興味関心を考慮して人材配置を行うことが大切です。いくら高いスキルや能力があったとしても、アウトプットされなければ宝の持ち腐れになってしまいます。強みや得意分野が活かせるポジションであれば、それが商品やサービスとして顧客の元に提供されるため、顧客満足度の向上も期待できるでしょう。ひとりひとりのスキルやキャリアの管理が難しい場合は、人材管理システムを活用するのもおすすめです。

    動機付け要因②:責任・権限が付与されているか

    責任のあるポジションや権限、裁量を与えると、従業員の自己肯定感やモチベーションが高まります。行動や発想に主体性が生まれ、企業独自の価値やサービスの創出にもつながるでしょう。ルールやマニュアルに固執しすぎると、思考が停止して仕事が作業化してしまう恐れがあります。「絶対守るべき方向性」を定めたうえで細かい業務の進め方などは任せる、といった方法がおすすめです。なお、その際「嫌な仕事を押し付けられた」「丸投げされた」という印象を与えないように、業務の説明やフォローは丁寧に行うことが大切です。

    動機付け要因③:成長・昇進できる環境か

    「もっと出来るようになりたい」「もっとこうなりたい」など、従業員の成長・昇進意欲を高められる環境づくりを行うことが大切です。従業員ひとりひとりの成長度合いを把握し、レベルに見合った業務・ポジションを割り振るようにすると良いでしょう。また、成長意欲を高めるためには、自分自身の成長過程を振り返ることも大切です。スキルマップを活用して成長過程を管理したり、それに基づきフィードバックを行ったりすると良いでしょう。第三者の視点が加わることによって、より成長を実感しやすくなります。

    動機付け要因④:達成したら承認される文化か

    第三者に自分の頑張りが認められることで、従業員は承認欲求を満たすことができ、「次も頑張ろう」といったモチベーションにつなげることができます。本人に直接言葉で伝えるのはもちろん、社内表彰などによって「承認していること」が伝わりやすい環境を目指すと良いでしょう。また、専用のカードやチャットツールを活用して承認文化を醸成している企業もあります。風通しの良い社風づくりにもつながるため、参考にしてみるのも良いでしょう。

    衛生的要因①:企業理念が浸透しているか、共感されているか

    企業理念には、経営目標や行動指針になるものが含まれており、企業の発展を目指すうえではとても重要です。定期的に企業理念を発信する場を設けると良いでしょう。

    よくありがちなのは、「企業理念に共感して入社したのに日々の業務をこなすうちに忘れ去られてしまう」「企業理念と上司の指示がズレていてどうしたらいいか分からない」といった事象です。企業理念の解釈にズレが生じている可能性もあるため、より具体的な行動イメージがしやすいように、「企業理念に沿っている」と感じた従業員の行動を実例として紹介するのもおすすめです。

    衛生的要因②:快適な労働環境があるか

    ワークライフバランス・福利厚生・社内インフラの整備を行い、「働きやすい」と感じることができる職場環境を目指しましょう。まずはテレワークの承認や、休暇申請しやすい雰囲気づくりなど、出来るところから1つずつ取り組んでいくと良いでしょう。

    「テレワークできちんと仕事をしているか不安」という場合には、テレワーク前後で生産性に変化が生じていないかどうか、試験導入とモニタリング調査を行ってみるのもおすすめです。また、「人手不足で休暇申請しづらい空気がある」という場合には、業務の進め方・優先順位の付け方などを見直して改善できる点がないかどうか探してみましょう。「無駄な会議が多かった」「作業が二度手間で非効率的だった」など、意外と見直す点が多いこともあります。

    衛生的要因③:良好な人間関係が構築できているか

    良好な人間関係が築けていると、従業員の心理的安全性が高まり、業務の生産性も向上させることができます。チャットツールや社内報などを活用し、互いの業務に対する理解が深まるように工夫すると良いでしょう。

    令和2年に実施された『雇用動向調査結果(厚生労働省)』によると、女性の離職理由における第2位は「職場の人間関係が好ましくなかったため」となっています。人間関係は、「コミュニケーション不足による認識相違」や「価値観の多様性を受け入れられない余裕のなさ」が原因で悪化するケースが多くなっています。従業員の個人的な性格が起因するなど、対応が難しい場合もありますが、1on1ミーティングでヒアリングを行ったり、シャッフルランチなどで「アイスブレイク」の機会を設けたりすることで、コミュニケーションの機会を創出すると良いでしょう。

    衛生的要因④:適切な給与が支払われているか

    自分の働きに見合った給与が支払われていることは、モチベーションの維持にもつながるためとても重要です。そして、働きぶりに見合った給与を支払うためには、評価制度の構築が欠かせません。評価業務は、「評価者の勘や経験に左右される」「ブラックボックス化しやすく、その結果不満も生まれやすい」といった傾向が多く見られるため、評価基準を明確にし、評価者の感情に左右されない仕組みづくりを行うことが大切です。最近では、公平性や妥当性を高めるために、MBOや360度評価を取り入れる企業も多く見られます。

    まとめ

    本来の業務に100%打ち込むためには、動機付け要因と衛生的要因が満たされている必要があります。これらが満たされていることによって、心に余裕が生まれ、顧客への対応にも余裕が生まれるのです。

    業績や顧客満足度を向上させるための取り組みを従業員に強要するのではなく、「企業発展のために貢献したい」「顧客にサービスの良さを知ってもらいたい」など、従業員が自発的に思えるような環境づくりを行うことが重要であると言えます。

    従業員満足度と顧客満足度が高い企業事例を紹介!

    サウスウエスト航空

    サウスウエスト航空は、アメリカのテキサス州を拠点とする格安航空会社です。従業員第一主義をかかげながらも、『世界で最も安全な航空会社TOP20(2021年版)』や『新型コロナウイルス対策に優れている航空会社TOP20(2021年版)』に選出されており、1973年から新型コロナウィルス流行前までの約50年間、黒字経営を続けてきた企業です。

    サウスウエスト航空では「顧客に満足してもらうため、楽しんでもらうための行動・意思決定」を従業員に任せており、その裁量権の大きさが顧客満足度につながっています。

    • ジョークを交えた機内アナウンス
    • ラップによる機内アナウンス
    • 荷物棚に隠れたCAによる搭乗時のサプライズ
    • パイロットによるフライト中の観光案内
    • 誕生日の乗客に歌のプレゼント

    上記はすべて、従業員が「顧客に楽しんでもらうため」に考え、行動に移した結果であり、実際に顧客からもその独自性・親しみやすさから高い評価を得ています。従業員ひとりひとりに裁量が与えられることで、仕事にやりがいや面白さを感じることができるほか、顧客に独自の価値を提供することにも成功していると言えます。

    スターバックスコーヒー

    スターバックスは、従業員エンゲージメント・顧客ロイヤルティが高いことでよく知られています。スターバックスに対する愛着から、選考を受けて従業員になるケースも多く、顧客ロイヤルティが、そのまま従業員エンゲージメントの醸成に活かされている点が特徴的です。

    スターバックスでは、創意工夫に富んだサービスを提供するため、接客に関する詳細なマニュアルは用意されていません。従業員ひとりひとりが顧客に喜んでもらうために、自主的に工夫を凝らしており、ドリンクカップにイラストやメッセージを添えてくれたり、おすすめのカスタマイズを紹介してくれたりするのはその一例です。

    また、承認・賞賛の文化をとても大切にしており、従業員の良いと思った行動はメッセージカードにして渡し合うという取り組みが実施されています。顧客に喜んでもらって終わりではなく、従業員同士でその行動を承認・賞賛し合うことで、風通しの良い組織風土づくりにもつながり、向上心もさらに高まるという良いサイクルを生み出しています。

    Netflix

    Netflixは、動画ストリーミングサービスを提供する企業です。顧客満足度ランキングでは常に上位にランクインしており、『オリコン 定額制動画配信ランキング』では2017年~2020年まで4年連続1位を獲得、2021年も2位につけており、世界的なヒット作品をいくつも生み出しています。

    高い顧客満足度を維持しているNetflixですが、ビジネス特化型匿名SNS「Blind」が行った『社員幸福度調査』でも1位を獲得しており、従業員満足度も高いことが判明しています。専門性に長けたメンバーであることが求められ、結果が振るわない場合はただちに退職を促されるといったシビアな一面もありますが、その反面、以下のような働きやすい環境は約束されており、それが生産性・満足度・作品レベルの高さにもつながっています。

    • 最高水準の給与が支払われる
    • 最大限の裁量が与えられる(経費・契約・支出など)
    • 働く場所・時間はコントロールできる
    • 休日日数を自由にコントロールできる
    • 反対意見が積極的に拾われる

    「ぶら下がり社員」は即座にリリースし、本当に必要な人材だけを社内に残すことで、クオリティの高い作品を生み出し続けることにつながり、結果的に顧客満足度の向上にも成功しています。仕事に安定を求める人にとっては厳しい環境になりますが、成果の創出にコミットし続けられる人にとっては非常に働きやすい職場環境が提供されていると言えます。

    まずは従業員満足度調査から。顧客満足度と並行実施も◎

    業績を向上させるためには、提供するサービスや商品を利用してくれる顧客の存在が不可欠です。そして、顧客の期待に応えるサービスや商品をつくるためには、従業員の存在がとても重要です。従業員が不満を抱えている状態では、顧客の期待に応えられるような高品質なサービス・商品の創出は難しいため、まずは従業員の「不満足要因」を解消することから取り組むと良いでしょう。不満が解消されモチベーションが上がることで、より高いパフォーマンス力を発揮することができ、顧客満足度の向上にもつながるはずです。

    また、現状の従業員満足度状況を知りたい場合は、アンケート調査の実施がおすすめです。顧客満足度調査と並行して行うことで、「従業員の不満足要因」と「顧客の不満足要因」の関連性についても、分析しやすくなるでしょう。

    顧客満足度・従業員満足度調査

    HRBrainでは、人事評価や、人材情報管理だけでなく、アンケート機能も搭載されているため、質問項目の策定やデータの収集・集計・分析をカンタンに行うことができます。「従業員満足度調査のやり方が分からない」という場合には、ぜひ資料請求導入を検討してみてください!

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    HR大学 編集部

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    • 【人事コンサルタント監修】人事評価設計マニュアル
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